黄桜

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黄桜株式会社(きざくら、: Kizakura Co.,Ltd.)は、京都府京都市伏見区横大路に本社を置く大手日本酒製造会社である。

主として、清酒「黄桜」の製造販売をおこなうが、近年では地ビールの製造販売や、レストラン業の経営なども手掛けている。

コーポレート・スローガンは「くつろぎ、うるおい、かがやく。Kizakura」。

概要

社名の由来は、社長が黄桜の花(淡く緑色がかった白い花を咲かせるサトザクラの一種)を好んだことから。漫画家・清水崑が描く河童を長期にわたりマスコットとしており(清水の没後、1974年からは漫画家の小島功がデザインを担当)、「河童の歌」(かっぱの唄)(作詞:徳力千鶴、作曲:田中正史、歌:楠トシエ)等を数十年に渡って使用している。なお「河童の歌」の冒頭にあるシャックリも歌詞の一部だが、シャックリを歌詞と思っていない人も多い。また、河童のイメージが現在でも大変強い。

2006年9月30日までは、黄桜酒造株式会社(きざくらしゅぞう)の社名であったが、清酒以外にも拡大の幅を広げるため、翌10月1日より、「酒造」を外した現在の社名に変更された。あわせてこの時より、「河童の歌」を使ったCMの放映を再開した。

大塚製薬日産自動車とともに読売グループとのつながりが深く、読売新聞の第一面の2ベタ広告や、後楽園球場時代にスポンサーとして協賛してから、その後1988年に開場した東京ドームで以後のスポンサー活動など、現在に至るまで長い関係が続いている。そんな中、2007年10月11日から同年11月までの間、かつて野球界を揺るがせた「空白の一日」と呼ばれる「江川事件」の当事者同士である、江川卓(元巨人投手、日本テレビ野球解説者)と小林繁の両人が"初共演"した、「和解の酒」CMが放映された[1][注釈 1]

醸造所は京都・伏見本社と兵庫県丹波にある。東京都港区台場にあるメディアージュに出店した直営レストラン用に小さな醸造所を併設したが、2009年9月にレストランと共に閉鎖した。また伊勢神宮の神田で1989年に発見されたコシヒカリの変種「イセヒカリ」を使用した清酒を限定生産している[注釈 2]。丹波醸造所で造られる丹波の黒豆を用いた発泡酒インターナショナル・ビアコンペティション2013で銅メダルを受賞している。

2008年9月より、これまで使用してきた「くつろぎの一献」から、前述の「くつろぎ、うるおい、かがやく。」にスローガンを変更している。

沿革

  • 1925年(大正14年)、伏見の蔵元・澤屋(現:松本酒造)の分家として創業。
  • 1951年(昭和26年)、法人化して、株式会社松本冶六郎商店を設立。
  • 1964年(昭和39年)、社名を黄桜酒造株式会社に変更。
  • 1966年(昭和41年)、金印「黄桜」販売開始。
  • 1969年(昭和44年)、本造り「黄桜」販売開始
  • 1982年(昭和57年)、パック入りの日本酒「呑」販売開始。
  • 2006年(平成18年)、10月1日、現在の社名・黄桜株式会社に変更。

主な商品

  • 本造り黄桜
  • 金印黄桜
  • 呑(ドン)
  • 辛口一献
  • 山廃仕込
  • 生酒本醸造
  • ホワイトナイル[注釈 3]
  • 日本酒ハイボール

工場

  • 三栖:京都府京都市伏見区横大路下三栖梶原町53
  • 丹波:兵庫県篠山市今田町本荘字堂ケ谷1-19

受賞歴

全国新酒鑑評会

平成14酒造年 - 29酒造年[2]

  • 「黄桜」金賞受賞 - 平成29年受賞

企業博物館

ファイル:Kizakura Kappa Country Kyoto JPN.jpg
キザクラカッパカントリー(京都市伏見区)

主なTVCMの出演者

現在

「呑」については、2009年〜河童のアニメを使用していた時期があった。

以前

※×は故人。

提供番組

現在

ローカル提供

過去

ローカル提供

ほか

トリビア

黄桜の製品である「呑」のCMは最後に「き~ざくら~ どん!」の声で締められるが、『探偵!ナイトスクープ』の2016年12月16日放送回において、とある夫婦の妻だけが、この「どん!」が「へい!」と聞こえるという謎の現象が取り上げられ、竹山探偵が調査を行ったところ、相談者夫婦の妻以外でわずか2人だけながら「へい!」と聞こえる人間が現れ(内1人は番組のスタッフ)、黄桜にも直接調査を行うが応対した面々からは「発売以来一貫して、『どん』です」と返された。その後、東京都内の日本音響研究所において問題の部分の分析を行った結果、声紋の母音である「お」だけでなく「えい」が含まれていることが判明し、この上で「えい」の音域を除いた加工音をスピーカーから流すことで夫婦の妻は初めて「どん」として聞こえることが出来た。そして、西田局長らを交えたスタジオにて竹山探偵は「どん」の音の裏にいくつかの音が混ざっているから人によっては「へい」と聞こえるとの結論を出した。なおこの時スタジオの観客に「へいと聞こえる人は?」と尋ねたところ、数人の観客が手を挙げていた。

注釈

  1. 小林死去の当日、江川が司会する日本テレビ系のスポーツ情報番組『SUPERうるぐす』にて、小林の訃報とともに「和解の酒」CMの裏話を放送した。
  2. 特別純米生貯蔵酒「伊勢乃穂明」のこと。
  3. 黄桜株式会社が早稲田大学および京都大学と共同開発したビール(2006年4月発売)。原材料の一部に古代エジプト発祥のエンマー小麦を使用。姉妹品として、エンマー小麦の代わりに近縁のデュラム小麦を用い、ユズコリアンダーを加えた発泡酒「ブルーナイル」(2007年8月発売)、赤銅色のハイアルコールビール「ルビーナイル」(2008年9月発売)、ノンアルコールタイプの「サイファーナイル」(2010年7月発売)がある。

脚注

  1. 黄桜CMで、小林繁さん・江川卓さんが初共演!!2007-10-12 黄桜株式会社ニュースリリース
  2. 独立行政法人 酒類総合研究所 -「全国新酒鑑評会 入賞酒一覧表」
  3. “真野恵里菜、テーマは「色っぽい新妻」…黄桜「呑」新CM出演”. スポーツ報知. (2016年9月1日). http://www.hochi.co.jp/entertainment/20160901-OHT1T50114.html . 2016閲覧. 
  4. 江川と小林は江川が読売巨人軍に入団する際のトラブル(詳細は江川事件の項目を参照)により共演はNGと考えられており、小林も当初は出演するつもりはなかったが、江川の「小林さんさえよければやりたい」との意向を知り共演が実現し、2人の共演は大きな話題となった。
  5. 2016年4月-9月は土曜深夜、2016年10月-は日曜深夜

関連項目

外部リンク