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『'''悪魔の詩'''』(あくまのし、あくまのうた、訳書にルビはない。原題:''The Satanic Verses'')は、[[1988年]]に発表された、[[イギリス]]の作家[[サルマン・ラシュディ]]が[[ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ|ムハンマド]]の生涯を題材に書いた[[小説]]である。[[日本]]では、[[筑波大学]][[助教授]][[五十嵐一]](いがらし ひとし)によって日本語訳(『悪魔の詩(上・下)』、新泉社、[[1990年]])がなされた。
 
  
イギリスでは1988年[[ブッカー賞]]最終候補となり、また同年の[[ホワイトブレッド賞]]小説部門を受賞するなど高い評価を得る一方、現代の出来事や人物に強く関連付けられた内容が[[ムスリム]]社会では冒涜的であると受けとられ、激しい反発を招いた。この結果、一連の焚書騒動、[[イラン]]最高指導者[[アヤトラ・ホメイニ|ホメイニ]]によるラシュディの死刑宣告に続き各国の翻訳者・出版関係者を標的とした[[暗殺]]事件が発生した。
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#転送 [[『悪魔の詩』事件]]
 
 
==あらすじ==
 
{{要あらすじ}}
 
 
 
==イスラーム批判==
 
イスラームの聖典[[クルアーン]]中に神の預言として、[[メッカ]]の[[多神教]]の神々を認めるかのような記述がなされている章句があったとの伝承がある([[星 (クルアーン)#ガラーニークの逸話|ガラーニークの逸話]])<ref>伝承ではクルアーン第53章19節から22節、『あなたがたは、[[アッラート]]と[[アル・ウッザー|ウッザー]]を(何であると)考えるか。 それから第3番目の[[マナート]]を。あなたがたには男子があり、かれには女子があるというのか。それでは、本当に不当な分け方であろう。』の部分に挿入されていたと伝えられる。</ref>。伝承では、後に預言者[[ムハンマド]]は、その章句を神の預言によるものではなく悪魔によるものだとして取り除いているが、ラシュディはこれを揶揄したとされる。具体的に言うと、原題の The Satanic Versesはクルアーンそのものを暗示しているとも見られる。この他にも、ムハンマドの12人の妻たちと同じ名前を持つ12人の売春婦が登場するなどイスラームに対する揶揄が多くちりばめられておりイスラームに対する挑発でもあったとされる。
 
 
 
==死刑宣告とその影響==
 
『悪魔の詩』の出版は、その直後から国内外のムスリムに反発を生み、10月にインド政府はこの本を発禁とした。イギリスでは12月2日に[[マンチェスター]]の[[ボルトン]]で8000人のムスリムが本書の発禁を求めるデモを行ない、翌年1月14日には[[ブラッドフォード (イングランド)|ブラッドフォード]]で本書を焼くパフォーマンスを行なった。少数派のムスリムの政治運動としては最大の動きだったが、イギリスでもほとんど報道されることがなかった<ref>Tariq Modood "RELIGIOUS ANGER AND MINORITY RIGHTS", ''The Political Quarterly'', vol. 60, issue 3, 1989 July.</ref>。
 
 
 
世界中の注目を集めたのは、[[1989年]][[2月14日]]、[[イラン]]の最高指導者[[ルーホッラー・ホメイニー]]による著者のラシュディ、及び、発行に関わった者などに対する死刑宣告であった。死刑宣告はイスラム法の解釈である[[ファトワー]](fatwa)として宣告された。ラシュディはイギリス警察に厳重に保護された。
 
 
 
*[[1989年]][[2月15日]] - イランの財団より、ファトワーの実行者に対する高額の懸賞金(日本円に換算して数億円)が提示された。
 
*[[1989年]][[3月7日]] - イランがイギリスと国交断絶<ref name=":0">立花書房編『新 警備用語辞典』立花書房、2009年、14-15頁。</ref>。
 
*[[1989年]][[6月3日]] - 心臓発作のためホメイニーが死去。ファトワーの撤回は行われなかった。'''ファトワーは発した本人以外は撤回できないので、以後、撤回することはできなくなった。'''
 
*1990年2月9日 - ホメイニーの後継者[[アリー・ハーメネイー]]が、演説の中でラシュディに対する死刑宣告は有効であり、執行されるべきであると改めて強調<ref name=":0" />。
 
*[[1991年]][[7月11日]] - 日本語訳を出版した[[五十嵐一]]が勤務先の[[筑波大学]]にて殺害され、翌日に発見された([[悪魔の詩訳者殺人事件]])。他の外国語翻訳者も狙われた。[[イタリア]]や[[ノルウェー]]では訳者が何者かに襲われ重傷を負う事件が起こった。
 
*[[1993年]] - [[トルコ語]]翻訳者の集会が襲撃され、37人が死亡した。
 
*[[1998年]] - イラン政府は、ファトワーを撤回することはできないが、今後一切関与せず、懸賞金も支持しないとの立場を表明。
 
*[[2006年]][[7月11日]] - 悪魔の詩訳者殺人事件で(実行犯が1991年から日本国内に居続けたと仮定した場合の)[[公訴時効]]が成立した。
 
*[[2012年]]9月16日 - [[AFP通信]]の報道によると、[[イラン]]の強硬派宗教財団がラシュディの[[処刑]]実行者に対する懸賞金をこれまでより50万ドル上積みして330万ドル(約2億5400万円)とし、[[アメリカ人]]が制作した[[映画]]『[[イノセンス・オブ・ムスリム]]』において[[預言者]][[ムハンマド]]への[[侮辱]]的表現がなされていた件を受けて[[中東]]各地で反米[[デモ]]が拡大していることに関連して、「(ラシュディ殺害)実行に最もふさわしいタイミングだ」と訴えた<ref>[http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012091600198 「悪魔の詩」懸賞金を増額=「著者処刑の好機」-イラン財団]</ref>。
 
 
 
==参照==
 
<references/>
 
 
 
==関連項目==
 
*[[反イスラーム主義]]
 
*[[ムハンマド風刺漫画掲載問題]]
 
*[[悪書追放運動]]
 
*[[悪魔の詩訳者殺人事件]]
 
*[[神曲]] - [[ダンテ・アリギエーリ]]の著書。本書中では[[ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ|ムハンマド]]や[[アリー・イブン・アビー=ターリブ|アリー]]が地獄の最下層付近に堕とされている描写があるため、イスラム圏では禁書扱いとなっている。
 
*[[ダッバーワーラー]] - 主人公の一人、ファリシュタと父がやっていた仕事。弁当配達人。
 
 
 
==外部リンク==
 
*{{kotobank|『悪魔の詩』事件-169615|[[ブリタニカ国際大百科事典]] 小項目事典|『悪魔の詩』事件}}
 
 
 
{{Normdaten}}
 
{{lit-stub}}
 
{{DEFAULTSORT:あくまのうた}}
 
[[Category:イギリスの小説]]
 
[[Category:1988年の小説]]
 
[[Category:イスラームと他宗教との関係]]
 
[[Category:イスラム過激派テロ事件]]
 
[[Category:イギリス・イラン関係]]
 
[[Category:反イスラーム主義]]
 

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