「ウー (ウルトラ怪獣)」の版間の差分
ja>Mumenkyorider (→『ウルトラファイト』に登場するウー) |
細 (1版 をインポートしました) |
(相違点なし)
|
2018/10/5/ (金) 00:38時点における版
ウーは、円谷プロダクションが日本で制作した特撮テレビ番組シリーズ「ウルトラシリーズ」に登場する架空の怪獣。別名は伝説怪獣。英字表記はWOO[1][2][3][4]。
Contents
『ウルトラマン』に登場するウー
『ウルトラマン』第30話「まぼろしの雪山」に登場。
- 身長:40メートル[5][6][2][7][8][9][10][10][11][12]
- 体重:0[6][11][12](なし[10])[注釈 1]
- 出身地:新潟県・飯田山[5][6][2][7][8][11][12]
全身が白く長い毛で覆われた雪男のような怪獣。飯田山の麓の村に住む、孤児のユキ(雪ん子)が村人から迫害を受け、助けを呼ぶと、彼女を救うべく現れる。ユキの危機を救うためにのみ現れるので、行き倒れになったユキの母親の化身ではないかとされている。また、当地では伝承で知られる存在であった模様である。
必ず吹雪と共に現れ、また怪獣出現の事実が観光客を遠ざけたため、スキー場による観光収入で経済を成り立たせている当地にとっては死活問題であり、ついに科学特捜隊の攻撃を受けることとなる。
村の子供たちが掘った落とし穴をそのままにしていたため、酔った猟師が落ちて凍死した事故がユキの仕業と決めつけられてしまい、村人に追われたのに激怒してスキー場の施設を破壊し、ウルトラマンと戦う。身体にのしかかり首を絞めて苦しめるが、ウルトラマンがスペシウム光線を発射する直前にユキが力尽きたため、彼女のウーを呼ぶ声と共に飯田山から姿を消す。
- スーツアクター:鈴木邦夫[2][10][13]
- デザインは成田亨で、仙人をイメージしている[10][14]。当初は顔が小さいデザインであったが、仙人そのままのイメージとなってしまうため、平面的な顔に変更された[14]。雪原のセットも白いため、全身が白いだけでなく顔の色を変えている[14]。
- 着ぐるみ造形はエキスプロによる[10][13]。毛は石膏の補強に使われるマニラアサのスタッフを用いており、ロープなどを扱っていた東宝撮影所前の自転車店で用意された[13]。
- ネーミングの由来は、沖縄方言で糸芭蕉の繊維を指す「ヲゥー(発音上の表記)」[10]、もしくは『ウルトラマン』の製作前に企画された『WOO』という作品から[15]と記述されている。
- 作中で扱われている「差別と迫害」というテーマは、沖縄出身の金城哲夫から見た沖縄と本土との関係が指摘されている[16]。
- 本編班が着ぐるみをロケ先のスキー場に運んで人を入れて撮影した写真が存在する[17]。
- 『ウルトラマン白書』では、風速2000メートルの突風を吹く能力と大雪を降らせる能力を持つとしている[5]。
- 『ウルトラ怪獣列伝』では、シリーズ初の妖怪型怪獣と分析している[9]。
『ウルトラマンA』に登場するウー
『ウルトラマンA』第42話「冬の怪奇シリーズ 神秘! 怪獣ウーの復活」に登場。『ウルトラマン』に登場するウーとの関係はないが、そちらと区別するために「2代目」と呼称されている[18][19][20][9][21]。
アイスロンに殺害された男性・良平の魂が娘を守るためにウーと化した。初代と違って魂がウー化する過程が描かれているうえ、男性の化身ゆえに初代より筋肉質な姿をしている。
アイスロンと戦うも大したダメージを与えられず、一方的に投げ飛ばされたうえ、崖下へ蹴り落とされて雪崩に埋もれて行動不能となるが、ウルトラマンAによってアイスロンが倒された後は娘の無事を見届け、雪山の奥へ消える。
- 『ウルトラマン大辞典』では、白毛の剣・冷気光線・念力を能力として記述している[7]。
- 内山まもるの漫画版『ウルトラマンA』の「白い伝説」(てんとう虫コミックス『ザ・ウルトラマン』第2巻に収録[23])では、アイスロンではなくファイヤーモンスが良平を殺害し、雪の中から娘・小雪を思う良平の魂がウーとなる。ファイヤーモンスやその加勢に現れたスノーゴンと戦ったウーは、Aによってファイヤーモンスやスノーゴンが倒された後、小雪の無事を見届けると涙を流しながら雪山へ消える。それ以降、毎年の冬に雪山を訪れて童謡を歌う小雪の前に、幻影となって現れる。
『ウルトラファイト』に登場するウー
『ウルトラファイト』「大峡谷の決闘!」で初登場。
「喧嘩屋」の異名を取るほど凶暴な性格。しかし時には髪に花を飾る愛らしさを見せ、またある時はひたすらリンゴを貪るキーラーの姿を目の当たりにして言い知れぬ悲しみを覚え、自らも泣きながらリンゴを齧る。体毛は黄色がかっており、『ウルトラファイト番外地』では「3年間、便所掃除に使ったモップと同じ色」と形容されている[25]。
ことキーラーとは何かと縁があるようで、互いに雪山でゴーゴーダンスを嗜むこともあれば、盲目の両者が土手の通行で揉める一幕もある。「歯車くずし」という回転チョップの必殺技を持ち、登場怪獣の中でも勝率は高い。
撮影が進むうちに土ぼこりを大量に吸い込み、回によっては動く度に体から白煙を吹くこともあった[26]。
『ウルトラスーパーファイト』に登場するウー
『ウルトラスーパーファイト』第15話「怪獣の師弟愛」に登場。
『チビラくん』に登場するウー
『チビラくん』第74話に、チビラくんの住むカイジュウ町の住人としてバルタン星人、エレキング、イカルス星人と共に登場。
『レッドマン』に登場するウー
『レッドマン』第19話、第20話、第21話、第22話、第24話、第64話、第72話、第76話に登場。第19話でカネゴン、第20話、第21話でゴモラ、第22話でメフィラス星人、第76話でガラモンと組み、レッドマンに挑むが敗れる。第24話と第64話と第72話は単独で戦うが、やはり敗れる。
過去の映像を流用しての登場
- 『ウルトラマン80』
- 第46話「恐れていたレッドキングの復活宣言」で、子供たちが魔法使いマアジンに「怪獣の玩具を出してほしい」と願った際、レッドキングやエレキングと共に回想シーンで登場する。
- 『甦れ!ウルトラマン』
- ゼットン星人が暴れさせる怪獣軍団の1体として登場。雪山を襲撃し、分身したウルトラマンと戦うが、映像ではウルトラマンにのしかかった場面で終わり、決着は描かれていない。
その他の作品に登場するウー
- サークロラマ映画『ウルトラマン・ウルトラセブン モーレツ大怪獣戦』では、ブースカとチャメゴンの前にバルタン星人やプロテ星人などと共に現れている。
- 『ウルトラセブン』の未発表シナリオ「宇宙人15+怪獣35」では、冒頭でセブンを襲って倒されるシナリオが予定されていた。『フィギュア王』に掲載された一峰大二の漫画「ゴードの巻」でも、バルタン星人たちによって蘇生された宇宙連合軍の怪獣軍団の一体として冒頭でセブンを襲う。
- 『ザ☆ウルトラマン』第18話では、怪獣に詳しい野島ユリ子の所有する怪獣の写真として、ウー、テロチルス、キングマイマイ、ステゴン、レオゴン、カメレキングなどが登場する。
- 映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では、初代ウーが百体怪獣ベリュドラの身体を構成する怪獣の一体として登場[27]。
- 『ウルトラゾーン』第2話のミニコーナー「怪獣ことわざ」では、「かんにん袋のウーが切れる」ということわざが紹介されている[28]。第22話のミニコーナー「怪獣English」では、ウーの自己紹介が例文として挙げられている[4]。第12話のアイキャッチでは、編み物をする姿が描かれている[29]。
- 『大怪獣バトル』のEX第6弾に技カードとして登場。スキルは「まぼろしの吹雪」、効果は「ずっと、攻撃を受けた次のラウンドは、すごい冷気になる」。
- 漫画作品
- 『ウルトラマンSTORY 0』第13話では、バルタン星人の実験道具として登場。
- 『酩酊! 怪獣酒場』では、怪獣酒場の客として登場。雪ん子の母代わりをしているが、人間に嫌われているために苦労させていることを気に病んでいる。
補足
- 『ウルトラマン』の製作前に『WOO』という、ウーと同名の宇宙生物を主役にする企画が存在したが、これについては、生物彗星WoO#概要及びウルトラマン#作品としてのウルトラマンの誕生過程を参照。
- テレビドラマ『コメットさん』第36話「雪のおばけが出たぞ」に、雪男としてウーの着ぐるみが使用されている[30]。
- 泉麻人は、著書『B級ニュース図鑑』にて、「アトラクションの開催中、火薬用の導火線の火花がウーの着ぐるみに引火して火だるま状態になったのを目撃した」と記している。
- ハヤタ役を演じた黒部進は、ウルトラマンの中で一番印象に残っている怪獣にピグモンと共にウーの名前を挙げている[31]。
脚注
注釈
出典
- ↑ 白書 1982, pp. 51、177.
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 ベストブック 1993, p. 118
- ↑ 画報 上巻 2002, pp. 45、140.
- ↑ 4.0 4.1 ウルトラゾーン完全ガイド 2012, 「怪獣English」
- ↑ 5.0 5.1 5.2 白書 1982, 「ウルトラマン 怪獣リスト」
- ↑ 6.0 6.1 6.2 ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 18
- ↑ 7.0 7.1 7.2 7.3 7.4 7.5 7.6 大辞典 2001, p. 37
- ↑ 8.0 8.1 8.2 画報 上巻 2002, p. 45
- ↑ 9.0 9.1 9.2 9.3 怪獣列伝 2008, 「雪山の巨獣は母の化身 伝説怪獣ウー」
- ↑ 10.0 10.1 10.2 10.3 10.4 10.5 10.6 全調査報告 2012, 「CASE FILE30 まぼろしの雪山」
- ↑ 11.0 11.1 11.2 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 18
- ↑ 12.0 12.1 12.2 研究読本 2014, 「ウルトラマン 怪獣・宇宙人大図鑑」
- ↑ 13.0 13.1 13.2 研究読本 2014, 「エピソードガイド第30話」
- ↑ 14.0 14.1 14.2 成田亨 2014, p. 101
- ↑ 『大人のウルトラマン大図鑑』(2013年)
- ↑ DVD.「金城哲夫西へ!」
- ↑ 研究読本 2014, p. 206.
- ↑ 白書 1982, pp. 128、177.
- ↑ 19.0 19.1 19.2 19.3 ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 56
- ↑ 20.0 20.1 20.2 20.3 画報 上巻 2002, p. 140
- ↑ 21.0 21.1 21.2 21.3 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 76
- ↑ 22.0 22.1 22.2 白書 1982, 「ウルトラマンA 怪獣リスト」
- ↑ ザ・ウルトラマン 2 - 小学館
- ↑ 24.0 24.1 ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 31
- ↑ ウルトラファイト番外地 2006, 「キャラクターファイル#6 ウー」
- ↑ 「殺られる前に殺れ!」などで顕著。
- ↑ ウルトラ銀河伝説超全集 2009, 「百体怪獣ベリュドラ完全攻略」.
- ↑ ウルトラゾーン完全ガイド 2012, 「怪獣ことわざ2」.
- ↑ ウルトラゾーン完全ガイド 2012, 「ウルトラゾーンアイキャッチコレクション5」.
- ↑ 『円谷プロ画報』第1巻、竹書房、2013、172。ISBN 978-4-8124-9491-2。
- ↑ 1999年11月20日放送『土曜日ほっとワイド-人生いきいき-』より。
参考文献
- 『不滅のヒーローウルトラマン白書』 朝日ソノラマ〈ファンタスティック・コレクション・スペシャル〉、1982-12-31、初版。雑誌コード:67897-80。
- てれびくんデラックス愛蔵版(小学館)
- 『ウルトラ怪獣大全集』 小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、1984-09-10。ISBN 4-09-101411-9。
- 『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE超全集』 小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、2009-12-23。ISBN 978-4-09-105129-5。
- 『ウルトラマン ベストブック』 竹書房、1993-09-05。ISBN 4-88475-211-2。
- 『ウルトラマン大辞典』 監修 円谷プロダクション、中経出版、2001-12-21。ISBN 4-8061-1556-8。
- 『ウルトラマン画報 光の戦士三十五年の歩み』上巻、竹書房/ブレインナビ編、竹書房、2002-10-04。ISBN 978-4-8124-0888-9。
- 唐沢なをき 『ウルトラファイト番外地』 角川書店〈KADOKAWA COMICS特撮A〉、2006-8-26。
- 『ウルトラ怪獣列伝 ウルトラマン・ウルトラセブン編』 ブレインナビ編著、PHP研究所〈PHP文庫〉、2008-08-18。ISBN 978-4-569-67071-3。
- 『ウルトラゾーンオフィシャル完全ガイド』 監修 円谷プロダクション、扶桑社、2012-08-11。ISBN 978-4-594-06640-6。
- 『ウルトラマン 全調査報告』 講談社 編、講談社〈キャラクター大全〉、2012-12-20。ISBN 978-4-06-218128-0。
- 大石真司・江口水基・島崎淳・間宮尚彦 『円谷プロ全怪獣図鑑』 小学館、2013-03-11。ISBN 9784096820742。
- 『別冊映画秘宝ウルトラマン研究読本』 洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2014-01-02。ISBN 978-4-8003-0262-5。
- 成田亨 『成田亨作品集』 羽鳥書店、2014-07-19。ISBN 978-4-904702-46-8。