「JR貨物M250系電車」の版間の差分

提供: miniwiki
移動先:案内検索
(1版 をインポートしました)
(内容を「{{テンプレート:20180815sk}}」で置換)
(タグ: Replaced)
 
1行目: 1行目:
{{Notice|車両の動きについては変動があっても、明確な出典を示した上で編集を行ってください([[WP:CITE|Wikipedia:出典を明記する]])。明確でない場合は、差し戻されることがあります。また、独断で[[Wikipedia:検証可能性]]に反する個人の目撃報告や外部の私設サイトなどを典拠とする情報も記載しないでください。|注意|style=attention}}
+
{{テンプレート:20180815sk}}
{{鉄道車両
 
| 車両名  = JR貨物M250系電車<br/><small>スーパーレールカーゴ</small>
 
| 背景色  = #2d86bd
 
| 文字色  = #ffffff
 
| 画像    = Model M250 of JR Freight.jpg
 
| 画像説明 =
 
| 運用者  = [[日本貨物鉄道]]
 
| 製造所  = [[川崎重工業車両カンパニー|川崎重工業]]・[[日本車輌製造]]・[[東芝]]
 
| 製造年  = 2002年 - 2003年
 
| 製造数  = 42両
 
| 運用開始 = 2004年3月13日
 
| 編成    = 16両編成<ref name="454-78"/>
 
| 軌間    = 1,067 mm
 
| 電気方式 = [[直流電化|直流]]1,500[[ボルト (単位)|V]]<br/>([[架空電車線方式]])
 
| 最高運転速度 = 130 [[キロメートル毎時|km/h]]<ref name="454-79"/>
 
| 設計最高速度 = 140 km/h<ref name="Rm200406"/>
 
| 起動加速度 =
 
| 常用減速度 =
 
| 非常減速度 = 5.2 km/h/s<ref name="125-289"/>
 
| 荷重    =
 
| 自重    = [[#車両概説|車両概説]]節を参照
 
| 編成重量 =
 
| 編成長  =
 
| 全長    = 20,300[[ミリメートル|mm]]<ref name="454-79"/>(Mc250形・M251形)<br/>20,500 mm<ref name="454-79"/>(T260形・T261形)
 
| 全幅    = 2,931 mm<ref name="454-79"/>(Mc250形・M251形)<br />2,660mm<ref name="454-79"/>(T260形・T261形)
 
| 全高    = 3,980mm<ref name="454-79"/>(Mc250形・M251形)<br />2,017mm<ref name="454-79"/>(T260形)<br />1,041mm<ref name="454-79"/>(T261形)
 
| 車体材質 =
 
| 台車    = FD130<ref name="454-80"/>(電動台車)<br/>FT130<ref name="454-80"/>(付随台車)
 
| 主電動機 = FMT130 × 4基/両<ref name="454-79"/>([[かご形三相誘導電動機]])
 
| 主電動機出力 = 220 kW<ref name="454-81"/>(1時間定格)
 
| 駆動方式 = [[WN駆動方式|WN継手式中実軸平行カルダン駆動方式]]<ref name="454-81"/>
 
| 歯車比  = 97:16=6.06<ref name="Rm200406"/>
 
| 編成出力 = 3,520 [[ワット|kW]]・1,100V<ref name="454-79"/>(1時間定格)
 
| 定格出力 =
 
| 定格速度 = 75.0 km/h<ref name="Rm200406"/>
 
| 定格引張力 = 168.0 kN (1時間定格・編成)<ref name="Rm200406"/>
 
| 制御方式 = [[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]-3レベル[[パルス幅変調|PWM]]方式[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]<ref name="454-79"/>
 
| 制御装置 =
 
| 制動装置 = [[電気指令式ブレーキ|電気指令式]][[空気ブレーキ]]<ref name="454-79"/><br/>(応荷重装置付・[[発電ブレーキ|電力発電ブレーキ]]併用)
 
| 保安装置 = [[自動列車停止装置#ATS-S改良形(ATS-Sx形)|ATS-SF]]<ref name="454-79"/>、[[自動列車停止装置#ATS-PF形 (貨物用ATS-P車上装置)|ATS-PF]]<ref name="454-79"/>、<br/>[[列車防護無線装置]]<ref name="454-79"/>、<br/>[[列車無線|列車無線装置]]<ref name="454-79"/>、<br/>[[緊急列車防護装置|TE装置]]<ref name="454-79"/>、[[緊急停止装置|EB装置]]<ref name="454-79"/>
 
| 備考    =
 
| 備考全幅 = {{ブルーリボン賞 (鉄道)|48|2005}}
 
}}
 
'''M250系電車'''(M250けいでんしゃ)は、[[2002年]]に登場した<ref name="454-82"/>、[[日本貨物鉄道]](JR貨物)の[[貨車|貨物]][[電車]]である。
 
 
 
[[モーダルシフト]]の推進を目的として製造された車両で、JR貨物としては初となる[[動力分散方式]]の車両となり<ref name="454-82"/>、「スーパーレールカーゴ」 (SUPER RAIL CARGO) という愛称が設定されている<ref name="454-78"/>。2004年には[[エコプロダクツ展|エコプロダクツ]]大賞推進協議会より「エコプロダクツ大賞エコサービス部門国土交通大臣賞」を<ref name="gef1"/>、2005年には[[鉄道友の会]]より貨物専用形式としては初となる「[[ブルーリボン賞 (鉄道)|ブルーリボン賞]]」を受賞した<ref name="br2005"/>。
 
 
 
== 登場の経緯 ==
 
[[東海道本線]]では東京と大阪を結ぶ貨物輸送が行われているが、2004年度の実績では約280万tとなっており<ref name="125-288"/>、これはJR貨物の年間総輸送量の13%に相当するものであった<ref name="125-288"/>。しかし、起終点の鉄道駅と発着地の間においてはトラック輸送となるため<ref name="125-288"/>、速達性が要求される中距離の小口貨物輸送分野については鉄道を選択しづらい状況にあった<ref name="125-288"/>。
 
 
 
一方、JR貨物ではトラック輸送をトラック以外の輸送手段に転換する「モーダルシフト」の受け皿とするための取り組みを行っており<ref name="454-78"/>、1999年からは小口貨物輸送に特化した輸送について検討を開始した<ref name="125-288"/>。それ以前にも、[[機関車]]牽引の貨物列車が最速6時間40分で東京と大阪の間を結んでいた<ref name="125-288"/>が、[[宅配便|宅配貨物]]運送事業者の要望には応え切れていなかった<ref name="125-288"/>。そこで、東京と大阪の間の所要時間を約6時間に短縮することを目標とした<ref name="125-288"/>。
 
 
 
この対応策を検討した結果、電車型貨物列車による高速鉄道輸送を行う方針が打ち出された<ref name="454-78"/>。動力分散方式とすることにより加減速性能の向上と軸重の軽減を図り<ref name="125-288"/>、積み替え時間の短縮のために貨物の積載は[[コンテナ]]によるものとした<ref name="125-288"/>上で、既に旅客用電車で採用実績のあるものを可能な限り採用することで安全性と信頼性を確保するという方針が打ち出された<ref name="125-288"/>。
 
 
 
この方針に従い、開発・設計されたのが本系列である。
 
 
 
== 車両概説 ==
 
本節では、登場当時の仕様を記述する。
 
 
 
M250系は16両[[編成 (鉄道)|編成]]で、系列中に4形式が存在する。系列名の「M」は動力分散方式 (Multiple unit train) の頭文字<ref name="454-78"/>、「2」は誘導電動機駆動方式で直流区間用<ref name="454-78"/>、「50」は最高速度110km/h超の車両である<ref name="454-78"/>ことを示している。形式に付けられる車種(電動車、付随車など)を示す略号は、国鉄時代から現在までの電車で用いられる「モハ」「サハ」など<ref group="注釈">詳しくは[[国鉄新性能電車の車両形式]]を参照。</ref>ではなく、英字のM・Tを用いたものとなっている。
 
 
 
; Mc250形 : 両端の先頭車となる[[制御車|制御電動車]] (Mc) で、31フィートコンテナを1個搭載可能<ref name="454-78"/>。空車重量は38.5tで<ref name="454-79"/>、積車時重量は50.0t<ref name="454-79"/>。
 
; M251形 : Mc250形と電動車ユニットを構成する[[動力車|中間電動車]] (M) で、31フィートコンテナを1個搭載可能<ref name="454-78"/>。空車重量は38.5tで<ref name="454-79"/>、積車時重量は50.0t<ref name="454-79"/>。
 
; T260形 :[[付随車]] (T) で、モニタ端末装置を搭載する<ref name="454-80"/>。31フィートコンテナを2個搭載可能<ref name="454-78"/>。空車重量は21.0tで<ref name="454-79"/>、積車時重量は40.0t<ref name="454-79"/>。
 
; T261形 : T260形とユニットを構成する付随車で、モニタ端末装置を搭載していないことから形式を分けている<ref name="454-78"/>。31フィートコンテナを2個搭載可能<ref name="454-78"/>。空車重量は21.0t<ref name="454-79"/>で、積車時重量は40.0t<ref name="454-79"/>。
 
 
 
編成については、[[#編成表|巻末の編成表]]を参照のこと。
 
 
 
=== 車体 ===
 
{{Double image aside|right|Model M250-M251 of JR Freight.jpg|180|Model M250-T260&T261 of JR Freight.jpg|180|電動車では中央部を落とし込む構造とした|付随車では平床構造とした}}
 
宅配貨物の特性として、容積に対して質量が小さいという点が挙げられる<ref name="125-289"/>。積載するコンテナの内容積を可能な限り拡大するため<ref name="125-289"/>、コンテナ自体の天地寸法を高くすることが要求された<ref name="125-289"/>。これを実現するには、コンテナを積載する台枠高さはレール面から1,000mmに抑える必要があった<ref name="125-290"/>。その一方で、走行関係機器においては採用実績がある機器を使用する以上、主電動機や歯車装置の構成上からは台枠上面をある程度の高さに保つ必要があった<ref name="454-79"/>。このため、電動車では両端部の台枠高さをレール面から1,103mmとし<ref name="454-79"/>、車体中央部を落とし込む構造とすることで対応<ref name="125-290"/>、コンテナ積載部分の台枠高さをレール面から1,000mmとした<ref name="454-79"/>。付随車については、台枠構成の工夫などを行い、車体全長に渡って床面高さをレール面から1,000mmとした<ref name="125-290"/>。車端圧縮荷重は100t (980kN) に耐えられる構造としている<ref name="125-290"/>。
 
 
 
電動車の車体は、両端部の台車上に乗務員室と機器室を配置した<ref name="125-290"/>。先頭形状は、運転台を高床式とした上<ref name="454-79"/>、視界の確保を図るために前面窓の開口部を可能な限り大きくした<ref name="454-79"/>。乗務員室には乗務員扉を左右両側に設け<ref name="454-79"/>、機器室には左右に乗降用扉を設けた<ref name="454-79"/>上で、電動車の連結面間には貫通路を設けた<ref name="454-79"/>。また、機器室からコンテナ積載への中央部にも出入り口を設けた。M251形の付随車連結面側の貫通扉は必要性が低いことから設けていない<ref name="454-79"/>。付随車のうち、T260形の後位側<ref group="注釈">東京側。</ref>車端部には昇降用のステップと手すりを設けた<ref name="454-79"/>。Mc250の[[連結器]]には開放梃子にカバーが取り付けられているが、第一編成のみ連結器開放梃子のカバーが設けられていない等外観上の差異が見られる。
 
 
 
{{Double image aside|right|JRF-M250-a 002.jpg|180|M250 code of JR Freight.jpg|180|青の濃淡2色となったデザイン|「JR貨物関東支社大井機関区」を示す所属標記}}
 
車体の塗装デザインは、電動車では青色2色の濃淡をベースとして<ref name="454-82"/>、スピード感を強調するデザインとした<ref name="454-82"/>上で「スーパーレールカーゴ」という愛称をデザインしたロゴを配した<ref name="454-82"/>。また、電動車・付随車ともに、台枠部分は灰色とした<ref name="454-82"/>。中間電動車の側面と付随車の台枠部分にはJRFマークを配した<ref name="454-82"/>。また、全車両に号車番号札を設けた<ref name="454-82"/>ほか、「貨東タミキク」<ref group="注釈">「JR貨物関東支社大井機関区」を示す([[#森田454|『鉄道ジャーナル』通巻454号 p.82]])。</ref>という所属標記を配した<ref name="454-82"/>。
 
 
 
=== 主要機器 ===
 
==== 乗務員室・モニタ装置 ====
 
[[操縦席|運転台]]は車体の節で記述した通り、前方視認性の向上を目的とした高床式構造である<ref name="454-79"/>。JR貨物の車両では初めて[[マスター・コントローラー|主幹制御器]]にブレーキ設定器を一体化した左手操作式ワンハンドルマスコンが採用された<ref name="454-80"/>。速度計など運転に必要な計器類を前面計器盤に<ref name="454-80"/>、各種スイッチ類は運転席右側に配置した<ref name="454-80"/>。
 
 
 
また、M250系では車両の状況や機器の動作状態などをモニタリングするため、モニタ装置を搭載した<ref name="454-82"/>。モニタ中央装置はMc250形に搭載され、M251形とT260形に搭載したモニタ端末装置を車両間伝送で結合し<ref name="125-291"/>、各端末装置と機器との間を装置間伝送で結合することで情報を取得する仕様とした<ref name="125-291"/>。取得された情報は、運転台に設置したモニタ表示器に表示される<ref name="454-82"/>。また、故障が発生した際には故障の内容と応急処置のガイダンスをモニタ表示器に表示した上<ref name="125-291"/>で、各機器の動作状態を記録する<ref name="125-291"/>。記録した情報はICカードを経由して外部のパソコンに取り込み、解析が行われる<ref name="454-82"/>。なお、T261形にはモニタ端末装置は設置せず<ref name="454-78"/>、T260形に設置した端末装置がT261形の機器についてもモニタリングを行う<ref name="454-82"/>。
 
 
 
==== 走行関連機器 ====
 
車両の最高速度は130km/h<ref name="125-288"/>、曲線通過速度は本則(基本となる速度制限)+20km/hと設定した<ref name="125-288"/>。また、上り12‰勾配における均衡速度を90km/h確保する<ref name="454-79"/>と同時に、地上側設備との協調を図った<ref name="454-79"/>結果、編成全体での出力を3,520[[ワット|kW]]に設定した<ref name="125-289"/>。
 
 
 
[[主電動機]]については、1時間定格出力220kWのFMT130形[[かご形三相誘導電動機]]を採用し<ref name="454-81"/>、各電動車の各軸に1基ずつ装架した<ref name="454-81"/>。強制風冷式である<ref name="125-291"/>が、第1編成では自然風冷式も併用し<ref name="125-291"/>、試験運転で問題ないことを確認している<ref name="125-291"/>。
 
 
 
制御装置はインバータ装置1台で主電動機1台を制御する個別制御方式を採用した[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]][[半導体素子|素子]]を用いた3レベル[[パルス幅変調|PWM]]方式[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]である<ref name="454-81"/>。インバータ装置と主電動機の組み合わせを1群としたものを4群で1組としており<ref name="454-81"/>、主変換装置はこれを2組として装置枠を構成した<ref name="454-81"/>。制御方式はベクトル制御を導入し<ref name="125-289"/>、これまでのJR貨物の機関車で採用した空転再粘着制御を最適化した上で取り入れ<ref name="454-81"/>、空転による牽引力低下を極力抑えることを図った<ref name="125-289"/>。駆動装置は[[WN駆動方式|WN継手を用いた中実軸平行カルダン方式]]で<ref name="454-81"/>、[[歯車比|歯数比]]は97:16=6.06と設定した<ref name="454-81"/>。
 
 
 
[[鉄道のブレーキ|制動装置(ブレーキ)]]は旅客用電車で実績のある[[電気指令式ブレーキ]]で<ref name="125-291"/>、基礎制動装置は電動車がユニットブレーキを使用したシングル式(片押し式)で<ref name="454-81"/>、付随車はディスクブレーキとユニットブレーキとの併用としている<ref name="125-289"/>。また、全軸に対して滑走防止弁装置を設置し<ref name="454-81"/>、滑走再粘着制御を行うことで<ref name="454-81"/>、タイヤフラット発生の防止を図っている<ref name="125-291"/>。さらに、機関車による救援に備えて<ref name="454-8182"/>、Mc250形には、連結した機関車から常用ブレーキ・非常ブレーキを動作させることを可能にする救援ブレーキ装置を設置した<ref name="454-82"/>。
 
 
 
[[鉄道車両の台車|台車]]は軸梁式軸箱支持方式[[空気バネ]][[鉄道車両の台車史#ボルスタレス台車|ボルスタレス台車]]を採用した<ref name="454-80"/>。電動台車が車輪径860mm・軸距2,100mmのFD130形<ref name="454-80"/>、付随台車は低床化に対応させた車輪径810mm・軸距2,100mmのFT130形である<ref name="454-80"/>。台車枠は空気バネ取り付け位置を低くするために弓形台車枠となっており<ref name="454-80"/>、高速走行に対応するため、[[蛇行動#ヨーダンパ|ヨーダンパ]]とアンチローリング装置を設けた<ref name="454-80"/>。また、全ての軸受には車軸軸受温度検知装置が設けられ<ref name="125-291"/>、モニタ装置によってリアルタイムで確認することとデータ記録を可能としている<ref name="454-82"/>。軸受温度が一定値以上になった場合には、モニタ表示器に表示した上で記録を残すシステムとしている<ref name="454-82"/>。
 
 
 
==== その他機器 ====
 
[[集電装置]](パンタグラフ)は、シングルアーム型のFPS130形を採用<ref name="454-80"/>、各電動車の屋根上に1台ずつ搭載した<ref name="125-290"/>。Mc250形では前位側<ref group="注釈">運転台側屋根上。</ref>に、M251形では後位側<ref group="注釈">付随車連結面側の屋根上。</ref>に搭載することで、集電装置の間隔を確保した<ref name="125-290"/>。また、離線対策と冗長性の向上のため、同一ユニット内の集電装置は母線で引き通しており<ref name="125-290"/>、電気的に接続されている<ref name="454-80"/>。補助電源装置は、出力85[[ボルト (単位)|kV]][[アンペア|A]]の[[静止形インバータ]] (SIV) をMc250形に2台搭載した<ref name="454-81"/>。[[圧縮機|電動空気圧縮機]]については、毎分1,600mlの容量のスクロール式とし、Mc250形に1台搭載した<ref name="454-79"/>。
 
 
 
連結器は、先頭車前部が[[連結器#並形自動連結器|並形自動連結器]]<ref name="454-82"/>、ユニット間は[[連結器#棒連結器(永久連結器)・半永久連結器|半永久連結器]]<ref name="454-82"/>、ユニット同士の連結は[[連結器#密着連結器|密着連結器]]である<ref name="454-82"/>。先頭車前部を並形自動連結器としたのは、機関車による救援を考慮したものである<ref name="454-82"/>。
 
 
 
== 沿革 ==
 
{{Double image aside|right|M250 Higashi-Totsuka 20030630.jpg|180|Mc250-6 20051023.jpg|180|性能試験中のM250系(2003年6月30日)|ヘッドマークとブルーリボン賞受賞プレートが取り付けられたM250系(2005年10月23日)}}
 
2002年10月に第1編成が落成<ref name="454-82"/>、各種性能試験を行ない、所期の性能を有することが確認できたことから、2003年までにMc250形+M251形が6ユニット(12両)、T260形+T261形が15ユニット(30両)の計42両が製造された<ref>『2010 JR貨物時刻表』(社団法人鉄道貨物協会)p.203。</ref>。この内訳は、16両編成2本と予備車10両である<ref name="125-291"/><ref group="注釈">鉄道ファン(交友社)2004年7月号 p.97の記述では、全車が2003年1月から5月までに新製されていて、営業運転開始以降の増備は無い。ジェー・アール・アール『JR電車編成表2004夏号』p.377の記述も同様である。</ref>。Mc250形+M251形は全車が[[川崎重工業車両カンパニー|川崎重工業]]で、T260形+T261形は全車が[[日本車輌製造]]で製造された<ref name="jrr2004s-p377">ジェー・アール・アール『JR電車編成表2004夏号』p.377</ref>。
 
 
 
[[2004年]](平成16年)[[3月13日]]のダイヤ改正より、[[東京貨物ターミナル駅|東京貨物ターミナル]] - [[安治川口駅|大阪・安治川口]]間で「[[臨時列車|臨時]][[高速貨物列車]]」9057列車・9056列車として営業運転を開始した<ref name="jrr2004s-p220">ジェー・アール・アール『JR電車編成表2004夏号』p.220</ref>。所要時間は東京貨物ターミナル - 安治川口駅間6時間11-12分である<ref name="jrr2004s-p220"/>。2006年現在、この列車の[[表定速度]]は約91km/hで、[[東海道本線]]のうち東京都 - 大阪府を走破した全ての列車の中で歴代最速となった<ref name="br2005"/><ref group="注釈">[[東海道新幹線]]開業以前に在来線[[東京駅]] - [[大阪駅]]間を結んだ[[特別急行列車|特急]]「[[こだま (列車)|こだま]]」の表定速度が約85km/h程度。</ref><ref group="注釈">M250系が130km/hで運転できるのはJR西日本の一部の区間内だけで、[[東海旅客鉄道]](JR東海)管内では豊橋以西で、JR東日本管内では大船 - 小田原で120km/h運転が可能であるが、その他区間に於いては110km/hに最高速度が制限されている。</ref>。
 
 
 
[[2013年]](平成22年)3月のダイヤ改正までは、下り51列車、上り50列車の定期列車(列車種別は特貨電)として設定されていた<ref>『2013 JR貨物時刻表』(公益社団法人鉄道貨物協会)</ref>。運行本数は変わらないが、2013年3月改正より列車種別は「高速」に変更されている。
 
 
 
== 運用 ==
 
[[File:May2010-Mc250-4.jpg|thumb|塗装更新後のMc250-4<br/>ヘッドマークに替わり、佐川マークのシールが貼られる]]
 
[[佐川急便]]による1列車貸切輸送<ref name="br2005"/>で運行される。運行時は先頭車のMc250形車両に[[方向幕#ヘッドマーク|ヘッドマーク]]を掲出していた<ref name="br2005"/><ref group="注釈">ヘッドマークは佐川急便本社にもあり、社内報「飛脚」などに掲載する関係者集合写真の中央に写っている。</ref>が、2010年以降に検査入場して塗装が更新された車両は、ヘッドマークと取付金具が撤去され、車体に直接佐川マークのシールが貼付されている。専用の[[JR貨物U54A形コンテナ#30027~30059|U54A形30000番台]]31ft軽量コンテナは佐川急便が所有して塗色は「ギャラクシーカラー」であるため、見映え向上を企図して、[[カラーリング]]に合わせて一方向に揃えた満積載で運行される。
 
 
 
車両故障や事故他原因による運行抑止等の運行不能時に備え、佐川急便の各拠点から代行輸送トラックが出動可能な体制が整えられている<ref name="ej080919"/>。
 
 
 
== 編成表 ==
 
編成は両端の[[動力車|電動車]]ユニット1つずつとこれらの間に連結される付随車ユニットで構成され([[プッシュプル方式]])<ref group="注釈">両端の[[動力車|電動車]]間に付随車を組み込む方式は、[[東日本旅客鉄道]](JR東日本)[[JR東日本215系電車|215系]]などに見られる。</ref>、通常運行時は付随車ユニットが6組連結されて4M12Tの16両編成となる。
 
 
 
{|class="wikitable" style="font-size:80%;text-align:center;"
 
|-style="border-bottom:solid 4px #69f;"
 
|colspan="16"|{{TrainDirection|大阪|東京}}
 
|-style="background-color:#adf;"
 
|Mc250||M251||T261||T260||T261||T260||T261||T260||T261||T260||T261||T260||T261||T260||M251||Mc250
 
|-
 
|colspan="2" rowspan="2"|電動車
 
|colspan="2"|付随車
 
|colspan="2"|付随車
 
|colspan="2"|付随車
 
|colspan="2"|付随車
 
|colspan="2"|付随車
 
|colspan="2"|付随車
 
|colspan="2" rowspan="2"|電動車
 
|-
 
|colspan="12"|6ユニット
 
|}
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
 
 
=== 注釈 ===
 
{{Reflist|group="注釈"}}
 
 
 
=== 出典 ===
 
{{reflist|2|refs=
 
<ref name="gef1">{{Cite web|date=|url=http://www.gef.or.jp/ecoproducts/1st/index.htm|title=平成16年度(第1回)エコプロダクツ大賞受賞結果|publisher=[http://www.gef.or.jp/ 地球・人間環境フォーラム]|language=日本語|accessdate=2012-04-10}}</ref>
 
<ref name="br2005">{{Cite web|date=|url=http://www.jrc.gr.jp/award/bl/bl2005|title=2005年 ブルーリボン・ローレル賞選定車両|publisher=[http://www.jrc.gr.jp/ 鉄道友の会]|language=日本語|accessdate=2016-06-29}}</ref>
 
<ref name="ej080919">{{Cite web|date=|url=http://eco.nikkeibp.co.jp/style/eco/special/080919_butsuryu03/index4.html|title=物流のCO2削減は可能か?!PART3:特急コンテナ電車「スーパーレールカーゴ」の実力|publisher=[http://eco.nikkeibp.co.jp/ 日経BP環境経営フォーラム]|language=日本語|accessdate=2012-04-10}}</ref>
 
<ref name="454-78">[[#森田454|『鉄道ジャーナル』通巻454号 p.78]]</ref>
 
<ref name="454-79">[[#森田454|『鉄道ジャーナル』通巻454号 p.79]]</ref>
 
<ref name="454-80">[[#森田454|『鉄道ジャーナル』通巻454号 p.80]]</ref>
 
<ref name="454-81">[[#森田454|『鉄道ジャーナル』通巻454号 p.81]]</ref>
 
<ref name="454-8182">[[#森田454|『鉄道ジャーナル』通巻454号 pp.81-82]]</ref>
 
<ref name="454-82">[[#森田454|『鉄道ジャーナル』通巻454号 p.82]]</ref>
 
<ref name="125-288">[[#学会125|『電気学会誌』第125巻第5号 p.288]]</ref>
 
<ref name="125-289">[[#学会125|『電気学会誌』第125巻第5号 p.289]]</ref>
 
<ref name="125-290">[[#学会125|『電気学会誌』第125巻第5号 p.290]]</ref>
 
<ref name="125-291">[[#学会125|『電気学会誌』第125巻第5号 p.291]]</ref>
 
<ref name="Rm200406">[[#RM12|『R&M』第12巻第6号 p.9]]</ref>
 
}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
=== 書籍 ===
 
=== 雑誌記事 ===
 
* {{Cite journal|和書|author=淺倉康二 |author2=中川哲朗 |title=M250系直流貨物電車(スーパーレールカーゴ)の開発 |date=2005-05-01 |publisher=社団法人 [[電気学会]] |journal=電気学会誌 |volume=125 |number=5 |naid=10015518762 |pages=288-291 |ref=学会125}}
 
* {{Cite journal|和書|author=森田英嗣 |title=研究と開発 JR貨物 M250系直流貨物電車「スーパーレールカーゴ」の開発 |date=2004-06 |publisher=日本鉄道車両機械技術協会 |journal=R&M |volume=12 |number=6 |naid=40006275151 |pages=pp.6-12,図1 |ref=RM12}}
 
* {{Cite journal|和書|author=森田英嗣 |year= 2004|month=8 |title=JR貨物 スーパーレールカーゴ M250系直流貨物電車|journal=[[鉄道ジャーナル]] |issue=454 |pages= 77-82 |publisher=鉄道ジャーナル社 |ref = 森田454}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commons|Category:JR Freight M250 series}}
 
* [[モーダルシフト]]
 
* [[佐川急便]]
 
* [[カーゴスプリンター]]
 
* [[イギリス国鉄多目的車両]]
 
* [[カーゴトラム]] - [[ドイツ]]・[[ドレスデン]]市交通局が[[2001年]]より運行している電車方式の貨物列車。[[フォルクスワーゲン]]のドレスデン・グローサーガルテン工場と、[[貨物駅]]に隣接した資材倉庫の間を結ぶ[[路面電車]]方式の貨物列車。
 
* [[ユーロトンネルシャトル]] - 個別の電気機関車同士による[[動力集中方式#プッシュプル方式|プッシュプル]]運転のため厳密にはM250系と異なるが、両端動力車を前提とし日常的にプッシュプル運転される貨物列車である。
 
* [[プッシュプル方式]]
 
* [[JR東日本215系電車]] - M250系同様にプッシュプル方式であるが、旅客用電車という視点では動力集中方式といえる。
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://jrc.gr.jp/html/award/bl/bl2005.htm 鉄道友の会による紹介]
 
* {{Wayback |url=http://www.sg-hldgs.co.jp/csr/eco/program.html |title=SGホールディングスによるモーダルシフト取り組みの紹介 - SGホールディングス |date=20111026033208}}
 
{{JR貨物の車両リスト}}
 
{{ブルーリボン賞選定車両一覧}}
 
{{rail-stub}}
 
{{デフォルトソート:しえいああるかもつM250}}
 
[[Category:日本貨物鉄道の電車|M250]]
 
[[Category:2003年製の鉄道車両]]
 
[[Category:日本車輌製造製の電車]]
 
[[Category:川崎重工業製の電車]]
 
[[Category:東芝製の鉄道車両]]
 
[[Category:貨物電車]]
 
[[Category:佐川急便]]
 

2018/9/23/ (日) 12:28時点における最新版



楽天市場検索: