あさが来た
『あさが来た』(あさがきた)
2015年度下半期放送のNHK「連続テレビ小説」第93シリーズの作品.
2015年9月28日から2016年4月2日に放送され、放送期間平均視聴率は23.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯。以下略)となり、連続テレビ小説としては今世紀最高の視聴率を記録した[1]。
企画・制作
ヒロイン・白岡あさのモデルは大阪を拠点に活動した実業家で教育者の広岡浅子で、その生涯を描いて1988年(昭和63年)に出版された古川智映子の『小説 土佐堀川』を原案とし[2][3]、大森美香が脚本を手掛ける。広岡浅子は、京都の豪商小石川三井家の三井高益の四女に生まれ、大阪の豪商加島屋一族の広岡信五郎に嫁ぎ、幕末から大正の、日本人の女性が表舞台に出ることがなかった時代に、企業経営者として、銀行、生命保険会社、さらには女子大学を日本で初めて作る女性起業家のパイオニアである。
物語は、朝ドラではもっとも古い年代となる安政4年(西暦1857年)から始まり[4][注 1]、様々な困難を乗り越えて成長するあさと、その家族らを通して、社会に貢献するさまを描くとしている[5][6]。
タイトルの「あさが来た」は、「あさ(朝)が来ると新しい世界が始まるような『社会を明るくする』ドラマにしたい」という思いが込められている[5]。また、本作は激動の時代を生き抜いた夫婦愛を描くため、実話の人物・企業・団体名などを改変して大幅に脚色し、フィクションとして制作される[5][注 2]。
ヒロインの人選は『マッサン』と同様に、17歳から33歳までと事実上の年齢制限を設けた公募オーディションが行われ[7][8]、2015年3月12日、NHK大阪放送局での記者会見で波瑠に決定したと発表された[9][10]。当時歴代最多の2590人が応募した[注 3]。
2015年4月23日には出演者発表会見が大阪局で行われ[12]、5月15日に京都の松竹撮影所でクランクインした[13][14]。江戸時代後期の豪商の娘を演じるため、クランクイン前から波留や宮崎をはじめ子役も、所作や箏、そろばん、習字などを練習して撮影に臨んだ[15]。また、ヒロインあさ愛用のそろばん・パチパチはんも準備され[16]、6月2日に大阪局でスタジオ撮影がスタートし、同局スタジオに、朝ドラ史上最も裕福な家に生まれた設定のヒロイン「あさ」の実家・今井家や[17]婚家・加野屋などの豪華セット[18][19]、炭坑のセット[20][21]、銀行のセットなどを設けて撮影された[22]。
2015年11月11日、追加キャストとなる新たな出演者発表会見が大阪放送局で行われ[23]、2016年3月5日、大阪局スタジオでクランクアップした[24]。通常はマスコミにラストシーンが公開されるが非公開であった[25]。
注釈
出典
- ↑ “「あさが来た」平均視聴率、朝ドラとしては今世紀最高”. 朝日新聞. (2016年4月4日). オリジナルの2016年4月5日時点によるアーカイブ。
- ↑ “【九転十起の女(3)】朝ドラにネタ本…著者が、いま明かす創作秘話”. sankei.com. 産経新聞 (2015年4月29日). 2015年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2016閲覧.
- ↑ “朝ドラの原案者「びっくりぽん」 執筆きっかけは辞典”. 朝日新聞デジタル (2016年1月7日). 2016年1月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2016閲覧.
- ↑ 第1週のストーリー。
- ↑ 5.0 5.1 5.2 “平成27年度後期連続テレビ小説「あさが来た」制作のお知らせ」”. NHKドラマトピックス. NHK (2015年1月15日). 2015年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2015閲覧.
- ↑ “連続テレビ小説に「あさが来た」”. NHKニュースウェブ (2015年1月15日). 2015年1月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2015閲覧.
- ↑ “NHK次々作は初の「ちょんまげ朝ドラ」”. 日刊スポーツ (2015年1月15日). 2015年4月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2015閲覧.
- ↑ “朝ドラで初の幕末もの!主役は“相撲を取っても下品にみえない人””. スポーツニッポン. (2015年1月15日). オリジナルの2015年1月15日時点によるアーカイブ。 . 2015閲覧.
- ↑ 山下奈緒子 (2015年3月12日). “朝ドラのヒロインに波瑠さん 今秋の「あさが来た」”. 朝日新聞デジタル. 2015年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2015閲覧.
- ↑ “朝ドラ「あさが来た」ヒロインに波瑠 4度目挑戦、相撲で勝ち取る”. スポーツニッポン (2015年3月12日). 2015年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2015閲覧.
- ↑ “NHK朝ドラ新ヒロインに池脇千鶴!”. ZAKZAK (2001年4月23日). 2001年4月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2015閲覧.
- ↑ “波留がヒロイン!今秋放送の朝ドラ「あさが来た」出演者に玉木宏、宮崎あおいほか”. cinemacafe (2015年4月23日). 2015年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2016閲覧.
- ↑ “「あさが来た」スタジオイン取材会を開催”. パチパチはんのスタッフブログ. NHK大阪放送局 (2015年6月2日). 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2015閲覧.
- ↑ “『あさが来た』クランク・インリポート 京都ロケ編”. あさが来た あさノート. NHK (2015年8月10日). 2015年8月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2015閲覧.
- ↑ “ヒロインのお稽古日記”. あさが来た あさノート. NHK. 2015年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2016閲覧.
- ↑ “恐るべし「あさが来た」効果!新次郎がくれた“パチパチはん”が売り切れ続出”. dot.. 朝日新聞出版 (2016年3月26日). 2016年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2016閲覧.
- ↑ “波瑠 次期朝ドラ豪華セットに仰天”. デイリースポーツ online (2015年6月2日). 2015年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2015閲覧.
- ↑ “加野屋セット探検”. あさが来た あさペディア. NHK (2015年10月24日). 2015年10月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2015閲覧.
- ↑ “「あさが来た」・スタジオセットをちょっと先出し”. パチパチはんのスタッフブログ. NHK大阪放送局 (2015年6月10日). 2016年2月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2016閲覧.
- ↑ “あさが炭鉱の仲間と成長する姿見て”. 「あさが来た」脚本の大森美香さんメッセージ 福岡県. 西日本新聞 (2015年11月13日). 2015年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2015閲覧.
- ↑ “あさが来た×BKワンダーランド”. あさが来た 特集 イベント. NHK (2015年11月21日). 2015年11月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2015閲覧.
- ↑ “「加野屋から加野銀行へ」〜華麗なるリフォームの舞台裏〜”. パチパチはんのスタッフブログ. NHK大坂放送局 (2016年2月20日). 2016年2月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2016閲覧.
- ↑ “波瑠、朝ドラ好調も「調子乗らず」 佐野元彦氏“反響”を分析”. ORICONSTYLE. オリコン (2015年11月11日). 2015年11月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2016閲覧.
- ↑ “あさが来た クランクアップ 波瑠が涙”. デイリースポーツ (神戸新聞社). (2016年3月5日). オリジナルの2016年3月5日時点によるアーカイブ。 . 2016閲覧.
- ↑ “波瑠「あさが来た」涙の撮了 ラストシーンは“異例”の非公開”. スポーツニッポン (2016年3月5日). 2016年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2016閲覧.