デヴィッド・リカード

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リカード

Ricardo, David

[生] 1772.4.19. ロンドン
[没] 1823.9.12. グロスターシャー,ギャトコムパーク

イギリス古典派経済学の最大の理論家。ユダヤ人の証券仲買人の息子として生れ,11歳から2年間オランダの商業学校に留学して帰国,14歳から父の仕事を手伝い 21歳で独立,のち公債引受人として巨富を得,1819年に事業を引退,同年よりポーターリントン選出下院議員。 1799年 A.スミスの『国富論』に接し経済学に興味をもつ。

価値と分配の理論においては今日にいたるまで多大の影響を与え,経済政策面でも 19世紀前半に圧倒的な影響を及ぼす。彼の理論的生涯は 1809~11年に地金論争に参加し名声を得たことに始る。『地金の高価格』 The High Price of Bullion (1810) では金本位制や為替相場に関する地金主義者としてのすぐれた分析を含み,のちの『経済的で安定的な通貨のための提案』 Proposals for an Economic and Secure Currency (16) とともに,20年の兌換再開に多大の影響を与えた。『安価な穀物が資本の利潤に及ぼす影響についての一論』 An Essay on the Influence of a low Price of Corn on the Profits of Stock (15) では差額地代論により地主的穀物法を批判,自由貿易政策を理論的に基礎づけた。 17年の『経済学および課税の原理』 On the Principles of Political Economy and Taxationで彼の理論は完全に開花し,労働投入量による価値決定と3階級間の分配法則とが体系化され,商品価値・資本価値と分配上の変化が不変の価値尺度という問題設定により理論的に連係された。

K.マルクスや P.スラッファ,さらに新古典派との理論的関連を含め,今日,彼の経済学史上の位置づけはおびただしい論争を引起している。