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'''海里'''(かいり、浬、{{lang-en|nautical mile}}
{{単位|名称=海里(かいり)|記号=M, nm, NM, Nm, nmi など([[計量法]]では、M 又は nm のみ)|単位系= その他の非SI単位|物理量=[[長さ]]|定義=正確に1852 m(国際海里)|由来=[[地球]]の[[大円]]上における[[円弧|弧]]1[[分 (角度)|分]]の[[長さ]]|画像=[[File:Nautic mile definition v2.png|250px|1海里]]}}
 
  
'''海里'''(かいり、浬、{{lang-en|nautical mile}})は、[[長さ]]の[[計量単位]]であり、[[#国際海里|国際海里]] (international nautical mile) の場合、正確に 1852 m である。元々は、地球上の[[緯度]]1[[分 (角度)|分]]に相当する長さなので、海面上の長さや[[航海]]・[[航空]]距離などを表すのに便利であるために使われている。英語では、sea mile とも呼ばれる。
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航海・航空用の距離の単位。国際単位系(SI)には含まれていないが、その他の非SI単位として示されている。イギリスの天文学者ガンターE. Gunter(1581―1626)の提案によるもので、17世紀から用いられている。地球の表面、つまり球面上を航行する便宜から、緯度1分に対する平均の長さとして採用された。したがってその距離は緯度により異なる。イギリス海軍本部およびイギリス商船は、6080フィート(1853.18メートル)を1海里とし、ほかの国では1852メートルとする。イギリスは緯度48度における経線上の距離を、ほかの国は45度における距離を採用したことによる。1929年の国際水路会議では1852メートルに統一することを勧告しており、日本もこれに従っている。ほかに電信海里といわれるものがある。これは6087フィート(1855.32メートル)を1海里とし、赤道における経線上の1分の距離をとっている。
 
 
== 概要 ==
 
海里は、[[国際単位系]] (SI) に属さない。しかしその公式文書の「[[国際単位系#その他の非SI単位(表8)|表8 その他の非SI単位 (non-SI units)]]」に掲げられている。「SI 単位による正確な定義が与えられ、通商、法律、又は特別な科学分野からの要請に対応するために、特定の状況で使用される単位」<ref>{{Cite book|和書|url=http://www.nmij.jp/library/units/si/R8/SI8J.pdf#page=36|format=PDF|pages=35, 36, 39–40|title=国際文書第8版 (2006) 国際単位系 (SI) 日本語版|author=訳・監修 独立行政法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター|accessdate=2016-04-19}}</ref>の一つであり、世界中で広く使われていることからSIと併用してもよい単位である。ただし、単位の定義を SI 単位(この場合は[[メートル]])で与えなければならないとしている。
 
 
 
日本の[[計量法]]体系では、「海面又は空中における長さの計量」に限定して使用を認めている([[s:計量単位令|計量単位令]] [[s:計量単位令#table6|別表第六]] 項番1<ref>{{Cite web|url=http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H04/H04SE357.html#3000000006000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000|title=計量単位令 別表第六(第五条関係)|accessdate=2016-04-20}}</ref>)。
 
 
 
日本の[[計量法]]体系では、海里は「[[長さ]]」の単位であるが、[[国際単位系]] (SI) の正式文書では「距離」の単位と記述されている<ref>{{Cite book|和書|url=http://www.nmij.jp/library/units/si/R8/SI8J.pdf#page=41|format=PDF|page=40|title=表8 その他の非 SI 単位|work=国際文書第8版 (2006) [[国際単位系]] (SI) 日本語版|author=訳・監修 独立行政法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター|accessdate=2016-04-19}}
 
</ref>。SIのフランス語版、英語版でも「長さ」({{Lang-fr-short|longueur}}、{{Lang-en-short|length}})と「距離」({{Lang-fr-short|distance|links=no}}、{{Lang-en-short|distance|links=no}})を使い分けている<ref>{{Cite book|url=http://www.bipm.org/utils/common/pdf/si_brochure_8_fr.pdf#page=42|format=PDF|page=38|title=Le Système international d’unités (SI) 8e édition 2006, Tableau 8. Autres unités en dehors du SI|author=Bureau International des Poids et Mesures|isbn=92-822-2213-6|accessdate=2016-04-19}}{{fr icon}}</ref><ref>{{Cite book|url=http://www.bipm.org/utils/common/pdf/si_brochure_8_en.pdf#page=35|format=PDF|page=127|title=The International System of Units(SI), 8th edition 2006, Table 8. Other non-SI units|author=International Bureau of Weights and Measures|accessdate=2016-04-19}}{{en icon}}</ref>。意味は同一である。
 
 
 
== 国際海里 ==
 
現在は、正確に1852メートルである国際海里 (international nautical mile) が世界中で使われている。この定義は、[[1929年]]に[[モナコ]]で開かれた国際臨時水路会議 (International Extraordinary Hydrographic Conference):[[国際水路機関]]の会議)で採用された。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]は[[1954年]]に、[[イギリス]]は[[1970年]]に国際海里を採用した。
 
 
 
1海里の10分の1を1ケーブル (''cable'') といい、海事では一般的に使われている。
 
 
 
毎時1海里の[[速度]]を[[ノット]]という。すなわち、1ノットは、正確に 1852&nbsp;m/h = 約 0.514&nbsp;444&nbsp;m/s である。
 
 
 
また、[[航空会社]]が実施する[[マイレージサービス]]での「マイル」は、陸上[[マイル]](= 1609.344&nbsp;m)ではなく海里のことである。航空での各種規定は[[海運]]の規定を援用しているものが多い。
 
 
 
== 海里の記号 ==
 
海里の[[単位記号]]には、いまだに国際的に承認された記号はなく,M, NM,Nm, nmi などが使用されている<ref>{{Cite book|和書|url=http://www.nmij.jp/library/units/si/R8/SI8J.pdf#page=41|format=PDF|page=40|title=表8 その他の非 SI 単位、表註 (d)|work=国際文書第8版(2006) [[国際単位系]] (SI) 日本語版|author=訳・監修 独立行政法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター|accessdate=2016-04-20}}</ref>。これらの記号は、いずれも '''N'''autical '''M'''ile の頭文字などを取ったものである。
 
 
 
「国際文書第8版 (2006) [[国際単位系]] (SI)」の表8では、「M」を使っている。
 
 
 
日本の[[計量法]]は、[[単位記号]]は「M 又は nm」と定めている([[計量単位規則]] 別表第四(第2条関係)海面又は空中における長さの計量<ref>{{Cite web|url=http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=1&H_NAME=%8c%76%97%ca%92%50%88%ca%8b%4b%91%a5&H_NAME_YOMI=%82%a0&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=H04F03801000080&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1|title=計量単位規則(平成四年十一月三十日通商産業省令第八十号)|accessdate=2016-04-20}}</ref>)。JIS規格 (JIS Z8000-3: 2014 = ISO 80000-3: 2006) は、海里の記号を定めていない<ref>[http://kikakurui.com/z8/Z8000-3-2014-01.html 量及び単位−第3部:空間及び時間] p.&nbsp;7.</ref>。
 
 
 
アメリカ合衆国においては、[[:en:United States Government Publishing Office|United States Government Printing Office]] Style Manual (GPO Style Manual) が「nmi」と定めている<ref>[http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/GPO-STYLEMANUAL-2008/pdf/GPO-STYLEMANUAL-2008.pdf  United States Government Printing Office Style Manual] 9.62. Standard letter symbols for units of measure、p.&nbsp;250, nmi—nautical mile.</ref>。
 
 
 
このほか、航空関連の距離表記として '''nm''' が慣習的に用いられる。nm は[[国際単位系]] (SI) では「[[ナノメートル]]」の単位記号であるが、両者のスケール差は1兆倍以上であり、使用される状況が全く異なるので、実用上で混同されることはまずない。
 
 
 
日本では、「海上で使われる[[里]]」という意味で「カイリ」という言葉が作られ、「[[Wikt:浬|浬]]」という文字が作られた。[[当用漢字]]に「浬」が含まれなかったために、一時はカタカナで「カイリ」と書くことも行われたが、今日では由来に基づいて「海里」と書く。計量法では、「浬」の文字は認めていない。
 
 
 
== 歴史的な定義 ==
 
海里の元々の定義は、「[[地球]]上における[[緯度]]の1[[分 (角度)|分]]角の[[弧長]]」だった。しかし、基準とする[[地球楕円体#各種の準拠楕円体|準拠楕円体]]が異なること、1分角の[[子午線弧]]長が緯度によって異なること、[[測量]][[誤差]]などにより、さまざまな定義が生まれた。
 
*(旧)英海里 ((old) admiralty mile) = 6082 [[フィート]] = 1853.793 [[メートル]]。[[緯度]]1分の平均。
 
*(新)英海里 ((new) admirality mile) = 6080 [[フィート#国際フィート|国際フィート]] = 正確に 1853.184 メートル。'''緯度48[[度 (角度)|度]]での'''緯度1分に基づく。この単位は、1970年に廃止され、下記の法定海里に置き換えられた。
 
 
 
*イギリスの法定海里([[:en:nautical mile|nautical mile]] (UK))= 正確に 185'''3''' メートル<ref>{{Cite web|title=The Units of Measurement Regulations 1995|url=http://www.legislation.gov.uk/uksi/1995/1804/schedule/made|accessdate=2016-04-20}}{{en icon}}</ref> 国際海里より丁度 1&nbsp;m だけ長いこの海里は、イギリス国内において法的には、なお有効である。
 
 
 
*国際海里 (international nautical mile) = 正確に 1852 メートル。[[ベッセル楕円体]]の[[極]]と[[赤道]]の距離の 1/(90 × 60) に由来する。
 
 
 
*米海里 (US nautical mile) = 6080.20 [[フィート#測量フィート|測量フィート]] = 約 1853.248&nbsp;666 メートル
 
 
 
*大陸式海里 = 6974.5 [[フィート#国際フィート|国際フィート]] = 正確に 2125.8276 メートル
 
 
 
*電信海里 = 6087 [[フィート#国際フィート|国際フィート]] = 正確に 1855.3176 メートル
 
 
 
*データマイル (data mile) = 6000 フィート = 正確に 1828.8 メートル
 
 
 
{{長さの単位 (長)}}
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[緯度]]
 
* [[経度]]
 
* [[排他的経済水域]]
 
* [[鏈]]
 
* [[ノット]]
 
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://www.mlit.go.jp/jmat/monoshiri/houki/houkinyumon/umichisiki.htm 海難審判所]
 
  
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[[Category:長さの単位]]
 
[[Category:長さの単位]]
 
[[Category:航海術]]
 
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2019/6/26/ (水) 09:07時点における最新版

海里(かいり、浬、英語: nautical mile

航海・航空用の距離の単位。国際単位系(SI)には含まれていないが、その他の非SI単位として示されている。イギリスの天文学者ガンターE. Gunter(1581―1626)の提案によるもので、17世紀から用いられている。地球の表面、つまり球面上を航行する便宜から、緯度1分に対する平均の長さとして採用された。したがってその距離は緯度により異なる。イギリス海軍本部およびイギリス商船は、6080フィート(1853.18メートル)を1海里とし、ほかの国では1852メートルとする。イギリスは緯度48度における経線上の距離を、ほかの国は45度における距離を採用したことによる。1929年の国際水路会議では1852メートルに統一することを勧告しており、日本もこれに従っている。ほかに電信海里といわれるものがある。これは6087フィート(1855.32メートル)を1海里とし、赤道における経線上の1分の距離をとっている。



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