セント・ポール大聖堂

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セント・ポール大聖堂.jpg

Saint Paul's Cathedral

ロンドンのラドゲイト・ヒルにある大聖堂。 1666年の大火で旧聖堂は焼失し,C.レンが再建案を作成。 75年の第3案に基づき着工。 1710年に完成。平面は 141m,31mのラテン十字形の長堂形式で,十字交差部は大ドームを支える広い円形空間となっている。 65mにもなる3重殻の大ドームは,8本のピアにより支えられ,ドーム内には推力による破壊を防ぐため「レンの鎖」がその基部に埋込まれている。その他の構造的工夫もレンの発明の才を示すとともに,近世の大聖堂建築のうちでもすぐれた構造を有するものとされている。西正面には中央に重層のコリント式オーダーの柱が並び,ペディメントを支え,その左右には大胆な意匠の塔が立てられている。ドームの着想は,D.ブラマンテのテンピエットから得られ,古典主義的であるが,塔にはボロミーニ式の意匠でバロック的な影響を受け,その全体構成からして,イギリス・バロック建築の代表作とされる。この大聖堂は設計から完成までが1人の建築家によりなされた珍しい例でもある。

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