ネイサン・イオバルディ

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ネイサン・エドワード・イオバルディNathan Edward Eovaldi , 1990年2月13日 - )は、アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン出身のプロ野球選手投手)。右投右打。MLBボストン・レッドソックス所属。

姓の「Eovaldi」は、発音「E-vaul-dee(イー・ヴァール・ディー)」で「イーバルディ」がより近い(2文字目の「o」は無声音化)。

経歴

プロ入りとドジャース時代

2008年MLBドラフト11巡目(全体337位)でロサンゼルス・ドジャースから指名される。高校3年時にトミー・ジョン手術を受け、テキサスA&M大学に進学予定だったため指名順位が落ちたが、8月6日に契約金25万ドルで契約した[1]。契約後は傘下のルーキー級ガルフ・コーストリーグ・ドジャースでプロデビュー。6試合にリリーフとして登板して0勝1敗1セーブ・防御率1.12・9奪三振の成績を残した。9月からはパイオニアリーグのルーキー級オグデン・ラプターズEnglish版でプレーし、1試合に登板した。

2009年はA級グレートレイクス・ルーンズで、この年のシーズン途中から先発に転向。26試合(先発16試合)に登板して3勝5敗1セーブ・防御率3.27・71奪三振の成績を残した。

2010年はA+級インランド・エンパイア・シックスティシクサーズEnglish版で開幕を迎えると、同球団では16試合(先発14試合)に登板して3勝5敗・防御率4.45・58奪三振の成績を残した。7月に戦線離脱すると、8月下旬からはルーキー級アリゾナリーグ・ドジャースでプレー。9月にルーキー級オグデンで1試合に登板した。

2011年、マイナーではAA級チャタヌーガ・ルックアウツでプレーし、20試合(先発19試合)に登板して6勝5敗・防御率2.62・99奪三振の成績を残した。8月6日にドジャースとメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[2]。同日のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦で先発起用され、メジャーデビュー。5回を4安打2失点7奪三振に抑え、メジャー初勝利を挙げた。その後は先発ローテーションに定着したが、なかなか勝ち星に恵まれず、9月からはリリーフに配置転換された。この年メジャーでは10試合(先発6試合)に登板して1勝2敗・防御率3.63・23奪三振の成績を残した。

2012年4月4日にAA級チャタヌーガへ配属され、開幕を迎えた。4月27日にメジャーへ昇格した[3]が、登板のないまま4月29日にAA級チャタヌーガへ降格した[4]。その後、5月29日に再昇格した[5]。昇格後は先発ローテーションに加わったが、シーズン初勝利は8試合目の7月5日のダイヤモンドバックス戦となった。ドジャースでは10試合に先発登板して1勝6敗・防御率4.15・34奪三振の成績を残した。

マーリンズ時代

2012年7月25日ハンリー・ラミレスランディ・チョートとのトレードで、スコット・マガフEnglish版と共にマイアミ・マーリンズへ移籍した[6]。移籍後は12試合に先発登板して3勝7敗・防御率4.43・44奪三振の成績を残した。

2013年2月20日にマーリンズと1年契約に合意。3月31日に右肩の故障で15日間の故障者リスト入りした[7]4月18日に60日間の故障者リストへ異動し[8]6月18日に復帰[9]。復帰後は18試合に先発登板して4勝6敗・防御率3.39・78奪三振の成績を残した。

2014年はシーズンを通してローテーションを守り、リーグ4位の33試合に先発。6勝を挙げたが、チーム最多の14敗、リーグ最多の被安打223本を記録。防御率は4.37だった。

ヤンキース時代

2014年12月19日デビッド・フェルプスマーティン・プラドとのトレードで、ドミンゴ・ジャーマンギャレット・ジョーンズと共にニューヨーク・ヤンキースへ移籍した[10]

2015年はヤンキースの先発ローテーションに入り、9月上旬までに14勝を挙げてチームの勝ち頭となっていたが、右肘に炎症を起こして9月7日に戦線離脱[11]、そのままシャットダウンした。この年は防御率が前年よりわずかに改善したが、被打率、被安打率は悪化し、特にWHIPは1点以上も悪くなるなど、投球内容は前年を下回った。それでもリーグ1位の勝率.824を記録し、チームのプレーオフ進出に貢献した。

2016年も先発ローテーションの一角として、8月上旬までに24試合に登板し、9勝8敗を記録していた。ただし、前年比で約 - 30.0イニングながら、同比 + 13本のホームランを浴びており、投球内容自体は芳しくなかった。しかし、結果的に同年最終登板となる8月10日の対ボストン・レッドソックス戦で肘に違和感を発症し、検査の結果、自身2度目となるトミー・ジョン手術を受けて2017年シーズン全休となる見込みと判明した[12]8月19日、手術は成功した[13]11月18日DFAとなり[14]、23日に自由契約となった[15]

レイズ時代

2017年2月14日タンパベイ・レイズと1年200万ドルで契約を結んだ[16]3月10日3月8日付で60日間の故障者リストに入った[15]。この年は当初の予定通り、前述の手術のリハビリで全休した。

2018年は開幕から故障者リストに入っていたが、5月30日にアクティブ・ロースターへ登録されることが前日に発表された[17]。その復帰戦となったオークランド・アスレチックス戦では6回を無安打無失点に抑えて勝利投手となった[18]

レッドソックス時代

2018年7月25日にジャレン・ビークスEnglish版とのトレードで、レッドソックスへ移籍した[19]

投球スタイル

スリークォーターから最速162.1km/h[20]、平均球速156km/hのフォーシームスライダースプリッターの3球種で全体の80%以上を占める。ほかにツーシームカッターカーブチェンジアップなど、多彩な球種を持つ。スプリッターは、2015年から投げるようになり、そのおかげで5~6点台だった奪三振率が7点台を記録するようになった。メジャー昇格当初から持ち球としていたカッターは、2012年を最後に投げるのをやめていたが、2016年から再び投げるようになった。またメジャーデビュー当初は平均球速が150km/h程度だったが、年々球速がアップしている[21]

詳細情報

年度別投手成績

2011 LAD 10 6 0 0 0 1 2 0 1 .333 146 34.2 28 2 20 0 2 23 0 0 14 14 3.63 1.39
2012 10 10 0 0 0 1 6 0 0 .143 241 56.1 63 5 20 2 0 34 1 0 27 26 4.15 1.47
MIA 12 12 0 0 0 3 7 0 0 .300 285 63.0 70 5 27 1 3 44 0 0 32 31 4.43 1.54
'12計 22 22 0 0 0 4 13 0 0 .235 526 119.1 133 10 47 3 3 78 1 0 59 57 4.30 1.51
2013 18 18 0 0 0 4 6 0 0 .400 451 106.1 100 7 40 3 1 78 3 0 44 40 3.39 1.32
2014 33 33 0 0 0 6 14 0 0 .300 854 199.2 223 14 43 5 7 142 6 0 107 97 4.37 1.33
2015 NYY 27 27 0 0 0 14 3 0 0 .824 673 154.1 175 10 49 0 3 121 8 0 72 72 4.20 1.45
2016 24 21 0 0 0 9 8 0 0 .529 525 124.2 123 23 40 2 1 97 5 0 66 66 4.76 1.31
2018 TB 10 10 0 0 0 3 4 0 0 .429 224 57.0 48 11 8 1 1 53 1 0 27 27 4.26 0.98
BOS 12 11 0 0 0 3 3 0 0 .500 231 54.0 57 3 12 0 2 48 3 0 28 20 3.33 1.28
'18計 22 21 0 0 0 6 7 0 0 .462 455 111.0 105 14 20 1 3 101 4 0 55 47 3.81 1.13
MLB:7年 156 148 0 0 0 44 53 0 1 .454 3630 850.0 887 80 259 14 20 640 27 0 417 393 4.16 1.35
  • 2018年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

背番号

  • 50(2011年 - 2012年途中)
  • 24(2012年途中 - 2014年、2018年 - 同年7月23日)
  • 30(2015年 - 2016年)
  • 17(2018年7月29日 - )

脚注

  1. Dodgers to promote Eovaldi for Saturday start” (英語). MLB.com (2011年8月5日). . 2016年11月28日閲覧.
  2. Dodgers to promote Eovaldi for Saturday start” (英語). MLB.com (2011年8月6日). . 2014年12月27日閲覧.
  3. Dodgers add righty Eovaldi to bullpen” (英語). MLB.com (2012年4月28日). . 2014年12月27日閲覧.
  4. Coffey will return to bullpen Monday” (英語). MLB.com (2012年4月29日). . 2014年12月27日閲覧.
  5. Ken Gurnick (2012年5月30日). “Dodgers activate Kemp from disabled list” (英語). MLB.com. . 2014年12月27日閲覧.
  6. “Marlins acquire Eovaldi, McGough from Dodgers” (英語) (プレスリリース), MLB.com (Miami Marlins), (2012年7月25日), http://m.marlins.mlb.com/news/article/35533646/ . 2014年12月27日閲覧. 
  7. “Marlins announce 2013 Opening Day roster” (英語) (プレスリリース), MLB.com (Miami Marlins), (2013年3月31日), http://m.marlins.mlb.com/news/article/43573920/marlins-announce-2013-opening-day-roster . 2014年12月27日閲覧. 
  8. Tony Meal (2013年4月18日). “BP mishap lands Hechavarria on DL” (英語e). MLB.com. . 2014年12月27日閲覧.
  9. Tyler Emerick (2013年6月18日). “Slowey moving to long relief with Eovaldi's return” (英語). MLB.com. . 2014年12月27日閲覧.
  10. “Yankees acquire RHP Nathan Eovaldi, RHP Domingo German and INF Garrett Jones in five-player trade with Miami Marlins” (英語) (プレスリリース), MLB.com (New York Yankees), (2014年12月19日), http://m.yankees.mlb.com/news/article/104517290/yankees-and-marlins-complete-five-player-trade . 2014年12月20日閲覧. 
  11. ヤンキース・イオバルディが右肘炎症で戦列離脱へ”. 日刊スポーツ (2015年9月8日). . 2015年10月6日閲覧.
  12. “【MLB】ヤンキース、N.イオバルディが右ひじ故障 2017年シーズン全休へ”. ISM. (2016年8月17日). オリジナル2016年8月26日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160826095031/http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160817-00000212-ism-base . 2016年10月6日閲覧. 
  13. Cash Kruth (2016年8月18日). “Eovaldi has successful surgery” (英語). MLB.com. . 2016年11月28日閲覧.
  14. Bryan Hoch (2016年11月18日). “Yankees make a series of roster moves”. . 2016年11月28日閲覧.
  15. 15.0 15.1 MLB公式プロフィール参照。2017年3月13日閲覧。
  16. Bill Chastain (2017年2月14日). “Eovaldi joins Rays at spring camp” (英語). MLB.com. . 2017年2月15日閲覧.
  17. Bill Chastain (2018年5月29日). “Rays praise Eovaldi's work ethic in comeback” (英語). MLB.com. . 2018年6月4日閲覧.
  18. In return to majors, Rays' Nathan Eovaldi pulled early from no-hit bid
  19. Zachary Silver (2018年7月25日). “Red Sox acquire Eovaldi from Rays” (英語). MLB.com. . 2018年7月26日閲覧.
  20. FanGraphs PITCHf/x
  21. Nathan Eovaldi Pitch Data” (英語). The Baseball Cube. . 2016年8月18日閲覧.

関連項目

外部リンク

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テンプレート:ボストン・レッドソックス