フランス

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正式名称 フランス共和国 République française
面積 54万3965km2(フランス本国のみ。海外県・海外領は除く)
人口 6385万3000(2013推計。フランス本国のみ。海外県・海外領は除く)
首都 パリ

ヨーロッパ西部にある国。南西部はピレネー山脈を挟んでスペインと接し,東部はアルプスでイタリアと,ジュラ山脈スイスと,ライン川を隔ててドイツと接し,北東部はフランドル平野およびアルデンヌ高地でベルギールクセンブルクと接する。ピレネー,アルプス,ジュラの諸山脈はアルプス造山運動によるもので,高峻な山系を形成,交通の障害をなす一方,観光・保養地も提供している。これに対し,西端のアルモリカ地塊,中部南寄りのマシフサントラル,東部のボージュ山地などからなる V字形のヘルシニア系山地は中・低山性で,鉄,石炭などの資源に恵まれている。

この V字形の北にパリ盆地,東にローヌ=ソーヌ河谷平野,西にアキテーヌ盆地がある。地中海に注ぐローヌ川を除くと,セーヌ川,ロアール川,ガロンヌ川など,イギリス海峡,大西洋に注ぐ諸河川は,一般に流路が長く,流れもゆるやかで,古くから交通上,産業上重要な役割を果たし,それらを結ぶ運河網も発達している。セーヌ流域のパリ盆地では,ケスタ地形が著しく,盆地の外側に向かっていくつかの急崖の列が見られる。気候は大部分が西岸海洋性気候の地域で,比較的温暖で降水も一年を通じている。しかし,地中海岸は温帯冬雨気候(地中海式気候)を示し,コートダジュールは世界的な観光地となっている。前6~前1世紀にケルト人が住みついたが,その後古代ローマ人,さらにゲルマン系のフランク民族が進出した。

住民の 80%近くを占める今日のラテン系のフランス人は,これら諸民族の混血によって形成された。住民の大部分がフランス語を話し,およそ 3分の2がキリスト教のカトリックの信者。政治制度はアメリカ型大統領制とイギリス型議院内閣制の折衷型で,元首は大統領。従来の議会優位の伝統がドゴール政権時代から大統領優位の体制に変えられた。

議会は下院の国民議会と上院の元老院からなり,政党は多党制が特色である。フランスは,高度に発展した資本主義国のうちでは農業の占める比重が高く,経営面積 5~35haをもつ独立経営の「小農民の国」として知られる。伝統的にコムギとブドウづくりが中心の農業で,コムギは輸出能力があり,ワインは食生活に欠かせないものとなっている。工業は長い間,織物が中心で重工業化は遅れたが,ロレーヌの豊富な鉄鉱資源をいかして発展した。

第2次世界大戦後は経済の民主化や産業の国有化の計画が進められ,電力,ガス,銀行,鉄道,航空などの国有化に加え,自動車,航空機,アルミニウム工業の半数ほどが国有化されるなど,国営企業と私企業の「混合経済」によって発展してきたが,1980年代半ばから徐々に民営化が進んだ。ヨーロッパ連合 EU,北大西洋条約機構 NATO加盟国。(フランス史