主よ、深き淵よりわれ汝を呼ぶ
主よ、深き淵よりわれ汝を呼ぶ、(Aus der Tiefen rufe ich, Herr zu dir)は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの教会カンタータ。BWV131番。聖句は詩篇130篇である。訳はマルティン・ルターによる。同じ聖書箇所に基づくルターのコラールはバッハのカンタータ38番深き悩みの淵より、われ汝に呼ばわるで使われている。
Contents
構成
1曲目、3曲目、5曲目の歌詞は聖書の御言葉のみ。2曲目と4曲目は聖句とコラールの応答。このコラールはバルトロメウス・リングヴァルト(Bartholomäus Ringwaldt)による。
1曲目 合唱
<poem> Aus der Tiefen rufe ich, Herr, zu dir. ああ主よ、われふかき淵より汝をよべり Herr, höre meine Stimme, 主よねがわくはわが声をきき laß deine Ohren merken 汝の耳を auf die Stimme meines Flehens! わがねがいの声にかたむけたまえ </poem>
深き底を暗示する5度下降音程から始まる。
2曲目 アリア(バス)とコラール(ソプラノ)
オーボエ、通奏低音
<poem> So du willst, Herr, Sünde zurechnen, ヤハよ主よなんじもしもろもろの不義に目をとめたまはば Herr, wer wird bestehen? 誰かよく立つことをえんや
Denn bei dir ist die Vergebung, されどなんじに赦しあれば daß man dich fürchte. 人におそれかしこまれ給うべし </poem>
バスのアリアが詩篇を歌い、ソプラノがコラールを歌う。
3曲目 合唱
オーボエ、ファゴット、ヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音
<poem> Ich harre des Herrn, われ主を待ち望む、 meine Seele harret, わがたましいはまちのぞむ und ich hoffe auf sein Wort. われはそのみことばによりて望みをいだく </poem>
4曲目 アリア(テノール)とコラール(アルト)
通奏低音
<poem> Meine Seele wartet auf den Herrn, わがたましいは衛士があしたを待つにまさり von einer Morgenwache bis zu der andern. 誠にえじがあしたをまつにまさりて主をまてり </poem>
5曲目 合唱
オーボエ、ファゴット、ヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音
<poem> Israel, hoffe auf den Herrn; イスラエルよ主によりて望みをいだけ denn bei dem Herrn ist die Gnade そは主にあわれみあり und viel Erlösung bei ihm. またゆたかなるあがないあり Und er wird Israel erlösen 主はイスラエルを aus allen seinen Sünden.そのもろもろのよこしまよりあがないたまわん </poem>
2重フーガ。