スターアライアンス
テンプレート:航空会社同盟情報ボックス スターアライアンス (英: Star Alliance) は、1997年5月14日に設立された、世界初で世界最大の航空連合である。その加盟会社による就航国は190ヶ国余り、1,300以上の空港に達し、1日当たりの便数は21,000便を超える。アライアンス・スローガンは「The Way The Earth Connects」(意味: 地球の繋ぎ方)。
Contents
概要
スターアライアンスメンバーが就航する代表的な空港としてドイツのフランクフルト空港があげられる。本部機能をつかさどる現地法人スターアライアンスサービス会社 (Star Alliance GmbH) はフランクフルト空港第1ターミナルに隣接するフランクフルトエアポートセンターに本拠地を置いている。サービス会社の役割はスターアライアンス加盟各社のコーディネートやサポートを担うことで、意思決定の権限は有していない[1]。
歴史
- 1997年5月14日 : エア・カナダ、ユナイテッド航空、ルフトハンザドイツ航空、スカンジナビア航空、タイ国際航空の5社によって設立。直後に、ヴァリグ・ブラジル航空が加盟。
- 1999年 : ニュージーランド航空、アンセット・オーストラリア航空、全日本空輸が加盟。
- 2000年 : シンガポール航空、bmi、メキシカーナ航空、オーストリア航空が加盟。
- 2001年 : アンセット・オーストラリア航空が運航停止のため脱退。
- 2003年 : アシアナ航空、LOTポーランド航空、スパンエアーが加盟。
- 2004年 : USエアウェイズが加盟。メキシカーナ航空が脱退。アドリア航空、クロアチア航空、Blue1がリージョナル・メンバーとして加盟。
- 2005年3月14日 : TAP ポルトガル航空が加盟。
- 2006年4月1日 : 南アフリカ航空、スイス インターナショナル エアラインズが加盟。
- 2007年
- 2008年
- 2009年
- 2010年
- 2011年12月13日 : エチオピア航空が加盟[3]。
- 2012年
- 2013年6月18日 : エバー航空が加盟[7]。
- 2014年
- 2015年7月22日 : アビアンカ航空の子会社「アビアンカ・ブラジル航空」がアフィリエイト・メンバーとして加盟[11]。
- 2017年5月23日 : 吉祥航空がスターアライアンスの接続パートナー(connecting partner)となる[12]。
- 2018年5月24日 : オリンピック航空がスターアライアンスの接続パートナー(connecting partner)となる。
加盟航空会社
スターアライアンスは、2004年度より加盟会社をメンバーとリージョナル・メンバーに分けていたが、2009年9月頃リージョナル・メンバーを廃止した。
メンバー
メンバーは所定の要件を満たした会社で、アライアンス社長会での議決権を持つ。また、メンバーの子会社も任意でメンバーの一部として扱うことができる[13]。
メンバーはサイトおよび各種印刷物などに"A STAR ALLIANCE MEMBER"と記載している。
1 創立時のメンバー
2 メンバーである中国国際航空の関連会社であるが、独自に加盟。
3 当初エーゲ航空とオリンピック航空が合併し、オリンピック航空として加盟予定であったが、欧州委員会により合併が認められず[14]、加入の見通しは立っていなかった。しかし、2013年10月23日に当時の大株主だった マーティン・インベストメントグループホールディングス(Marfin Investment Group Holdings S.A) がエーゲ航空へ全株を売却[15]、オリンピック航空はエーゲ航空の加盟子会社となった。
リージョナル・メンバー
かつて存在していたリージョナル・メンバーは議決権を持たず、また加盟資格の1つとしてメンバー1社の後援を受けることとしていた。アドリア航空とクロアチア航空はルフトハンザドイツ航空の支援を、Blue1は親会社であるスカンジナビア航空の支援を受けていが、2009年9月頃、リージョナル・メンバー3社を正規メンバーに昇格させるとともにリージョナル・メンバーを廃止した。
リージョナル・メンバーは"A REGIONAL STAR ALLIANCE MEMBER"という表記を各種印刷物やwebサイトなどに加えていた。
加盟予定航空会社
元加盟航空会社
特徴
現在世界的な航空連合には、スターアライアンスの他にワンワールドとスカイチームがあるが、これらと比較して最も加盟航空会社が多い(27社)事がスターアライアンスの最大の特徴である。
アジアでは計8社が加盟しており、ワンワールド(5社)、スカイチーム(6社)に比べ、東アジア、東南アジアの路線網が充実している。特に日・中・韓・台の全ての会社が1社以上加盟するのはスターアライアンスのみである。また2014年7月にエア・インディアが加盟し、南アジアでのネットワークが拡大した。2014年7月時点でインドの航空会社が加盟している航空連合は、スターアライアンスだけである。一方、西~中央アジア方面はターキッシュ エアラインズ[17]がカバーするものの、中東・ロシアに加盟会社が無いためにCIS諸国・中東エリアでは他2グループの後塵を拝しており、ネットワークの充実が課題である。
ヨーロッパでは設立当初からルフトハンザドイツ航空とスカンジナビア航空が参加している。後にオーストリア航空等数多くの航空会社の参加が続いているが、参加航空会社の内、オーストリア航空やLOTポーランド航空などの数社はそれまで自社で運営してきたプログラムを停止し、ルフトハンザドイツ航空の「Miles & More」への乗り換えを行った上で参加している。この他にもスイス インターナショナル エアラインズやブリュッセル航空など、元クオリフライヤー加盟会社がルフトハンザの傘下となる形で加盟することが多い。南欧の加盟会社ではスペインのスパンエアーが2012年に経営破綻して消滅してしまい、加盟会社がTAPポルトガル航空だけになってしまったが、それでも中欧のドイツ語圏(ドイツ、オーストリア、スイス、ベルギーの一部)、北欧・南欧・西欧の航空会社が満遍なく加盟しているため、エールフランスやKLMオランダ航空、アリタリア-イタリア航空、アエロフロート・ロシア航空を中心とするスカイチームや、ブリティッシュ・エアウェイズ、イベリア航空やフィンランド航空を擁するワンワールドと比肩するネットワークを有している。他社に対する弱点としては、特にスカイチームに差をつけられている東欧・CIS諸国における路線網と言える。
北米では、他の2つのアライアンスにはないカナダの大手航空会社であるエア・カナダが加盟していることが強みである。2000年に、当時ワンワールドに加盟していたカナダ2位のカナディアン航空が倒産、エア・カナダが吸収合併したことでカナダ国内での圧倒的なネットワークを手に入れた。また、2009年10月にはスカイチームからコンチネンタル航空が移籍(後にユナイテッド航空と合併)したことにより、更にその利便性が高まった。北米大手2社にカナダ1社を抱え他連合と比べても抜きん出たネットワーク規模を誇っていたが、USエアウェイズがアメリカン航空と合併することで脱退することとなり、アメリカ国内においては規模は2位に落ちた。
中米及びカリブ海地域では、2004年にメキシカーナ航空が脱退した(その後、2009年にワンワールドへ加盟、2010年運行停止)が、アビアンカ航空、タカ航空、コパ航空が加盟しており高い利便性を有している。
南米では当時最大の航空会社であったヴァリグ・ブラジル航空が破産し脱退したため、本拠地を置く航空会社を持たない状況が続いていた。しかし、2010年5月13日に現在ブラジル最大の航空会社であるTAM航空が加盟し、さらに2012年にアビアンカ航空、タカ航空が加盟したことにより南米のネットワークが拡大した。ところがTAM航空はワンワールド所属のラン航空に経営統合された関係で2014年に脱退する事となり、再びブラジルを拠点とする航空会社が不在となる事態となった。このため、2015年にアビアンカの子会社であるアビアンカ・ブラジル航空を加盟させ、同社を成長させることでネットワークの補填を行う予定である。
アフリカでは、南アフリカ航空、エジプト航空、エチオピア航空が加盟しており、さらにアフリカ路線を多数擁するブリュッセル航空の路線網も加わって広範囲のネットワークを形成している。南北アフリカに世界規模の大手航空会社を2つ以上抱えるのはスターアライアンスのみであり、ことにブリティッシュ・エアウェイズの旧植民地路線に頼るワンワールドとの差は大きく、また中東にも路線網を持つエジプト航空が隣接する中東エリアでの弱点を補っている。
オセアニアに関しては、アンセット・オーストラリア航空の経営破綻後は加盟航空会社がニュージーランド航空だけとなっており、カンタス航空を擁するワンワールドの後塵を拝している。ただし現時点では全く加盟会社の無いスカイチームよりは有利とも言える。
スターアライアンス・ラウンジ
スターアライアンス加盟各社の共用ラウンジで、上級会員並びにファーストクラス・ビジネスクラスの乗客が利用可能。スイスのチューリッヒ空港を皮切りに、名古屋の中部国際空港、ロサンゼルス国際空港、パリのシャルル・ド・ゴール国際空港の4空港に設置されている。加盟航空会社の国を代表する料理や各国のワイン、シャンパン、ビールなどを提供している。
ターミナルの再配置
スターアライアンスの重要な戦略として加盟航空会社が1つのターミナルに集結するプロジェクト〜Move under one Roof〜(ひとつ屋根の下に集結)が挙げられる。アライアンス加盟各社のターミナル機能を共用化する事によって乗継時間の短縮や利便性の大幅な向上がなされ、アライアンス機能を更に発揮出来るようになる。日本では成田国際空港第1旅客ターミナル南ウイングに2006年6月2日から全日本空輸を中心にニュージーランド航空を除く成田に就航する加盟各社が配置されていたが、2012年3月25日からニュージーランド航空も第1旅客ターミナル南ウイングに合流した[18]。2015年現在、2014年10月にスターアライアンスに加盟したエアインディアを除く、成田国際空港に就航する加盟会社全社が第1旅客ターミナル南ウイングからの発着となっている。アジア域内のハブ空港では仁川国際空港や北京首都国際空港、上海浦東国際空港で進められている。欧州域内ではシャルル・ド・ゴール国際空港第1旅客ターミナルや、ロンドン・ヒースロー空港第2旅客ターミナルなどへの再配置が進められ設備の拡充が図られている。
スターアライアンスゴールドおよびシルバー
各加盟会社の航空便に搭乗することでフリークエントフライヤープログラム(マイレージプログラムともいう。以下FFP)のマイルを貯め、一定以上の条件(各社によって異なる)を満たすと上級会員になると同時に、スターアライアンスシルバー会員 (STAR ALLIANCE SILVER) またはスターアライアンスゴールド会員 (STAR ALLIANCE GOLD) としてランクアップされる。(どのメンバーがシルバーまたはゴールドかは会員証に記載されている)
特徴は特にゴールドになった際により多くの特典を無料で享受できる。あくまでゴールド会員の方がシルバー会員よりも特典の幅、優先度は高い。その他、公表はされないが上級会員のみを対象としたキャンペーンが行われることもある。
スターアライアンスゴールド特典
- ビジネス・ファーストクラス用の搭乗手続きカウンターの利用
- ビジネス・ファーストクラス用ラウンジ(特別待合室)の無料利用
- 予約(空席待ち)の優先
- 機内への搭乗順位の優先
- 到着後の荷物受取りの優先
- 加算された搭乗マイルに対するボーナスマイル(加入したFFPが運営する航空会社に乗った場合のみ適用)
スターアライアンスシルバー特典
- キャンセル待ちの優先的取扱(出発前の予約段階)
- 空港での優先的な座席確保(希望便満席時)
各社の独自特典
上記はシルバー会員に対する加盟航空会社共通の特典であるが、各FFPによって自社便にのみに適用される異なった追加特典がある。主な内容は次の通りである。
- 加算された搭乗マイルに対するボーナスマイル(加入したFFPにより条件が異なるので注意)
- 機内への搭乗順位の優先
- 上級会員用の搭乗手続きカウンターの利用(無い場合、ビジネス・ファーストクラス用のカウンター)
会員資格
スターアライアンスシルバーおよびゴールドは次の会員が該当する。
FFP名 | 運営航空会社 | スターアライアンスシルバー | スターアライアンスゴールド |
---|---|---|---|
マイレージ・プラス | ユナイテッド航空 コパ航空 |
プレミア シルバー | グローバル・サービス プレミア 1K プレミア プラチナ |
マイルズ&モア | ルフトハンザドイツ航空 オーストリア航空 スイス インターナショナル エアラインズ LOTポーランド航空 アドリア航空 クロアチア航空 ブリュッセル航空 |
フリークエント・トラベラー | HONサークル セネター |
アエロプラン | エア・カナダ | アエロプラン・プレステージ | アエロプラン・スーパーエリート アエロプラン・エリート |
ロイヤルオーキッドプラス | タイ国際航空 | シルバー | プラチナ ゴールド |
SASユーロボーナス | スカンジナビア航空 | シルバー | パンディオン ゴールド |
ANAマイレージクラブ | 全日本空輸 | ブロンズ | ダイヤモンド プラチナ スーパーフライヤーズ |
クリスフライヤー/PPSクラブ | シンガポール航空 | クリスフライヤー・エリートシルバー | ライフ・ソリティアPPS ソリティアPPSクラブ PPSクラブ クリスフライヤー・エリートゴールド |
アシアナクラブ | アシアナ航空 | ゴールド | プラチナ ダイヤモンドプラス ダイヤモンド |
エアポイント | ニュージーランド航空 | シルバー | ゴールドエリート ゴールド |
ヴィクトリア | TAP ポルトガル航空 | ヴィクトリア・シルバー・ウィナー | ヴィクトリア・ゴールド・ウィナー |
ボイジャー | 南アフリカ航空 | シルバー | ライフタイム・プラチナ プラチナ ゴールド |
フェニックスマイル | 中国国際航空 深圳航空 |
シルバー | 生涯プラチナ プラチナ ゴールド |
マイルズ&スマイルズ | ターキッシュ エアラインズ | クラシック・プラス | エリート・プラス エリート |
エジプトエアープラス | エジプト航空 | シルバー | プラチナ ゴールド |
マイルズ + ボーナス | エーゲ航空 | シルバー | ゴールド |
シェバマイルズ | エチオピア航空 | シルバー | ゴールド |
ライフマイルズ | アビアンカ航空、TACA航空 | シルバー | ゴールド ダイヤモンド |
インフィニティ・マイレージランド | エバー航空 | シルバーカード | ゴールドカード ダイヤモンドカード |
フライングリターンズ | エア・インディア | エッジクラブ | ゴールデンエッジクラブ マハラジャクラブ |
アミーゴ | アビアンカ・ブラジル航空 | シルバー | ゴールド ダイヤモンド |
出典・脚注
- ↑ That's STAR ALLIANCE 角川学芸出版
- ↑ SHANGHAI AIRLINES AND STAR ALLIANCE AGREE SEPARATION - Star Alliance
- ↑ ETHIOPIAN AIRLINES ACCEPTED AS FUTURE STAR ALLIANCE MEMBER CARRIER - Star Alliance
- ↑ BMI FORMALLY LEAVES STAR ALLIANCE - Star Alliance
- ↑ SAS will strengthen its position in Finland - スカンジナビア航空公式サイト
- ↑ SHENZHEN AIRLINES ACCEPTED AS FUTURE STAR ALLIANCE MEMBER CARRIER - Star Alliance
- ↑ EVA AIR JOINS THE STAR ALLIANCE NETWORK - Star Alliance
- ↑ ワンワールド、2014年3月31日にUSエアウェイズが正式加盟 - FlyTeam ニュース
- ↑ ワンワールド、2014年3月31日にTAM航空が正式加盟 - FlyTeam ニュース
- ↑ AIR INDIA JOINS STAR ALLIANCE (スターアライアンス 2014年7月11日)
- ↑ スターアライアンス社長会をワルシャワで実施 アビアンカブラジル航空の加盟を承認 全日本空輸プレスリリース 2015年6月25日付
- ↑ 吉祥航空、スターアライアンスの接続パートナーに 新たな旅の選択肢を提供 FlyTeam 2017年5月24日付
- ↑ 2000年にオーストリア航空が加盟した当初は、子会社のラウダ航空とチロリアン航空はそれぞれ単一メンバーとしてグループ3社での加盟とされていたが、今日では子会社2社はいずれもオーストリア航空のアフィリエイト扱いとなっている。
- ↑ ギリシャ経済最新情報 - 在アテネ日本大使館
- ↑ AEGEAN completes acquisition of Olympic Air - エーゲ航空公式サイトより。2013年10月23日閲覧
- ↑ Shanghai Airlines To Become Part of SkyTeam - SkyTeam
- ↑ ターキッシュ・エアラインズ自身は"Best Airlines in Europe"を標榜しており、自社をヨーロッパの航空会社と認識している(Turkish Airlines has been named "Best Airline, Europe"...Again(ターキッシュ・エアラインズ 2013年3月17日)
- ↑ ニュージーランド航空は地上業務を日本航空に委託していたため2006年の再配置では除外されていたが、2012年3月25日からコードシェア便及び成田国際空港地上業務の提携先を全日本空輸に変更したことに伴い、第1ターミナル南ウイングに合流した。
関連項目
外部リンク
- Star Alliance(英語)(ドイツ語)(フランス語)テンプレート:Cn icon(日本語)(韓国語)(スペイン語)(ポルトガル語)
- (英語)
- (英語)
- スターアライアンス日本地区限定スペシャルサイト
- ※2013年3月29日付け投稿分を最後に更新停止中