[[エピクロス]]の哲学をさすが,一般にはそれを誤解して享楽主義の意に用いられる。エピクロスの快楽主義は,感覚的快を退けて簡素な生活のなかに魂の平静を求めるものであった。原子論を基礎とする彼の広大な体系は,この倫理的生の実践を焦点としており,その理想は彼の開いた庭園学派のなかに継承され,彼は神のごとき崇拝を集めた。学派の主要人物には,ヘルマルコス,メトロドロス,ポリュストラトスらがいるが,この学派は各地に広がり,ラテン世界では『物の本性について』 De rerum naturaの著者ルクレチウスを出し,2世紀頃まで勢力を誇った。近世ではガッサンディがエピクロス哲学を復興,それはロックを通してイギリス経験論と結びついた。
[[キケロ]]がその哲学解説書『善と悪の究極について(De finibus bonorum et malorum)』においてエピクロスの説を通俗化し、抑制されない耽溺や享楽を正当化する、非常に悪い意味での唯物論者と同一視させた。詩人の[[ホラティウス]]はふざけてではあるが、自分のことを「エピクロスの獣群のなかの豚」と呼んでいた。
−
−
一方、エピクロスについての真剣な研究が[[ウェルギリウス]]や[[ルクレティウス]]らの詩人によって行われ、特に後者による『事物の本性について(De rerum natura)』はエピクロス哲学を熱狂的で絢爛たる詩句で叙述し、迷信と恐怖からの解放を説いた。エピクロス哲学が[[ルネサンス]]以降の読書人によって知られるようになるのは、ルクレティウスによる。
* [http://www.myspot.org/epic/ The Epicurean Garden of Delight]
−
* [http://groups.yahoo.com/group/EpicureanGroup/ The Epicurean Group]
−
−
{{古代ギリシア学派}}
−
{{哲学}}
{{DEFAULTSORT:えひくろすしゆき}}
{{DEFAULTSORT:えひくろすしゆき}}
[[Category:哲学の理論]]
[[Category:哲学の理論]]
2019/4/26/ (金) 22:47時点における最新版
エピクロス主義(Epicureanism)
エピクロスの哲学をさすが,一般にはそれを誤解して享楽主義の意に用いられる。エピクロスの快楽主義は,感覚的快を退けて簡素な生活のなかに魂の平静を求めるものであった。原子論を基礎とする彼の広大な体系は,この倫理的生の実践を焦点としており,その理想は彼の開いた庭園学派のなかに継承され,彼は神のごとき崇拝を集めた。学派の主要人物には,ヘルマルコス,メトロドロス,ポリュストラトスらがいるが,この学派は各地に広がり,ラテン世界では『物の本性について』 De rerum naturaの著者ルクレチウスを出し,2世紀頃まで勢力を誇った。近世ではガッサンディがエピクロス哲学を復興,それはロックを通してイギリス経験論と結びついた。