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}}</ref>)は、[[二酸化ケイ素]](SiO<sub>2</sub>)、もしくは二酸化ケイ素によって構成される[[物質]]の総称。シリカという呼び名のほかに'''無水ケイ酸'''、'''[[ケイ酸]]'''、'''酸化シリコン'''と呼ばれることもある。
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}}</ref>
 
 
純粋なシリカは[[無色]][[透明]]であるが、[[自然界]]には[[不純物]]を含む[[有色]]のものも存在する。自然界では[[長石]]類に次いで産出量が多い。[[鉱物]]として存在するほか[[生体]]内にも微量ながら含まれる。
 
 
 
== 性質 ==
 
=== 結晶性シリカと非結晶性シリカ ===
 
シリカは[[圧力]]や[[温度]]などの条件により、様々な形([[結晶]][[多形]])をとる。これによりシリカは[[石英]]などの結晶性シリカと、[[シリカゲル]]・未焼成の[[珪藻土]]や[[生物]]中に存在する非結晶性シリカの2つに大別される。
 
 
 
不溶性の結晶性シリカの一種である[[クリストバライト]]の[[粉塵]]に関しては、[[国際がん研究機関]](IARC)より[[発がん性]]があるとの指摘がされていたが<ref>[https://www.sanei.or.jp/images/contents/290/Silica_crystalline_carcinogenicity.pdf 発がん物質暫定物質(2001) の提案理由]日本産業衛生学会 許容濃度等に関する委員会(2001年4月6日)2018年1月13日閲覧</ref>、1997年および2012年よりヒトに対する[[発がん性]]が認められるグループ1に分類されている<ref name="IARC68"/><ref name="IARC100C">{{cite report|title=Silica Dust, Crystalline, in the form of Quartz or Cristobalite|work=IARC Monographs on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans|volume=100C|year=2012|publisher=[[国際がん研究機関]](IARC)|url=http://monographs.iarc.fr/ENG/Monographs/vol100C/index.php|accessdate=2018年2月17日}}</ref>。なお、[[食品添加物]]や[[顔料]]、[[健康食品]]として使用されているシリカは非結晶性のものであり、ヒトに対する発がん性を分類できないグループ3に分類されている<ref name="IARC68">{{cite report|title=Silica, Some Silicates, Coal Dust and para-Aramid Fibrils|work=IARC Monographs on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans|volume=68|year=1997|page=210-211|publisher=[[国際がん研究機関]](IARC)|url=http://monographs.iarc.fr/ENG/Monographs/vol68/index.php|accessdate=2018年2月17日}}</ref>。
 
 
 
=== 自然界におけるシリカ ===
 
自然界では[[ケイ素]]は多くの場合、シリカの形をとっている。最も一般的な形状は石英である。また、[[砂]]の主成分であり、[[ガラス]]の原料となる[[珪砂]]もシリカからなる。[[地殻]]内にはシリカが大量に含まれており、[[地球]]の表層の約6割がシリカを含む鉱物によって構成されている。
 
 
 
=== 生物学上のシリカ ===
 
生物の中には、二酸化ケイ素の形でガラス質の[[骨格]]や[[殻]]を形成するものがあり、一部の[[シダ植物]]、[[イネ科]]の[[植物]]、[[コケ植物]]などの[[プラント・オパール]]や、[[ケイソウ]]類、[[放散虫]]などの骨格に利用されている。
 
 
 
=== 人体中のシリカ ===
 
水溶性のシリカは[[人体]]にも微量ながら含まれており、[[毛髪]]・[[爪]]・[[血管]]・[[骨]]・[[関節]]などに含まれ、特に骨形成の細胞層に集中している。生体中には約29ppmが存在し、[[免疫力]]に影響を与えたり、肌の保湿、骨や髪、爪、[[コラーゲン]]の再生・構築・補強・維持を手助けしている<ref name="Amazing">Kaufmann, Klaus, D.Sc. "Silica: The Amazing Gel: An Essential Mineral for Radiant Health Recovery and Rejuvenation." New York, NY: Alive Books, 1998.</ref>。成人1日あたり10~40mgのシリカが消耗される。現在、1日あたりの摂取量は定められていない。通常はケイ素を多く含む食品([[玄米]]、[[アワ|あわ]]、[[ほうれん草]]、[[バナナ]]、[[レーズン]]など)を十分摂取することで補えるが、[[ミネラルウォーター]]や健康食品としても市販されている。
 
 
 
=== 人体中におけるシリカの生理的な役割 ===
 
現在、人体におけるシリカの生理学的な役割に関しては、十分に研究が行われていない。
 
 
 
しかし、[[米国]]の「[[フラミンガム子孫研究]]」では、ケイ素の摂取量と[[骨密度]] (BMD) に密接な関係があるとされ、30代から80代までの研究参加者の男女2846人の食生活における、ケイ素摂取量を4グループに分けて比較したところ、男性や閉経前の女性ではケイ素摂取量が多いほど、大腿骨頚部の骨密度が高いという結果が報告され、これによりシリカの[[骨粗鬆症]]予防に対する効果が期待されている<ref name="JBMR">[http://www.jbmronline.org/doi/full/10.1359/JBMR.0301225?] JBMR Online - Journal of Bone and Mineral Research - 19(2):297 - Full Text "Dietary Silicon Intake Is Positively Associated With Bone Mineral Density in Men and Premenopausal Women of the Framingham Offspring Cohort"</ref>。
 
 
 
このほか、[[軟骨]]やコラーゲンなどの生成に密接な関係があるといわれ、シリカの欠乏によって骨の修復機能に障害が起こると言われる<ref name="Amazing">Kaufmann, Klaus, D.Sc. "Silica: The Amazing Gel: An Essential Mineral for Radiant Health Recovery and Rejuvenation." New York, NY: Alive Books, 1998.</ref>。
 
 
 
== 産業分野での利用 ==
 
=== 工業分野での利用 ===
 
[[工業]]生産されるシリカでも特に代表的なものはケイ酸を[[ゲル]]化した[[シリカゲル]](SiO<sub>2</sub>純度99.5%以上)であり、[[乾燥剤]]として食品や[[半導体]]の[[精密機器]]の保存から、[[消臭剤]]、[[農業]][[肥料]]、[[建築]]用[[調湿剤]]などに使われる。電子材料[[基板]]や[[シリコンウェハー]]などの[[研磨剤]]などに使用される[[コロダイルシリカ]]や、耐熱器具、[[実験器具]]や[[光ファイバー]]の原料として用いられる珪砂、[[珪石]]などを溶融した後冷却し、ガラス化させた[[石英ガラス]](クオーツ)の他、[[エナメル]]、[[シリカセメント]]、[[陶磁器]]、[[炭素]]に代わる[[タイヤ]]の原料、液体[[クロマトグラフィー]]担体、[[電球]]や[[ブラウン管|CRTディスプレイ]]の表面などの[[表面処理]]剤、[[新聞紙]]の印刷インクの浸透防止など様々な分野において利用されている。
 
 
 
=== 化粧品・医薬品への添加 ===
 
微粒二酸化ケイ素としてのシリカは一般的な[[粉体]]と比べた場合、[[吸水性]]が低い。これを利用して、[[アイシャドー]]や[[ファンデーション (化粧品)|ファウンデーション]]といった[[化粧品]]において湿気による固形化を防ぐ役割として使用されるほか、安定化などの目的で[[クリーム (基礎化粧品)|クリーム]]や[[乳液]]に使用される。また[[硬度]]が高いことを利用し、[[歯磨き粉]]に研磨成分として用いられることもある。さらに[[医薬品]]においては、打錠用粉末の流動性を高めたり、錠剤の強度を高めるためのコーティング剤、軟膏・乳液の安定化のために使用されることもある。また、近年親水性の高いシリカの開発により、疎水性の高いシリカと吸水性の高いシリカを組み合わせた化粧品等も開発されている<ref name="シリカリフトテクノロジー">[http://roloxin.jp/the-science/]ロロキシン シリカリフトテクノロジー</ref>。
 
 
 
=== 食品添加物としての利用 ===
 
シリカは、二酸化ケイ素ならびに微粒二酸化ケイ素の状態で、[[日本]]では食品添加物として厚生労働省より使用が認められている。<ref name="MHW"/>
 
 
 
食品添加物としてのシリカは、その吸着性を利用して、[[ビール]]や[[清酒]]、[[みりん]]といった[[醸造物]]や[[食用油]]、[[醤油]]、[[ソース]]などの[[ろ過]]工程に使われるほか、[[砂糖]]、[[缶詰]]などの製造工程にも用いられている。微粒二酸化ケイ素は吸湿・乾燥材としても使用される。とくにふりかけなどの粉形食品には、湿気って“ダマ”になるのを防ぐ目的で添加されることがある。ただし、[[厚生労働省]]の告示の中で「母乳代替食品及び離乳食に使用してはならない」と使用基準が示されている<ref name="MHW">{{cite web|title=厚生労働省行政情報、添加物使用基準リスト 2、『各添加物の使用基準及び保存基準』|page=二酸化ケイ素|date=2017年6月26日|url=http://www.ffcr.or.jp/zaidan/MHWinfo.nsf/0/8aa11687a2aaf0c4492570650018d5ba|publisher=公益財団法人日本食品化学研究振興財団|accessdate=2018年2月17日}}</ref>。
 
 
 
食品添加物として利用される非結晶性のシリカは、「無水ケイ酸」とも呼ばれ不溶性で、体内で消化吸収されず排出されるため身体に害はない。
 
 
 
==== ろ過助剤 ====
 
シリカの持つ多孔質や吸着能力などを利用して、ろ過用の食品添加物として使用されている。ビールをはじめとした酒類の混濁防止や調味液などのオリ下げ、ビールの泡持ち改善として使用される。こうしたろ過助剤としてのシリカは不溶性であるためろ過過程で除去される。
 
 
 
=== 必須ミネラルとしてのシリカ ===
 
生体中の皮膚、髪、骨などに含まれる必須[[ミネラル]]としてのシリカ(ケイ酸化合物)は、水溶性のものであり、鉱物由来の不溶性シリカとは異なる。人体には約1.8gの微量のケイ素が存在し、こうしたシリカは[[ケイ酸]]などの水溶性シリカの形で食物から吸収される。
 
 
 
=== 主な生産地===
 
{{要出典|範囲=中国山東省、河北省、安徽省など。|date=2015年7月}}
 
 
 
== 脚注 ==
 
{{脚注ヘルプ}}
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* {{cite book
 
|authors = Kaufmann, Klaus, D.Sc.
 
|title=Silica: The Amazing Gel: An Essential Mineral for Radiant Health Recovery and Rejuvenation
 
|publisher= Alive Books, New York, NY
 
|year=1998
 
}}
 
* {{cite book/和書
 
|authors=
 
|translator=木村修一・小林修平 翻訳監修
 
|title=最新栄養学〔第9版〕―専門領域の最新情報―
 
|year=2007
 
|publisher=建帛社
 
}}
 
* {{cite journal
 
|authors = 篠原也寸志、神山宣彦
 
|title=シリカの物理化学的性質と作業環境測定方法
 
|work=特集「シリカの生体影響」
 
|journal=エアロゾル研究
 
|volume=16|number=4|page=269-274|year=2001
 
|doi=10.11203/jar.16.269
 
|ref="エアロゾル研究"
 
}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
<!-- {{Commonscat|}} -->
 
* [[二酸化ケイ素]]
 
* [[ケイ酸]]
 
* [[ケイ酸塩]](シリケート)
 
* [[アルミノケイ酸塩]]
 
* [[メソポーラスシリカ]]
 
* [[シリカゲル]]
 
* [[ゼオライト]]
 
* [[石綿]](アスベスト)
 
* [[アエロジル]]
 
* [[鉱物]] - [[酸化鉱物]] - [[石英]]・[[鱗珪石]]・[[クリストバライト]]・[[コーサイト]]・[[スティショバイト]]
 
* [[ミネラル]]
 
* [[富士シリシア化学]]
 
  
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化学式 SiO<sub>2</sub> 。シリカ,無水ケイ酸,あるいは単にケイ酸ということもある。天然には石英,鱗ケイ石,クリストバル石の3型のほか,ガラス状,コロイド状としても産出する。無色透明の固体であるが,天然に産する水晶,玉髄,瑪瑙,火打石などは多く着色している。無定形の比重 2.2,結晶の比重 2.6。水,酸に不溶であるが,フッ化水素酸には容易に溶ける。ガラス,水ガラス,セラミックス,耐火材料などの製造,油,石油の脱色精製,フェロシリコン,カーボランダムの製造などに広く利用される。
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[[Category:二酸化ケイ素]]
 
[[Category:二酸化ケイ素]]
 
[[Category:ケイ素の化合物]]
 
[[Category:ケイ素の化合物]]
 
[[Category:食品添加物]]
 
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[[en:Silica]]
 

2018/10/20/ (土) 13:54時点における最新版

シリカ: silica[1]

化学式 SiO2 。シリカ,無水ケイ酸,あるいは単にケイ酸ということもある。天然には石英,鱗ケイ石,クリストバル石の3型のほか,ガラス状,コロイド状としても産出する。無色透明の固体であるが,天然に産する水晶,玉髄,瑪瑙,火打石などは多く着色している。無定形の比重 2.2,結晶の比重 2.6。水,酸に不溶であるが,フッ化水素酸には容易に溶ける。ガラス,水ガラス,セラミックス,耐火材料などの製造,油,石油の脱色精製,フェロシリコン,カーボランダムの製造などに広く利用される。



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  1. 文部省編 『学術用語集 海洋学編』 日本学術振興会、1981年。ISBN 4-8181-8154-4。