「トラス橋」の版間の差分

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(トラスの組み方・架設方法・両者の組み合わせによる分類)
 
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* [[愛知川橋梁]]([[近江鉄道]]) - ポニーワーレントラス.
 
* [[愛知川橋梁]]([[近江鉄道]]) - ポニーワーレントラス.
 
* [[鬼怒川橋梁]]([[東北本線]])- ポニーワーレントラス。
 
* [[鬼怒川橋梁]]([[東北本線]])- ポニーワーレントラス。
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== トラスの組み方・架設方法・両者の組み合わせによる分類 ==
 
=== カンチレバートラス(ゲルバートラス) ===
 
[[ファイル:CooperRiverBridge.svg|thumb|200px|クーパー橋の例。中央の青い'''Suspended Span'''が吊桁で、それを両側から方持ち梁が保持している]]
 
'''カンチレバートラス''' (Cantilever truss) または'''ゲルバートラス''' (Gerber truss) とは、トラス構造を持つ[[カンチレバー橋]]である。通常の橋は橋台や橋脚を支点として桁を架けるが、カンチレバー橋は、吊桁を、両側の橋脚から張り出した[[カンチレバー|片持ち梁]](定着桁/碇着桁)がヒンジを介して保持するものである。通常のトラス橋は下弦が引張力を、上弦が圧縮力を受け持つが、カンチレバートラス橋の片持ち梁部分は逆で、上弦が引張力を、下弦が圧縮力を受け持つ。主として大きなスパンが必要な箇所に架けられる。
 
 
{{仮リンク|ハインリッヒ・ゲルバー|de|Heinrich Gottfried Gerber}}が考案したため、日本では[[ゲルバー橋]]とも言われる。
 
* [[フォース鉄道橋]]
 
* [[港大橋]]
 
* [[長生橋]]
 
*[[荒川湾岸橋]]
 
* 旧[[鳥飼大橋]]
 
*[[東京ゲートブリッジ]]
 
*[[信貴山]][[開運橋 (信貴山)|開運橋]]
 
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=== キングポストトラス ===
 
[[ファイル:King post truss.svg|thumb|200px|キングポストトラス]]
 
'''キングポストトラス''' (Kingpost truss) とは、下弦が三角形の底辺を、上弦が三角形の2辺を構成し、三角形の頂点から下弦に向けて垂直材を備える、もっともシンプルなトラス橋である。垂直材をキングポスト(真束、しんづか)といい、下弦とともに引張力がかかる。斜材には圧縮力がかかる。スパンの短い橋で使用される。
 
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==== ワデルトラス ====
 
[[ファイル:Waddell "A" Truss Bridge, Spanning Lin Branch Creek, Missouri cropped.jpg|thumb|200px|ワデル「A」トラス橋]]
 
'''ワデルトラス''' (Waddell truss) とは、'''キングポストトラス'''の分格トラスである。単純な構造であり、架橋現場での施工も容易。主として鉄道用の橋梁として使われた。
 
 
[[1882年]]から[[1886年]]まで[[東京大学]]で[[土木工学]]を教授し、『日本鉄道橋梁論』の著作もある[[ジョン・ワデル|ジョン・アレキサンダー・ロウ・ワデル]]が考案し、特許を取得した<ref>[http://www.google.com/patents?vid=529220 U.S.Patent529,220]</ref>。
 
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=== クイーンポストトラス ===
 
[[ファイル:Queen post truss.png|thumb|200px|クイーンポストトラス]]
 
'''クイーンポストトラス''' (Queenpost truss) とは、'''キングポストトラス'''を水平方向に拡大する際に、トラス部分を分割し、水平材で延長したものである。古い橋梁の補強として、下部に施工されることがある。
 
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=== 三弦トラス ===
 
'''三弦トラス'''とは、断面が三角形となったトラス橋である。日本では、水管を弦材として用いる形で水路橋に多用される。
 
* [[三弦橋]] - [[大夕張ダム]]のダム湖にかかる元[[森林鉄道]]のトラス橋。
 
* [[あやとり橋]] - [[山中温泉]]の温泉街にかかる歩行者専用橋。逆三角構造で、湾曲している。
 
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=== バートラス ===
 
[[ファイル:Burr Truss P4230093 Sims Smith.jpg|thumb|200px|バートラス]]
 
'''バートラス''' (Burr Truss) または'''バー・アーチ・トラス'''とは、アーチとトラスとを組み合わせることで強度を上げた構造である。トラスは橋を構造物として保持するためのみに働き、荷重はアーチが負担する。主として屋根付橋に使用された。
 
 
[[セオドア・バー]] ([[:en: Theodore Burr|Theodore Burr]]) が[[1804年]]に考案し、[[1817年]][[4月3日]]に特許を取得した。
 
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=== ハウトラス ===
 
[[ファイル:Howe truss.PNG|thumb|200px|ハウトラス]]
 
'''ハウトラス''' (Howe truss) とは、斜材を橋中央部から端部に向けて「ハ」の字形状に配置したトラス橋。垂直材に引張力、斜材に圧縮力が生じる。この力の作用の仕方は、'''プラットトラス'''と逆である。長くなる斜材が圧縮力を受け持つため、鋼製のトラス橋には採用されず、もっぱら木製の橋のみに採用される。'''端柱'''(端部の斜材)の有無は問わない。
 
 
[[マサチューセッツ州]]の[[ウイリアム・ハウ]] ([[:en: William Howe (architect)| William Howe]]) が考案し、[[1840年]]に[[屋根付橋]]の設計として特許を取得している。
 
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==== アラントラス ====
 
[[ファイル:Hampden Bridge Wagga design.jpg|thumb|200px|アラントラス]]
 
'''アラントラス''' (Allan truss) とは、パーシー・アラン (Percy Allan) がハウトラスをベースに考案したもの。
 
* [[ハンデン橋]] ([[:en:Hampden Bridge (Wagga Wagga)|Hampden Bridge]]) - [[オーストラリア]]の[[ウォガウォガ]]にある橋で、初の架橋例。鉄橋として設計されたがコストダウンのために木橋となった。強度を確保するために[[ユーカリ]]の一種、アイアンバークが使われている。
 
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=== フィーレンディールトラス ===
 
[[ファイル:Poutre-Vierendeel.svg|thumb|200px|フィーレンディールトラス]]
 
'''[[フィーレンディール橋|フィーレンデールトラス]]''' (Vierendeel truss) とは、梯子状の主構を持つ橋。部材を三角形に組んでピン結合する一般のトラスと異なり、部材に曲げの力を加えることで斜材をなくし、剪断力が働かないようにしたものである。トラスという語句が入っているが、部材は剛結されており、[[ラーメン橋]]に分類される。
 
 
[[アーサー・フィーレンディール]] ([[:en:Arthur Vierendeel|Arthur Vierendeel]]) が考案した。
 
* [[豊海橋]] - 日本初のフィーレンディール橋
 
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=== ブラウントラス ===
 
[[ファイル:BrownTrussDiagram.png|thumb|200px|ブラウントラス]]
 
'''ブラウン・トラス''' (Brown Truss) とは、上弦と下弦が平行である平行トラス。圧縮力がかかる部分に木材を使用して上弦と下弦とを結び、引張荷重がかかる、路床をつり下げるロッドに鉄を使用する。垂直方向の圧縮力を受ける部材はない。屋根付橋で用いられる。
 
 
ジョシュア・ブラウン・ジュニア (Josiah Brown Jr.) が考案し、[[1857年]]に特許を取得した。
 
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=== プラットトラス ===
 
[[ファイル:Pratt truss.PNG|thumb|200px|プラットトラス]]
 
[[ファイル:Poutre-en-K.svg|thumb|200px|Kトラス]]
 
'''プラットトラス''' (Pratt truss) とは、斜材を橋中央部から端部に向けて「逆ハ」の字形状に配置したものである。垂直材に圧縮力、斜材に引張力が生じる。この力の作用の仕方は、'''ハウトラス'''と逆である。斜材が'''K'''字形、'''Y'''字形となるものもあり、それぞれ'''Kトラス'''、'''Yトラス'''とも称する。'''端柱'''(端部の斜材)の有無は問わないが、端柱がある場合は端柱が、ない場合は端部の斜材だけ「ハ」の字形状になる。これも「逆ハ」の字形状になるもは'''トレリストラス'''といい、構造が異なる。
 
 
'''ピン結合'''に適した構造で、日本では明治時代によく採用されたが、やがてより部材が節約でき軽量化を果たせるワーレントラスに移行した。アメリカでは長さ250[[フィート]](76.2[[メートル]])までの鉄道橋を、木橋から鋼橋に架け替える際によく採用された。
 
 
マサチューセッツ州の[[トーマス・プラット]] ([[:en:Thomas Willis Pratt|Thomas Willis Pratt]]) とその父、ケイレブ・プラット (Caleb Pratt) により考案され、[[1844年]]に特許が取得された。
 
 
径間が長いプラットトラスでは、部材が長大化することによる断面増・重量増、また圧縮材が長大化することにより部材が座屈する可能性が増すことから、部材が長大にならないように格点を追加し、そこから補助的に部材を挿入することで格間を短くしたものがある。それを'''分格トラス'''と総称し、さらにいくつかの種類に分かれる。
 
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* [[会津鉄道]][[闇川鉄道]]
 
* [[近鉄吉野線吉野川橋梁]]
 
* [[高山本線]][[第二飛騨川橋梁]]
 
* [[太多線]][[木曽川橋梁]]
 
* [[東海道本線]][[上淀川橋梁]]
 
* [[長良川鉄道]][[第三長良川橋梁]]
 
* [[南海本線]][[紀ノ川橋梁]]
 
*[[日豊本線]]境川橋梁
 
*[[磐越西線]][[長谷川橋梁]]
 
* [[平成筑豊鉄道]]嘉麻川橋梁
 
 
==== ペンシルベニアトラス ====
 
[[ファイル:Yodogawa Bridge Pennsylvania (Petit) truss.JPG|thumb|200px|ペンシルベニアトラス。澱川橋梁]]
 
'''ペンシルベニアトラス''' (Pennsylvania truss) とは、曲弦の分格トラスである。
 
 
* [[飯田線]]万古川橋梁
 
* [[近鉄京都線]][[澱川橋梁]] - 単純トラス橋では日本最長の164.4m。[[登録有形文化財]]。
 
* [[神龍橋]]
 
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==== ホイップルトラス ====
 
'''ホイップルトラス''' (Whipple truss) は、'''プラットトラス'''の一種で、斜材にはすべて引張力がかかる。特徴的なのは、引張力を受ける部材が長く、多くの場合には細いことである。また、トラス部分は斜材の角度が浅く、二つ以上の支柱間を跨いでいる。
 
* [[:en:Fair Oaks Bridge|フェア・オークス橋(英語)]]
 
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==== ボルチモアトラス ====
 
[[ファイル:Baltimore Truss.png|thumb|200px|ボルチモアトラス。このような斜材の配置では構造上弱かった。]]
 
[[ファイル:Baltimore Truss 2.png|thumb|200px|ボルチモアトラス。上記の改良形。]]
 
'''ボルチモアトラス''' (Baltimore truss) とは、平行弦の分格トラスである。圧縮力の加わる斜材が歪むのを防ぐために、載荷弦側に副材を配置する。単純で強度があり、鉄道橋で使用される。
 
 
* 現存(現用)しているボルチモアトラスの橋梁
 
** [[一ノ戸川橋梁]] - 中央桁がボルチモアトラス。上路橋のため、副材は上弦側にある。
 
** [[蟹沢橋梁]]
 
** [[浦山川橋梁]]
 
** [[安谷川橋梁]]
 
* 廃線されたが現存している橋梁
 
** 旧[[立場川橋梁]] - [[1904年]]から[[1980年]]まで、蒸気機関、ディーゼル、電化と使用された。
 
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=== ペグラムトラス ===
 
[[ファイル:Pegram.svg|thumb|200px|ペグラムトラス]]
 
'''ペグラムトラス''' (Pegram truss) とは、'''ワーレントラス'''と'''パーカートラス'''を組み合わせた形状をしている。上弦の部材はすべて同じ長さであり、対応する下弦の部材は上弦よりも長い。上弦と下弦を一組として考えると、その長さに差があるため、各支柱間(パネル)は長方形にはならない。パーカートラスで垂直になるべき部材は、側面から見て中央に向けて60 - 75度の角度で斜めに設置される。
 
 
ジョージ・H・ペグラム (George H.Pegram) が考案し、[[1885年]]に特許を取得した。
 
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=== ボウストリングトラス ===
 
[[ファイル:Shorei bridge(Bowstring truss).JPG|thumb|200px|ピン結合の例。トラスはダブルワーレン。松齢橋(福島県)]]
 
[[ファイル:Bowstring truss-sakai bridge-niigata.JPG|thumb|200px|上路ボウストリングトラスは非常に珍しい存在。剛結合の例。トラスはワーレン。境橋(新潟県)]]
 
'''ボウストリングトラス''' (Bowstring truss) とは、上弦と下弦がそれぞれ[[弓 (武器)|弓]](ボウ)と[[弦 (弓)|弦]](ストリング)のような形状となっているもの。特に下路式の場合には端部が大きな開口部となり端部の強度に難が生じるため、現在ではほとんど採用されない。
 
 
日本では、1890年代にドイツの[[ハーコート]]製のプレハブ式のものが70連ほど導入された。プレハブ式であったのは、組み立てに簡便なことを狙ったもので、そのために'''ピントラス'''構造であった(ドイツ国内では剛結合が一般的であった)。[[九州鉄道]]は47連を導入したが、その後、車両の大型化に伴い架け替えの必要が生じた。架け替えの理由は部材の劣化ではなく、単に設計荷重が少ないためだったので、それでもよい道路橋などに転用された。
 
 
下路式の'''タイド・アーチ''' (Tied arch) と同じとする見方もあるが、下路式タイド・アーチは基本的にアーチ部分と路床(補剛桁)が圧縮・引張荷重を負担するのに対して、本形式はトラス部分でも圧縮・引張荷重を受ける。トラスの組み方には、プラットトラスとワーレントラスがある。
 
 
[[スクワイア・ホイップル]] ([[:en:Squire Whipple|Squire Whipple]]) が[[1840年]]に特許を取得している。
 
* [[緑地西橋]] - 旧[[心斎橋]]。
 
* [[八幡橋]]
 
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=== フィンクトラス ===
 
[[ファイル:Bridges 20.png|thumb|200px|フィンクトラス]]
 
'''フィンクトラス''' (Fink truss) とは、既存の桁に、トラス構造を用いた補強を施した橋である。用いるトラスの形状には、キングポスト形やクイーンポスト形などがある。
 
 
[[アルバート・フィンク]]([[:en:Albert Fink|Albert Fink]])が1860年代に考案した。[[ボルチモア・アンド・オハイオ鉄道]]によく見られる。
 
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=== ベイリー橋 ===
 
'''ベイリー橋''' (Bailey bridge) とは、軍事用の、[[プレハブ工法|プレハブ式]]の橋。部材は標準化されており、必要に応じて長さを加減できる。
 
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=== ポストトラス ===
 
[[ファイル:Post truss.svg|thumb|200px|ポストトラス]]
 
'''ポストトラス''' (Post truss) とは、'''ワーレントラス'''と'''ダブル・インターセクション・プラットトラス'''を融合させた形式である。
 
 
シメオン・S・ポスト (Simeon S.Post) が[[1863年]]に考案し、特許は取らなかったが、'''ポスト・パテント・トラス'''と称されることがある<ref>{{cite book
 
| last = Jackson
 
| first = Donald C.
 
| title = Great American Bridges and Dams
 
| year = 1995
 
| publisher = John Wiley & Sons
 
| location = New York
 
| isbn = 9780471143857
 
| page = 92
 
}}</ref>。
 
* [[ローゼンデール・トレッスル橋]]
 
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=== ボルマン・トラス ===
 
[[ファイル:Bollman-bridge-1.jpg|thumb|200px|ボルマントラス。]]
 
'''ボルマン・トラス''' (Bollman truss) とは、トラス橋と[[吊り橋]]の要素を持つ形式である<ref name="nrhpinv1">{{cite web|url=http://pdfhost.focus.nps.gov/docs/NHLS/Text/72000582.pdf|title=National Register of Histroic Places Nomination: Bollman Truss Railroad Bridge|last=Caplinger|first=Michael W.|date=July 16, 1999|format=PDF|publisher=National Park Service|accessdate=2009-03-18}}</ref>。下弦(載荷弦)はそれぞれ独立した[[錬鉄]]製の引張強度用メンバーによりつり下げられており、これを吊り橋のハンガーロープと同様と見ることができるが、上弦は[[鋳鉄]]を使って圧縮に対応している。
 
 
独学で鉄道橋梁技術者となった[[ウェンデル・ボルマン]] ([[:en:Wendel Bollman|Wendel Bollman]]) が考案し、[[1852年]]に特許を得たもの。全鉄製の鉄道橋として初めて設計に成功したものである。
 
* [[ボルマン・トラス鉄道橋]] ([[:en:Bollman Truss Railroad Bridge|Bollman Truss Railroad Bridge]]) - アメリカの[[メリーランド州]]に残る、唯一のこの形式の現存橋。鉄道用橋梁として最古のもののひとつである。[[1869年]]架橋。
 
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=== ワーレントラス ===
 
[[ファイル:Warren truss.PNG|thumb|200px|ワーレントラス]]
 
'''ワーレントラス''' (Warren truss) とは、斜材の向きを交互にしたトラス橋で、トラスが逆「W」形なのが特徴。プラットトラスと異なり垂直材がないため鋼材が節約でき、安価で軽量となる。斜材は橋中央部から端部に向けて「ハ」の字にあたる部分が圧縮力を、「逆ハ」の字にあたる部分が引張力を負担する。中央の「V」字形になる部分では活加重に応じて両者を負担する。
 
 
長スパンとなった場合には桁高が高くなり、それに比例して各部材が長く、太くなってしまうため副材として垂直材を設けることがある。垂直材は、端部から中央部にかけて、引張力と圧縮力を交互に負担する。
 
 
日本では、明治初期に小さなものが使用された後、しばらくはプラットトラスが主流となったが、昭和に入って再び使用されはじめた。
 
 
[[ジェームス・ワーレン]] ([[:en:James Warren (engineer)|James Warren]]) とウイロビ・モンザニ (Willoughby Theobald Monzani) により[[1848年]]、特許が取得された。
 
* [[酒匂川橋梁 (御殿場線)|第一酒匂川橋梁]] - 垂直材のない、平行弦ワーレントラス。
 
* 揖斐川橋梁 (東海道本線) - 垂直材のある、平行弦ワーレントラス。
 
* [[長良大橋]] - 垂直材のある、曲弦ワーレントラス。
 
*[[城東貨物線淀川橋梁]](おおさか東線)
 
*[[第三只見川橋梁]]、3径間連続ワーレントラス
 
*[[川越線荒川橋梁]]
 
*[[八高線荒川橋梁]]
 
*[[越後線]][[信濃川分水路橋梁]]
 
*[[関西本線]][[揖斐・長良川橋梁]]
 
*[[紀勢本線]][[宮川橋梁]]
 
*[[木曽川橋梁]](東海道本線)
 
*[[大阪環状線]]旧淀川橋梁
 
*[[飯田線]]遠山川橋梁
 
*[[常磐線]][[阿武隈川橋梁]]
 
*[[山陰本線]]郷川橋梁、曲弦ワーレントラス
 
*[[京浜急行]]八ツ山跨線線路橋
 
*[[金名橋]]
 
*[[吉野川橋 (徳島市)|吉野川橋]]
 
*[[東北本線黒川橋梁]]
 
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==== ダブルワーレントラス ====
 
[[ファイル:Hakone-Tozan-Hayakawa-Bridge.jpg|thumb|ダブルワーレントラス]]
 
'''ダブルワーレントラス''' (Double Warren truss) とは、斜材をすべて「X字形」に交差したもの。斜材への負担のかかり方は、通常のワーレントラスと変わらない。垂直材を追加したタイプもある。日本では明治時代に架けられた鉄橋のうち、1径間(1スパン)が比較的長い箇所では、ワーレントラスを採用すると強度が不足するため、強度を高められたダブルワーレントラスが採用された。しかし、径間や強度の割に多くの鋼材を要するため、技術が進んだ大正時代以降は採用が減少した。
 
* JR[[左沢線]][[最上川]]橋梁及び[[山形鉄道]][[フラワー長井線]][[最上川橋梁]] - 明治20年([[1887年]])に[[東海道本線]][[木曽川橋梁 (東海道本線)|木曽川橋梁]]として建設されたものを大正10年~大正12年に改造移設。国内最古の現役[[鉄道橋]]である<ref>[http://committees.jsce.or.jp/heritage/node/85 土木学会]選奨土木遺産</ref><ref>[http://www.pref.yamagata.jp/ou/shokokanko/110001/him/him_12.html 山形県HP]JR左沢線最上川橋梁</ref>。
 
* [[早川橋梁 (箱根登山鉄道鉄道線)|箱根登山鉄道早川橋梁]]
 
* [[木津川橋梁(大阪環状線]])
 
*旧[[北恵那鉄道]][[木曽川橋梁]]
 
*[[紀勢宮川橋]]
 
* 宮川橋梁([[参宮線]])
 
* 岩崎運河([[大阪環状線]])
 
* [[揖斐川橋]]
 
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=== ラティストラス ===
 
[[ファイル:Astabula Cty (Root Road) townsend latice1982.jpg|thumb|200px|ラティストラス]]
 
'''ラティストラス''' (Lattice truss) は、部材を格子状に組んだものである。主として木材が使用され、施工が容易であるとともに強固である。日本では1917年に国鉄でいくつか採用されたが、その理由は大型鋼板が入手できないことによるガーダー橋の代用品的存在であった。
 
*[[山陰本線]][[竹野川橋梁]]
 
*[[山口線]][[徳佐川橋梁]]
 
*[[山陰本線]]田君川橋梁
 
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=== レンティキュラートラス ===
 
[[ファイル:Minami-Kawachi Bridge Fukuoka,JAPAN.jpg|thumb|200px|レンティキュラートラス。南河内橋]]
 
'''レンティキュラートラス''' (Lenticular truss) または'''レンズトラス''' (Lens truss) は、水平方向の圧縮力と引張力が釣り合うため、それらの力はアーチを支える橋脚や橋台には伝わらない。これは、ほとんどの[[アーチ橋]]と同じ性質である。そのため、トラスを地上で組み立ててからジャッキアップして架橋するという施工方法をとることができる。
 
 
19世紀に[[イザムバード・キングダム・ブルネル]]により鉄道用の橋梁として考案された。日本で架橋されたのは3例のみであり、下記の南河内橋が唯一の現存例である。
 
* [[河内貯水池#南河内橋|南河内橋]]
 
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=== ロングトラス ===
 
[[ファイル:Long Truss Bushing CB (Versailles SP) 00003r.jpg|thumb|200px|ロングトラス。]]
 
'''ロングトラス''' (Long truss) とは、'''ハウトラス'''に似ているが、部材はすべて木製である。
 
 
ステファン・H・ロングが[[1830年]]に考案した。[[ニューヨーク州]]に[[オールド・ブレンヘイム橋]] ([[:en:Old Blenheim Bridge|Old Blenheim Bridge]]) が現存している。
 
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2018/9/24/ (月) 22:09時点における最新版

ファイル:Truss.png
橋でよく使われるトラス構造

トラス橋(トラスきょう)は、部分にトラス構造を使ったである。トラスは細長い部材を両端で三角形に繋いだ構造でありそれを繰り返して桁を構成する。トラス橋は桁橋の一種に分類される。橋で使われるトラスの形式には図のようなものがある。

材料としては木材や鉄などの金属が使われるが、ある程度以上の規模の橋は鋼鉄が主流である。鉄を使ったものの場合多くは箱型断面やH型断面の溶接構造が一般的だが、H形鋼山形鋼が組み合わされた構造の場合もある。近年コンクリート製のものも作られるようになった。

トラス橋の設計に伴う構造計算では部材のつなぎ目は一点で繋がり自由に回転できるようになっているとして考える。理想的なトラスでは荷重や温度変化に伴う部材のたわみや伸縮はこの接続点部分に集約される。実際の橋梁においては、初期のトラス橋では理論と同じピン接合の構造が見られたが、現在ではガセットプレートによる剛結接合が一般的である。

トラス構造は他の形式の橋梁でも部分的に用いられることがあり、吊り橋の桁部分に用いたものはトラス吊り橋(例 : 明石海峡大橋)と呼ぶ。一方でアーチ部分がトラス状になったものはブレースト・リブ・アーチ橋(例 : 荒川橋)、橋脚がトラス状になったものはトレッスル橋(例 : 旧余部橋梁)と呼び、通常トラス橋とは呼ばない。

現在では50mから100m程度の径間で架設されることが多く、多くの場合、アーチ橋と経済性や景観との比較の上、採否が決定される。同じ長さの場合、プレートガーダー橋(鈑桁)よりも軽量となるが、架設に手間がかかる。

桁の数による分類

単純トラス橋

ファイル:Yodogawa Railway bridge of Kintetsu 002 KYOTO JPN.jpg
近鉄京都線澱川橋梁 - 曲弦トラス

2つの橋脚でトラス構造の桁を支えるもの。トラス橋として最も簡単な形式である。

連続トラス橋

ひとつの長い桁をふたつの橋脚間で完結させず、いくつかの橋脚で支えるもの。


載荷弦の位置による分類

載荷弦とは、上弦(水平方向の部材のうち、上側)・下弦(同・下側)のうち、荷重が乗る側のことである。鉄道橋でいえば、線路が載っている側である。

上路式

ファイル:Deck Truss.png
主構の上に桁がある。通路は主構の上部となる。

デッキトラスともいう。上弦が載荷弦となっているもの。桁内を通行することがないため、主構(上・下弦材およびそれらを結ぶ垂直材・斜材。即ち桁の側面)同士をつなぐ対傾構を設置することで強度を増すことができる。また桁の高さの分だけ橋脚の高さを抑えることができるため、経済的である。桁下に十分な空間がある場合などに採用される。道路橋の場合は、下路式に比べてトラスが自動車運転者の視界を妨げないという利点がある。

下路式

ファイル:Through Truss.png
主構の下側に桁がある。通路は主構内部となる。

スルートラスともいう。下弦が載荷弦となっているもの。主構の内部を通行する。跨線橋や跨道橋、河川横断部など桁下の空間に余裕が少ない場合に採用される。道路橋の場合、トラス内部を自動車が通行することになるため、運転者の視界を狭める、橋幅が狭い場合、トラスに自動車のミラーが接触する恐れが有るため、大型車同士が離合出来ない、通過車両に車高制限がかかる、豪雪地の場合トラスに付着した雪や氷の塊が落下し、車両に直撃するといった短所がある。

形状による分類

曲弦トラス

ファイル:Seiun Bridge, Yamashiro.jpg
青雲橋(徳島県)自碇式PC複合トラス橋[1]

不載荷弦(荷重が載らない側の弦材)が曲線を描くもの。不載荷弦にかかる応力はトラスの中央部でもっとも大きく、端部でもっとも小さいため、その負担に応じて桁高を変化させたものである。多くは格点(部材の結合点)を直線で結ぶ、折れ線状である。長スパンとなった場合には不載荷弦端部の桁高を低くでき、中央部の断面積を平行弦トラスよりも小さくできるので、同じスパンの平行弦トラスよりも軽量化できる(平行弦トラスの不載荷弦中央部は、曲弦トラスの場合よりも高い強度が必要となる)。第二次世界大戦前の採用例が多い。

曲弦トラスの別称

19世紀末から20世紀初頭の日本において多く架設された、セオドア・クーパーが設計した標準桁(当時は標準桁を各地で使用した)をクーパートラス (Cooper truss) という。径間100フィートから300フィートまで10種が設計され、うち9種263連が架設された。特定の形の呼称ではないが、径間200フィートの単線下路曲弦プラットトラス(かつ中央パネルの3格間の上弦部分が直線状となるシュウェドラートラス (Schwedler truss))が92連ともっとも多く架設されたためにその代名詞的存在となり、とくにこれをクーパートラスと呼ぶことがある。

上弦が放物線に近い形状の桁をパーカートラス (Parker truss) という。日本の国鉄では200フィートの複線用トラス桁で多く採用されていた。

平行弦トラス

載荷弦、不載荷弦ともに直線かつ平行であるもの。現代での採用例が多い。

トランケートトラス

ファイル:3rd Yamatogawa Bridge(truncate truss).jpg
関西本線第3大和川橋梁。トランケートトラスの曲弦のもの(右)と並行弦のもの(左)。

通常、斜めに立ち上がる端柱を垂直にしたもので、「切り詰める」という意味の英語「truncate」に由来。下路式トラス橋で用いられる。川の流れに対して斜めに橋を架ける斜橋に多く用いられ、この場合、主構を真横から見ると、一端は斜めに、他端は垂直になっている。日本では比較的古い鉄橋でわずかに採用されたのみで、現在新たに架橋されるものでは採用されていない。


ポニートラス

ファイル:Satsukibashi, Yamazoe, Nara02.JPG
画面左側のものがポニートラス

左右の主構のみで、上横構がないもの。小規模な中路・下路トラス橋に見られる。


脚注

関連項目

de:Brücke#Fachwerkbrücke