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| ユニットコスト=747-400/-400ER:2.34億 - 2.665億USドル<br>747-400F/-400ERF:2.38億 - 2.68億USドル
 
| ユニットコスト=747-400/-400ER:2.34億 - 2.665億USドル<br>747-400F/-400ERF:2.38億 - 2.68億USドル
 
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'''ボーイング747-400'''({{lang|en|'''Boeing 747-400'''}})は、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[ボーイング]]社開発の超大型[[旅客機]]、[[ボーイング747]]のモデルの1つ。いわゆる「ハイテクジャンボ」である。このモデル登場以降、これより前のモデルは「747クラシック」と呼ばれるようになった。
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'''ボーイング747-400'''({{lang|en|'''Boeing 747-400'''}}
  
== 概要 ==
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[[アメリカ合衆国|アメリカ]][[ボーイング]]社開発の超大型[[旅客機]]、[[ボーイング747]]のモデルの1つ。いわゆる「ハイテクジャンボ」である。
=== 開発の経緯 ===
 
[[ファイル:N661US 1 B747-451 Northwest A-l KIX 11JAN99 (6559458855).jpg|thumb|240px|ノースウエスト航空の747-400初号機<br>この機体はのちに[[ノースウェスト航空85便緊急着陸事故|方向蛇の故障]]を起こすが無事生還。]]
 
[[1970年代]]初頭に就航したボーイング747は、そのキャパシティは他に追随するものがなく旅客航空の新しい時代を切り開いた。[[1980年代]]中ごろを過ぎてもなおそのキャパシティの大きさは揺らぐことはなかった。しかし[[ボーイング747#747-100型|-100型]][[ボーイング747#747-200B型|-200型]]、[[ボーイング747-300|-300型]]へとモデルが進化しているとはいえ、2階客席部が延長された-300で外観は大きく変わったものの、[[旅客機のコックピット|コックピット]]や[[ジェットエンジン|エンジン]]、客室内装などはあまり進歩せず、1980年代末から[[1990年代]]初頭に就航すると見込まれる[[エアバスA340]]や[[マクドネル・ダグラス MD-11]]、あるいは自社の[[ボーイング767|767]]と比較しても技術や経済性など旧式化した点が目立つようになった。
 
  
そこで、今までの「クラシックな」747(-100型、-200型、-300型)に最新の技術を投入し、新世代機として甦らせようと開発されたのが'''ボーイング747-400'''である。
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このモデル登場以降、これより前のモデルは「747クラシック」と呼ばれるようになった。
 
 
1984年9月に開発計画は発表され<ref>Norris, Guy; Wagner, Mark (1999). "767: Stretching and Growing". Modern Boeing Jetliners. Osceola, Wisconsin: Zenith Imprint. ISBN 0-7603-0717-2 pp16–17.</ref>、1985年10月に[[ノースウエスト航空]]がローンチカスタマーとして10機を発注<ref name="nenkan2007-2008">世界航空機年鑑2007-2008 酣燈社 2007年 ISBN 978-4873572703</ref>。
 
 
 
=== 長距離国際線の主役に ===
 
[[ファイル:Boeing 747-446, Japan Airlines (JAL) JP9906.jpg|thumb|240px|日本航空 747-400(2011年に退役)]]
 
ボディは、2階客席部が延長された-300型をベースとし、[[翼#航空機の翼|主翼]]端への[[ウィングレット]]装着や、胴体と主翼の取り付け部に[[抗力|空気抵抗]]を低減のためのフェアリングを追加するなど、[[空気力学|空力]]の徹底した見直しや最新型の低燃費でハイパワーなエンジンへの変更、コックピット等操縦系統の変更([[航空機関士]]が乗務しない2人乗務機へとアップグレードされた)、キャビン内装のデザイン変更など、各部に最新の技術を反映したものに変更された。
 
 
 
[[1989年]]2月より[[ローンチカスタマー]]の[[ノースウエスト航空]]に納入され運航を開始し、[[日本航空]]の44機を初め<ref>[http://www.planespotters.net/Airline/Japan-Airlines Planespotters.com Airline Fleet Lists]</ref>、[[ブリティッシュ・エアウェイズ]]、[[ルフトハンザドイツ航空]]などの[[フラッグ・キャリア]]の主力機として広く運行された。なお、-400型と747クラシックは、しばらくの間どちらも発注することができたが、747クラシックは[[1990年]]に納入された機材を最後に生産終了し、生産ラインは-400型に完全移行した。その後、-400型は1990年代から[[2000年代]]初頭にかけて販売数を伸ばし続け、長距離国際線の主役的存在になった。
 
 
 
=== 生産終了 ===
 
[[ファイル:Cargolux Boeing 747-400 KvW.jpg|thumb|240px|[[カーゴルックス]] 747-400F]]
 
[[21世紀]]に入ると、[[2001年]]に発生した[[アメリカ同時多発テロ事件]]による乗客減少や、ほぼ同等の座席数で燃費に勝る[[ボーイング777|ボーイング777-300]]型機の納入促進などを受けて、旅客型はそれまでの受注の勢いは影を潜め、[[2004年]]以降は「ジャンボ王国」とも称された日本からの受注も打ち切られた。
 
 
 
[[2005年]]にローンチした発展型である[[ボーイング747-8]]の開発を機に受注停止を決定し、[[2009年]]9月には[[ボーイング747-8#747-8F(フレイター:貨物機型)|ボーイング747-8F]]のロールアウトと入れ替わるように、[[航空会社]]からの受注分の最後の引渡しが完了し、生産終了。なお、ボーイング社では-400型の生産終了をもって、-8型に生産ラインへの移行が完了した。
 
 
 
=== 現況 ===
 
運航開始から20年経ち経年化が進んだ2000年代後半以降には、多くの初期導入航空会社で、より燃費がよく運航費用の低い[[ボーイング777]]や[[エアバスA330]]、中でも長距離国際線においては[[ボーイング777#777-300ER(773B)|ボーイング777-300ER]]などへの代替が進んだ。最初期に導入した1社であり、一時は世界最大の運航機数を誇った日本航空から2011年2月に全機退役したほか、[[シンガポール航空]]も2012年[[3月25日]]で定期運航を終え、同年[[4月6日]]のシンガポール - 香港 - シンガポール線フェアウェルフライトをもって引退した。[[ニュージーランド航空]]は2014年9月をもって定期便の運航を終了、[[キャセイパシフィック航空]]も2016年10月に全機退役している。[[デルタ航空]]や[[ユナイテッド航空]]などにおいても退役が進んでいる。
 
 
 
しかし、ブリティッシュ・エアウェイズや[[KLMオランダ航空]]、[[ルフトハンザドイツ航空]]などのように、[[2020年]]頃まで引き続き400型を長距離国際線用に使用し続ける航空会社もあるほか、[[ヨーロッパ]]や[[アジア]]各国の[[チャーター便|チャーター]]専用航空会社などが中古機を購入し運用する事例もあるほか、多くの退役機材が[[貨物機|貨物専用機]]に改修され[[貨物航空会社]]で使用されており、当分の間運航を続けられるとみられている。
 
 
 
== 機体の特徴 ==
 
[[ファイル:Boeing 747-400 3view.svg|right|300px]]
 
[[ファイル:KLM Boeing 747-400 flight deck.jpg|thumb|200px|left|「ハイテクジャンボ」を象徴する[[グラスコックピット]]]]
 
基本的な外形は747-300と変わらないが、[[アビオニクス]]や主翼、エンジン、客室内装備に変更が加えられている。主翼端の延長とウィングレットの追加、主翼根元のフェアリングの改良により空気抵抗を減らした (形状変更による[[ボーディングブリッジ]]および[[タラップ]]車など車両の衝突防止のために“I”字状のラインが引かれている)うえ、[[水平尾翼]]への燃料タンクの追加設置<ref name="nenkan2007-2008"/>と[[最大離陸重量]]の増加によって、搭載できる[[ジェット燃料|燃料]]も増やされた。また、エンジンもより新しい[[ターボファンエンジン#高バイパス比エンジン|高バイパス比ターボファン]]である[[GE・アビエーション|ゼネラル・エレクトリック(GE)]]製の[[ゼネラル・エレクトリック CF6#CF6-80|CF6-80]]や[[プラット・アンド・ホイットニー]](P&W)社製の[[プラット・アンド・ホイットニー PW4000|PW4000]]、[[ロールス・ロイス・ホールディングス|ロールス・ロイス]]社製の[[ロールス・ロイス RB211|RB211-524H]]へ換装され、燃費・推力とも向上。これらの改良により、[[航続距離]]で -200型を上回る性能を備えた。
 
 
 
コクピットは大幅に電子化、大型機でありながら[[航空機関士]]を廃し、[[機長]]・[[副操縦士]]の2名の運航可能。大型[[ワイドボディ]]旅客機および4発エンジン旅客機として、初の二人乗務機である。
 
 
 
== 派生型 ==
 
ボーイング747-400には、いくつかの派生型がある。
 
 
 
=== 747-400型 ===
 
[[ファイル:Delta B747-400(N661US) (4197510306).jpg|thumb|240px|[[デルタ航空]]移籍後の-400初号機<br>同機は[[2015年]][[9月9日]]をもって退役<br>2017年より[[デルタ航空博物館]]にて展示<ref>[http://delta.jp.mediaroom.com/index.php?s=43&item=1397 デルタ航空のボーイング747-400型1号機が引退、来年本社の博物館に展示予定] - デルタ航空日本支社ニュースリリース 2015年9月10日</ref>。]]
 
生産国のアメリカでは、1989年2月に最初に運航を開始したローンチ・カスタマーのノースウエスト航空の機材は同社を吸収合併したデルタ航空に引き継がれている。ほか、ユナイテッド航空が運航。なお、ユナイテッド航空では日本線の多くを[[ボーイング777#777-200ER(772B)|777-200ER]]に変更している。エンジンは[[プラット・アンド・ホイットニー|P&W]]製のPW4056。
 
 
 
日本航空(以下「JAL」と表記)では、日本の航空会社としては最初となる1990年に導入し運航を開始した。エンジンはGE製CF6-80C2B1F。JALでは747クラシックにおいて長らくP&W製の[[プラット・アンド・ホイットニー JT9D|JT9D-7]]シリーズを一貫して採用し、その徹底ぶりは本来CF6エンジンが標準の[[マクドネル・ダグラス DC-10]]もJT9D装備の-40型を導入するほどであったが、-400ではGE製に切り替えた。JALのGE製エンジンの導入は[[1970年]]に[[コンベア880]]が退役して以来20年ぶり。また、[[全日本空輸]](以下「ANA」と表記)もJALに次いで1990年に導入した。エンジンはJALと同一のCF6-80C2B1Fを装備する。なお、[[日本エアシステム]] (JAS) も導入する予定であったが、その後これをキャンセルし[[ボーイング777#777-200(772A)|777-200]]を発注した。
 
 
 
他、GE製エンジン機を採用しているのはルフトハンザドイツ航空、[[エールフランス]]、[[ガルーダ・インドネシア航空]]など。ガルーダ・インドネシア航空も日本航空と同様に747クラシックではP&W製エンジンだったが、-400ではGE製エンジンに替わる。一方、[[マレーシア航空]]、シンガポール航空、[[大韓航空]]、[[エル・アル・イスラエル航空]]ではP&W製、PW4056。ただ、マレーシア航空は初期に導入した-400コンビのみGE製。
 
 
 
ブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィック航空、[[カンタス航空]]、[[ニュージーランド航空]]などの[[イギリス連邦]]系および旧イギリス連邦系の航空会社ではロールス・ロイス社製RB211-524を装備する。ただし、ニュージーランド航空の-400の場合は初期導入はRB211-524Gを装備するが、後期導入機に関しては[[リース]]会社経由の導入という理由からGE製CF6-80C2B1F装備機に変更された。
 
 
 
なお、世界で通算1,000機目の747となったのはシンガポール航空の-400型([[機体記号]] 9V-SMU)であり、これは超大型機旅客機部門としての初の快挙である。さらに2006年には通算1,500機目の生産を達成した。2008年1月現在、世界で最も多く747-400を所有している航空会社はブリティッシュ・エアウェイズである。
 
 
 
新規発注は2002年11月28日に[[チャイナエアライン]]から4機の発注を受けたのが最後で、ボーイング747-8がローンチしたこともあり、2005年4月26日に同社に引渡したことを最後に受注および生産を終了した<ref>『旅客機年鑑 2010-2011』、[[イカロス出版]]、p43</ref>。総生産機数は、後述する747-400M型と合わせて442機である。2011年時点では、一部の航空会社で747-400を退役させたり貨物化改修しており、この型の後継として[[ボーイング777#777-300ER(773B)|777-300ER]]、[[エアバスA380]]などを導入している。
 
 
 
日本ではJALとANAが導入したが、JALでは2011年3月1日の[[ホノルル国際空港|ホノルル]]からの[[成田国際空港|成田]]行JL75便(JA8089)と[[那覇空港|那覇]]からの成田行JL3098便(JA8077)の運航をもって全機が退役した。[[時刻表|タイムテーブル]]上のラストフライトは75便であったが、当日は75便→3098便の順に到着した。ANAでは2011年1月3日の[[シャルル・ド・ゴール国際空港|パリ]]発成田行のNH206便をもって定期便での運航を終了した。その後はスタンバイ機材としてチャーター便などで運航されていたが、同年3月21日、スペシャルツアー「ANA国際線おかげさまで25周年 ジャンボ機で行くグアムチャーター」の一環で行われた[[グアム国際空港|グアム]]発成田行のNH1987便がラストフライトとなり、このフライトをもって同社での営業運航を終了した。定期便そしてチャーター便のラストフライトに運用されたのはいずれも機体記号JA8958であった<ref>伊丹空港発着路線は、運航規制により2006年3月31日をもってエンジン四発機の営業運航は禁止となった。その当日に成田 - 伊丹線<!--乗り継ぎ客が大半だが国際線接続便ではなく国内線扱いです-->NH2176/2179において四発機としての「ラストフライト」に運用された機体でもある</ref>。
 
 
 
=== 747-400M型 ===
 
貨客混在機。747-400 Combiとも呼ばれる。胴体後部側面に貨物用のドア(SCD)が付く仕様。1989年6月30日に初飛行。ローンチカスタマーはKLMオランダ航空。2002年4月10日にKLMオランダ航空に引き渡したのを最後に生産終了となっている<ref>[http://www.boeing.com/commercial/747family/background.html The Boeing 747 Family -- The Right Choice for the Large Airplane Market]</ref>。ほかにアシアナ航空、ルフトハンザ航空、エールフランス、大韓航空、中国国際航空、エバー航空などが導入したが、2015年1月5日をもってエバー航空からは引退。KLMオランダ航空の747-400 通常型の定員が408名なのに対し、-400 M型の定員は268名となっている。
 
 
 
=== 747-400D型 ===
 
[[ファイル:JAL B747-400D(JA8904) (4395001498).jpg|thumb|240px|JALの747-400D型(退役済)]]
 
[[ファイル:ANA BOEING747-400 JA8961.JPG|thumb|240px|ANAの747-400D型(退役済)]]
 
DはDomestic(国内)の略で、[[ボーイング747#747SR-100型|ボーイング747SR-100型]]と同様に日本のJALとANAのみが発注した日本国内線専用仕様。初飛行は[[1991年]]3月15日で、SR-100型と同じくJALがローンチ・カスタマーとなった。
 
 
 
短距離・多頻度運航を実現するため、胴体や床面の構造を強化しているほか、[[座席#シートピッチ|シートピッチ]]を詰めたり、[[ギャレー]]部分を減らして座席数を増やしている。短距離の路線では燃費低減の効果が少ないことと、全幅の増加による[[エプロン (飛行場)|駐機場]](とくに[[東京国際空港|羽田空港]]の旧ターミナル)や[[誘導路]]の使用制限を避けるため、主翼端のウィングレットはない<!--装備していたものをデリバリー時に撤去した訳ではない-->。
 
 
 
[[1995年]]末までにJAL向け8機と、ANA向け11機の計19機が製造されたが、後述する改造によって2機増え21機となった。全機、CF6-80C2エンジン。
 
 
 
-400型と-400D型の間で基本仕様に大きな差はないため、相互改造が回数制限こそあるものの可能で、ANAにより4機6回の改造実績がある<ref>「一度取り付けたウィングレットを取り外すと、もう二度と取り付けることはできない」といわれていたが、実際はウィングレットを外して運用されていたJA402Aが中華人民共和国の揚子江快運航空に売却後B-2432となり、ウィングレットを装着して貨物機として使用されているので、それは事実ではなかった</ref>。その中の2機のJA401A、JA402A(両機とも退役)は-400から-400D型に転用したものである。この2機は純正の-400D型と比較すると、アッパーデッキのポートサイド(左舷側)の窓が2つ少ない<ref>純正型は窓が一定間隔の後に独立して2か所あるが、改修型は国際線用のクルーバンク(乗務員の休憩スペース)などとして窓がなく、国内線転用後もそのままであった</ref>。一方、他の2機のJA8955、JA8957(両機とも退役)はもともと-400D型として引き渡されたので国際線仕様時はこの独立した2つの窓は埋められていたが、国内線転用後に再び設置された。
 
 
 
JALがかつて運航していた-400Dの座席数は、当初は[[スーパーシート]]24席、[[日本航空#普通席|普通席]]544席の合計568席→2004年以降は[[日本航空#クラスJ|クラスJ]]80席、普通席466席の合計546席。ANAが運航している-400Dの座席数は、当初はスーパーシート(→スーパーシートプレミアム)27席、普通席542席の569席→2008年以降は[[全日本空輸#プレミアムクラス|プレミアムクラス]]23席、[[全日本空輸#普通席|普通席]]542席の合計565席<ref>747-400Dに導入されるプレミアムクラスは、座席こそはCMに使用された新素材と形状は類似しているが、パソコン電源・パーソナルライトの設定はない。またシートピッチは38インチから45インチになる(他の機種は50インチ)</ref>であるが、2002年夏に2機の全席を普通席に改装し594席で2か月間運航した実績を持っており、旅客機の座席数の記録としては2015年11月まで破られなかったが、モノクラスとしては2017年2月現在も世界最多の記録は破られていない<ref>それまでの記録は1995年にJALのボーイング747-300SR「[[リゾッチャ|SUPER RESORT EXPRESS OKINAWA]]」で記録した全普通席584席であった</ref><ref>2011年現在、世界最多座席の旅客機は[[フランス]]の[[コルセールフライ]]の747-400で、全エコノミークラス587席である。ちなみに、2014年に[[エール・オーストラル]]がエアバスA380によるモノクラス仕様840席として有償提供を予定していたが、2016年に発注が取り消された。運用されていたならば世界最多有償座席数として記録更新となり、こちらが世界最多となるはずだった</ref><ref>http://www.airbusjapan.com/press-release-details/?tx_ttnews%5Btt_news%5D=135&tx_ttnews%5BbackPid%5D=101&cHash=c070cae7fa</ref><ref>[https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-11/O5H81R6KLVRO01 欧州エアバス、840人乗り「空飛ぶいわしの缶詰」の受注失う] - Bloomberg 2016年4月12日</ref><ref>2クラス仕様においては[[エミレーツ航空]]が2015年11月より同じくエアバスA380による中距離2クラス仕様615席で有償提供を開始したため、2クラスでは記録更新となり、こちらが世界最多となった</ref>。なお、ボーイング社の文書によれば最大座席数は624席<ref>[http://www.boeing.com/commercial/airports/acaps/747_4.pdf Boeing, 747-400 Airplane Characteristics for Airport Planning Revision D, 2002年10月,p.34.]</ref>とされている。1995年12月にANAに引き渡したのを最後に、生産終了<ref>[http://www.boeing.com/commercial/747family/background.html The Boeing 747 Family -- The Right Choice for the Large Airplane Market]</ref>。総生産機数は、19機。
 
 
 
JALが運航していた-400D型は、2011年2月18日の那覇発羽田行きのJL914便を最後に定期便としての運航を終了した<ref>[http://www.jal.co.jp/jumbo/schedule/#dom フライトスケジュール(国内線)]</ref>。そして同年2月19・20日に退役ツアーが実施され、これがJALにおける747-400D最後の有償飛行となった<ref>[http://www.jal.co.jp/domtour/shunkan/course2010/420/ 惜別ジャンボ 国内線専用機-400D 退役フライト 2日間]</ref>。一方、ANAが運航している-400D型は当初2015年度まで運航を続ける予定であった<ref>『[[エアライン (雑誌)|月刊エアライン]]』(2010年3月号)、p106「ANAグループ」、イカロス出版</ref>が、機材更新を前倒しし、2014年3月31日の那覇発羽田行きのNH126便<ref>ANA発行の紙の時刻表(2014.3.30 - 5.31運航分)の上では、「[[ボーイング777#777-300(773A)|773]]」による運用となっており、この日のみの運用である。紙の時刻表に則った定期便運用は、同年3月29日の那覇-羽田線のNH136便が最後となった。</ref>をもって全機が退役した<ref>[https://www.ana.co.jp/thanks_jumbo/ FINAL 747 THANKS JUMBO!](2013年9月2日付)</ref>。この退役により、日本の航空会社から旅客運航用の747は消滅した。
 
 
 
日本の航空会社での運用から退役した後は、中古機として購入希望、あるいは貨物転用、等と運航利用する航空会社は極めて少なく、スクラップや部品取りが多い。この型は、747在来型ではSR型と同様に短距離国内線運用が主であることで着陸頻度が多くなる。それゆえ、国際線仕様の-400型機に比べて機体の使用による疲労が必然的に激しくなることが一因として挙げられる。
 
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{| class="wikitable" style="font-size:80%;"
 
|-
 
!
 
!製造番号
 
!型式
 
!初飛行日
 
![[機体記号]]
 
!
 
!備考
 
|-
 
|1
 
|25213/844
 
| -446D
 
|[[1991年]][[3月15日]]
 
|ex.JA8083
 
|ex.JAL
 
| -400D型初号機。[[連邦航空局|FAA]]認証所得時の機体記号はN60668。元[[JALドリームエクスプレス#JALドリームエクスプレス21|ドリームエクスプレス21]]"FAMILY"。<br/>[[ケイマン諸島|ケイマン]]へ売却され、 N894DBに登録記号を変更。
 
|-
 
|2
 
|25214/879
 
| -446D
 
|1991年[[9月25日]]
 
|ex.JA8084
 
|ex.JAL
 
|元ドリームエクスプレス21"Dream Story" 。JAL便ラストフライト機。
 
|-
 
|3
 
|25292/891
 
| -481D
 
|1991年[[11月27日]]
 
|ex.JA8099
 
|ex.ANA
 
|ANA受領初号機。国際線就航可能機。2012年5月7日登録抹消。
 
|-
 
|4
 
|26347/907
 
| -446D
 
|[[1992年]][[3月6日]]
 
|ex.JA8090
 
|ex.JAL
 
|1998年11月、JAL所有747-400D初の国際チャーター便運用機([[仙台空港|仙台]] - [[天津浜海国際空港|天津]]間)<br/>Aerlease Inc.へ売却され、N347ASに登録記号を変更。
 
|-
 
|5
 
|25639/914
 
| -481D
 
|1992年[[4月17日]]
 
|ex.JA8955
 
|ex.ANA
 
| -481に改造後[[2001年]][[9月17日]]に再改造、2002年モノクラス594席改修機。<br/>[[タイ王国|タイ]]・[[ドンムアン空港#主な関連事件|ドンムアン空港]]にて整備中炎上した模様<ref>ANAからの公式な発表はなされておらず、真相は不明。また、同機が炎上により全損した写真は一枚も出ていない。参考URL:http://aviation-safety.net/database/record.php?id=20080803-0</ref>。 2008年11月26日登録抹消。
 
|-
 
|6
 
|25640/920
 
| -481D
 
|1992年[[5月21日]]
 
|ex.JA8956
 
|ex.ANA
 
|現「[[ポケモンジェット|お花ジャンボ]]」 2012年11月30日、ANAの営業路線からラインアウト。
 
|-
 
|7
 
|25642/927
 
| -481D
 
|1992年[[7月1日]]
 
|ex.JA8957
 
|ex.ANA
 
| -481に改造後[[2002年]][[1月9日]]に再改造、2002年モノクラス594席改修機、現「[[ポケモンジェット#ピカチュウジャンボ|ピカチュウジャンボ]]」ANAにおける伊丹空港発着3・4発機の有償運航最終機。2013年9月30日の[[那覇空港|沖縄]]発[[東京国際空港|羽田]]行のNH126便を最後に同社の営業路線から退役。
 
|-
 
|8
 
|26345/935
 
| -446D
 
|1992年[[8月28日]]
 
|ex.JA8903
 
|ex.JAL
 
| -400D型におけるJAL[[日本航空の歴史#「鶴丸」|鶴丸塗装]]最終機。ケイマンへ売却され、 N895DBに登録記号を変更。[[部品取り#航空機の場合|部品取り]]となる予定。
 
|-
 
|9
 
|26348/941
 
| -446D
 
|1992年[[10月1日]]
 
|ex.JA8904
 
|ex.JAL
 
|[[日本航空機駿河湾上空ニアミス事故]]機。予約電話[[フリーダイヤル]]化PR塗装、ドリームエクスプレス21"SWEET"、「[[たまごっち]]ジェット2007」の特別塗装を施される。<br/>Aerlease Inc.へ売却の予定で、N263ASに登録記号を変更。
 
|-
 
|10
 
|26349/948
 
| -446D
 
|1992年[[11月11日]]
 
|ex.JA8905
 
|ex.JAL
 
|元ドリームエクスプレス21"[[東京ディズニーシー|Tokyo DisneySea]]"、元「たまごっちジェット2007」サンアーク塗装初施行機。N892DBに登録記号を変更。
 
|-
 
|11
 
|25646/952
 
| -481D
 
|1992年[[12月8日]]
 
|ex.JA8959
 
|ex.ANA
 
|2012年10月、ANAの営業路線からラインアウト。
 
|-
 
|12
 
|26351/963
 
| -446D
 
|[[1993年]][[2月16日]]
 
|ex.JA8907
 
|ex.JAL
 
|元「[[松井秀喜|松井]]ジェット」、沖縄線就航50周年記念塗装、JALにおける伊丹空港発着の3・4発機有償運航最終機。<br/>N893DBに登録記号を変更。
 
|-
 
|13
 
|25643/972
 
| -481D
 
|1993年[[4月8日]]
 
|ex.JA8960
 
|ex.ANA
 
|国際線就航可能機。JA8099,JA8966とともに1990年代後半に[[関西国際空港|関西]] - グアム線に就航。2014年3月14日の[[那覇空港|沖縄]]発[[東京国際空港|羽田]]行のNH136便を最後に同社の営業路線から退役。
 
|-
 
|14
 
|25644/975
 
| -481D
 
|1993年[[4月27日]]
 
|ex.JA8961
 
|ex.ANA
 
|元初代「スヌーピー号」。ANA便ラストフライト機(2014年3月31日,[[那覇空港|沖縄]]発[[東京国際空港|羽田]]行のNH126便)。2014年4月16日、NH9432便として[[テッド・スティーブンス・アンカレッジ国際空港|アンカレッジ]]経由で[[ミシシッピ州]][[テューペロ地域空港|テューペロ・リージョナル空港]]へ[[回送]]。
 
|-
 
|15
 
|26352/978
 
| -446D
 
|1993年[[5月11日]]
 
|ex.JA8908
 
|ex.JAL
 
|元[[2000年シドニーオリンピック|シドニーオリンピック]][[オリンピックの日本選手団|日本選手団]]応援塗装、ドリームエクスプレス21"FRIENDS"、<br/>[[2002 FIFAワールドカップ]]特別塗装。
 
|-
 
|16
 
|25647/991
 
| -481D
 
|1993年[[7月29日]]
 
|ex.JA8963
 
|ex.ANA
 
|元「[[マリンジャンボ]]」、日本初の特別塗装施工機。ANAのフリートでは特別塗装でロールアウトした初の機体。2011年8月3日登録抹消<ref>[http://alpha.kilo.jp/aircraft_hist.html?r_number=JA8963 JA8963登録情報]</ref>。ANAの純正・B747-400Dとして、事故(JA8955)以外では初めての登録抹消となった。
 
|-
 
|17
 
|27163/996
 
| -481D
 
|1993年[[9月7日]]
 
|ex.JA8964
 
|ex.ANA
 
|元「[[ポケモンジェット#ANAポケモンジェット|ANAポケモンジェット1999]]」2011年11月16日登録抹消。
 
|-
 
|18
 
|27436/1060
 
| -481D
 
|[[1995年]][[4月16日]]
 
|ex.JA8965
 
|ex.ANA
 
|元2代目「スヌーピー号」、「[[ポケモンジェット#ANAポケモンジェット→ポケモンジェット1998|ポケモンジェット1998]]」
 
|-
 
|19
 
|27442/1066
 
| -481D
 
|1995年[[7月18日]]
 
|ex.JA8966
 
|ex.ANA
 
|[[全日空61便ハイジャック事件]]機、国際線就航可能機。<br/>「全日空 All Nippon Airways」[[ロゴタイプ|タイトルロゴ]]最終機。2014年1月、ANAの営業路線からラインアウト。
 
|-
 
|20
 
|28283/1142
 
| -481
 
|[[1998年]][[1月19日]]
 
|B-2432
 
|YZR
 
|旧ANA、機体記号JA402A。<br/>[[2003年]][[3月14日]]に-481Dへ改造。<br/>[[2007年]][[10月2日]]にAvion Aircraft Trading hf (AAT) へ売却され機体記号をTF-ANAに変更。<br/>2007年[[12月7日]]に米[[ウェルズ・ファーゴ]]銀行に売却、機体記号をN200FQに変更。<br/>-481BDSFに改造され揚子江快運航空 (YZR) にリース。<br/>2008年[[7月1日]]に現在の機体記号に変更。
 
|-
 
|21
 
|28282/1133
 
| -481
 
|[[1997年]][[10月29日]]
 
|B-2435
 
|YZR
 
|旧ANA、機体記号JA401A。<br/>2003年[[3月26日]]に-481Dへ改造。<br/>AATへの売却がANAから発表されたが、[[2008年]][[7月24日]]に米ウェルズ・ファーゴ銀行籍に登録変更され機体記号をN483YRに変更。<br/>-481BDSFに改造され揚子江快運航空 (YZR) にリース。<br/>[[2009年]][[3月18日]]に現在の機体記号に変更。
 
|}
 
 
 
=== 747-400F型 ===
 
[[ファイル:Jal.cargo.b747.arp.jpg|240px|thumb|JALの747-400F(退役済):極限まで低燃費にするため、塗装を削って機体重量を下げていた]]
 
747-400型の[[貨物機]]バージョン。貨物型においては、アッパーデッキの延長による機体重量の増加、貨物室容積の減少などの弊害のほうが大きいため、-400型でありながら、-200型と同様のショートアッパーデッキとなっている。ウィングレット追加、アビオニクス変更など、他の部分は-400型に準じる。日本の[[貨物航空会社]]においては従来747-200型を貨物機に改造した-200Fを使っていたが、老朽化や長距離路線の拡大などの理由で順次、-400F型を導入。
 
 
 
アジアでは[[マレーシア航空]]、シンガポール航空、キャセイパシフィック航空の貨物部門が導入しており、日本では最初に[[日本貨物航空]]が導入した。続いてJALの貨物部門も導入している。
 
 
 
アメリカでは、[[ポーラーエアカーゴ]]が[[ゼネラル・エレクトリック|GE]]系リース会社を通じて新規導入を図っており、老朽の747クラシックを放出させるという。また、アトラスエアについても、-200BSFの取替で順次導入する見込み。そして[[ユナイテッド・パーセル・サービス]](UPS)も耐空時間切れ寸前の747クラシックとの置換えとして、GE系のリース会社を通じて導入する。この747クラシックの中には元JALのSRも含まれている。
 
 
 
ヨーロッパでは[[ルクセンブルク]]の[[カーゴルックス航空]]が最も多く、10機の-400Fを世界規模の路線で運航している。エンジンは初期導入機はCF6-80C2B1Fを、後期導入機はロールス・ロイス製RB211-524H/Tを装備している。このRB211-524H/Tを装備する-400Fは他にキャセイパシフィック航空が運航している。
 
 
 
747-400F型は旅客型とは異なり、エアバスA380<ref>エアバスA380の貨物型は受注が全てキャンセルされたため、開発中断となっている</ref>のような対抗機種は存在しないため、民間大型貨物機部門では市場独占状態にあった。2009年5月27日、ボーイング747-8のローンチもあり、日本貨物航空(登録記号 JA10KZ)<ref>ただし、納入後に日本貨物航空での営業路線に投入されずに[[ベルギー]]のCargo B Airlines(登録記号 OO-CBD)にリースされた。しかし、2009年7月にCargo B Airlinesは営業不振により運航停止となり、その後砂漠にストアされたのち、ロシアのエアブリッジカーゴへ引き渡されている。日本貨物航空での営業運航歴はない</ref>に引き渡したのを最後に受注、および生産を終了した<ref>『旅客機年鑑 2010-2011』、イカロス出版、p243</ref>。総生産機数は126機。
 
 
 
=== 747-400ER型 ===
 
747-400型の航続距離延長型。初飛行は2002年7月31日。当初は747-400X、のちにThe Longer-Range 747-400とも呼ばれた<ref name="400ER">[http://www.boeing.com/news/releases/2000/news_release_001128c.html Boeing, News Release.(2000年11月28日)]</ref>。外観上は従来の-400型と変化はないが、最大離陸重量が従来型に比べ35,000[[ポンド (質量)|ポンド]](約15,870[[キログラム|kg]])引き上げられて910,000ポンド(約412,770kg)となり、操縦席の[[コンソール]]には新型の[[液晶ディスプレイ|LCD]]パネルが採用されている。また、胴体や主翼部分も構造強化され、エンジン出力も強化されたほか、[[タイヤ]]も従来よりも大径のものに変更された。これにより、従来以上の大量輸送が可能になったほか、従来と変わらない[[ペイロード (航空宇宙)|ペイロード]]であればその分搭載燃料を増やして航続距離を500[[海里|マイル]](約805[[キロメートル|km]])伸ばすことが可能となった。
 
 
 
2000年11月にオーストラリアのカンタス航空から6機が発注<ref name="400ER"/>され、2002年より量産を開始。同年10月31日に第1号機が同社に納入された。2009年11月をもって、-400型シリーズは生産終了となったため、オペレーターはカンタス航空のみとなった。総生産機数は6機。
 
 
 
=== 747-400ERF型 ===
 
747-400ER型を基にして、2001年にエールフランスの発注により開発された貨物機。初飛行は2002年9月。外観は-400F型と同一であるが、コクピットで一部アナログ部分がデジタルに切り替わっている。-400ER(旅客)型が受注に苦戦しているのに対し、本型式は好調な国際航空貨物の需要の伸びに支えられて世界各地の貨物航空会社から受注があり、[[ボーイング747-8#747-8F(フレイター:貨物機型)|747-8F]]の開発への後押しとなった。2009年11月10日、ボーイング747-8のローンチもあり、[[クウェート]]のロードエア・カーゴに引き渡したのを最後に受注および生産を終了した<ref>『旅客機年鑑 2010-2011』、イカロス出版、p244</ref><ref>2013年11月現在は、[[カリッタエア]]に移籍して運航中</ref>。なお、これをもって新規受注分の-400型シリーズが全て引き渡された。総生産機数、40機。
 
 
 
=== 軍用型 ===
 
[[ファイル:Government aircraft of Japan at Hunter Army Airfield.jpg|thumb|240px|20-1101 日本政府が1993年から使用している日本国政府専用機]]
 
[[ファイル:YAL-1A Airborne Laser unstowed.jpg|thumb|240px|AL-1A]]
 
[[日本国政府]]は、1991年(平成3年)に2機の-400を[[日本国政府専用機]]として調達した。この機体は導入当初は[[総理府]]に所属し、JA8091(製造番号24703)とJA8092(製造番号24731)の機体記号で登録されていたが、翌1992年(平成4年)4月1日には[[航空自衛隊]]に移管され、[[防衛庁]]の軍用機扱いとなったため、民間機での登録は抹消されている。
 
 
 
総理府所属時から航空自衛隊により運用・管理されている。英語の正式名は「{{en|Japanese Air Force One}}」である。エンジンは、JALやANAと同一の{{en|CF6-80C2B1F}}を装備する。また、機体の仕様そのものはJAL所属機と共通である上、同社の運航や整備のノウハウが高い評価を受けたことから、重整備や運航支援、乗務員の教育は、他に契約を希望する企業が無かったためにJALが[[随意契約]]で請け負っている。2014年(平成26年)には、日本国政府専用機の後継機として[[ボーイング777|ボーイング777-300ER]]型機が選定された。
 
 
 
[[アメリカ空軍]]は[[ミサイル防衛|弾道ミサイル防衛]](BMD)計画があり、ブースト段階の[[弾道ミサイル]]を破壊するため、-400Fを改修して機首に大出力[[レーザー]]を搭載した[[AL-1 (航空機)|AL-1A]]の試験を続けている。また、C-33の名称で、[[輸送機]]型の提案が行なわれたが、採用に至らなかった<ref>Tirpak, John A. [http://www.airforce-magazine.com/MagazineArchive/Pages/1996/February%201996/0296airlift.aspx "Airlift Moves Up and Out"]. ''Air Force Magazine'', February 1996.</ref>。
 
 
 
[[大韓民国空軍]]は2010年、大韓航空所有の-400を1機リースし、[[政府専用機]]として運用を開始した。通常運用している[[ボーイング737#737-300/-400/-500(第2世代)|ボーイング737-300]]の老朽化および航続距離の問題により、後継機導入までの繋ぎとして使用している。しかし翌年の2011年に空気吸入口が故障したため、今でもボーイング737を併用している。民間からのリース機材であるため、軍用の機体記号ではなく、大韓航空時代の機体記号のまま塗装を変更して運用されている。
 
{{-}}
 
 
 
== 改修型 ==
 
=== 747-400BCF型 ===
 
[[ファイル:Jal.cargo.b747-400.ja8909.arp.jpg|thumb|right|240px|JALの747-400BCF]]
 
旅客機転用型貨物機で、改造後初飛行は[[2005年]][[10月5日]]。「BCF」とは「Boeing Converted Freighter, ボーイング・コンバーティッド・フレイター」(ボーイング社が改造した貨物機)の略である。当初は「SF」(Special Freighter, スペシャル・フレイター)と呼ばれていたが2005年度第4四半期ごろ現在の呼称に変更された。
 
 
 
ボーイング社は、[[2000年代]]前半時点で運用されている貨物機の3分の1が旅客機からの改造機で、この傾向は今後も続くと予想し747-400型についても転用プログラムを開始した<ref>[http://www.boeing.jp/ViewContent.do?id=5665&Year=2003 ボーイング社ニュースリリース(2003年10月14日)]</ref>。747-400(旅客型)および747-400M(貨客型)<ref>[http://www.boeing.jp/ViewContent.do?id=5124&Year=2005 ボーイング社ニュースリリース(2005年10月18日)]</ref>中古機に機体側面部貨物搭載用ドア(SCD)を装着するなどして貨物型に改修する。極力747-400Fに仕様をあわせ、所有する航空会社の運用効率を考慮している。747-400Fとの主な違いは、外見上はロングアッパーデッキがそのまま残ることと、機首部分のノーズカーゴドアがないこと、性能面では最大積載量と航続距離が若干劣ることである。
 
 
 
ボーイング社との委託契約のもと、[[中華人民共和国]]の[[廈門]]にあるTaikoo Aircraft Engineeringで改修作業が施工される(大韓航空は[[金海国際空港|釜山]]の自社整備工場で改修)SCDとその周辺部位は日本の[[三菱重工業]]で製作されており、キャセイパシフィック航空やJALなど多くの航空会社が導入している。なお、JALの機体は2010年をもって全機退役した。また、キャセイパシフィック航空の改修1号機は、2011年7月以降子会社の[[エア・ホンコン]]で運航されている。
 
 
 
=== 747-400BDSF型 ===
 
[[ファイル:Air china cargo.JPG|thumb|240px|中国国際航空のB747-400BDSF]]
 
747-400BCFと同じく旅客機転用型貨物機。[[イスラエル]]のイスラエル航空工業(IAI)Bedek Aviation Groupが独自に提供する改造プログラムで、ボーイングの「純正」プログラムと分けて「BDSF」(Bedek Special Freighter)と呼ばれる。[[中国国際航空]]、[[アシアナ航空]]や[[エバー航空]]などが導入している。
 
 
 
=== 747-400LCF型 ===
 
[[ファイル:747lcf quarter.jpeg|thumb|240px|就航当初の747-400LCF]]
 
[[ファイル:Boeing 747-4H6(LCF) Dreamlifter (N718BA) at Chubu International Airport (11).jpg|thumb|240px|747-400LCF<br/>2016年7月 中部国際空港にて]]
 
[[ファイル:B747LCF Dreamlifter.jpg|thumb|離陸するB747-400LCF]]
 
アメリカ国外で製造されている[[ボーイング787|ボーイング787シリーズ]]の部品を各製造国からボーイング社の最終組立工場に輸送するために、中古の747-400を改修、改造した大型特殊貨物機である。LCFは '''Large Cargo Freighter''':ラージ・カーゴ・フレイターの略で、愛称は「ドリームリフター」(Dreamlifters)<ref>[http://www.boeing.jp/ViewContent.do?id=16182&Year=2006 ボーイング社ニュースリリース(2006年12月6日)]</ref>。機体はボーイング社の所有で、運航は導入開始から[[2010年]]7月までを[[エバーグリーン航空]]が担当していた<ref name="400LCF">[http://www.boeing.jp/ViewContent.do?id=4904&Year=2005 ボーイング社ニュースリリース(2005年12月15日)]</ref>が、2010年8月から[[アトラス航空]]に受託契約を変更している<ref>[http://www.atlasair.com/holdings/archive.asp?Pressid=10755 アトラス社ニュースリリース(2010年7月22日)]</ref>。また、この変更に合わせて、機首付近の窓に若干のマイナーチェンジが施された。
 
当初の中古機からの改造は[[台湾]]のエバーグリーンアビエイションテクノロジーズ社 (EGAT) により[[台湾桃園国際空港]]内のハンガーでおこなわれ<ref>[http://www.evaair.com/html/b2c/japanese/eva/News/2005/744LCF.htm エバー航空ニュース(2005年3月29日)]</ref>、初号機は[[2006年]][[9月9日]]<ref>[http://www.boeing.jp/ViewContent.do?id=11002&Year=2006 ボーイング社ニュースリリース(2006年9月9日)]</ref>、2号機は[[2007年]][[2月16日]]<ref>[http://www.boeing.jp/ViewContent.do?id=21102&Year=2007 ボーイング社ニュースリリース(2007年2月16日)]</ref>、3号機は[[2008年]]6月<ref>[http://www.egat.com.tw/html/CH/e_5_33.htm EGAT社ニュースリリース(2008年6月11日)]</ref>に初飛行した。当初、3機の改造が予定されていた<ref name="400LCF"/>が、その後[[2010年]][[1月]]に4号機が初飛行し4機体制としている<ref>[http://boeingblogs.com/randy/archives/2008/06/three_of_four.html Boeing Blog Randy's Journal(2008年6月11日)]</ref>。
 
 
 
胴体が72mまで延長されており、これほどの機体の大幅な延長は、747ファミリーでは初めてである。機体内部空間確保のために胴体幅・高さともに拡大されたが、機首・主翼・尾部に大きな変化はなく、機首より後ろの胴体だけがむくれ上がった奇妙な形態をしている。この姿は、ボーイング自身が「醜い」と称するほどである。[[垂直尾翼]]のみ、左右の安定性を高めるために延長し、機体全高は21.6mとなった。機内はコックピットを除いて[[与圧]]されていない。貨物搭載部分の容積は、通常の747-400F貨物機の約3倍である。貨物口は機体後部にあり、尾部の左舷側にヒンジを持ち、開閉は専用の特殊車両で尾部を支えながら折り曲げるようにし貨物口を開閉させる。貨物を機内へ積み込むためのリフトを一体化した特殊車両も用意される。こうして[[愛知県]]、[[イタリア]]・[[グロッターリエ]]、[[カンザス州]][[ウィチタ]]、[[サウスカロライナ州]][[ノースチャールストン (サウスカロライナ州)|ノースチャールストン]]などで製造した787の主翼や胴体、エンジンなどの大型部品を、分解せずに機内に搭載し、最終組立工場である[[ワシントン州]][[ボーイング・エバレット工場|エバレット工場]]へ輸送する。787を1機製造するのに、12回の飛行が必要とされる。当初、ウィングレットは装着したままであったが、試験飛行中に振動(フラッター)が生じたため、急遽撤去されることとなり、747-400ファミリーの中では747-400Dに次いで、ウィングレットを装備しない機体となった。
 
 
 
日本への第一便は2007年[[1月10日]]に[[中部国際空港]]に飛来し、同年[[1月12日]]16時30分にシアトルに向けて離陸した<ref>[http://umekyon2.exblog.jp/4905474/ 中部国際空港写真ブログ(2007年1月12日)]</ref><ref>[http://www.centrair.jp/cargo/news/news-list/1178027_3496.html 中部国際空港貨物トピック(2007年1月12日)]</ref>。
 
 
 
2013年[[11月20日]]、僅か1860mの滑走路を持つコロネル・ジェームズ・ジャバラ空港に誤着陸する事故が発生したが、その後無事離陸に成功した<ref>[http://www.afpbb.com/articles/-/3003739?ctm_campaign=topstory 小さな空港に巨大貨物機が誤着陸、米カンザス州 写真6枚 国際ニュース:AFPBB News]</ref>。
 
<div class="references-small">
 
{|class="wikitable" cellpadding="3" cellspacing="0" border="1" style="border-collapse: collapse"
 
|-
 
!運航機
 
!改造後初飛行
 
!製造番号
 
!型式
 
!エンジン
 
![[機体記号]]
 
!登録年月日
 
!旧機体記号(旧所有者)
 
|-
 
|1号機
 
|2006年9月9日
 
|25879/904
 
| -4J6
 
|PW4056
 
|N747BC
 
|[[2001年]][[8月22日]]
 
|B-2464([[中国国際航空]])
 
|-
 
|2号機
 
|2007年2月16日
 
|24310/778
 
| -409
 
|PW4056
 
|N780BA
 
|[[2004年]][[12月17日]]
 
|B-18272([[チャイナエアライン]])
 
|-
 
|3号機
 
|2008年6月
 
|24309/766
 
| -409
 
|PW4056
 
|N249BA
 
|2005年[[5月17日]]
 
|B-18271([[チャイナエアライン]])
 
|-
 
|4号機
 
|2010年1月15日
 
|27042/932
 
| -4H6
 
|PW4056
 
|N718BA
 
|2007年[[9月1日]]
 
|9M-MPA([[マレーシア航空]])
 
|}
 
</div>
 
 
 
== 現在のカスタマー ==
 
=== 航空会社(一部) ===
 
* [[カンタス航空]]
 
* [[タイ国際航空]]
 
* [[大韓航空]]
 
* [[アシアナ航空]]
 
* [[チャイナエアライン]]
 
* [[ブリティッシュ・エアウェイズ]]
 
* [[日本貨物航空]](747-400F)
 
* [[ルフトハンザドイツ航空]]
 
* [[KLMオランダ航空]]
 
* [[ロシア航空]]
 
* [[中国国際航空]]
 
* [[エル・アル・イスラエル航空|エルアルイスラエル]]
 
* [[アトラス航空|アトラスエア]]
 
* [[エア・インディア|エアインディア]]
 
* [[コルセア]]
 
* Med-View Airlines
 
* Wamos Air 
 
* Lion air
 
 
 
=== 空軍 ===
 
* [[航空自衛隊]]
 
* [[大韓民国空軍]](大韓航空からのリース)
 
 
 
=== 非民間組織(一部) ===
 
* [[サウジアラビア]]
 
* Dubai Air Wing
 
* [[キングダム・ホールディング・カンパニー]]
 
 
 
== 競合機種 ==
 
* ''[[エアバスA380]]''
 
  
 
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
+
{{Reflist}}
{{Reflist|2}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
* [[ストラトローンチ・システムズ#母機|モデル351 ロック]] - エンジン、アビオニクス、フライトデッキ、ランディングギアを747-400から流用した[[空中発射ロケット]]の母機。
 
  
 
== 外部リンク ==
 
== 外部リンク ==
 
{{Commonscat|Boeing 747-400}}
 
{{Commonscat|Boeing 747-400}}
 
* [http://www.boeing.com/commercial/747family/index.html Boeing Commercial Airplanes 747 family]([[英語]])
 
* [http://www.boeing.com/commercial/747family/index.html Boeing Commercial Airplanes 747 family]([[英語]])
* [http://www.jal.co.jp/jaltv/source/?s1=jalfan&s2=aircraft&s3=gallery&id=gallery-v1 JAL TV Aircraft Gallery Vol.1] - JALのボーイング747-400の映像
+
{{テンプレート:20180815sk}}
* [http://www.ana.co.jp/ana-info/ana/ana_history/fleet/1983/744.html 運航機材の歴史|ボーイング747-400 テクノジャンボ]([[全日本空輸|ANA]])
+
{{テンプレート:20180815sk}}
{{Boeing Airliners}}
 
{{アメリカ軍の輸送機}}
 
 
 
 
{{デフォルトソート:ほおいんく747-400}}
 
{{デフォルトソート:ほおいんく747-400}}
 
[[Category:ボーイング747]]
 
[[Category:ボーイング747]]
 
[[sr:Боинг 747#747-400]]
 

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ボーイング747 > ボーイング747-400

ボーイング747-400Boeing 747-400

アメリカボーイング社開発の超大型旅客機ボーイング747のモデルの1つ。いわゆる「ハイテクジャンボ」である。

このモデル登場以降、これより前のモデルは「747クラシック」と呼ばれるようになった。

脚注

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