ルナン

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Renan, Ernest

[生]1823.2.28. トレギエ
[没]1892.10.2. パリ

フランスの思想家,宗教学者。テーヌと並ぶ実証主義の思想家として大きな影響力をふるった。初め聖職を志したが,サン=シュルピス神学校在学中にヘーゲル,ヘルダーを読み,聖書原典の研究に向い,1845年聖職を断念した。 1848年の二月革命に動かされて書いた『科学の未来』L'Avenir de la science (1890刊) で,科学精神に基づいた実証主義の思想を確立。学位論文『アベロエスとアベロイスム』 Averroès et Averroïsme (1852) を著わし,1862年コレージュ・ド・フランスのセム語教授に迎えられたが,開講の辞でキリストを「比類なき人間」と呼んだために停職処分を受けた。生来の理想主義にもかかわらず超自然的なものを認めようとせず,歴史的な立場から大作『キリスト教起源史』 Histoire de l'origine du christianisme (7巻,1863~83) に取り組み,特にその第1巻『イエス伝』 Vie de Jésus (1863) は名高い。 1870年コレージュ・ド・フランス教授に復帰。『イスラエル民族史』 Histoire du peuple d'Israël (5巻,1887~93) のほか『青少年時代の思い出』 Souvenirs d'enfance et de jeunesse (1883) を残した。