受動免疫
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受動免疫(英: passive immunity)とは個体から他の個体へと既存の抗体の形で活性液性免疫を導入すること。自然条件下では受動免疫は母体抗体を胎盤(臍帯)あるいは初乳を介して胎子への移行する時に認められる。
特定の病原体や毒素のヒト(あるいはウマ)の抗体を非免疫個体へと導入することで受動免疫は人為的に誘導することが可能である。受動免疫法は、感染の危険が高く自身の免疫反応では抗体を産生するのに十分な時間がない場合、あるいは症状に継続を抑制する場合や免疫不全症において利用される[1]。
移行抗体
移行抗体(いこうこうたい、英: maternal antibody)は、母体から胎子あるいは新生子に世代間を垂直的に移行する抗体。主にIgGより構成され、哺乳類では胎盤、鳥類では卵黄嚢を介して移行する。反芻類では初乳により移行する。ウシでは初乳中の移行抗体の吸収能力は生後24時間以内で100%であり、ブタでは生後0~3時間では100%、3~9時間では50%である。
感染症の種類によっては移行抗体による感染症予防を期待して、親動物にワクチン接種することがある(ニューカッスル病、鶏脳脊髄炎など)。
脚注
- ↑ Microbiology and Immunology On-Line Textbook: USC School of Medicine
参考文献
- 日本獣医病理学会編集 『動物病理学総論 第2版』 文永堂出版 2001年 ISBN 4830031832