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新山口駅(しんやまぐちえき)は、山口県山口市小郡下郷にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅である。2017年度の年間乗客人員は277万4千人[1]。
Contents
概要
山口県の県庁所在地・山口市の玄関口となる駅である。2005年の合併までは旧・小郡町に位置し、2003年までは小郡駅(おごおりえき)と称していた。
山陽新幹線の停車駅のひとつであり、また4方向に伸びる在来線のターミナルでもある。鉄道路線以外に萩・秋芳洞方面や山口宇部空港へ直行バスが運行されており、県央地区における交通の要衝としての役割も担う。乗降客数は山口市の中心駅である山口駅を上回り、同市内で最も多い。山口県庁の最寄駅でもある山口駅は、当駅から山口線で営業キロ12.7kmの内陸部にある。同駅までの所要時間は特急「スーパーおき」で約12分、快速「通勤ライナー」で約17分、普通列車で約22分である。
列車運行上の要衝でもあり、山陽本線の四辻駅 - 小野田駅間各駅と山口線・宇部線・小野田線各線のすべての中間駅を管轄する山口地域鉄道部と下関総合車両所運用検修センター新山口支所(旧小郡機関区)が併設されている。また、夜間滞泊が設定されており、山口線の観光列車「SLやまぐち号」の始発駅である。
なお、2015年度のJR西日本の1日平均運輸取り扱い額は2,392万7千円(同社管内駅第18位)である。
新山口駅構内の運行管理は当駅で行なっている運転取扱駅である。
乗り入れ路線
山陽新幹線と在来線各線との接続駅となっている。
在来線は当駅の所属線である[3]山陽本線と、当駅起点で山口市中心部および島根県の津和野・益田方面へ通じる山口線、同じく当駅を起点として瀬戸内海沿岸の阿知須・宇部市中心部方面へ通じる宇部線が接続しているが、目的地によっては時間がかかる。なお、山口線は特急列車や快速列車、臨時快速列車の「SLやまぐち号」も運転している。また、宇部線もかつては「のぞみリレー号」などの快速列車も運転されていた。
新幹線は開業時から速達タイプの「ひかり」の一部が停車していた。2003年のダイヤ改正からは「のぞみ」の一部が停車するようになった。2017年現在では「のぞみ」、「さくら」が毎時1 - 2本停車するほか、山陽新幹線内で運行される「ひかり」が、朝と夜に上下2本ずつ停車する。加えて、週末や多客期を中心に臨時の「のぞみ」「さくら」「ひかり」が設定される。さらには、当駅始発、当駅終着の「こだま」も存在する。一方で新大阪駅~鹿児島中央駅間を最速達で結ぶ「みずほ」は、臨時列車を含め停車しない。
歴史
1900年(明治33年)、旧吉敷郡小郡村の玄関口となる小郡駅として開業し[4]、1975年(昭和50年)3月に新幹線も同駅で開業した[4]。2003年(平成15年)10月1日に現駅名「新山口駅」に改称した。
駅名改称
1997年に山口商工会議所が「小郡駅」から「新山口駅」への改称を求めることを決議し、1998年には小郡商工会議所が小郡町議会に要望書を提出していた[5]。しかし、山口市の一部としてみられるのを嫌った当時の小郡町民がこれに反対したため、駅名改称とはならなかった。
再度駅名の改称の機運が高まったのは2003年(平成15年)で、地元からの新幹線「のぞみ」停車への要望を受けて、JR西日本から同年10月のダイヤ改定にあわせた駅名改称の打診があったことを当時の小郡町の岩城精二町長が明らかにした[6]。このときは、かつてとは状況が異なっており、平成の大合併による旧小郡町と山口市の合併が具体化していた。幾度か協議を重ねた後、駅名の改称に至った。一方、住民らによる「小郡町の将来を考える会」が町長に変更撤回を申し入れる動きもあった[7]。改称にあたってJR西日本が必要とした費用4億2880万円のうち半額を山口県と関係自治体が折半した[4]。
年表
- 1900年(明治33年)12月3日 - 山陽鉄道 三田尻駅(現・防府駅) - 厚狭駅間の開通と同時に、小郡駅として開業。一般駅。
- 1906年(明治39年)12月1日 - 山陽鉄道の国有化により国有鉄道の駅となる。
- 1909年(明治42年)
- 1913年(大正2年)2月20日 - 山口線が山口駅まで開業。大日本軌道山口支社線が廃止。
- 1925年(大正14年)3月26日 - 宇部鉄道が本阿知須駅(現在の阿知須駅)から延伸し当駅に乗り入れ。
- 1928年(昭和3年) - 三田尻駅構内より三田尻機関庫が当駅構内に移転し小郡機関庫(現下関総合車両所運用検修センター新山口支所)発足。
- 1943年(昭和18年)5月1日 - 宇部鉄道が国有化し宇部東線となる。
- 1948年(昭和23年)2月1日 - 線路名称改定により、宇部東線が宇部線となる。
- 1961年(昭和36年)1月1日 - 北口(在来線口)駅舎が現在のものとなる。
- 1965年(昭和40年)9月24日 - みどりの窓口営業開始。
- 1975年(昭和50年)3月10日 - 山陽新幹線の岡山駅 - 博多駅間延伸により停車駅となる。
- 1984年(昭和59年)1月1日 - 車扱貨物の取扱を廃止。北口駅舎の西側に有蓋車用の貨物ホームが設置されていた。
- 1987年(昭和62年)
- 2003年(平成15年)10月1日 - 駅名を新山口駅に改称。同時に山陽新幹線「のぞみ」停車駅となる。
- 2005年(平成17年)2月20日 - 山陽新幹線改札口に自動改札機設置。
- 2006年(平成18年)4月1日 - JR貨物の駅(貨物取扱)が廃止。取扱実績のないまま廃止された。
- 2009年(平成21年)8月29日 - 山陽新幹線へのEX-IC導入により、在来線改札口にIC読取機を設置。
- 2011年(平成23年)3月12日 - 九州新幹線全線開通により「さくら」の停車駅になる。
- 2012年(平成24年)7月14日 - 駅舎改築のため在来線口の駅舎での営業を終了し、仮設駅舎での営業が始められる。在来線口の駅舎は順次解体される。
- 2013年(平成25年)7月28日 - 豪雨災害により山口線が被災し、当駅を含む一時全線が運休。(以降8月5日までに地福駅 - 新山口駅間については運行再開。)
- 2013年(平成25年)11月16日 - 益田駅 - 津和野駅間の運行再開。なお、津和野駅 - 地福駅間は復旧のめどが立たない状態が続く。中国ジェイアールバスにより、新山口駅 - 津和野駅間でノンストップつわの号の運行が開始した。
- 2014年(平成26年)3月10日 - 橋上駅舎の一部が完成・併用開始され、在来線の各ホームにエレベーター、エスカレーターが設置された。
- 2014年(平成26年)8月23日 - 山口線地福駅 - 津和野駅間の運転が再開されて、同時に津和野駅での折り返し運転だった特急スーパーおき号の乗り入れも約1年ぶりに再開。また中国ジェイアールバスにより運行されていた、新山口駅 - 津和野駅間のノンストップつわの号の運行は終了。
- 2014年(平成26年)12月12日 - 新幹線口に待合室および隣接する商業ゾーンがリニューアルオープン。
- 2015年(平成27年)10月3日 - 南北自由通路の併用開始に伴い、在来線改札口を橋上駅舎に移転、集約。[8]
- 2016年(平成28年)12月14日 - 北口駅前広場の西側部分が完成、併用開始。これによりの自家用車・タクシー乗場が西側に移設。
- 2018年(平成30年)3月23日 - 北口駅前広場全面供用開始。南口(新幹線口)のバスターミナルを北口駅前広場に集約。
駅構造
在来線が橋上駅、新幹線が高架駅となっている。在来線改札は駅の南北をつなぐ自由通路の横にあり、新幹線改札は南口(新幹線口)にある。2015年10月2日以前は北口(在来線口)にも駅舎があり在来線改札が南北の駅舎に設けられていたが、同年10月3日をもって南北自由通路が開通し、南北の在来線改札口が閉鎖された上で一本化された[8]。また、橋上駅舎上の改札にはみどりの窓口はない。在来線改札口にICカード簡易読取機が設置されているが、これはEX-IC利用客用であり、ICOCAそのものはサービスエリア外であるため使用できない(駅構内のキヨスク新山口3号とデイリーイン、在来線改札横のセブン-イレブンハートインではICOCA電子マネーを含めた交通系電子マネーでの支払いが可能)。南口には山陽新幹線用の自動改札機とSMART ICOCA専用クイックチャージ機が設置されている。新幹線口1階(改札外)には土産物や飲食店を備えた「アイスタ新山口」(旧称:新山口駅名店街)が立地する。
在来線は5面8線の地平ホームを持つ。1番のりばと8番のりばが単式で、2・3番のりば、4・5番のりば、6・7番のりばがそれぞれ島式である。かつては1番のりばの東側の切り欠き部に0番のりば(山口線専用のため、架線は張っていない)があったが、2010年(平成22年)3月13日のダイヤ改正を以って使用が停止され、その後かさ上げされてSL広場となった[9]。また、以前から営業列車の停車しない3番のりばも、駅改修工事時にフェンスが設置された。
山陽本線は4番のりばが上り本線、6番のりばが下り本線であり、当駅を跨ぐ列車は基本的にこれらのホームを使用する。5番のりばは中線、7番のりばは下り副本線にあたる。5番のりばより宇部・下関方面、6番のりばより防府・徳山方面への折り返しが可能で当駅到着後、回送せず折り返す列車はこれらのホームを使用する。6番のりばが既に他の列車で塞がっている場合、下り列車は7番のりばを使用する。また、宇部線の構内配線は他の2路線と完全に分離されており、構内にある下関総合車両所新山口支所に入線することも出来ないため、8番のりばの南に宇部線の電車が待機するための電留線が設けられている。2番のりばにはかつて山口線と山陽本線を直通していた急行列車である「あきよし」「さんべ」の号車案内が残る。
新幹線は、16両編成対応(ホーム長410m)の相対式ホーム2面2線(内側に上下通過線2線を挟む)を有する高架ホームである[10]。構内は博多方向に向かって左方向に半径4,000mの曲線を描いている[11]。12番のりばの南側(外側)に保守用車両の出入りする側線が設けられているが、本線のホームとは高低差があり壁で遮られている(新幹線口の写真参照)。
のりば
のりば | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1・2 | ■山口線 | - | 山口・津和野方面 | 「SLやまぐち号」は1番のりば 「スーパーおき」は2番のりば |
3 | (回送列車等のみのため閉鎖) | |||
4・5 | ■山陽本線 | 上り | 防府・徳山方面 | 一部6番のりば |
6・7 | 下り | 下関方面 | 一部5番のりば | |
8 | ■宇部線 | - | 宇部新川・居能方面 | |
11 | 山陽新幹線 | 上り | 広島・新大阪方面 | 一部の上り回送列車は下りホームに停車 |
12 | 下り | 博多・鹿児島中央方面 |
バリアフリー化の状況
2011年に開催されたおいでませ!山口国体・おいでませ!山口大会や、2015年の第23回世界スカウトジャンボリーの開催に合わせてバリアフリー化を行っている。2010年度・2011年度に、新幹線駅舎にエレベーターが設置され、2014年3月より駅舎の一部が橋上化されたのとあわせて、在来線の各ホームにもエレベーター、エスカレーター(上昇のみ、下降はなし)が設置された。
駅弁
長年にわたり、小郡駅弁当(1910年創業)が営業を行っていた。2010年7月1日に経営の効率化を目指して小郡駅弁当が徳山駅弁当・下関駅弁当を吸収合併し[12]、その2駅でそれまで人気だった一部「かんばん」弁当(下関駅の「ふく寿司」など)も小郡駅弁当が販売を継続していた[13]。
その小郡駅弁当も鉄道の高速化や駅舎の改良に伴うコンビニや飲食店の進出に押され[13]、2015年4月30日をもって駅弁事業を含めた仕出し事業全般から撤退し[14]、山口県内から駅弁業者が消滅することになった[13]。小郡駅弁当の撤退を受け、売店を運営しているジェイアールサービスネット広島が販売継続を模索、「ふく寿司」と「SL弁当」を調理方法や包装を含めて小郡駅弁当から継承したものを広島駅弁当が製造し、5月1日から発売開始した[14]。
なお、駅構内のうどん店は引き続き小郡駅弁当が運営する予定である[13][15]。
利用状況
1日の平均乗車人員は以下の通り[16]。これは、山口県内の駅では下関駅に次いで第2位である。また、2016年度の1日の平均運輸取扱収入は2426万4千円で、これはJR西日本管内の駅で18番目に多く、山口県内の駅では最多である[17]。
乗車人員推移 | ||
---|---|---|
年度 | 1日平均人数 | 備考 |
1992 | 8,534 | [18] |
1999 | 7,119 | |
2000 | 7,300 | |
2001 | 7,506 | |
2002 | 7,176 | |
2003 | 7,175 | |
2004 | 7,038 | |
2005 | 7,182 | |
2006 | 7,210 | |
2007 | 7,291 | |
2008 | 7,365 | |
2009 | 7,068 | |
2010 | 7,059 | |
2011 | 7,416 | |
2012 | 7,410 | |
2013 | 7,544 | |
2014 | 7,293 | |
2015 | 7,686 | |
2016 | 7,600 |
駅周辺
元々は駅北側(在来線口)に市街地が開けていたが、山陽新幹線開業以後、駅南側(新幹線口)の開発が急速に進んでいる。また、駅の南北を問わずビジネスホテルが数多く建ち並んでおり、また、予備校・学習塾も駅周辺に多く立地する。
北口(在来線口)周辺
駅前ロータリーから山口県道214号新山口停車場長谷線が延び、山口県道335号江崎陶線(旧・国道2号)および国道9号に接続する。国道9号は長きにわたって小郡市街地付近で2車線となっており、山口市中心部と国道2号(小郡道路)を結ぶ上でのボトルネックとなっていた。2011年に拡幅(小郡改良、4車線化)が完了し、バイパスともなっている山口宇部道路の開通もあって、駅周辺の渋滞は軽減傾向にある。
駅北側が元々の旧小郡町中心部にあたり、以前からの公共施設や金融機関はこちら側に集中する。
- 山口市小郡文化資料館
- 山口市小郡総合支所(旧 小郡町役場)
- 山口市立小郡中学校
- 山口南警察署新山口駅前交番 : かつては小郡警察署(現 山口南警察署)も駅北側にあった。
- 山口銀行小郡支店
- 西京銀行小郡支店
- 西中国信用金庫小郡支店
- 小郡郵便局
- 小郡大正町郵便局
南口(新幹線口)周辺
駅南側は元々は椹野川右岸に広がる田園地帯だったが、新幹線駅開業時から小郡駅前第1土地区画整理事業、小郡駅前第2土地区画整理事業、小郡駅前第3土地区画整理事業の3期に分けて土地区画整理事業が施行され、オフィスビルやマンションが林立する市街地に生まれ変わった。山口市とその周辺地域の陸上交通の要衝に位置していることもあり、支社・営業所が集積する。
駅前を山口県道353号新山口停車場上郷線が通過し、国道2号小郡道路小郡インターチェンジに接続している。同インターチェンジ付近に公共施設のいくつかが移転している。
駅前正面に、小郡に縁のある種田山頭火の銅像が設置されている。
- 山口南総合センター
- 山口市南消防署
- 小郡浄化センター
- 山口市立小郡南小学校
- 山口県総合交通センター
- 山口南警察署
- 山口県若者就職支援センター
- イオンタウン小郡
- 小郡黄金町郵便局
- ローソン山口統括本部
- セブン-イレブン山口統括本部
- YIC studio(専門学校)
新山口駅ターミナルパーク整備事業
2004年7月29日、当時の1市3町(山口市、小郡町、阿知須町、秋穂町)で構成していた山口県央部1市3町合併協議会で、山口市役所の位置について「新市発足時は現在の山口市役所の位置とする」一方、「将来の事務所の位置については(中略)新山口駅周辺が適地であるという意見を踏まえながら、県央中核都市にふさわしい位置を考慮し、整備については新市発足後10年を目途に審議すること」との附帯決議が出された[20]こともあり、合併後の山口市では山口市役所内の単独部局として「ターミナルパーク整備部」を設け、新山口駅とその周辺の整備計画「新山口駅ターミナルパーク整備事業」を進めている。2007年(平成19年)11月に整備構想、2009年(平成21年)2月に基本計画が策定された[21]。2016年度までの完了を目標として、整備が進められている[22]。
施設整備計画
- 駅前広場 - 北口(在来線口)駅前広場は、西側の山口市土地開発公社が所有する大規模遊休地の一部を利用して従来の約6,100m2から約11,000m2に拡張し、新幹線口側に発着する路線バスもすべて集約予定となっている[23]。一方、新幹線口駅前広場(約9,600m2)は拡張せずに再整備を実施し、現在の路線バス乗り場を利用してタクシーと一般車の交通動線を完全に分離する[23]。2017年度完成予定。
- 自由通路 - 幅員約10m、延長約140m、天井高約6mの南北自由通路を設置し、路線バスの北口側への集約に伴う新幹線口側の利便性低下を抑える[22]。県道新山口停車場長谷線、新幹線口側に伸びる自転車歩行者専用道路「風の並木通り」とともに「南北のシンボル軸」としての位置づけられている[23]。両側の壁面を緑化し、県内最大の垂直庭園である。ベンチなどもあり、24時間通行可能。2015年10月3日供用開始[8]。なお、駅東側にある既存の自由通路は、引き続き自転車利用を中心とした通路として活用される[23]。
- アクセス道路 - 2011年(平成23年)に開通した山口宇部道路長谷IC(国道9号線交点)から北口へ直接アクセスする道路(都市計画道路新山口駅長谷線)が県により整備中[23][24]。
- 橋上駅舎 - 南北自由通路整備と平行して在来線駅舎を橋上化し、南北の在来線改札を橋上駅舎に集約するとともに北口駅舎スペースを駅前広場拡張に充てる。2015年10月3日完成[23]。
- 県道新山口停車場長谷線再整備 - 南北のシンボル軸において、北側のシンボルロードとして位置づけられ、美装化、緑化及びバリアフリー化が行われる予定[23]。
新山口駅北地区重点エリア整備事業
同駅北側に広がる国道9号、県道江崎陶線、県道新山口停車場長谷線に囲まれた街区の市街地整備を行う事業として2009年度から検討が始まり、2010年3月に整備方針が決定した[25]。具体的には、以下の3ゾーンに分割して整備を行っていくとしている[25]。
- Aゾーン - 駅北西側に広がる大規模遊休地のエリア。他のゾーンに先行して整備が行われるエリアで、当初は2014年度の整備完了を基本目標としていた[25]。その後、当初予定より遅れて2015年に「地域資源を生かした産業振興の実現」に向けて、起業創業支援センターや2,000人収容の多目的ホールなどの拠点施設を整備する基本方針が示されている[26]。
- Bゾーン - 北口正面、アクセス道路より北側のエリア。「民間誘導地区」と位置づけ、民間による再開発事業を行う。
- Cゾーン - 北口の西側、アクセス道路より南側のエリア。「民間誘導地区」と位置づけ、民間による再開発事業を行う。一部エリアについては駐車場として整備する計画が示されている。
事業進捗状況
北口の駅前広場の設計については公募型プロポーザル方式による設計者選定が実施され、設計者に中原中也記念館を手がけたプランツアソシエイツ(東京)を選んだ[27]。同社の呈示したプランは「まちと駅をつなぐ『0番線』」をコンセプトに、新たな「山口の杜」となる駅前広場のあり方を提案したもので、街づくりのきっかけとなる駅前広場を通過点でなく目的地として活用するための市民との協働の取り組みが高く評価された。
設計が具体化したことで2012年度より駅改良工事に本格着手しており、2012年7月13日をもって既存の北口駅舎の使用を終了し、現駅舎の東端部分を改装して設けられた仮設駅舎での営業と現駅舎の解体工事が始まっている[28]。2014年3月10日から新通路の利用が始まる[29]。
また、新山口駅北地区重点エリア整備事業のうちAエリアの新山口駅北地区拠点施設整備については2016年に公募型プロポーザルを実施。森ビル都市企画・アール・アイ・エー・大成建設・積水ハウス・コンベンションリンケージで構成される企業グループの提案が採用された[30]。
バス
現行(北口駅前広場)
新山口駅ターミナルパーク整備事業による駅前広場整備で、2018年4月1日より新幹線口と在来線口にそれぞれあり、在来線口では会社ごとに分散していたバスのりば(後述)が北口駅前広場に集約され、案内所が設けられている。バス停の配置は以下の通り[31][32]。
- 1番のりば - 宇部新川駅、山口宇部空港、市小野方面
- 山口宇部空港行きリムジンバス(新山口駅始発、宇部市交通局)
- 山口宇部空港行きリムジンバス(山口駅始発、中国ジェイアールバス・防長交通)
- 特急 宇部新川駅行き(宇部市交通局)
- 宇部市生活バス 市小野行き(宇部市交通局)
- 2番のりば - 秋芳洞、萩方面
- 3番のりば - 防府、秋穂方面
- 秋穂荘/秋穂漁港行き(防長交通)
- 防府駅行き(防長交通)
- 4番のりば - 大歳・維新公園経由山口市内方面
- 5番のりば - 平川・山口大学経由山口市内方面、福岡方面
- 6番のりば - 長門方面
- 長門湯本温泉経由道の駅センザキッチン行き乗合タクシー(冨士第一交通、いさむや第一交通)
なお、O.T.Bライナー(天領バス運行)の「新山口駅」バス停は駅前広場内ではなく、駅正面から約100m北のホテルアルファーワン向かいにある。
在来線口(移転前)
元々は駅ロータリー北側の市道沿いに複数のホームが並んでいた。防長交通の管理するバス発券窓口があり、バスカード等を販売していた。新幹線開業前からのターミナルで、中国ジェイアールバス以外の各社(防長交通・宇部市交通局)が乗り入れていた。防長交通は旧山口市交通局便を含めたほぼ全便がこちらに乗り入れていた。以前サンデン交通の神戸・大阪行き夜行高速バス「ふくふく大阪号」が新幹線口ではなく在来線口に乗り入れていたのは、旧山陽急行バス時代も含めてこちらにしかターミナルを有していなかったという経緯による。
駅前広場整備の工事進捗に伴い、2013年10月1日から北口駅前広場開業までの間、暫定的に従来の乗り場から西に約200m移動した先(駅正面から徒歩3分)に移設されていた[33]。下記は2016年2月現在の乗り場配置。
- 1番のりば - 萩・秋芳洞・防府・小郡第一病院前・秋穂荘方面
- 2番のりば - 大歳・維新公園経由山口市内方面
- 3番のりば - 平川・山口大学経由山口市内方面
このほか、駅正面から約100m北のホテルアルファーワン前に宇部市交通局の「新山口駅(北口)」バス停[31]が、駅正面から約80m北のコンフォートホテル前に防長交通の降車場[32]があったが、いずれも北口駅前広場開業時に廃止されている。
新幹線口(廃止)
駅本屋前に3本のホームがあり、中国ジェイアールバスを中心とした路線が発着していた。近郊路線は基本的に発着せず、都市間路線が発着していた。バス発券窓口があり、中国ジェイアールバスの子会社である西日本バスネットサービスが管理していた。2018年3月31日をもって発券窓口共々廃止となり、新幹線口は団体バス専用乗り場となった。
- 1番のりば - 福岡・萩方面
- 福岡行き「福岡・山口ライナー」(中国ジェイアールバス・JR九州バス)
- 萩行き「スーパーはぎ号」(中国ジェイアールバス・防長交通)
- 普通 大田経由東萩駅行き(防長交通)
- 特急 湯田温泉経由山口駅行き(中国ジェイアールバス)
- 2番のりば - 秋芳洞方面
- 普通 秋芳洞行き(防長交通)
- 山口宇部空港行きリムジンバス(中国ジェイアールバス・防長交通)
- 3番のりば - 宇部方面
- 山口宇部空港行きリムジンバス(宇部市交通局)
- 特急 宇部新川駅行き(宇部市交通局)
隣の駅
- 西日本旅客鉄道
- 山陽新幹線(各列車の停車駅は列車記事を参照)
- ■山陽本線(全定期旅客列車が各駅に停車)
- ■山口線
- ■宇部線(全定期旅客列車が各駅に停車)
- 新山口駅 - 上嘉川駅
脚注
- ↑ JR西日本(2016)[データで見るJR西日本]参照。
- ↑ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
- ↑ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
- ↑ 4.0 4.1 4.2 【Q&A】31.駅名はどうやって決まるのか(2) 2012-6-7 北海道新幹線2015新函館開業ウェブサイト
- ↑ 「JR小郡駅の駅名、変更を求め要望書 小郡商工会議所 /山口 」1998年7月8日 朝日新聞朝刊(山口)
- ↑ 『駅名変えるから「のぞみ」止めて 「小郡」→「新山口」 【西部】 』2003年4月19日 朝日新聞朝刊(2社会)p30
- ↑ 『「小郡駅」名称変えないで 住民団体が町長に要請 /山口 』2003年4月24日 朝日新聞朝刊(山口2)p30
- ↑ 新山口駅の「SL広場」整備着々 - 山口新聞2011年3月10日
- ↑ 国鉄新幹線建設局 『山陽新幹線岡山博多間工事誌』 社団法人日本鉄道施設協会、pp.404 - 405、1977年
- ↑ 国鉄新幹線建設局 『山陽新幹線岡山博多間工事誌』 社団法人日本鉄道施設協会、p.404、1977年
- ↑ “小郡・下関・徳山 駅弁3社が合併 経営効率化へ工場集約”. 中国新聞 (中国新聞社). (2010年7月8日)
- ↑ 13.0 13.1 13.2 13.3 “県内駅弁、歴史に幕 唯一の製造元が月末で廃止決断”. 山口新聞 (みなと山口合同新聞社). (2015年4月9日) . 2015閲覧.
- ↑ 14.0 14.1 蓬田正志 (2015年5月2日). “駅弁:山口の味消えず 「ふく寿司」「SL弁当」販売継続 広島駅弁当がレシピ継承”. 毎日新聞山口版 . 2015閲覧.
- ↑ “山口唯一の駅弁撤退、「小郡駅弁当」4月末で”. 読売新聞九州版. (2015年4月30日) . 2015閲覧.
- ↑ 出典:山口県統計年鑑
- ↑ データで見るJR西日本2017:駅 (PDF) - 西日本旅客鉄道、2018年7月28日閲覧。
- ↑ 山口県統計年鑑 平成6年刊 JR旅客及び貨物輸送実績、158頁、山口県企画部統計課、1996年
- ↑ http://www.city.yamaguchi.lg.jp/dannai/soshiki/tpseibi/seisaku/download/yoryo.pdf (PDF)
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- ↑ 23.0 23.1 23.2 23.3 23.4 23.5 23.6 ターミナルパーク整備パンフレット (PDF)
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- ↑ 中也記念館の設計者に 新山口駅前広場「山口の杜」イメージ - 山口新聞2011年7月3日
- ↑ 親しまれた駅舎解体へ 新山口駅表口 14日から仮設で営業 - サンデー山口2012年7月11日
- ↑ 新山口駅に新たな乗り換え通路 - 中国新聞2014年2月13日
- ↑ 新山口駅北地区拠点施設整備事業を実施する事業候補者の決定について (PDF)
- ↑ 31.0 31.1 新山口駅バス停変更のお知らせ (PDF) - 宇部市交通局2018年3月5日
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- ↑ “新山口駅表口駅前広場整備に伴うバスのりば・待合所移転について”. 山口市ターミナルパーク整備部建設課 (2013年9月11日). 2017年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2018閲覧.
関連項目
外部リンク
公式