雪渓
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雪渓(せっけい)とは、高山など標高の高い場所の谷や沢の積雪が溶けずに残った地帯。または積雪で覆われた渓谷。
概要
高山では標高が高いために年間を通して気温が低く、積雪が解けずに残ることが多いが、特に谷では積雪が残りやすく、日本でも2000mを越える地帯では夏でも雪塊をしばしば目にすることができる。越年するものは万年雪とも呼ばれることがある。硬化し、雪よりも氷に近い場合が多い。また「白馬大雪渓」のように固有名称としても使用される。
越年する雪渓の下には氷体が存在する場合がある。富山県の立山の御前沢雪渓、および剱岳の三ノ窓・小窓雪渓に存在する氷体は年間を通じて流動しており、日本で数少ない氷河であることが確認されている。
代表的な雪渓のひとつである白馬大雪渓は、幅100m、長さ3.5kmにも及び、日本三大雪渓のひとつに数えられる。雪渓の上に続く長い行列は、白馬岳の風物詩となっている。また、山名自体が特徴的な雪渓に由来する場合もある。このように、雪渓は山を形成する重要な要素の一つと言える。
雪渓の歩行には、危険が伴うためアイゼンなどの補助具が必要である。また、クレバスができていたり、雪庇を形成している場合もあり、歩行には十分な注意が必要とされる。
日本三大雪渓
名称 | 長さ (m) |
所在地 | 河川名 | 地形図 | 画像 |
---|---|---|---|---|---|
白馬大雪渓[1] (はくば) |
3,500 | 白馬岳と杓子岳との 東面の谷 |
北股入 松川の支流 |
地図閲覧サービス (国土地理院) |
白馬岳の山頂部から見下ろす白馬大雪渓(2015年8月1日) |
針ノ木雪渓[1] | 針ノ木岳と蓮華岳との 北東面の谷 |
篭川 高瀬川の支流 |
地図閲覧サービス | 爺ヶ岳から望む針ノ木岳の針ノ木雪渓(左上部が雪渓の上端となる針ノ木峠、2015年7月7日) | |
剱沢雪渓[1] | 剱岳と別山との 東面の谷 |
剱沢 黒部川の支流 |
地図閲覧サービス | 別山から望む剱沢雪渓の上部と剱岳(1995年8月20日) |
季語
季語としての雪渓(せっけい)は、夏の季語(晩夏の季語)[2]。分類は地理[3]。通用語とは少し違って、季語としての「雪渓」は、残雪や万年雪の見える夏の高山の渓谷を指す[2]。
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
- “地名コレクション「雪渓」”. 都道府県市区町村. . 2017閲覧.