京都市営地下鉄烏丸線
停車場・施設・接続路線 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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烏丸線(からすません)は、京都府京都市左京区の国際会館駅から同市伏見区の竹田駅までを結ぶ京都市営地下鉄の路線である。ラインカラーは グリーン、路線記号はK。
Contents
概要
京都市初の市営地下鉄路線である。1981年(昭和56年)に北大路駅 - 京都駅間が開業した。1988年(昭和63年)に京都駅 - 竹田駅間、1990年(平成2年)に北山駅 - 北大路駅間、1997年(平成9年)に国際会館駅 - 北山駅間と順次延伸されている。北大路駅 - 十条駅間は烏丸通の地下を通り、同市中心部を南北に貫いている。開業当初は4両編成で運行されていたが、竹田駅への南進開業後は全列車が6両編成で運行されている。竹田開業の約2か月後から近鉄京都線との相互乗り入れを行い、当初は国際会館駅 - 新田辺駅間で、後に近鉄奈良駅まで直通運転区間が拡大されている。烏丸線内はすべての駅が将来の増結に対応したホーム長となっている。近年の京都への観光客数の増加と比例するように利用者数は増え続けており、2016年度は一日平均約27万人の利用があった[1]。関西圏の地下鉄の中ではOsaka Metro御堂筋線、谷町線に次いで3番目に利用者数が多い。
路線データ
- 路線距離(営業キロ):13.7km
- 軌間:1435mm
- 駅数:15駅(起終点駅含む)
- 複線区間:全線
- 電化区間:全線電化(直流1500V・架空電車線方式)
- 地上区間:竹田駅付近
- 閉塞方式:車内信号式(ATC)
- 最高速度:75km/h
- 総建設費:3054億円[注釈 1]
路線の特徴
京都市内の主要観光地のうち、沿線に所在するものは京都御所(今出川駅、丸太町駅)や東本願寺(京都駅、五条駅)などにとどまっており、その他の主要観光地へは地下鉄東西線や京都市バス・京都バスなどの路線バス利用となることが多い。また、沿線には以下の大学が所在している。
- 京都産業大学(国際会館駅から京都バス40系統。最寄りバス停は京都産業大学前である。ラッシュ時には大学への直行便・臨時便が増発される。)
- 京都精華大学(国際会館駅からシャトルバス。最寄駅は叡山電鉄鞍馬線京都精華大前駅である。)
- 京都工芸繊維大学(松ヶ崎駅)
- 京都府立大学、京都ノートルダム女子大学(北山駅)
- 大谷大学・短期大学部(北大路駅)
- 同志社大学、同志社女子大学(今出川校地:今出川駅)
- 平安女学院大学(京都キャンパス:丸太町駅)
- 佛教大学(紫野キャンパス:北大路駅からバス、四条センター:四条駅)
- 龍谷大学・短期大学部(深草校舎:くいな橋駅、大宮校舎:京都駅。ただし深草校舎は京阪本線深草駅の方が近い)
運行形態
線内折り返し運転のほかに、竹田駅から近畿日本鉄道(近鉄)京都線に乗り入れ相互直通運転を行っている。2012年3月20日改正ダイヤでは、昼間時間帯は1時間に8本(7分30秒間隔。線内折り返し5本、新田辺駅直通普通2本、近鉄奈良駅直通急行1本)が運転される。全列車が国際会館駅と竹田駅間を通しで運転しており、途中駅を始発駅・終着駅とする区間列車は設定されていない。
線内折り返し
線内折り返し列車は、昼間は1時間あたり5本運転される。多客期(ゴールデンウィーク・春または秋の観光シーズン・祇園祭・大文字送り火)は増発される場合がある。
京都市交通局の車両と走行距離を合わせるため、近鉄の車両も運用されている。駅の行き先案内や列車の方向幕に列車種別は表示されず、黒地に白文字で「 国際会館 」「 竹田 」などの行先のみ表示される。なお、方向幕については、3200系には列車種別を表示しないもの(行先のみの黒抜き文字)が別途用意されているが、3220系は列車種別表示を無表示(黒色)にして運行する。
新田辺駅直通普通
近鉄京都線新田辺駅発着の列車が、昼間は1時間に2本(30分間隔)運転される。方向幕は列車種別のみを青地として「 普通 新田辺」「 普通 国際会館」のように表示される。なお上り列車(国際会館行き)の場合は、基本的に竹田駅での線内折り返しの時に使われる行先のみの表示に変更することはなく、そのまま烏丸線に直通する[注釈 2]。
早朝に1本のみ近鉄宮津発国際会館行き普通が運転されているが、近鉄宮津行きの列車はない。
近鉄奈良駅直通急行
近鉄奈良駅発着の急行列車が、昼間時間帯に1時間に1本(60分間隔)、朝にも国際会館発のみ2本(土・休日は1本)運転される。烏丸線内は各駅に停車し、近鉄線内は急行停車駅に停車する。方向幕は列車種別のみを橙地として「 急行 奈良」「 急行 [京都]国際会館」のように表示されるが、後者は竹田駅到着時に線内折り返し用のものへ変更される。2000年3月15日のダイヤ改正で登場。2012年3月20日のダイヤ改正前は昼間時間帯は1時間に2本(30分間隔)運転されていた。
車両
自局車両
- 10系
- 近鉄線では地下鉄線と直通運転を行う竹田駅 - 新田辺駅・近鉄奈良駅間のみで運行。近鉄線のみでの運行はない。
- Kyoto Subway series 10 batch 1 and 6.JPG
京都市交通局10系
6次車(左)と1次車(右)。前面形状などが異なる。
今後、開業当初から運用している9編成をATOに対応した新型車両への置き換えを予定している[2]。2017年8月31日には総合車両製作所が「高速鉄道烏丸線新造車両デザイン検討業務」を1円で受注している[3]。
乗り入れ車両
- 3200系
- 3220系
- 両者とも近鉄京都線、橿原線(急行のみ、主に近鉄京都発着)、天理線(急行のみ、運用数は稀少)、奈良線・難波線(主に普通、区間準急、準急)でも運行されている。終日近鉄線内のみ、もしくは烏丸線内のみの運用もある。全区間、車内自動放送を行うが、烏丸線内は音声合成で日英2か国語とも女性の声、近鉄列車内はタブレット端末により最少で日本語のみ、最多で日英中朝の4か国語で、日本語のみ男性の声、その他の言語は女性の声と、異なっている。
- Kintetsu-3200 001 JPN.JPG
近鉄3200系
- Kintetsu 3220 KL21.jpg
近鉄3220系
歴史
- 1974年(昭和49年):烏丸線起工(着工)。この年に発売された「記念メダルと乗車券のセット」で開業時の試運転に乗車可能であった。
- 1981年(昭和56年)5月29日:北大路駅 - 京都駅間が開業。10系電車営業運転開始。
- 1988年(昭和63年)
- 1990年(平成2年)10月24日:北山駅 - 北大路駅間が開業。
- 1997年(平成9年)
- 2000年(平成12年)3月15日:国際会館駅 - 近鉄奈良駅間直通の急行を運転開始(昼間時間帯は30分間隔で運転)。近鉄3220系電車の営業運転開始。
- 2010年(平成22年)3月19日:白紙ダイヤ改正を実施。21・22時台の増発や、烏丸御池駅での乗り継ぎ時間の均等化などを行う。また、烏丸御池駅での烏丸線・東西線終電の全方向一斉発車作戦「シンデレラクロス」を開始。
- 2011年(平成23年)3月25日:この日から開業当時より30年間使用された接近放送が更新され、入線メロディが導入された。ただし東西線で導入された発車メロディは採用されていない[注釈 3]。また、放送はこれまで上下とも女声であったものが男女別(上りは男声で下りが女声)となり、メロディも上下で異なるものを使用している[4]。
- 2012年(平成24年)3月20日:ダイヤ改正。昼間時間帯の急行を60分間隔での運転に減便。
- 2013年(平成25年)3月23日:交通系ICカードの全国相互利用を開始。
- 2014年(平成26年)12月20日:烏丸御池駅で可動式ホーム柵の稼働を開始(2015年度には四条駅、京都駅にも設置)。
- 2015年(平成27年)10月2日:年末年始及びお盆期間を除いた毎週金曜日のみ終電を30分延長する「コトキン・ライナー」の運転を開始(烏丸御池駅での「シンデレラクロス」も実施)。
- 2018年(平成30年)3月17日:ダイヤ改正を実施。平日ダイヤの7時台と10時台に各1往復及び15 - 17時台に2往復増便。平日・土休日ダイヤともに国際会館駅の始発を5分繰り上げる。
延伸計画
油小路通は高度集積地区に指定されており、活性化を期待して、竹田駅から近鉄京都線と分岐し横大路付近までの4.4kmを延伸する計画がある[5]。ルートは大手筋を経て、京阪本線の中書島駅と淀駅の間付近までとなっている[5][6]。近畿地方交通審議会(国土交通省の諮問機関)が2004年10月8日に中長期的に望まれる鉄道ネットワークとして、竹田駅以南の延伸計画を答申した[5][7]。2017年の京都新聞の取材に対し、市側は、地下鉄事業に多くの借金があることを理由に、工事着手は困難としている[7]。
さらに、宇治川を越えて南進し、宇治川南部に計画されている洛南新都市[8]まで延伸する構想もあったが、近畿地方交通審議会の答申では触れられていない。
北端も岩倉地区まで延伸する構想があったが、こちらも近畿地方交通審議会の答申で一切触れられていない。
駅一覧
- 全駅京都府京都市に所在。
- 普通・急行:烏丸線内は各駅に停車。
- 乗り入れ区間である竹田 - 新田辺・近鉄奈良間の停車駅は「近鉄京都線」を参照。
- 2013年1月現在、九条駅を除く各駅の駅名標には近隣施設名が広告として併記されている[9]。
駅番号 | 駅名 | 駅間キロ | 営業キロ | 1日平均 乗降客数[10] (2016年度) |
接続路線 | 所在地 | |
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K01 | 国際会館駅 | - | 0.0 | 25,932 | 左京区 | ||
K02 | 松ヶ崎駅 | 1.6 | 1.6 | 11,786 | |||
K03 | 北山駅 | 1.0 | 2.6 | 14,083 | 北区 | ||
K04 | 北大路駅 | 1.2 | 3.8 | 30,328 | |||
K05 | 鞍馬口駅 | 0.8 | 4.6 | 9,911 | 上京区 | ||
K06 | 今出川駅 | 0.8 | 5.4 | 27,675 | |||
K07 | 丸太町駅 | 1.5 | 6.9 | 21,796 | 中京区 | ||
K08 | 烏丸御池駅 | 0.7 | 7.6 | [* 1]46,194 | 京都市営地下鉄:T 東西線(T13) | ||
K09 | 四条駅 | 0.9 | 8.5 | 97,980 | 阪急電鉄:HK 京都本線(烏丸駅:HK-85) | 下京区 | |
K10 | 五条駅 | 0.8 | 9.3 | 13,852 | |||
K11 | 京都駅 | 1.0 | 10.3 | 123,360 | 東海旅客鉄道: 東海道新幹線 西日本旅客鉄道:東海道本線(A JR京都線・琵琶湖線)・B 湖西線[* 2]・山陰本線(E 嵯峨野線)・D 奈良線 近畿日本鉄道:B 京都線(B01) | ||
K12 | 九条駅 | 0.8 | 11.1 | 5,047 | 南区 | ||
K13 | 十条駅 | 0.7 | 11.8 | 7,184 | |||
K14 | くいな橋駅 | 1.2 | 13.0 | 5,711 | 伏見区 | ||
K15 | 竹田駅 | 0.7 | 13.7 | [* 3]51,649 | 近畿日本鉄道:B 京都線(B05)(直通運転・下記参照) | ||
近鉄線直通運転区間 | ○普通…京都線新田辺駅まで(ただし近鉄→烏丸線は近鉄宮津駅発国際会館駅行きが1本あり) ○急行…奈良線近鉄奈良駅まで |
近鉄との連絡乗車券は、京都線の竹田以南の各駅と奈良線・橿原線の一部の駅までしか購入できない。
以下の駅は、近鉄線や周辺路線などに同名の駅がある。鴨川を挟んで1駅分ほど離れた場所にある京阪本線・鴨東線の駅と同名だった駅もあったが、京阪側が中之島線開業時に駅名を変更した。近鉄の並行区間に同名の駅が所在する事例もあり、近鉄の路線図の一部では小さく「烏丸」と併記されているものもある。
- 松ヶ崎駅 - 近鉄山田線にも松ヶ崎駅がある。
- 丸太町駅 - 京阪の神宮丸太町駅の旧駅名と同名だった。
- 四条駅 - 京阪の祇園四条駅の旧駅名と同名だった。
- 五条駅 - 京阪の清水五条駅の旧駅名と同名だった。JR和歌山線にも五条駅がある。
- 京都駅 - 近鉄・JRの駅と同名であるため、近鉄の路線図の一部では小さく「烏丸」と併記されているものもある。
- 九条駅 - 直通先である近鉄橿原線に九条駅が、さらにその近鉄の直通先である阪神なんば線とOsaka Metro中央線に九条駅がある。
- 十条駅 - 近鉄の十条駅と近隣。JR埼京線にも十条駅が存在する。
駅の案内サインおよび駅名標は開業時からの独特のものが使われているが、前者については利用客の多い駅では駅ナカ商業施設「KOTOCHIKA」開業に合わせてユニバーサルデザインに準拠したものに更新されている。なお、東西線で導入されたステーションカラーについては烏丸線では採用していない。
2014年度(平成26年度)から駅に可動式ホーム柵を順次設置している(2014年度に烏丸御池駅、2015年度は四条駅・京都駅に設置し[11]、2021年(平成33年)度を目標に全駅に設置の予定[2])。
歴史的遺構の発見
烏丸線建設に先立って行われた発掘調査では、多数の遺構が発見された。遺物の一部は開通時に御池駅(現在の烏丸御池駅)のギャラリーで展示された。最大のものは旧二条城遺構であった。
脚注
注釈
出典
- ↑ “京都市交通事業白書”. 京都市交通局. . 2018-6-6閲覧.
- ↑ 2.0 2.1 市バス・地下鉄中期経営方針(平成28~31年度) (PDF) - 京都市交通局、2016年9月1日 4ページ参照
- ↑ 入札執行結果詳細<物品> 入札番号:4293000510 京都市入札情報館
- ↑ 地下鉄烏丸線におけるホームの安全対策の実施について(京都市情報館 交通局より)(2011年9月9日閲覧)
- ↑ 5.0 5.1 5.2 平成16年近畿地方交通審議会答申第8号「京阪神圏において、中長期的に望まれる鉄道ネットワークを構成する新たな路線」 (PDF) - 国土交通省近畿運輸局
- ↑ 平成16年近畿地方交通審議会答申第8号「京阪神圏において、中長期的に望まれる鉄道ネットワークを構成する新たな路線」(付図2) (PDF) - 国土交通省近畿運輸局
- ↑ 7.0 7.1 “夢幻軌道を歩く - (15)京都市営地下鉄烏丸線 三栖延伸部”. 京都新聞. (2017年3月3日) . 2017-4-11閲覧.
- ↑ 平成元年運輸政策審議会答申第10号 答申図 (PDF) - 国土交通省鉄道局
- ↑ 駅別名?実は広告です 京都市地下鉄、増収へ23駅導入 - 京都新聞(2013年2月6日付、同日閲覧)
- ↑ 『京都市交通事業白書(事業概要)』平成28年度版 (PDF) - 京都市交通局
- ↑ 平成26年度京都市交通事業予算概要 (PDF) - 京都市交通局、2014年2月7日 5ページ参照
参考文献
- 『京都市営地下鉄烏丸線建設記録』北大路・京都間(1986年)、 京都・竹田間+北山・北大路間(1993年)、国際会館・北山間(1999年)
- 今尾恵介(監修) 『日本鉄道旅行地図帳 - 全線・全駅・全廃線』9 関西2、新潮社、2009年。ISBN 978-4-10-790027-2。