カメラのキタムラ
カメラのキタムラは、株式会社キタムラが運営する写真用品店チェーンである。ブランドメッセージは「Happy with photos.」
概要
1934年(昭和9年)に高知県高知市にて創業した「キタムラ写真機店」をその祖とする。1943年には「株式会社北村商会」として法人化された。1970年4月、商号を「株式会社キタムラ」に変更。
2009年4月に、キタムラが展開していた「カメラのきむら」と「SNAPS!」を「カメラのキタムラ」にブランド統合したことで、850店舗(2016年9月30日時点)となり、単独ブランドにおいては店舗数が業界首位になった。また、唯一出店していなかった和歌山県に旧「SNAPS!」の店舗が編入したため、全都道府県での出店を達成した。また、かつての屋号であった「SNAPS!」は旧イオングループだったこともあり、イオングループの店舗(イオン・マックスバリュなど)内に、小規模の「カメラのキタムラ」として現在も営業している店舗も存在する。
ビックカメラやヨドバシカメラなどの家電量販店と違い、基本的にカメラ関連商品以外は積極的に販売していない。かつて、「VICOM」や「COM」の名称でAV機器、一部家電、パソコンやその周辺機器などを専門に取扱う店舗が存在したが、現在はその店舗はない(店名に「COM」が入った店が少数ある)。現在もAV機器と家電製品については取寄せ対応で販売している。かつて、グループ店に紳士服販売店「KIX」もあった。「カメラのキタムラ」でも、各種AV機器やコードレスホンやワープロを90年代中期まで販売していた。近年では主要3キャリアのスマートフォンを大部分の店舗で取り扱っている。
近年ではインターネット販売にも進出し、地方では容易に手に入らないカメラボディ、レンズなども販売している。また、店頭で買取りをした中古カメラ、レンズを専用サイトにて掲載しており、最寄りの店舗に取り寄せて購入することが出来る。また取り寄せてもキャンセル(購入しないこと)も可能。
「デジカメ専門店」「デジカメプリント専門店」などを標榜しているのも特徴の1つである。
- 日本におけるデジタルカメラの急速な普及に伴い、2000年代前半には売上が大幅に減少する写真用品店やDPEチェーンが多かった。
- これに対しカメラのキタムラは、フルデジタル・ミニラボの全店への導入を2001年11月に完了し、デジカメプリント需要に応えられる体制をいち早く築き上げた。
- さらにデジタルカメラ販売においては、家電量販店に価格勝負を挑んだ。
- デジカメ販売での利益は薄くなるが、得意客をつくることでデジカメプリントの受注を増やし、利益はそこから確保する。
こうして同チェーンは、生き残りと成長を図った。
以前はキタムラカードという印字されるカードがあったが2009年11月現在、Tポイントに加盟している。利用金額税抜200円につきTポイント1ポイントが貯まり、1ポイント単位で利用出来る。
以前のCMソングは「ヤンキードゥードゥル」(日本では「アルプス一万尺」として知られる)の替え歌で、アレンジが2種類存在し店内で流されていたことがあった。現在は『月曜ゴールデン』で提供、再び「ヤンキードゥードゥル」の替え歌で15秒CM2本を放映中。ラジオでは『東海ラジオ ガッツナイター』で提供。
2016年9月末時点では「カメラのキタムラ」は850店ある。2018年3月までに129店を閉店することを発表した。 2018年カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)傘下のCKホールディングスが実施する株式公開買い付け(TOB)に合意することが発表され、同年7月にCCCの連結子会社となった。
キタムラグループ
株式会社キタムラの本店は高知県高知市本町四丁目1番16号にあるが、本社機能そのものは1993年に神奈川県横浜市港北区新横浜二丁目4番地1に作った新横浜事務所にある。その一方で、横浜市内の「カメラのキタムラ」店舗は戸塚区の1店舗のみであったが、店舗ブランドの統合で旧「カメラのきむら」・旧「SNAPS!」を編入した為、全16店舗に拡大された。
同社は「カメラのキタムラ」のほか、こども写真館「スタジオマリオ」396店舗(2016年5月中旬現在)、フランチャイジーとして同社子会社である株式会社キタムラピーシーデポが「PC DEPOT」2店舗(2008年9月30日現在)の運営も行っている。特に2004年からは、こども写真館の店舗数を急速に増やしており、「カメラのキタムラ」の一部店舗には「スタジオマリオ」が併設する店舗もある(看板は「カメラのキタムラ」の下半分を白地ベースにし、この箇所に「スタジオマリオ」のロゴが入る)。なお、「スタジオマリオ」は店舗ブランドが一本化したと同時にロゴマークが新しくなった。
2016年4月28日和歌山県岩出市に「スタジオマリオ岩出店」がオープンし、47都道府県全てに「スタジオマリオ」が進出することとなった。
また、同社の店舗網が手薄だった首都圏に出店し、2006年に子会社となった株式会社カメラのきむら(76店舗[2008年9月30日現在])とイオングループから富士フイルムグループを経て、2007年4月に子会社化したジャスフォート株式会社(店舗名:SNAPS!、424店舗[2008年9月30日現在])並びにその子会社のスナップス販売株式会社を2009年1月に吸収合併。さらに、2009年4月に店舗ブランドを「カメラのキタムラ」に一本化した。
キタムラグループの子会社
同社の子会社には、次のような企業がある(一部のみを列挙)。
- 株式会社ビコムキタムラ
- レンタルショップ「TSUTAYA」19店舗(2005年4月)を運営する。かつては「BOM」の店名でレンタルショップチェーンを展開していたが、2005年にカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)のフランチャイジーとなった(なお、キタムラ自体もティーポイントサービスでCCCと提携している)。
- 株式会社ラボネットワーク
- 複数の現像所を持ち、また写真専門店「メディアラボNEXT」を複数店舗運営していたが、現在は全て「カメラのキタムラ」の店舗ブランドに統一されている。2006年4月1日にコニカミノルタよりラボ事業、同子会社スタジオプランの子供写真事業の譲渡を受けた。
かつてはドラッグストアの株式会社ジェイドラッグもグループ会社だったが、2006年10月1日にキリン堂に売却している。売却価格は3億4,900万円で、約5,700万円の損失となった。本社はキタムラと同じ高知県高知市にあったが、店舗は全て香川県内にあった。なお、ジェイドラッグは2012年2月に同じくキリン堂の子会社だったニッショードラッグに合併され、さらにそのニッショードラッグも同年8月にキリン堂本体に合併されており、屋号だけが残っていた。店舗も売却時点は8店舗あったが、2017年8月31日に最後まで残った伏石店が閉店し、全滅した。
サービス
店頭で行っているサービスは、
インターネット経由でのサービスは、
- デジタルカメラからのプリント注文
である。
使用済み電池類などの回収
全てのカメラのキタムラにて、ボタン電池を含む全ての使用済み電池の回収を行っている。なお、インクカートリッジの回収は一部の店舗しか回収していない。
沿革
- 1934年3月 高知県高知市堺町(現在のカメラのキタムラ堺町店)に「キタムラ写真機店」として創業。
- 1943年5月 株式会社北村商会として設立。
- 1970年4月 商号を株式会社キタムラに変更。
- 2001年10月 JASDAQ(店頭)上場。
- 2004年1月 前年に民事再生法を申請したカメラのドイ(2006年3月、破産手続きに移行)の一部店舗を継承。
- 2005年4月 子会社のラボネットワークが1993年から展開していた写真スタジオ「スタジオマリオ」事業を営業譲受。
- 2005年6月 東証二部上場。
- 2006年
- 2007年1月 子会社のラボネットワークが、メディアファクトリーグラフィカから映像・画像のデジタル処理サービス部門の営業を譲受。
- 2007年3月 富士フイルム株式会社の子会社・ジャスフォート株式会社の全株式を取得して子会社化。
- 2007年4月1日 簡易株式交換により株式会社カメラのきむらを完全子会社化。
- 2009年1月1日 子会社の株式会社カメラのきむら、ジャスフォート株式会社、並びにジャスフォートの子会社(キタムラの孫会社)であるスナップス販売株式会社を吸収合併。
- 2009年4月1日 吸収合併に伴い、店舗ブランドを「カメラのキタムラ」に一本化。「カメラのきむら」、「SNAPS!」は屋号を「カメラのキタムラ」に変更した。また、こども写真館「スタジオマリオ」のロゴを刷新。
- 2010年4月1日 子会社の株式会社キタムラ経理が、同じく子会社の株式会社トランスフォーメーションを吸収合併。キタムラビジネスソリューションズに名称変更している。
- 2017年2月14日 全国の店舗中1割に当たる129店について閉鎖することを発表[2]。
- 2017年6月1日 CCC、カメラのキタムラに出資 筆頭株主に[3]。
- 2018年6月1日 CCC傘下企業がキタムラ株式のTOBを実施することを発表[4]。
- 2018年7月3日 CCC傘下企業によるTOBが成立。キタムラはCCCの連結子会社となる[5]。
- 2018年8月6日 東証二部上場廃止[6]。
提供番組
現在
過去
- スティッチ!~ずっと最高のトモダチ~(テレビ朝日系列)
- KBCホークスナイター(KBCラジオ)
参照
- ↑ TSUTAYA以外でもティーポイントが貯まるTカードを発行~第1号として、カメラのキタムラが参加、10月よりTカード発行開始~ 2006年9月19日 株式会社Tカード&マーケティングプレスリリース (2016年3月7日閲覧)
- ↑ 「カメラのキタムラ」129店閉鎖 業績悪化で構造改革 産経新聞 2017年2月15日
- ↑ CCC、カメラのキタムラに出資 筆頭株主に 日経新聞 2017年5月15日
- ↑ キタムラ、CCC傘下企業がTOB 上場廃止へ 日経新聞 2018年5月24日
- ↑ カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社による当社株式に係る株式売渡請求を行うことの決定、当該株式売渡請求に係る承認及び当社株式の上場廃止に関するお知らせ キタムラ 2018年7月3日
- ↑ 上場廃止等の決定について 株式会社キタムラ東京証券取引所 2018年7月3日