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[[Image:Masa madre.jpg|thumb|right|よく発酵させたサワードウ]]
 
'''サワードウ''' (sourdough)又は'''サワー種'''(-だね)は、[[コムギ|小麦]]や[[ライムギ|ライ麦]]の[[穀粉|粉]]と[[水]]を混ぜてつくる生地に、[[乳酸菌]]と[[酵母]]を主体に複数の微生物を[[共培養]]させた伝統的な'''パン種'''。[[出芽酵母|パン酵母]](イースト)を純粋培養したものと同様に[[パン]]の[[膨張剤]]に用いる。乳酸菌が[[発酵]]の過程で生産する[[乳酸]]により、サワードウを使ったパン('''サワードウ・ブレッド'''、'''サワーブレッド''')は特有の強い酸味と風味をもつ。
 
  
== 培養する ==
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'''サワードウ''' (sourdough)又は'''サワー種'''(-だね)
サワードウそのものをつくるには、小麦粉やライ麦粉を水と混ぜ、室温でしばらく放置すればよい。穀物の[[デンプン]]と水が接触すると、穀物自体に含まれる[[酵素]]の[[アミラーゼ]]によってデンプンが[[加水分解]]され、[[マルトース]](麦芽糖)をはじめとする[[糖類]]が生じる。穀物表面や空気中に存在している[[乳酸菌]]はマルトースを代謝して[[グルコース]]や[[フルクトース]]などを生産し、さらにこれらを栄養源として[[酵母]]が生長する。新鮮な穀物粉と水を定期的に補給し、温度などの環境を適切に保持すれば、数日で乳酸菌と酵母が安定に[[共生]]したサワードウが出来上がる。
 
  
安定したサワードウには[[出芽酵母]] ''Saccharomyces cerevisiae'' と[[乳酸桿菌]] ''Lactobacillus sanfranciscensis'' が主に生育しており、個体数では乳酸菌が酵母の100倍から1000倍ほど多く存在する。これは乳酸菌がデンプン由来のマルトースを直接栄養源とできるものの、酵母はマルトースを利用できず乳酸菌の代謝産物であるグルコースなどに依存しているためである。この共生系は菌類の生産する[[]]や抗菌性物質の影響で他の[[雑菌]]が繁殖しにくくなっており、粉と水を補給すればいつまでも培養し続けることができる。
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[[コムギ|小麦]]や[[ライムギ|ライ麦]]の[[穀粉|粉]]と[[水]]を混ぜてつくる生地に、[[乳酸菌]]と[[酵母]]を主体に複数の微生物を[[共培養]]させた伝統的な'''パン種'''。[[出芽酵母|パン酵母]](イースト)を純粋培養したものと同様に[[パン]]の[[膨張剤]]に用いる。乳酸菌が[[発酵]]の過程で生産する[[乳酸]]により、サワードウを使ったパン('''サワードウ・ブレッド'''、'''サワーブレッド''')は特有の強い酸味と風味をもつ。
  
サワードウに含まれる酵母と乳酸菌の種類や比率は、その土地の[[気温]]や[[湿度]]、[[標高]]などの環境によって変化する。このため、同じサワードウを使っても出来上がるパンの風味は土地によって変化する。また、伝統的な製パン所では何年も同じサワードウを培養し続けて使うため、その過程で店ごとに菌類の種類や組成に差が生じている。結果として、出来上がるパンは店ごとに個性的な風味をもつ。
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{{テンプレート:20180815sk}}
 
 
安定したサワードウをつくるコツは幾通りか知られている。精白粉よりも[[ミネラル]]を多く含む[[全粒粉]]は発酵を促進し、[[塩素殺菌]]された水は発酵を阻害するといわれる。[[麦芽]]は[[マルターゼ]]を多く含むので添加するとデンプンの分解がすすみ乳酸菌が生育しやすくなる。酵母のエネルギー源である[[グルコース]]を添加すると酵母がよく生長する。穀物の表面には通常たくさんの菌類が付着しているが、精白・加工したものでは十分でないこともあるため、発酵が進まない場合は[[ブドウ]]の粒(皮に多くの微生物が付着している)などを加えることもある。
 
 
 
実際には安定したサワードウを作成・維持するには時間と技術が必要<ref name=fujimoto>藤本章人、「[http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/2017.html 身近で活躍する有用微生物Ⅱ 食品と有用微生物 -西洋の食文化と微生物]」 モダンメディア 2017年8月号(第63巻8号)</ref>なため、毎日使用する製パン業者以外は食料品店などから入手するのが一般的である。
 
 
 
== パンを焼く ==
 
[[Image:Mischbrot-1.jpg|thumb|サワードウをつかって焼いた[[黒パン]]。目が詰まってずっしりとしている]]
 
サワードウを使ってパンを焼くには、まず「スターター」または「マザー・スポンジ」と呼ばれる発酵したサワードウを準備する。スターターに4-5倍の量の粉を加え、水と共によくこねてパン生地とする。この生地の一部を取り分けて室温で保存しておくと、自然に発酵が進んで次にパンを焼くときに再び「スターター」として使うことができる。
 
 
 
よくこねた生地を室温で数時間から一日ねかせると、穀物粉に含まれる[[デンプン]]や[[タンパク質]]が[[乳酸菌]]と[[酵母]]の作用によって各種の[[糖分]]や[[アミノ酸]]、[[乳酸]]や[[酢酸]]、[[エタノール]]などに転換され、パンに独特の酸味と風味が生じる。また、発酵の過程で放出される[[二酸化炭素]]によってパンが膨らむ。ただし、乳酸の影響で酵母があまり二酸化炭素を発生させないことや、パン生地の[[グルテン]]が酸や[[微生物]]の作る[[タンパク質分解酵素]]によって弱められ、粘りが低くなって発生した二酸化炭素が抜け出てしまうことなどの理由により、一般的にサワードウを使ったパン生地はイーストを使ったものに比べて膨らみにくい。このため、焼きあがったパンは密度が高く、ずっしりとした食感となる。
 
 
 
== 歴史と文化 ==
 
[[Image:Sour dough loaves03.jpg|thumb|サワードウ・ブレッド]]
 
[[北ヨーロッパ]]で一般的なライ麦粉だけから作る[[ライ麦パン]]は、ふつうサワードウを使って膨らませる。ライ麦は[[グルテン]]を十分に含んでいないため、イーストは[[膨張剤]]として役にたたない。一方、サワードウはパン生地を酸性にするため、デンプンが部分的に[[ゲル化]]し発生する二酸化炭素を[[泡]]として取り込んで膨らむ。
 
 
 
[[南ヨーロッパ]]においても、[[フランスパン]]や[[パネットーネ]]にはもともとサワードウが用いられてきた。しかし、徐々に生長の早いイーストが代わりに使われるようになってきている。
 
 
 
[[アメリカ合衆国]]では、サワードウ・ブレッドは[[サンフランシスコ]][[名物]]として広く知られている。1849年にはじまった[[ゴールドラッシュ]]中の[[カリフォルニア州]]北部では、主にサワードウ・ブレッドが食べられていた。この時代の名残として、サワードウは[[金鉱掘り]]の[[ニックネーム]]となり、現在の[[サンフランシスコ・フォーティナイナーズ]]の[[マスコット]]「[[サワードウ・サム]]」に引き継がれている。
 
 
 
150年以上が経過した今日でも、サワードウ文化はサンフランシスコに定着している。サンフランシスコのサワードウ・ブレッドは鋭い酸味があることで知られており、[[シーフード]]や[[スープ]]と相性がよく、[[クラムチャウダー]]や[[チリコンカーン]]と共によく食べられる。また、サワードウ中に生育する代表的な乳酸菌種 ''Lactobacillus sanfranciscensis'' の[[学名]]はサンフランシスコに由来している。
 
 
 
== 出典 ==
 
{{Reflist}}
 
 
 
== 関連項目 ==
 
{{Commonscat|Sour dough breads|サワードウ・ブレッド}}
 
 
 
== 参考文献 ==
 
* [http://en.wikibooks.org/wiki/Cookbook:Sourdough_Starter 英語版ウィキブックス「サワードウ・スターター」]
 
  
 
{{DEFAULTSORT:さわあとう}}
 
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[[Category:製パン]]
 
[[Category:製パン]]
 
[[Category:ヨーロッパの食文化]]
 
[[Category:ヨーロッパの食文化]]

2018/10/16/ (火) 22:19時点における最新版

サワードウ (sourdough)又はサワー種(-だね)

小麦ライ麦を混ぜてつくる生地に、乳酸菌酵母を主体に複数の微生物を共培養させた伝統的なパン種パン酵母(イースト)を純粋培養したものと同様にパン膨張剤に用いる。乳酸菌が発酵の過程で生産する乳酸により、サワードウを使ったパン(サワードウ・ブレッドサワーブレッド)は特有の強い酸味と風味をもつ。



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