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洛星中学校・高等学校 | |
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国公私立の別 | 私立学校 |
設置者 | 学校法人ヴィアトール学園 |
設立年月日 |
1952年(中学校) 1955年(高等学校) |
共学・別学 | 男子校 |
中高一貫教育 | 完全一貫制 |
課程 | 全日制課程 |
単位制・学年制 | 学年制 |
設置学科 | 普通科 |
学期 | 2学期制 |
高校コード | 26509J |
所在地 | 〒603-8342 |
公式サイト | 学校法人ヴィアトール学園 洛星中学校 洛星高等学校 |
洛星中学校・高等学校(らくせいちゅうがっこう・こうとうがっこう)は、京都市北区に所在し、中高一貫教育を行う私立の男子中学校・高等学校。カトリック系ミッションスクール。高等学校では生徒を募集しない完全中高一貫校[1]。
Contents
概要
カトリック教会の修道会である聖ヴィアトール修道会が満州国で経営していた暁東中学校が母体となっている。第二次世界大戦後、激化する国共内戦を避けて京都の本校と台湾・台中市の衛道高級中学に分散移転した。
1952年に中学校が、1955年には高等学校が創立。キリスト教精神(カトリック)に基づく「全人教育」を掲げており、神父および修道士が現在も教職員と共に活動している。カトリック系の男子ミッションスクールとしては京都で最も長い歴史を有している。2010年、中高学校法人として初めて、国連グローバル・コンパクトに加盟した。
沿革
母体である聖ヴィアトール修道会は、1831年にフランスのリヨン市において、ルイ・ケルブ神父がカトリック精神による青少年教育を目的として設立した修道会である。ヴィアトールの名は、4世紀頃にいたとされる教育者聖ヴィアトールを守護者としたことによる。聖ヴィアトール修道会は世界各地でミッションスクール(ヴィアトール学園)を運営しているが、本校は日本で唯一のヴィアトール学園である。
第二次世界大戦前の1930年代、聖ヴィアトール修道会は満洲の四平街(現在の中華人民共和国吉林省四平市)に暁東中学を設立し(当時の満洲国政府からも認可を得た)、アジアにおけるカトリック教育の拠点とした[2]。この学校が本校の前身とされる[3]。しかし第二次世界大戦後、中華人民共和国成立に伴って、中国大陸では宗教教育を行う学校が維持できなくなった。
聖ヴィアトール修道会は1948年に日本での活動を開始するが、中学・高等学校の設立を希望する修道会と、発足から間もなく管内に教育機関を持たなかったカトリック京都司教区(当時は知牧区)との間で希望が一致したことから、修道会は京都に日本本部を置くことになる[4][5]。
1951年に学校法人として認可され[5]、1952年に中学校が、1955年には高等学校が創立された[5]。
クラス編成は以下のように推移している。
- - 1960年:中高一貫による3クラス体制
- 1961年 - 1982年:中高一貫による4クラス体制(欠員補充のため高校入試を実施したこともある)
- 1983年:高校入試の実施による、中学4クラス、高校5クラス体制(経過措置)
- 1984年 - 2003年:中学4クラス、高校6クラス体制
- 2004年 - :中高一貫による5クラス体制(高校入試は欠員補充のみ実施)
- 2013年 - :高等学校での生徒募集をせず、完全中高一貫校化。
大学進学傾向・合格実績
京都における伝統的な進学校で、1学年は200名強である。京都大学、国公立大学の医学部を目指す学生が多い。例年、京都大学へは50名以上の合格者を輩出し、過去には100名以上送り出していた時期もある。首都圏の大学については東京大学へは10名前後、慶應義塾大学、早稲田大学へも一定数の合格者を輩出している。
2016年(平成28年)の大学別合格者数は、京都大学が59名(医学科3名)、京都府立医科大学が12名、その他国公立医学部が24名であった。また、首都圏の大学では、東京大学が5名、慶應義塾大学が23名、早稲田大学が23名であった[6]。
制服
京都市の公立高校は、かつてそのほとんどが制服を定めず、私服で自由な校風が特徴的であったが[7]、洛星中学校・高等学校ではカトリックの教育理念に基づき、創立以来制服が定められ、その着用が厳しく指導された。型は、創立以来基本的には不変で、校章が刻まれた5個の金ボタンで前を留める紺色の詰襟学生服である。ただし標準型とは異なって、上着の襟・打ち合わせ・脇ポケットの蓋などにオールステッチが入り、胸ポケットと袖ボタンが無い。ズボンは上着と共布でツータック、尻ポケットは雨蓋つきとされている。詰襟は、内側にプラスチック製の白いカラー、左襟に校章、右襟に金文字の学年章を装着する(中学が1,2,3、高校はI,II,III)。かつては完全オーダーメイドで、詰襟が標準より若干高く、きつめに仕立てられていて、その襟元を常時留めることが求められた。現在は既製品となり、襟が低くなり首回りも緩くなった他、服装基準が緩和され、セーターとベストも定められて、夏服期間の涼しい時に着用可能となった。
5月初旬から11月中旬は夏服期間であり、学校指定の赤みがかったグレーベージュ・両胸に蓋つきポケットのカッターシャツ(長袖と半袖を設定)、冬と同型・同色で生地が薄い夏服用ズボンを着用する。1982年頃まではカッターシャツの胸ポケットの蓋に冬服の襟章を装着したが、現在は校章が刺繍されている。なお、夏期は学年章を装着しない。
紺色の生地に校章を付けた独特の型の制帽もあったが、現在は着用が自由化されている。
クラブ活動
文化系と体育系を合わせ、学校がクラブ(部)や同好会での活発な活動を推奨しており、高校2年まではクラブもしくは同好会への入部が義務付けられている。兼部もクラブ・同好会合わせて3つまで認められている。
クラブ・同好会は活動内容には大きな違いはないが、クラブは生徒会組織として予算や活動場所の面で優遇される。
同好会は、5人以上の生徒と顧問教師が集まれば生徒部の許可を得て作ることができる。同好会は活動実績と校内規定(生徒会会則)による手続きを経てクラブへの昇格が認められる。最近では高校料理同好会が高校料理研究部に昇格した例や中学ロボット研究同好会が昇格した例がある。
文化系
- 高校・中学
- 高校
- 中学
囲碁将棋部は全国高等学校総合文化祭において幾度か準優勝しており、全国的に知名度が高い。また高校ロボット同好会は、2006年ロボカップジュニア世界大会(ドイツ)において準優勝した。
体育系
- 高校・中学
- 高校
- 同好会 - アウトドア同好会
1978年にバスケットボール部が全国中学校バスケットボール大会にて準優勝した。中学弓道部は武道館で行われる全日本少年少女武道錬成大会と明治神宮で行われる全国中学生弓道大会に毎年必ず出場している。2010年は第7回全国中学生弓道大会において団体全国準優勝の結果を残した。水泳部もほぼ毎年全国大会に出場している。2008年の京都市中学春季総体で陸上部員が100メートル走で優勝し、予選では11秒31の大会新記録を出した。また2011年には中学硬式テニス部が団体で全国大会に出場を果たし、ベスト16という結果を残している[8]。
クリスマス・タブロー
アルファベット表記は Christmas Tableaux。イエス・キリストの誕生を祝う行事であり、タブローは活人画を意味し、12世紀ごろフランスで始まった。
キャストの台詞はなく、聖書朗読により物語が展開される。預言に始まり、受胎告知、天使の羊飼いに対するお告げ、ヘロデ王、天使の導き、そして馬小屋での謁見、メシア・救い主の誕生までの8幕、約2時間を、聖歌隊やハンドベル演奏、フルートやバイオリンによる独奏を交ぜながら描く。
1966年に同志社女子中学校・高等学校のページェントを基にして始まり、2015年に第50回目を迎えた。一般にも公開されており、ここ数年は天皇誕生日の12月23日(祝)午後4時より行われている。前日のリハーサル(22日午後2時より)も公開される。例年の来場者数はリハーサルと本番併せて約1,800人〜2,000人程度。
中学1年生全員と約300名の中学2年生から高校生の有志の生徒によって実施されている。中学1年生はキャストもしくは聖歌隊として出演する。他の学年はキャストもしくはスタッフとして参加する。スタッフは演出や舞台監督、総務などの12のパートに分かれて準備をしている。
2008年には準備からリハーサルまでをまとめた特別番組がKBS京都で本番翌日24日の午後7時より放送された。また、2009年12月24日、2010年12月24日にも同内容・同時間で放送された。
入試制度
現在は中学入試のみ実施されている。前期日程と後期日程があり、実質倍率は前期日程で2.3倍、後期日程で4.2倍程度である。現在は前期日程・後期日程ともに、4教科型(国語・算数・理科・社会)と3教科型(国語・算数・理科)を選択することができ、出願時に決定しなければならない。過去に実施されていた面接は現在は実施されていない。
歴代校長
- フランシス・ホワイト(ヴィアトール会司祭)
- ヨゼフ・ナドウ(ヴィアトール会司祭)
- フランソワ・アラール(ヴィアトール会司祭)
- 村田源次(ヴィアトール会司祭)
- ゲエタン・ラバディ(ヴィアトール会司祭)
- 阿南孝也
著名な出身者
- 秋道智彌 - 総合地球環境学研究所名誉教授・元副所長
- 浅田彰 - 京都造形芸術大学教授(芸術哲学)
- 阿達雅志 - 弁護士、参議院議員(自由民主党)
- 天木直人 - 元駐レバノン日本国特命全権大使、作家
- 井上章一 - 国際日本文化研究センター教授(建築史、風俗史)
- 猪木武徳 - 青山学院大学特任教授、国際日本文化研究センター名誉教授・元所長(労働経済学)、紫綬褒章受章
- 鵜飼康東 - 関西大学名誉教授(経済学)、歌人、角川短歌賞受賞
- 大井浩明 - ピアニスト、古楽鍵盤楽器奏者
- 大河正明 - Bリーグチェアマン
- 大原康男 - 國學院大學教授(神道学)
- 岡田暁生 - 京都大学教授(近代西洋音楽史)、芸術選奨新人賞
- 岡室博之 - 一橋大学教授(産業組織論)、中小企業学会会長
- 奥正之 - 三井住友フィナンシャルグループ取締役会長、一般社団法人全国銀行協会暫定会長
- 貝谷俊男 - 元ジョージア大使
- 川勝平太 - 静岡県知事、元静岡文化芸術大学学長(経済史)
- 北山修 - 九州大学名誉教授、精神科医、心理学者、歌手、作詞家
- 熊木徹夫 - 精神科医、漢方専門医、精神病理学者、あいち熊木クリニック院長
- 黒木彰一 - フジテレビチーフプロデューサー、「SMAP×SMAP」「笑っていいとも!」など担当
- 小林傳司 - 大阪大学教授(科学哲学・科学技術論)
- 小山菁山 - 都山流尺八竹琳軒大師範、京都三曲協会顧問
- 佐山展生 - 一橋大学教授(経営学)、スカイマーク会長
- 品田裕 - 神戸大学教授(政治学)
- 杉本良夫 - オーストラリア ラトローブ大学名誉教授
- 角田龍平 - 弁護士、タレント
- 千宗守 - 茶人、武者小路千家十四代家元
- 高田広章 - 名古屋大学教授、TOPPERSプロジェクト会長
- 竹内譲 - 衆議院議員(公明党)
- 建林正彦 - 京都大学教授(政治学)
- 田中英夫 - 元衆議院議員、元亀岡市市長
- 玉木正之 - スポーツライター
- ついき秀学 - 幸福実現党 党首
- 津川雅彦 - 俳優(中学1年のみ在籍し転校)
- 豊嶋三千春 - 金剛流能楽師
- 寺谷一紀 - フリーアナウンサー
- 寺西和史 - 神戸地方裁判所判事
- 東郷雄二 - 京都大学教授(認知情報学)
- 豊田勇造 - 歌手、ソングライター、エッセイスト
- 中村一樹 - 教育者、実業家(株式会社クイック教育システムズ代表取締役社長)
- 新実彰平 - 関西テレビアナウンサー
- 西村周三 - 元国立社会保障・人口問題研究所所長、経済学者(医療経済学)、京都大学名誉教授・元副学長
- 西脇隆俊 - 京都府知事、元復興庁事務次官
- 長谷川豊 - フリーアナウンサー、元フジテレビアナウンサー※高校から日生学園第一高等学校(現・桜丘高等学校)へ転校
- 藤林清隆 - 三井不動産レジデンシャル社長
- 船越雅史 - 日本テレビ元アナウンサー(現在はコンプライアンス推進室所属)
- 俣野博 - 東京大学大学院数理科学研究科教授(非線形解析、非線形偏微分方程式)
- 松井孝治 - 慶應義塾大学教授、元参議院議員、元内閣官房副長官(民主党)
- 三浦俊彦 - 中央大学教授
- 溝畑宏 - 元内閣官房参与、元観光庁長官
- 南野森 - 九州大学教授(憲法学)
- 山川鉄郎 - 元チェコ大使
- 山名元 - 京都大学教授(原子核工学)
- 山本克己 - 京都大学教授(民事執行法・倒産法)
- 若島正 - 京都大学教授(文学)、翻訳家、日本ナボコフ協会運営委員、詰将棋作家、チェスプロブレム作家
アクセス
- 北野白梅町交差点から北西すぐ(京都市営バス「北野白梅町」(10・15・26・50・51・55・・急行101・急行102・快速202・203・205・快速205系統)「等持院東町」(臨(特205系統) 立命館大学前・西大路四条)、京福北野線北野白梅町駅)
- JR山陰本線円町駅から北へ約1.3km
関連項目
- 京都府中学校一覧
- 京都府高等学校一覧
- 日本の男女別学校一覧
- 日本カトリック小中高連盟
- 櫻谷文庫 - 同校のすぐ西にある建物。土地および主屋を同校に無償貸与しており、学校教育に利用されている。
脚注・出典
- ↑ 洛星中学校 | 中学受験の情報サイト「スタディ」 の「洛星中学校」の特徴に「高校入試(募集)」「なし」と記載されている。
- ↑ “暁東中学の跡地 - 現代経済共同研究室 2009年8月23日 四平/四平街”. 一橋大学水岡不二雄ゼミ. . 2015-9-4閲覧.
- ↑ 第二次世界大戦後に台湾の台中市に設立されたヴィアトール修道会の学校・衛道高級中学校も、この学校を前身とする学校である。
- ↑ “教会の歩み”. カトリック聖ヴィアトール北白川教会ホームページ. . 2015-9-4閲覧.
- ↑ 5.0 5.1 5.2 “洛星の概要”. 洛星中学校・高等学校. . 2015-9-4閲覧.
- ↑ http://www.rakusei.ac.jp/data_idx.html
- ↑ 2015年現在の京都市に位置する公立高校では、全日制は全校が制服を導入している。
- ↑ http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008050400126&genre=L1&area=K00 京都新聞 2008年5月4日 洛星・辻が男子100M制す 京都市中学春季総体・陸上(2009年4月閲覧)