ピザハット
ピザハット(英: Pizza Hut)は、ピザやパスタ、バッファローウィングなどを宅配とテイクアウトにより販売するファーストフードチェーン。アメリカテキサス州プレイノに本社を構える世界最大のピザチェーンで、米国内に7200店舗以上、その他世界90の国と地域に5600店舗以上を運営している[1]。
Contents
概要
親会社のヤム・ブランズが擁する著名なファーストフードチェーンにはピザハットのほか、ケンタッキーフライドチキンやタコベルなどがある。これらのブランドは、地域ごとに同一のフランチャイジーにより運営されることが多い。ピザハットの商品とKFCやタコベルの商品を、同一店舗内で提供する複合店も存在する。
ロゴ・マスコット
赤い屋根に「Pizza Hut」(hutは小屋という意味)と書かれたロゴが使われている(屋根と社名の位置関係はスペースの都合で変化する)。エンブレムは赤い小屋の屋根を模したものである(一見すると「つば付きの帽子」(hat)のように見えるが、両者の綴りが異なるように、あくまでも「屋根」である)。かつて、屋根は左右対称で社名はローマン体をもとにレタリングしたものだったが、1999年からは双方ともフリーハンド風に変更され、黄色い横線が加わった。
沿革
- 1958年6月15日 - アメリカ合衆国カンザス州ウィチタのウィチタ州立大学構内で、カーニー兄弟によって設立[2]。
- 1977年 - ペプシコに買収される。
- 1987年10月 - ペプシコから分離。
- 1997年 - Tricon Global Restaurants(現ヤム・ブランズ)傘下に。
- 1991年5月 - 日本KFC内に「デリバリー事業部」が新設され、営業を開始。
- 2006年6月1日 - 埼玉県戸田市(イオン北戸田SC内)にケンタッキーフライドチキン商品とピザハット商品を同一店舗内で提供する複合店「2in1」を開店。
- 2009年5月20日 - ビュッフェ(食べ放題)形式のレストラン第1号店「ピザハット・ナチュラル 勝田台店」(千葉県佐倉市)開店。
- 2014年4月1日 - 日本ケンタッキー・フライド・チキンの持株会社移行に伴い、PH事業をレッドルーフ・ピザ株式会社へ、PHN事業をレッドルーフ・ナチュラル株式会社へ、それぞれ吸収分割により承継[3]。レッドルーフ・ピザ株式会社は株式会社フェニックスに、レッドルーフ・ナチュラル株式会社はナチュラル・ダイニング株式会社にそれぞれ商号変更[4]。
- 2014年10月24日 - フードコート業態の「ピザハットExpress」国内1号店が沖縄県うるま市に開店。
- 2016年4月1日 - 株式会社フェニックスが日本ピザハット株式会社に商号変更[5]
- 2017年5月10日 - 日本KFCホールディングスが日本ピザハット株式をエンデバー・ユナイテッド傘下の特別目的会社に譲渡すると発表[6]。
日本
日本には1970年代に郊外型ピザレストランとして上陸した。最後までレストランとしての業態を維持していた山形県の鶴岡店も2015年に姿を消し、これにより国内の全店舗がデリバリー/テイクアウト(一部イートイン併設)となった。
現在は、日本KFCホールディングスがピザハットとケンタッキーフライドチキンのマスターライセンシーになっている。
日本語表記では店名が類似する「ピザ・ロイヤルハット」とはまったく無関係である。
ピザハット・ナチュラル
ビュッフェレストラン。時間無制限でピザやパスタ、サラダ、デザートなどを食べ放題することができる。ピザ及びパスタは注文してから作り、出来たてで提供された。アリオ川口店が2016年5月31日に閉店した[7]のを以てこの名称の店舗は全てなくなった。この業態を運営していた会社についてはナチュラル・ダイニングを参照。
展開
2014年9月時点で直営店151店舗、フランチャイズ店212店舗が展開している[8]。2018年1月現在、岩手県[9]、群馬県、福井県、静岡県、岐阜県、三重県、山口県[10]、高知県[11]、福岡県[12]、佐賀県、長崎県には未展開である[13]。2018年1月現在、未展開地域での出店予定は全くの白紙である。
マスコット・キャラクター
- 日本国内では独自のマスコットキャラクター「チーズくん」が使用されている。
- 2008年7月から9月中旬まで、携帯サイト限定でピザを擬人化した萌えキャラを描いた四コマ漫画『ピザびより』を連載。
タイアップ
2006年よりアニメ作品やゲーム作品とのタイアップを行うようになり、タイアップ作品の劇中にピザハットの商品やパッケージや広告が登場したり、告知入りピザボックスや専用ピザボックスでの配達、オンラインオーダー利用者向けのプレゼント、ピザハット会員向けのPC用壁紙や携帯待ち受け画像のプレゼントなどが実施されている。
全体として、在阪局が製作、もしくは幹事局を担当している作品が多い(特に2008年以降に多く、中でもMBSが関与しているものがほとんどである)。
- タイアップの例
- 一部の創作物の主要登場人物はピザハットのピザが好物という設定になっており、劇中では実際には存在しない「チーズくんぬいぐるみ」など多種多彩のチーズくんファミリーのグッズをコレクションしている。キャンペーン期間中の宅配用のピザボックスには、同作品のキャラクターが印刷されたものを使用していた。また、どのような創作物ではピザハットのピザ、宅配バイク、駅構内の看板、電車の車内広告、遊園地内の店舗などが登場している。
ポイントプログラム
2011年5月10日よりポイントプログラム「Ponta」に参加している。
不祥事
- 日本KFCは2013年8月19日、ピザハット高井戸店(東京都杉並区)の男性アルバイト店員が、店内でピザ生地を顔に貼りつけた写真をツイッターに投稿していたと発表した[14][15]。日本KFCによると、画像は同5月9日の閉店後に撮影されたもので、その際使われたピザ生地は廃棄予定のものであったという。当該店員が同8月18日未明ツイッターに投稿し、同日午前外部からの通報によって発覚した[16]。
世界展開
アメリカ軍と契約を結び、世界各地の基地売店(PX)に出店している。出店先は、交戦地帯(例:アフガニスタンのカンダハール国際空港)に及ぶこともあり、母国を遠く離れた兵士にソウルフードを提供し続けている[17]。華語圏内においては「必勝客」と表記する。
脚注
- ↑ Yum! Brands 2013年2月22日閲覧
- ↑ “Dan and Frank Carney”. Kansapedia. Kansas Historical Society (2008年3月). . 2016閲覧.
- ↑ “持株会社体制への移行に伴う準備会社の設立と吸収分割契約の締結及び定款変更(商号変更等)に関するお知らせ”. 日本ケンタッキー・フライド・チキン (2013年5月16日). . 2017閲覧.
- ↑ “事業会社の定款一部変更(商号)及び事業会社の取締役異動に関するお知らせ”. 日本ケンタッキー・フライド・チキン (2014年1月31日). . 2017閲覧.
- ↑ “当社子会社の商号変更に関するお知らせ”. 日本KFCホールディングス (2016年1月12日). . 2017閲覧.
- ↑ “当社連結子会社2社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ”. 日本KFCホールディングス (2017年5月10日). . 2017閲覧.
- ↑ ピザハットナチュラル(アリオ川口)
- ↑ 日本KFCホールディングス (2014年11月12日). “平成26年11月12日平成27年3月期 第2四半期決算参考資料 (PDF)”. . 2014閲覧.
- ↑ 東北地方では唯一、展開していない。
- ↑ 中国地方では唯一、展開していない。
- ↑ 四国地方では唯一、展開していない。
- ↑ 人口500万人以上の都道府県及び西日本の政令指定都市を有する都道府県及び民放テレビ局が5局以上ある地域では唯一、展開していない。
- ↑ 店舗を探す - ピザハット 2018年1月16日閲覧
- ↑ 当社アルバイト従業員による不適切な行為についてのお詫びとお知らせ(2013年8月19日 公式サイト内ニュース 同8月19日閲覧)
- ↑ ピザハット店員も不適切写真を投稿 日本KFCが謝罪(2013年8月19日 MSN産経ニュース 同8月19日閲覧)
- ↑ ピザハット店員、生地を顔に貼り付けた写真投稿(2013年8月19日 読売新聞 同8月19日閲覧)
- ↑ “アフガン米軍基地でファストフード店閉鎖、「遊園地ではない」”. ロイター. (2010年4月6日) . 2011閲覧.