摂津市
摂津市(せっつし)は、大阪府北部の北摂三島地域に位置する市。本項では市制前の名称である三島町(みしまちょう)、市制当日の名称である三島市(みしまし)についても述べる。
大阪市の北東端に隣接し、大阪都心から10km圏内にある。東海道新幹線の鳥飼車両基地、吹田操車場跡地、阪急電鉄正雀工場がある。
Contents
地理
大阪府の中北部、淀川右岸に位置する。市域はくさび形で面積14.87km2と狭い市である[1]。市の北端を阪急京都線、東海道本線(JR京都線)が東西に通り、市の中央を大阪モノレール線が南北に通る。
川は、市の南端を淀川が北東から西へ流れ、市の西端の大阪市東淀川区との境で淀川から神崎川が分流されている。また、市の中央を東西に安威川が流れ、北の千里丘陵から流れてきた、大正川、山田川、正雀川が合流する。
- 河川:淀川、神崎川、安威川、山田川、正雀川
- 番田井路:摂津市内で安威川と平行して流れる用水路。元々はこちらの番田井路が安威川の本流であって、現在の安威川の流れの方が支流だった。元々の本流であった番田井路には、神崎川からの逆流を防止する番田堰が現在も設置されている。
- 主な橋(いずれも淀川にかかる):鳥飼大橋(守口市と接続)、鳥飼仁和寺大橋有料道路(寝屋川市と接続)
- 全体的に淀川や安威川の堆積物でできた沖積平野が広がっている平坦な市で、山や丘陵といったものは存在しない。千里丘地区も実際には千里丘陵上ではなく、そのふもとに位置する。
- 大阪市東淀川区南江口3丁目の区域中に飛び地(大字別府)が存在する(大阪市・八尾市・松原市環境施設組合東淀工場の南東に位置)。
- 電話の市外局番は大半の地域が大阪市と同じ06(大阪MA)だが、鳥飼本町のみ072(茨木MA)である。
隣接している自治体・行政区
歴史
- 785年(延暦4年) 和気清麻呂により神崎川と淀川を直結させる工事が行われた。
- 当時の河道は摂津市内を通るものだった。
- 885年~888年(仁和年間) 宇多天皇が摂津国嶋下郡鳥養(摂津市鳥飼)に鳥養院離宮をおく。
- 鳥飼牧
- 1590年(天正18年) 織田信長の実弟織田長益(有楽斎)が味舌に2000石を領する。関ヶ原の戦い(1600年)の後に加増を受け味舌藩が成立する(1621年、長益の死とともに廃藩)。
- 1882年(明治15年) 島下郡鶴野新田村が鶴野村に改称。
- 1928年(昭和3年)1月16日 新京阪鉄道正雀駅(現在の阪急京都線の前身)が開業。
- 1938年(昭和13年)12月1日 国鉄千里丘駅が開業。
- 1954年(昭和29年)10月 鳥飼大橋が完成。
- 1956年(昭和31年)9月30日 三島郡味舌町・味生村・鳥飼村が合併して三島町が発足。
- 1964年(昭和39年) 東海道新幹線が開業、鳥飼車両基地ができる。
- 1966年(昭和41年)11月1日 三島町が市制施行・改称して摂津市となる(高石市、藤井寺市と同日)。大阪府下28番目の市。
- 1973年(昭和48年) 地方財政超過負担の問題をめぐり、国を相手取って訴訟を起こした(摂津訴訟)。
- 1975年(昭和50年) 鳥飼大橋付近の淀川渡船、府営「鳥飼の渡し」が廃止。
- 1984年(昭和59年)4月16日 摂津郵便局が普通郵便局として設置される。
- 1987年(昭和62年) 鳥飼仁和寺大橋が完成。
- 1990年(平成2年)4月1日 摂津警察署が開庁。
- 1997年(平成9年)8月22日 大阪モノレール線摂津駅と南摂津駅が開業。
- 2010年(平成22年)3月14日 阪急京都線摂津市駅が開業。
市名の由来
国名「摂津国」から(広域地名)。「三島市」として市制施行したが、静岡県に同名の自治体が存在するため、即日改称した。摂津市と同じく国名を採用した大阪府の市町村には、1933年(昭和8年)4月1日に発足した泉北郡和泉町(現・和泉市)と1955年(昭和30年)1月15日に発足した河内市(現・東大阪市)がある。
行政区域の変遷
- 1956年(昭和31年)9月30日 - 三島郡味舌町・味生村・鳥飼村が合併して三島町が発足。
- 1957年(昭和32年)7月1日 - 三島郡三島町が茨木市の一部(大字鶴野および太中・蔵垣内・乙辻・小坪井の各一部)を編入。
- 1960年(昭和35年)4月1日 - 三島郡三島町が茨木市の一部(太中・蔵垣内・小坪井)を編入。
- 1966年(昭和41年)11月1日 - 三島郡三島町が市制施行して三島市となる[2]。三島市が即日改称して摂津市となる[3]。
行政
- 市長
なお、衆議院小選挙区は隣接する吹田市とともに大阪府第7区を構成する。
市議会
定数は21人(欠員2)。2017年9月1日時点での会派構成は以下の通り。
会派名 | 議席数 | 所属党派 |
---|---|---|
大阪維新の会 | 2 | 大阪維新の会 |
公明党 | 5 | 公明党 |
日本共産党 | 5 | 日本共産党 |
自民党・市民の会 | 3 | 自由民主党 |
民主市民連合 | 2 | 立憲民主党・国民民主党 |
市民ネットワーク | 1 | |
無所属 | 1 |
経済
産業
- 特産品
- 鳥飼なす
- 通常のなすより丸みを帯びた外観が特徴。
- 鳥飼なす
- 主な工場
- 産業統計
- 事業所数 4,495所、従業員数 51,840人
- 工業事業所数 489所、製造品等出荷額 313,951百万円
- 摂津市に本社のある、またはあった企業
- 梅丹本舗(1968年 - 2016年)
- 近畿コカ・コーラボトリング(1961年 - 2009年) - 2009年にコカ・コーラウエストへ吸収合併。1990年までは工場が併設されていた。工場撤退後はシーズ千里丘というレストラン街になっていたが、現在はタイムズの駐車場となり、事実上の空き土地状態となっている。
金融機関
- 三菱UFJ銀行
- 摂津支店(鳥飼下1-1-15)
- りそな銀行
- 千里丘支店(千里丘東2-10-1)
- 京都銀行
- 摂津支店(南千里丘5-25-101)
- 近畿大阪銀行
- 千里丘駅前支店(千里丘1-8-8)
- 正雀支店(正雀本町1-1-35)
- 池田泉州銀行
- 摂津支店(東一津屋13-3)
- 千里丘支店(千里丘2-15-10)
- 関西アーバン銀行
- 鳥飼支店(鳥飼西2-37-4)
- 北おおさか信用金庫
- 尼崎信用金庫
- 摂津支店(千里丘5-6-26)
- JA北大阪
- 南支店(三島3-4-5)
- 東支店(鳥飼西2-10-10)
日本郵政グループ
- 摂津郵便局 - 集配局(東正雀) ★
- 摂津正雀郵便局(正雀) ★
- 摂津市場(いちば)郵便局(千里丘)
- 摂津千里丘郵便局(千里丘) ★
- 摂津千里丘東郵便局(千里丘東)
- 摂津鳥飼郵便局(鳥飼中)
- 摂津八防(はちぼう)郵便局(鳥飼野々=とりかいのの)
- 摂津香露園郵便局(香露園)
- 摂津別府(べふ)郵便局(東別府)
- 大阪支店 アトリウム南摂津内出張所(東一津屋=ひがしひとつや)(ATMのみ/ホリデーサービス実施)
- その他各郵便局にATMが設置されており、★印の郵便局ではホリデーサービスを実施(2011年5月現在)。
※摂津市内の郵便番号は「566-00xx」(摂津郵便局が集配を担当)となっている。
姉妹都市・提携都市
国内
- 全国伝統地名(旧国名)市町村連絡会議
海外
国際機関
領事館
地域
人口
平成22年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、1.54%減の83,696人であり、増減率は府下43市町村中30位、72行政区域中52位。
摂津市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
教育
- 小学校
- 中学校
- 高等学校
- 大学・短期大学
- 特別支援学校
- 専門学校
交通
鉄道路線
北部を阪急京都本線と東海道本線(JR京都線)、中央部を東海道新幹線が東西方向に通り、中央部を南北方向に縦断する形で大阪モノレール線が通っている。
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- 阪急電鉄
- 19px大阪高速鉄道
- 日本貨物鉄道(JR貨物)
- 東海道本線貨物支線 (吹田貨物ターミナル駅 - )大阪貨物ターミナル駅
- 中心となる駅
バス
市域東部の鳥飼地区は、鉄道駅から遠いためバスに頼ることが多く、阪急バス、近鉄バス、京阪バスが運行している。千里丘駅、南摂津駅など摂津市内の各鉄道駅との連絡もあるが、茨木市にある阪急茨木市駅、JR茨木駅との連絡も多い。また、摂津市と近鉄バスがJR千里丘駅から正雀、江口橋、摂津市役所を経て、千里丘駅へ戻る市内循環バス(平日のみ)を走らせている。なお、近鉄バスは市内東別府の新幹線線路沿いに鳥飼営業所と整備工場を設けている。京阪バスはJR茨木駅から淀川新橋を渡って寝屋川市駅へ至る。その他、摂津市と阪急バスがコミュニティバスとして、公共施設巡回バス・セッピィ号を運行している。
市域南西部の別府地区は東淀川区と隣接しているが、大阪シティバス(旧・大阪市営バス)に市境を走る路線があり(37号系統など)、その停留所の一部(江口橋の大阪駅方向)が摂津市側に設置されている。そのため大阪シティバスの利用者も多く、東淀川区内の阪急上新庄駅、Osaka Metro今里筋線瑞光四丁目駅、井高野駅への連絡などに利用されている(井高野駅から摂津市内までは300mに満たず、徒歩でも行き来可能)。
道路
大阪府道2号大阪中央環状線が市域を南北に縦断し、中心的役割を果たしている。ただし、鳥飼大橋周辺は大阪府下で有数のボトルネックであり、渋滞が頻発する(特に、何方向も分岐がある鳥飼和道交差点は南北方向共に渋滞のメッカである)。1950年代の有料時代からある北行車線の鳥飼大橋は現在、架け替え工事が実施されている。
市域を走る国道は高速自動車国道の近畿自動車道のみで一般国道は存在しないが、主要地方道が6路線あり、近年になってから重要視されてきたことが伺える。
国道
高速自動車国道
近畿自動車道が南北に縦断し、2つのインターチェンジを有する。ただし、摂津北インターチェンジは市域の北方にあり松原方向との行き来のみ、摂津南インターチェンジは市域の南方にあり吹田方面との行き来のみのハーフインターチェンジとなっており、摂津市民にとっては使いづらくなっている。したがって、吹田インターチェンジや大東鶴見インターチェンジがよく使われる。大阪市内へは、鳥飼大橋を経て阪神高速道路12号守口線守口出入口が近い。一般道の鳥飼大橋同様、摂津北または摂津南付近がボトルネックであるため、渋滞しやすい。
府道
- 主要地方道
- 一般府道
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- 新幹線公園(安威川南町)
- 淀川河川公園(一津屋~鳥飼上)
- 市場池公園(大阪府摂津市千里丘6丁目11番)[7]
- 摂津まつり
- 摂津市立青少年運動広場(摂津市鶴野3丁目)を会場として、毎年8月の第1土曜日と日曜日にかけて行なわれる。1976年(昭和51年)に市政10周年を記念して第1回摂津まつりが開始された。第1回と第2回の会場は市役所の隣(現在、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構大阪支部関西職業能力開発促進センター(愛称:ポリテクセンター関西)がある場所)であった。摂津まつりのチラシ裏の寄付一覧に、摂津市出身である鈴木紗理奈の名義が50万円の欄に継続的に掲載されていた時期もあった。
出身有名人
- 天霧真世(元宝塚歌劇団星組男役)
- 石櫃洋祐(プロサッカー選手/京都サンガF.C.所属)
- 井上一成(政治家/第2代摂津市長、元郵政大臣)
- おさる(お笑い芸人・タレント)
- 織田尚長(織田信長の甥、織田長益(有楽斎)の息子、初代柳本藩主)
- 桂雀三郎(落語家)
- 木村一八(俳優、故横山やすしの息子)
- 木村ひかり(漫才師/さゆみ・ひかり、故横山やすしの次女)
- 今野翔太(プロバスケットボール選手/大阪エヴェッサ所属)
- 榊原史子(囲碁女流棋士)
- 鈴木紗理奈(タレント)
- 須知裕雅(現:すっちー)・木部信彦(ビッキーズ)
- 砂川捨丸(漫才の骨董品)
- たかおみゆき(お笑いタレント)
- 高橋光臣(俳優)
- 武村勇治(漫画家)
- 玉置慎也(プロサッカー選手)
- 橋本清(元プロ野球選手/現野球解説者・タレント)
- 檜尾健太(俳優)
- 深江真一(バスプロ)
- 船本孝宏(作・編曲家、指揮者)
- 本田圭佑(プロサッカー選手/CFパチューカ所属)
- 美風舞良(宝塚歌劇団宙組娘役)
- 山内嘉弘(元プロ野球選手/現オリックス・バファローズ球団本部育成グループ用具担当)
- コレサワ(シンガーソングライター)
摂津市にゆかりのある人物
脚注
- ↑ 美原町の堺市への編入合併(2005年)以後、大阪府下の市町村では面積の狭い順で10番目となっている。
- ↑ 町を市とする処分(昭和41年10月17日大阪府告示第944号、昭和41年10月25日自治省告示第145号) 摂津市例規集より、2012年1月17日閲覧。
- ↑ 名称を変更する条例(昭和41年10月13日三島町条例第26号、昭和41年10月17日大阪府告示第945号、昭和41年10月25日自治省告示第146号) 摂津市例規集より、2012年1月17日閲覧。
- ↑ “オーストラリア クィーンズランド州 バンダバーグ市”. 摂津市 (2010年8月9日). . January 17, 2012閲覧.
- ↑ “中華人民共和国 安徽省 蚌埠市”. 摂津市 (2010年3月25日). . January 17, 2012閲覧.
- ↑ “駐日在外公館リスト アフリカ”. 外務省. . January 17, 2012閲覧.
- ↑ http://ichibaike-guide.com/
関連項目
- なにわ野菜 - 大阪府の伝統野菜。
- 大阪みどりの百選
- Category:大阪府の自然景勝地
外部リンク
茨木市 | 高槻市 | |||
吹田市 | 北 | 寝屋川市 | ||
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