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ドンムアン空港(ドンムアンくうこう、テンプレート:Lang-th、英語: Don Mueang International Airport)は、タイ王国・バンコク中心部から北方に約20km、ドンムアン区にある国際空港である。
Contents
概要
開港
ドンムアン空港は1914年にもともとバンコク東部にあった空軍飛行場サラパトゥム飛行場(現ロイアル・バンコク・スポーツクラブ競馬場)が移設され、空軍飛行場として開港した。また、当時飛行場近くにあったワット・ドーンイーイアオという寺院がワット・ドーンムアンに改称され、近隣一帯がドーンムアンと呼ばれるようになったことから、通称、ドーンムアン飛行場 (สนามบินดอนเมือง) と呼ばれるようになり、日本語でもドンムアン空港と呼ばれるのが通例となった。後に、商業用の空港としてバンコク国際空港として業務を開始した。
東南アジアのハブ空港
第二次世界大戦後の民間航空の発展に合わせて、アジアとヨーロッパ、オセアニアを結ぶ中継地点として、タイ国際航空と東南アジアのハブ空港として、そして観光地としてのタイの玄関口として機能した。
スワンナプーム国際空港開港後
しかし、1970年代以降の発着機数の増加により手狭になったため新空港が建設され、スワンナプーム国際空港が2006年9月28日に開港した。その後は、チャーター機、政府専用機、貨物専用機が利用するほか、空軍基地、民間機整備場、スワンナプーム国際空港トラブル時の代替空港として利用されている。空港ターミナルビルは改装し、展示場、ショッピングモールとして再利用される計画があった。一時的に、タイ王国政府庁舎として利用されていた。
なお、長らくバンコク国際空港 (Bangkok International Airport、ท่าอากาศยานกรุงเทพ) が正式な名称であったが、2007年3月20日に新バンコク国際空港(スワンナプーム国際空港)との混同を避けるため、正式にドンムアン空港という名称に変えられた[1]。
再開港
スワンナプーム国際空港が、施工不良などの面からトラブルが頻発していることもあり、スワンナプームに乗り入れている航空会社は、ドンムアン空港の再利用を当局に要請、当局は2007年3月25日より国内線に限りドンムアン空港が再開港された[2]。 これに伴い、タイ空港公社(AOT)はドンムアン空港 - スワンナプーム空港間のバスを運行しており、航空券を持っている人のみ無料で乗車できる。
タイ国際航空は、2007年に地下鉄ラート・プラオ駅にチェックインカウンターを設置し、空港までの無料バスを運行していた[3]。2009年3月29日でドンムアンから撤退した[4]。
2009年、アピシット政権のタイ政府は、国内線の定期旅客便もスワンナプーム国際空港に統合する方針を決めた。ただし、ノックエア、ワン・トゥー・ゴー航空のみ、引き続きドンムアン空港を利用している[5]。
2011年8月1日、国内線が利用していた国内線ターミナルから、旧国際線ターミナル1に移転し、チャーター便などの国際線と同じターミナルを利用することとなった[6]。
2011年10月25日、大規模な洪水のために閉鎖され[7]、就航していた航空会社はスワンナプーム空港に移転した。2012年3月に再開港し、ノックエア、Solar Airはドンムアン空港に戻ってきたものの[8]、オリエント・タイ航空はスワンナプーム空港を引き続き利用することとした。同年6月、オリエント・タイ航空はスワンナプームからドンムアンに移転。
2012年、韓国のティーウェイ航空は、夏季シーズンに限り乗り入れを始めたが、空港設備の悪さや空港警備の甘さなどを問題視し、今後の運航を停止すると発表した[9]。
2012年10月1日、スワンナプーム国際空港に就航していたタイ・エアアジア、エアアジア、インドネシア・エアアジアの3社が当空港に国際線も含め再移管された。その後も格安航空会社の就航、増便が続き、2015年上半期の利用者は1,340万人となり、世界最多となった[10]。
2015年12月24日より旧国際線ターミナル2を整備し国内線専用ターミナルとしてソフトオープンした[11]。これに伴いタイ・エアアジア、ノックエア等の国内線チェックインカウンターも第2ターミナルへ移動した[12]。
定期便就航航空会社と就航都市
国際線 (第1ターミナル)
国内線 (第2ターミナル)
航空会社 | 就航地 |
---|---|
タイ・エアアジア |
北部 : チェンマイ国際空港(チエンマイ県)、チェンライ国際空港(チエンラーイ県)、ナーンナコーン空港(ナーン県)、ピッサヌローク空港(ピッサヌローク県) |
ノックエア |
北部 : チェンマイ国際空港(チエンマイ県)、チェンライ国際空港(チエンラーイ県)、ナーンナコーン空港(ナーン県)、ピッサヌローク空港(ピッサヌローク県)、プレー空港(プレー県)、メーソート空港(ターク県)、ラムパーン空港(ラムパーン県) |
タイ・ライオン・エア |
北部 : チェンマイ国際空港(チエンマイ県)、チェンライ国際空港(チエンラーイ県) |
オリエント・タイ航空 | プーケット国際空港(プーケット県) |
カン・エア | メーソート空港(ターク県) |
交通アクセス
- タクシー (メーター料金に50バーツの追加料金が必要。高速道路代も別料金。)
- エアポート・バス[28][29] (30バーツ、50バーツ) 7:00 - 24:00 A1:5分間隔、A2:30分間隔
- LimoBus Express [30] 150バーツ
- スワンナプーム国際空港シャトルバス
- スワンナプーム国際空港から出発する航空券を所有している者に限り、無料で乗車できる。5時 - 24時の間に運行。
- 路線バス (ターミナル前には乗り入れず、第1ターミナルから歩道橋を渡ったウィパーワディーランシット通りにあるバス停から発着)
- タイ国鉄
主な関連事件
- 1987年11月29日、大韓航空858便、ボーイング707-320型機がアラブ首長国連邦・アブ・ダビ空港を出国し、バンコク国際空港経由(テクニカルランディングのため客扱いなし)で大韓民国の金浦国際空港に行く予定であったが、北朝鮮の工作員・金賢姫らの仕掛けた爆弾により、アンダマン海上空で爆発。乗客・乗員は全員死亡した。(いわゆる大韓航空機爆破事件)
- 1991年5月26日、ラウダ航空004便のボーイング767型機が、当空港を離陸後に、エンジンシステムの故障で逆噴射装置が作動したため空中分解して墜落し、乗員乗客223人全員死亡した。
- 1995年1月11日、フィリピン航空の民間機がラムジ・ユセフにより爆破された。それによりボジンカ計画が発覚。
- 1999年8月22日、チャイナエアライン642便がバンコク国際空港を出発し、香港国際空港に向かっていたが、香港国際空港で台風の突風に遭い、機体が180度回転して墜落、3人の死者が出た。
- 2001年3月3日、駐機していたタイ国際航空のボーイング737-400型機が出発前に突如炎上し、出発の準備をしていた客室乗務員ら8人が死傷した。当時のタクシン・チナワット首相がこの機に搭乗予定であったため、機材の故障とテロの両方の可能性が疑われたが、最終的な原因は特定されていない。
- 2009年12月11日夜間に北朝鮮から飛来し着陸したイリューシン76の貨物に対空ミサイルなどの大量の武器が発見され乗組員5名は拘束される。行き先はスリランカであったとされる[31]。貨物機はグルジアの会社が保有しており、ウクライナから北朝鮮を経由しスリランカから中東、パキスタン、旧ソ連地域のいずれかに向かう予定であったとされ、裁判所は14日に乗組員に対して12日間の拘置を決める[32]。
その他
- 2本の平行滑走路の間に、細長い18ホールのゴルフ場があり、タイ王国空軍が経営している。これにより、アメリカ合衆国の技術専門誌『ポピュラーメカニクス』によって、ドンムアン空港は「世界で最も奇妙な18の空港」のひとつに選ばれている[33]。
- 近くのスポーツ施設に、ランシット・インターナショナルボクシングスタジアムがある。
脚注
- ↑ ทอท.จะเปลี่ยนชื่อท่าอากาศยานกรุงเทพเป็นท่าอากาศยานดอนเมือง สำนักข่าวเนชั่น, 20 มีนาคม 2550
- ↑ ตำรวจพร้อมรับมือเปิดใช้สนามบินดอนเมือง มติชนออนไลน์, วันที่ 23 มี.ค. 2550
- ↑ THAI Announces Domestic Operations at Don Mueang Airport
- ↑ タイ航空、3月末でドンムアンから撤退 neewsclip.be
- ↑ 格安航空2社、ドンムアン空港に留まる バンコク週報 2009年3月5日
- ↑ ドンムアン空港、国内線旅客が旧国際線第1ターミナルに移転 - newsclip.be
- ↑ Don Mueang airport closed - Bangkok Post
- ↑ Solar Air expands from U-Tapao TTR Weekly
- ↑ 不便なドンムアン、韓国格安航空が利用停止NNA.News 2012年8月11日
- ↑ LCC旅客数、ドンムアン空港が世界最大 タイ 1~6月期44%増 Sankei BIZ 2015年10月5日
- ↑ “バンコクのドンムアン空港、24日に第2ターミナル供用再開”. newsclip.be. (2015年12月22日) . 2015閲覧.
- ↑ “エアアジアとノックエア、ドンムアン空港国内線を第2ターミナルに”. newsclip.be. (2015年12月23日) . 2015閲覧.
- ↑ “エアアジア、5月からバンコク―インド南部コーチ”. newsclip.be. (2016年3月15日) . 2016-3-17閲覧.
- ↑ “エアアジア、7月からバンコク―ビエンチャン”. newsclip.be. (2016年4月27日) . 2016-4-28閲覧.
- ↑ “エアアジア、3月24日にバンコク―ルアンパバン線開設”. newsclip.be. (2016年2月9日) . 2016-2-10閲覧.
- ↑ タイ・エアアジアX、名古屋(中部)-バンコ ク線に就航 - エアアジア
- ↑ “Thai AirAsiaX adds Sapporo route”. Bangkok Post (2015年2月10日). . 11 February 2015閲覧.
- ↑ “タイ・エアアジアX、バンコク―上海就航”. newsclip.be. (2015年10月2日) . 2015-10-2閲覧.
- ↑ 19.0 19.1 “エアアジア、バンコクからテヘラン、マスカットへ”. newsclip.be. (2016年5月19日) . 2016-5-25閲覧.
- ↑ “NokScoot Delays Nanjing Launch to June 2015”. Airlineroute.net (2015年4月3日). . 4 April 2015閲覧.
- ↑ “格安航空ノックスクート、1月にバンコク―天津線開設”. newsclip.be. (2015年12月1日) . 2015-12-2閲覧.
- ↑ “NokScoot Proposes Shenyang Service from April 2016”. airlineroute (2016年2月9日). . 2016-3-21閲覧.
- ↑ “ノックスクート、6月からバンコク―重慶”. newsclip.be. (2016年5月19日) . 2016-5-25閲覧.
- ↑ “ノックスクート、10月下旬からバンコク―台北”. newsclip.be. (2015年9月3日) . 2015-9-3閲覧.
- ↑ “スクート、7月下旬からバンコク―成田”. newsclip.be. (2016年5月18日) . 2016-5-25閲覧.
- ↑ “Flight Cologne-Bonn Bangkok (Don Mueang)”. germanwings-Eurowings. . 4 Mar 2015閲覧.
- ↑ http://www.bangkokpost.com/business/aviation/425790/thai-lion-air-charts-rapid-growth-path
- ↑ ドンムアン空港 - 市内の新バス・ルート タイ国政府観光庁
- ↑ ドンムアン空港と都心結ぶバス、出足は好調 - NNA ASIA 2017年5月9日
- ↑ ทอท.จัดให้มีบริการรถบัสสาธารณะ Airport LimoBus Express ที่ ทดม. เริ่ม 27 พ.ย.58 นี้ - ドンムアン空港
- ↑ 47NEWS北朝鮮製兵器35トン押収 バンコク着陸の貨物機から2009年12月12日
- ↑ YomiuriOnline旧ソ連の業者暗躍?タイ経由で北の兵器密売2009年12月14日
- ↑ The World's 18 Strangest Airports Popular Mechanics