「三学」の版間の差分
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三学(さんがく)とは、仏道を修行する者がかならず修めるべき基本的な修行項目をいう。『涅槃経』獅子吼菩薩品に詳細に説かれている。三勝学(さんしょうがく)とも。
具体的には、戒学・定学・慧学の3つを指す。
- 戒学(かいがく)
- 戒のことで、「戒禁」(かいごん)ともいい、身口意(しんくい)の三悪(さんまく)を止め善を修すること。律蔵に相当。
- 定学(じょうがく)
- 禅定を修めることで、心の散乱を防ぎ安静にするための方法を修すること。経蔵に相当。
- 慧学(えがく)
- 智慧(パンニャー)を修めることで、煩悩の惑を破って、すべての事柄の真実の姿を見極めること。論蔵に相当。
この三学は、三蔵に相当しており、上記のとおりである。
三学それぞれの関係は、
- 戒をまもり生活を正すことによって定を助け
- 禅定にある心によって智慧を発し
- 智慧は真実を正しく観察(かんざつ)することができ、それによって真理をさとり、仏道が完成される。
このように、戒定慧の三学は不即不離であり、この三学の学修をとおして仏教は体現される。
八正道との関係
分類 | 要素 |
---|---|
戒 [2] (梵: śīla, 巴: sīla) | 3. 正語 |
4. 正業 | |
5. 正命 | |
定[2] (サマーディ, 梵/巴: samādhi) | 6. 正精進 |
7. 正念 | |
8. 正定 | |
般若 (パンニャー, 梵: prajñā, 巴: paññā) | 1. 正見 |
2. 正思惟 |
脚注
- ↑ Prebish, Charles (2000), “From Monastic Ethics to Modern Society”, in Keown, Damien, Contemporary Buddhist Ethics, Routledge Curzon
- ↑ 2.0 2.1 Harvey 2013, p. 83-84.