東日本銀行
株式会社東日本銀行(ひがしにっぽんぎんこう、The Higashi-Nippon Bank, Limited)は、東京都に本店を構える銀行(第二地方銀行)である。2016年(平成28年)4月に横浜銀行と経営統合し、持株会社であるコンコルディア・フィナンシャルグループを設立した。
Contents
概要
1924年に茨城県水戸市で常磐(ときわ)無尽として創業し、1951年に常磐相互銀行として設立した。翌1952年に東京都へ本拠地を移転し、都内を中心に店舗網を開拓。1989年に普通銀行転換により現行名となる。木を図案化したシンボルマークは相互銀行時代のものを継承している。
行員が自転車で取引先を訪問する機動性の高い営業スタイルを確立しており、中小企業や個人事業主相手の融資が中心であるが預貸率は8割と高水準にある[1]。
店舗は東京都が45店舗(うち38店舗が23区内)、神奈川県が9店舗、千葉県が3店舗、埼玉県が5店舗、茨城県が13店舗、栃木県が1店舗であり、首都圏内で4県以上に広域展開する唯一の第二地方銀行である。
キャラクターとして、フィリックス・ザ・キャットを採用。
テレビCMは一切出稿していないが、ラジオCMをTBSラジオ[2]・ニッポン放送を中心に出稿している。
2005年1月に消費者金融大手のアイフルが当社株式を買い増して大株主となり、ライフカードと連携して融資商品の信用保証や提携クレジットカードの発行など業務提携を行った。2011年4月にアイフル持株の大半を自己株式として取得しているが、消費者金融大手が日本の銀行の大株主上位となった事例は当行のみである。
2010年に石井道遠が頭取に就任すると、規模の拡大のために経営統合交渉を八千代銀行や足利ホールディングスと水面下で行うも破談となり[3]、2014年(平成26年)11月に横浜銀行と金融持株会社方式での経営統合を目指すことで合意した[4][5][6]。2015年(平成27年)3月からの両行ATM手数料の平日定時無料化[7]を皮切りに横浜銀行及びそのグループ会社との協業が実施されている。
2015年4月21日に法人取引特化店舗として青山支店を開設し、同形態の出店を進め都心部での店舗網の拡充に努めるとしている[8]。
2016年(平成28年)4月に横浜銀行と共に株式移転を行い、コンコルディア・フィナンシャルグループを設立した[9]。
沿革
- 1924年(大正13年) - 茨城県水戸市に、常磐無尽株式会社を設立する。
- 1951年(昭和26年) - 商号を株式会社常磐相互銀行に変更する。
- 1952年(昭和27年) - 本店を東京都千代田区飯田町に移転する。
- 1953年(昭和28年) - 本店を東京都千代田区神田富山町に移転する。
- 1973年(昭和48年) - 商号を株式会社ときわ相互銀行に変更する。
- 1975年(昭和50年) - 本店を東京都中央区日本橋に移転する。
- 1989年(平成元年) - 金融機関の合併及び転換に関する法律に基づく認可によって普通銀行に転換し、商号を株式会社東日本銀行に変更する。
- 1995年(平成7年)1月 - 第3次総合オンラインシステム稼働。
- 2001年(平成13年) - 破綻した新潟中央銀行の営業を一部譲り受ける。
- 2007年(平成19年) - 東京都民銀行・八千代銀行との間で現金自動預け払い機 (ATM) 出金利用手数料無料提携を締結し、ATM相互提携サービス「しゅとねっと」を開始する。
- 2009年(平成21年)- 2009年3月期決算が経営健全化計画で示した利益目標を大幅に下回った為、金融庁から業務改善命令の発動を受ける[10][11]。
- 2011年(平成23年)
- 2013年(平成25年)10月7日 - ローソンATM、イーネットとの提携開始[13]。
- 2014年(平成26年)
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)
- 4月1日 - コンコルディア・フィナンシャルグループ設立。
営業施策
個人顧客向けサービス
- クレジットカード一体型キャッシュカード
- かつて「東日本ワイドカード」としてUCカードブランドのクレジットカード一体型キャッシュカード(自社発行)があったが、2006年9月30日をもって発行を終了し、順次「東日本Cash Card -Next to You-」(ライフ発行、マスターカード)に切替られている。
ネット支店
関東地方に本拠を置く第二地方銀行としては東和銀行に次いで、インターネット支店「お江戸日本橋支店」(支店コード : 707)を開設した。所在地は本社所在地と同じである[14]。首都圏を営業エリアとしているが、口座開設にあたっては日本国内であれば居住地の制限はない。
インターネット支店独自の商品である専用定期預金なども取り扱っている。一般の支店と同様に磁気キャッシュカードを発行しているが、当支店口座用のカードは浮世絵を意匠とした独自のデザインとなっており、3種類から選択できる[14]。
中小企業の海外進出支援
メトロポリタン銀行(フィリピン)、東亜銀行(香港)と提携しているほか、横浜銀行との経営統合により中国にある同行上海支店の協力を得る[15]。
情報処理システム
勘定系システム
富士通とアウトソーシング契約を締結し、東日本銀の関連会社であった関東データセンターを同社に譲渡。商号を変更した富士通バンキングインフォテクノが開発・運用を担っている[16][17][18]。
2016年3月31日、東日本銀は経営統合による基幹システム統合に関して、横浜銀が共同利用するシステムであるMEJAR(メジャー)への参画に向けた検討を開始することで基本合意したと発表した。共同利用の範囲やスケジュールについては、今後検討するとしている[19]。
関係会社
連結子会社
- 東日本ビジネスサービス株式会社
- 東日本保証サービス株式会社
- 東日本銀ジェーシービーカード株式会社
関連項目
脚注
- ↑ “(株)東日本銀行”. Yahoo!ファイナンス . 2013閲覧.
- ↑ 平日午前のワイド番組「大沢悠里のゆうゆうワイド」で9時台前半のスポンサーをつとめる。
- ↑ 地銀大再編 横浜銀、仲間はずれの衝撃(ルポ迫真) 日本経済新聞電子版 2014年11月26日号
- ↑ 株式会社横浜銀行と株式会社東日本銀行の経営統合検討に関する基本合意について(東日本銀行ニュースリリース 2014年11月4日 PDF)
- ↑ “横浜・東日本銀が統合発表 16年4月に持ち株会社設立”. 共同通信. (2014年11月14日) . 2014閲覧.
- ↑ “横浜銀が東日本銀と再編へ 次の一手で浮上する銀行名”. 週刊ダイヤモンド. ダイヤモンドオンライン. (2014年11月10日) . 2014閲覧.
- ↑ “ATM手数料を相互に割引 横浜銀と東日本銀”. 日本経済新聞. (2015年2月25日) . 2015閲覧.
- ↑ “青山支店の開設について (PDF)”. 株式会社東日本銀行 (2015年3月23日). . 2015閲覧.
- ↑ “株式会社横浜銀行と株式会社東日本銀行との株式移転方式による 経営統合に関する最終合意等について”. 東日本銀行、横浜銀行 (2015年9月8日). . 2015閲覧.
- ↑ “公的資金注入の6行に改善命令 金融庁、利益目標下回る”. 共同通信. (2009年7月28日) . 2013閲覧.
- ↑ “株式会社東日本銀行に対する行政処分について”. 金融庁. (2009年7月28日) . 2013閲覧.
- ↑ “公的資金200億円、東日本銀が完済”. 日本経済新聞. (2011年3月11日) . 2013閲覧.
- ↑ “ローソンATMおよびイーネットATMとの提携サービス開始について (PDF)”. 株式会社東日本銀行 (2013年10月7日). . 2014閲覧.
- ↑ 14.0 14.1 お江戸日本橋支店 - 東日本銀行(2012年5月16日閲覧)
- ↑ 中小企業の経営支援に関する態勢整備・取組状況東日本銀行(2018年5月17日閲覧)
- ↑ “次期オンラインシステムのアウトソーシングで基本合意”. 株式会社東日本銀行 富士通株式会社. (2005年1月17日) . 2014閲覧.
- ↑ “「株式会社富士通バンキングインフォテクノ」営業開始”. 株式会社東日本銀行 富士通株式会社. (2006年3月31日) . 2014閲覧.
- ↑ “横浜銀-東日本銀 経営統合で注目されるシステム統合の行方”. 日経コンピュータ. (2014年11月4日) . 2014閲覧.
- ↑ “システム共同化の検討についての基本合意に関するお知らせ”. 東日本銀行. (2016年3月31日) . 2016閲覧.