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越後交通株式会社(えちごこうつう)は、新潟県長岡市に本社を置くバス会社である。英略・愛称はEKK。
Contents
概要
越後交通の創業は、1914年に鉄道会社として開業した「中貫鉄道」の開業に遡る。バス事業は1928年の「中越自動車」開業以降に始まったが、1959年~1966年にかけて現在の東急バス傘下に入っていた名残から、現在も東急バスと同等の銀地に赤いラインの塗色が採用されている。
1980年代以降は地方都市の路線を子会社に移管する動きが見られたが、2000年代以降に入ってからは再合併する傾向にあり、現在は魚沼地方に路線網を展開する南越後観光バスのみが、当社の有するバス事業者となっている。
沿革
- 1914年(大正3年)
- 1915年(大正4年)
- 1928年(昭和3年)11月1日 - 中越自動車開業。
- 1943年(昭和18年)8月10日 - 中越自動車、戦時統合により新潟県中越地区のバス会社を統合。
- 1950年(昭和25年)11月 - 田中角栄が長岡鉄道社長に就任。
- 1959年(昭和34年)5月29日 - 中越自動車が東京急行電鉄(現:東急バス)の傘下に入る。
- 1960年(昭和35年)10月1日 - 長岡鉄道が中越自動車ならびに栃尾鉄道を合併し、商号を越後交通株式会社に変更する。
- 1962年(昭和37年)8月 - 長鉄砂利(現:長鐵工業)を分社する。
- 1966年(昭和41年)2月4日 - 東急グループを離脱する。
- 1968年(昭和43年)3月24日 - 事業多角化の一環でスーパーマーケット事業に進出。1号店「マミーストア長岡駅東口店」開店。
- 1969年(昭和44年)9月1日 - 不動産事業に進出。
- 1975年(昭和50年)3月31日 - 鉄道線の旅客営業を廃止。
- 1978年(昭和53年)9月22日 - 新潟 - 長岡線開業(新潟交通と共同運行)。高速バスに参入。
- 1980年(昭和55年)4月1日 - 越後交通鉄工所を分社。
- 1982年(昭和57年)10月14日 - 越後交通工業を分社。
- 1983年(昭和58年) - 越後交通最初のトリコロールカラー色貸切車(ネオプラン製2階建てバス)導入
- 1985年(昭和60年)
- 10月16日 - 越後北観光バス(越後柏崎観光バス→北越後観光バスを経て現在は越後交通と合併)を分社。
- 12月10日 - 高速バス新潟 - 東京(池袋)線開業(新潟交通・西武バスと共同運行)。
- 1986年(昭和61年)5月 - 本社を長岡市蓮潟町(現:千秋三丁目)にて新築した千秋が原ビルへ移転。
- 1987年(昭和62年)12月4日 - 南越後観光バスを分社。
- 1988年(昭和63年)9月14日 - 越後交通整備を分社。
- 1995年(平成7年)3月31日 - 鉄道事業を廃止。
- 1998年(平成10年)1月29日 - 越後交通県央観光(現在は越後交通に合併)を分社。
- 2007年(平成19年)7月17日 - 本社を長岡駅東口のE・PLAZAへ移転。
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)3月26日 - 高速バス長岡・柏崎 - 京都・大阪線を三条営業所まで延伸。
- 2010年(平成22年)1月 - 本社機能のうち管理部門を、長岡市千秋の千秋が原ビルへ再移転。
- 2012年(平成24年)5月14日 - 越後交通ビルに残存していた本社機能を、千秋が原ビルへ移転。
- 2014年(平成26年)4月1日 - 高速バスを含めたすべての路線で運賃改定を実施。
- 2016年(平成28年)3月31日 - 西長岡営業所廃止後も営業を続けていた西長岡案内所を廃止し、停留所名を「西長岡」に変更。
- 2017年(平成29年)10月1日 - 北越後観光バスと合併する。存続会社は越後交通。運行路線をすべて継承する。
営業所
グループ各社の営業所・車庫は一部を除き、行先上は「車庫」とされるケースが多い(例:小千谷車庫など)。
越後交通
- 本社営業所
- 東長岡営業所(悠久山公園)
- 小千谷営業所(小千谷車庫)
- 十日町営業所(十日町車庫・※南越後観光バスと共用)
- 栃尾営業所(栃尾車庫)
- 柏崎営業所(出雲崎車庫・岡野町車庫の車庫機能は2018年に入って廃止)
- 寺泊営業所(旧:三条営業所・寺泊車庫)
- 三条営業所
(このほかに長岡駅東口にも単独の車庫・駐車場がある)
三条営業所所属の車両のみ新潟ナンバー登録。
南越後観光バス
- 本社(六日町)営業所
- 小出営業所
- 津南営業所(大割野車庫)
- 湯沢車庫
(乗り入れの関係で越後交通十日町車庫を共用している)
かつて存在した系列会社
北越後観光バス
- 本社(柏崎)営業所(越後交通柏崎営業所構内)
- 長岡営業所(越後交通栃尾営業所構内、2008年4月に越後交通北長岡営業所構内より移転)
- 小千谷営業所(越後交通小千谷営業所構内)
他に十日町・岡野町・出雲崎・見附に案内所・車庫を持った。
北越後観光バスは2017年10月1日付で越後交通と合併し、越後交通を存続会社としたため消滅した。
越後交通県央観光
- 本社(三条)
- 寺泊車庫
越後交通県央観光は1998年1月29日に越後交通から分社化され、越後交通(旧)三条営業所が管轄していた県央地域の乗合バス事業を引き継いだ。
ただし、長岡駅 - 中之島 - 今町 - 東三条駅線は引き続き越後交通が運行を担当していた。
2008年7月1日付けをもって越後交通に再併合された。同時期に北長岡営業所が廃止された事に伴い、再設置された越後交通の三条営業所に全ての路線を移管した。
バスロケーションシステム
越後交通では、バスの位置情報をインターネット上で配信する独自システム「Bus-Visionながおかバスi」(旧称:中越バスi)が長岡市内を走るすべての路線車両に導入されている[1][2]。正式名称は長岡市総合交通案内システムで、導入に当たっては長岡市都市整備部交通政策課が所有するGPS装置をバスの各車両に取り付けることで運用されている。運行情報や車両位置については、「バスのドアが閉まったタイミング」もしくは「次停留所の案内放送が車内で流されるタイミング」[1]でリアルタイムに更新されている。なお、このシステムは首都圏などの都心部を中心に広く普及している、バス停留所などにロケーションシステムを内臓しているものとは大きく異なるため注意されたい。(詳細についてはバスロケーションシステムと公式ホームページを参照されたい)
バスの特徴
- 路線バスは大型4メーカー全ての車両を導入している。貸切車両は三菱ふそう・日野自動車製を、県内高速線用は三菱ふそうを中心に日野・いすゞ製の車両も導入している。
- 県外高速線のうち、東京線(新潟 - 東京線、上越・柏崎 - 東京線)用はほとんどが日産ディーゼル工業(現:UDトラックス)製だが、最近では三菱ふそう製の車両も導入。三条・長岡・柏崎 - 京都・大阪線用には日野製の車両を導入している。
- 路線車は1980年代末までは営業所毎に以下のように主力メーカーが決まっていた。
- 本社営業所・小出営業所・六日町営業所 - 三菱ふそう
- 北長岡営業所(当時)・東長岡営業所・三条営業所・寺泊営業所・小千谷営業所 - いすゞ
- 栃尾営業所・見附営業所(当時)・柏崎営業所・十日町営業所 - 日野
- 日産ディーゼル製は路線・貸切とも1980年代前半までは導入しなかったが、1985年の新潟 - 東京線開業時に初めて採用し、1990年代に入ってからは一般路線用にも導入されている。
1990年代に入り、日産ディーゼル車が導入されるようになってからとほぼ同時に、これまでの「一営業所=同一メーカー」の形態をやめ、多種多様なメーカーの車輌が各営業所に配属されるようになった。
- いすゞの路線自社発注車は、2000年にエルガが発売される前までは純正車体(キュービック)ではなく、富士重工製の5E・7E・8E車体を採用していた[3]。なお、富士5Eが導入されるまでのいすゞ車は北村製作所製の車体を採用していた。
- 1990年代後半からは長岡地区(市町村合併前の旧:長岡市中心部)を中心にノンステップバスなどの新車導入を推進する一方で、2000年代後半に入ってからは他の事業者から中古車両の購入も積極的に行っている。子会社および合併に伴い子会社から越後交通に継承された車両では東急バスグループを中心に、越後交通本体では全国各地の事業者など多方面に渡るバス会社から中古車両を購入している。
- 路線バスは夜行の高速バスを除き、基本的にワンマン運行である。かつては後ろ乗りが一般的であったが、現在は一部の移籍車両を除き、中乗り・前降りの運賃後払い方式である。
- 路線バスの運賃表示器は近年まで紙製の運賃表が落ちてゆく旧式のものを使用していたが、現在はすべてデジタル式に入れ替えられており、2016年導入車以降はレシップ社製の液晶運賃表を採用している。*近年まで、新潟県内の路線バス事業者の中で、大型4メーカーの車両を保有している唯一の事業者だった。(現在は越後交通グループほどの台数はないが、頸城自動車グループも4メーカーを保有している)
- 運賃表示機はレシップ、運賃箱は小田原機器、車内放送装置はレゾナント・システムズを採用しているが、合成放送と共に南越後観光バスでも使用されている肉声放送も使用されている。
カラーリング(塗色)
- 路線バスはシルバー色に赤色のラインが入ったものである。これはかつて東急グループ傘下だったかつての中越バスの塗色を踏襲している。
- 越後交通の路線車のカラーリングは東急バスの塗装と瓜二つであることから、東急バスの中古車を社名表記のみ変えた状態で走らせていることが、南越後観光バスや北越後観光バスから継承された車両を中心に少なからずある。
- 1997年からは長岡の中央循環(くるりん号)や柏崎市内循環(かざぐるま号)など専用塗色を施した車両や全面広告バスも登場している。
- また、かつて貸切車両で使用していた旧塗色が地域子会社の一部車両(貸切車両・路線車両とも)に残存しており、白地に車体横のウインドウ下に薄紺の4本ラインを施している。側面後方には「越 後 交 通」と社名表記(所属によりイタリックの「南越後観光」などとなる)を記し、窓上部に「ECHIGO KOTSU」の表記が入っている(ローマ字表記のない車両もある)。一部の沿線住民やバスファンは、このデザインがたばこのハイライトのパッケージに似ていることから「ハイライトカラー」などと呼ばれ親しまれている。
- 現在の貸切用車両および三条・長岡・柏崎 - 京都・大阪線以外の高速路線用車両は、シルバーメタリック地に濃紺・白・赤の3本線が入り、車体横部には「ECHIGO KOTSU」と社名表記を金色のローマ字で記している。
- 長岡・柏崎 - 京都・大阪線開設時に新車で購入した車両(日野・セレガ)は上記の塗色とは異なったデザインを採用した。車体には紺をベースとして車体後部に黄色のラインが入り、側面中央には白の活字体で「越後交通」の文字を大きく記している。
- なお、同路線を開設するまで独立3列シート車を所有していなかったことから、南海バスより予備・続行便用車両(三菱ふそう・エアロクイーン)を1台譲り受け、こちらは南海バス・サザンクロス号の塗色[4]のまま、社名表記のみ変更して使用していたが、2011年5月頃に上記の貸切・高速用デザインに塗り替えを行った。(廃車のため現存せず)
ギャラリー
- Echigo Kotsu Boushi.jpg
運転士が着用する制帽
- Echigo-kotsu-1197.jpg
一般路線バス(ツーステップ)
- Echigo Kotsu Sanjo 47.JPG
ハイライトカラー
- Echigo-kotsu-208.jpg
一般路線バス(ノンステップ)
- Ethigo Kotsu Kururin.jpg
長岡市内中央循環バス「くるりん」
- Kashiwazaki City Loop Bus Kazaguruma.jpg
柏崎市内循環「かざぐるま」
- Echigo Kotsu Hino SELEGA.jpg
2008年に導入された独自カラーの県外夜行車両
- Echigo-kotsu-377.jpg
県内線(長岡〜新潟)用高速バスの一例
- Ethigo Kotsu Kenbaiki.jpg
長岡駅に設置されている回数券の自動券売機
- Echigo-Kotsu Nagaoka Station East Madoguchi.jpg
長岡駅東口案内所
高速バス
現在高速バスは県外線3路線、県内線4路線を運行している。高速バスは一般路線車同様に県内線・県外線の全線でGPSによるバスロケーションシステム「にいがたバス-i」が導入されている。
各路線に括弧書きで示すのは、運行車両が所属しかつ運行業務を担当している営業所の名称。下段は共同運行を行うバス事業者である。
県外線
- 新潟 - 東京(池袋・新宿)線(三条営業所)
- 上越・柏崎 - 東京(池袋・新宿)線(柏崎営業所)
- 頸城自動車・西武バスと共同運行
- 三条・長岡・柏崎 - 京都・大阪線(三条営業所)
- 南海バスと共同運行
県内線
- 新潟 - 長岡線(本社営業所)
- 新潟交通と共同運行。
- 新潟 - 高田 - 直江津線(本社営業所)
- 新潟交通、頸城自動車と共同運行
- 新潟 - 十日町線(十日町営業所)
- 新潟 - 柏崎線(柏崎営業所)
運行エリア
2018年現在は中越地区の長岡市・(旧)栃尾市・十日町市(一部)・柏崎市・小千谷市(一部)と県央地区の見附市・三条市を運行エリアとしている。(※2017年以降は旧・北越後観光バスから運行路線を全て継承している)
なお、中越地区南部の魚沼地方全域はすべて南越後観光バスの運行エリアとなっている。
- 主に大手口を発着する路線で長岡から各地(長岡 - 小千谷・長岡 - 柏崎など)を結ぶバスを「郊外線」、合併前の長岡市中心部のみを結ぶバスを「市内線」と呼んでいる。
- 【急行】と付いている路線でも近年のダイヤ改正で長岡市内を中心に元々は停車しなかった停留所にも新たに停車する路線が増えている。
- 【急行】長岡 - 十日町線と【急行・快速】長岡 - 柏崎線には高速バスで使われる車両が高速バスの間合い運用として使われることがある。柏崎線の場合は西山・刈羽経由の【急行】に使われることが多い。
- 【急行】の場合、バスの正面に逆台形の赤字で書かれた木製の急行プレートを付けていたこともあったが、現在は淘汰されている。
広報活動
- 長岡まつり大花火大会では毎年、『正三尺玉』へのスポンサーとなっている。
グループ企業
地域子会社
かつては越後交通県央観光や北越後観光バスもあったが、前者は2008年7月1日をもって、後者は2017年に越後交通と合併し消滅している。
その他
- 長鐵工業株式会社(建設業、砂利販売業)
- 越後交通物産株式会社(石油販売・タイヤ・自動車部品販売)
- 越後交通整備株式会社(自動車整備)
- 越後ビルサービス株式会社(建物内清掃・ビルメンテナンス)
- 株式会社カンコー(広告業・タクシー・保険代理業)
- 株式会社越後交通鉄工所(鋼構造物製造業)
- ネッツトヨタ越後株式会社(トヨタ系自動車販売店)
出資比率のきわめて高い放送事業者
越後交通は、長岡鉄道時代の社主だった田中角栄が郵政族議員だった背景もあり、県内の民放各局に出資している。また会社組織を立ち上げる際には、役員の人選等にも影響を与えていた。
かつて行っていた事業
鉄道事業
野球場
- 悠久山野球場 (※現:長岡市悠久山野球場とは異なる)
脚注
- ↑ 1.0 1.1 “ながおかバスi”. 越後交通株式会社. . 2018年4月13日閲覧.
- ↑ “バス位置情報配信システム「ながおかバスi」長岡市総合交通案内システム”. 長岡市. . 2018年4月13日閲覧.
- ↑ これは、万一フロントガラスを破損した際、1枚ガラスの純正車体よりも、2枚分割ガラスの富士重工製車体の方が修理コストが安く済むからである。
- ↑ 詳細は南海バス#高速・空港路線車の項を参照。