グランビスタ ホテル&リゾート

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株式会社グランビスタ ホテル&リゾート (GRANVISTA Hotels & Resorts Co., Ltd.) は日本でホテルレストランなどを運営する企業である。旧社名は三井観光開発株式会社(みついかんこうかいはつ、Mitsui Kanko Kaihatsu Co.,Ltd.)。 2015年4月、サンケイビルの連結子会社となり[1]フジサンケイグループ入りした。

概要

北海道炭礦汽船(北炭)の社長 萩原吉太郎三井合名出身であり、三井に経営参画させた)により、北炭の関連会社として北海道不動産株式会社を設立。吉太郎は北の迎賓館と称された札幌グランドホテルの開業に携わっており、本州へホテル・ゴルフ場・高速道路のサービスエリア売店・有料道路(熱海ビーチラインなど)といった多角的なリゾート事業へ参入した。また、札幌テレビ放送(STV)設立に吉太郎が関わった経緯で同社の大株主でもあり、近年までSTVの社長をはじめとする一部の取締役は旧三井観光の役員が就いていた。

1971年に三井観光開発へ社名変更後は、「三井アーバンホテルズ」の全国展開をはじめ、鴨川シーワールドやゴルフ場を保有していた八洲観光開発の買収で業容を拡大した。当時のCIは英略称のMKKを模したものであった。

なお、不動産業において先行していた三井不動産三井ガーデンホテルズとして全国展開)とは事業上の関係は作られず、銀座大阪市福岡市などの西日本地域ではそれぞれのホテルが重複して営業されており競合関係である(銀座に於いてはどちらも十五銀行の跡地に建物を構えている)。2009年に「メルキュールホテル札幌」、2010年に「三井ガーデンホテル札幌」が開業し、創業地である「札幌グランドホテル」を構える札幌市においても競合することになる。
ただし、2000年代前半の一時期だけ「ガーデンホテルズ」と「三井アーバンホテルズ」の共同インターネット予約サイト「Hoteland.com」が行われていた(2004年にサービス終了)。

経営再建

1970年代より親会社であった北炭の経営悪化により三井観光は同社へ資金支援を行っていたが、1995年の経営破綻により貸付金等が取立不能となった事で有利子負債が増加し、更に失われた10年の影響でゴルフ場事業を中心に累積赤字も増え続け、2001年に政商と呼ばれた創業者の吉太郎が98歳で死去したことにより経営の建て直しが大きく浮上した。

メインバンクである三井住友銀行(旧さくら銀行)に対し金融支援を要請し、2005年に200億円の債権放棄で合意となり、同年8月には既存株式の99%の無償減資と100対1の株式併合を行った上で、大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツが組成・出資した(実質的には投資ファンド)「株式会社ディー・エス・エムインベストメンツガンマ」に吸収合併。合併後同社は即ちに(2代目)三井観光開発株式会社へ社名変更した。
翌2006年には日本政策投資銀行と三井住友銀行によるシンジゲートローンから369億円の資金調達(エクティ・ファイナンス)を受けた。

2005年の再建に際しては、長年務めた萩原次郎(吉太郎の次男)が会長職を辞任し一線から退いた。出資会社である三井物産三井住友銀行などの意向により、新社長は物産出身の吉村仁が49歳で就任し、新生の三井観光開発となった2007年からは、札幌パークホテル・鴨川シーワールド支配人などを歴任した生え抜きの須田貞則が就任している。

三井観光からグランビスタへ

2007年7月1日に現社名へ変更し、「三井観光」名称のゴルフクラブは名称変更された。2008年より「三井アーバンホテル」名称の宿泊施設は「ホテルコムズ(com's)」(鴨川シーワールドホテルは変更せず)へリブランドの上、リニューアルを実施している。
大和証券SMBCの支援を仰いでからは、同社運営ファンドに売却されたホテルの運営をコムズブランドにリノベーションして運営に携わる形態も行われており、投資ファンドのホテル事業運営会社としての役割も併せ持ちつつある。日本においては先例にローンスターによるソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ地産のチサンホテルなどを継承)がある。

三井グループ各社との関わりは薄くなりつつある。なお、三井広報委員会・二木会には属していない。

2011年12月、企業再生支援機構(現地域経済活性化支援機構(以下「機構」))による事業再生支援を発表した[2]。これを境に運営していたシティホテルを次々と閉鎖し、「ホテルコムズ」ブランドは全廃された(「ホテルコムズ銀座」は「銀座グランドホテル」に改称)。

2015年3月、機構が保有するグランビスタホテル&リゾートの全株式をサンケイビルと投資ファンドジェイ・ウィル・パートナーが出資する合同会社ジェイ・エックス・エー(現・グランビスタホールディングス)が取得することについて合意に達し[1]、同年4月24日に株式譲渡が完了、機構による再生支援が完了した[3]

2017年9月、新ブランドホテル「INTERGATE HOTELS」を2018年春に京都市と東京都中央区に、2019年に金沢市広島市に開業する予定と発表。サンケイビルが土地取得と建物建設を行い、グランビスタが運営を担当する[4]

沿革

  • 1958年8月27日 - 北海道不動産株式会社(東京都千代田区)設立
  • 1962年10月 - 株式会社札幌グランドホテルを吸収合併
  • 1963年4月 - 北炭観光開発株式会社商号変更
  • 1971年11月 - 三井観光開発株式会社に商号変更
  • 1974年1月 - 三井アーバンホテル1号店(福山店)オープン
  • 1976年5月 - 熱海観光道路株式会社を吸収合併
  • 1978年2月 - 株式会社札幌パークホテルを吸収合併
  • 1986年8月 - 八洲観光開発株式会社を吸収合併
  • 1989年10月 - 鹿島国際観光株式会社を吸収合併
  • 2000年4月 - 株式会社日本ハイウエイサービスを吸収合併
  • 2005年8月 - 株式会社ディー・エス・エムインベストメンツガンマに吸収合併され、三井観光開発株式会社へ社名変更
  • 2007年7月 - 「株式会社グランビスタ ホテル&リゾート」に商号変更
  • 2008年4月1日 - 三井アーバンホテル、アーバンホテルの名称を「ホテルコムズ」に変更
  • 2011年12月1日 - 企業再生支援機構による事業再生支援を発表
  • 2014年5月 - ホテルコムズ銀座を「銀座グランドホテル」にリブランド
  • 2015年4月 - 地域経済活性化支援機構保有の株式をジェイ・エックス・エーに売却、サンケイビルによる子会社化
  • 2016年7月20日 - 俵石ホテルアンドリゾートが所有・再建中の新複合施設「ネストイン箱根 俵石閣」を運営を行うと発表(2016年7月27日に「ホテルエリア」(37室)をリニューアル開業、8~9月に「本館・別荘エリア」(11室)を順次開業、10月に全面開業予定)[5]
  • 2017年9月20日 - 新ホテルブランド「INTERGATE HOTELS」発表

事業所・施設一覧

CITY HOTEL

札幌グランドホテル ホテル大阪ベイタワー
札幌グランドホテル
ホテル大阪ベイタワー

URBAN HOTEL

  • 銀座グランドホテル(旧 ホテルコムズ銀座)
  • ホテル・ザ・ルーテル(アソシエイト)
  • ホテルインターゲート京都 四条新町
  • ホテルインターゲート東京 京橋
  • ホテルインターゲート金沢(2019年春開業予定)
  • ホテルインターゲート広島(2019年春開業予定)

RESORT HOTEL

MARINE FACILITY GOLF COURSE

  • 鴨川シーワールド
  • 鴨川シーワールドホテル
  • 苫小牧ゴルフリゾート72(旧 三井観光ゴルフリゾート72)
    • エミナゴルフクラブ(旧 三井観光苫小牧ゴルフクラブ)
    • アイリスゴルフクラブ

HIGHWAY & RESTAURANTS

ハイウエイレストラン
有料道路運営

過去に運営していた施設

  • ホテル阿寒湖荘
  • 三井アーバンホテル秋田 (現福祉施設きららアーバンパレス)
ホテルコムズ仙台 ホテルコムズ仙台アネックス
ホテルコムズ仙台
ホテルコムズ仙台アネックス
  • ホテルコムズ仙台三井生命保険が不動産を保有。旧 三井アーバンホテル仙台)
    東日本大震災の影響による営業休止を経て、再開されることなく2012年8月29日に営業終了を発表[6]。損傷が激しかったため解体され更地となっていたが、2015年に真如苑が取得した[7]
  • ホテルコムズ仙台アネックス(旧 ホテルセンチュリー仙台→三井アーバンホテル仙台アネックス)
    2012年7月14日で閉鎖[8]2013年10月18日より、地元企業が運営するホテルプレミアムグリーンヒルズ[9]として使用されている。
  • ホテルコムズ新千歳空港(旧 三井アーバンホテル新千歳空港)
    2012年3月31日で営業終了(2012年4月28日よりエアターミナルホテルとして営業中)
  • ホテルコムズ大田市場(旧 アーバンホテル大田市場)
    2011年6月14日で営業終了
  • ホテルコムズ名古屋(旧 名古屋金谷ホテル→三井アーバンホテル名古屋)
    2013年2月22日で運営受託契約終了(ホテルマイステイズ名古屋栄として営業中)
  • ホテルコムズ大阪(旧 三井アーバンホテル大阪)
    2013年3月31日で営業終了
  • ホテルコムズ大津(旧 大津シャンピアホテル→ザ・ビー大津)
    2012年5月で運営受託契約終了(ホテルテトラ大津.京都として営業中)
  • ホテルコムズ福岡(旧 三井アーバンホテル福岡)
    2013年11月30日で営業終了
  • 小樽グランドホテル
    三井観光開発時代に別会社へ譲渡した後、2009年2月15日で営業終了
  • ホテル大阪ベイタワー(旧 三井アーバンホテル大阪ベイタワー、ORC200内)
    2018年1月5日で営業終了[10](2018年3月29日「アートホテル大阪ベイタワー」にリブランドオープン予定)

食品表記問題

2013年11月6日、グランビスタ ホテル&リゾートは、須田貞則社長らが札幌グランドホテルで会見した上で、「札幌グランドホテル札幌パークホテル苫小牧ゴルフリゾート72、静岡レストラン福岡宮崎ホテルの計6施設において、判明している分のみでも最大7年間、51品について虚偽表示していた」との内容の発表を行った。

札幌グランドホテルでは25品を虚偽表示しており、弁当3品で牛脂注入肉を使用していたが、加工肉と明記せず、「牛肉ステーキ」などと表示し、米国産の冷凍ジュースは「フレッシュジュース」としていた。また、「あわびの醤油味煮込み」など3品で、アワビではなくセネガル産のアカニシ貝を使用し、「ふかひれ肉のスープ」など2品で、本物のふかひれに人工のフカヒレを加えて提供していた。札幌パークホテルの虚偽表示は14品となっており、明示せずに牛脂注入肉を使用していたほか、道産アサリとしながら中国産の冷凍アサリを使ったメニューや、野菜などの入荷がない日曜日などに「本日入荷」と謳ってサラダを提供していた。苫小牧ゴルフリゾート72では、山菜たぬきそば1品で、中国産山菜を北海道産と誤認し、表示していた。この他、静岡のレストランなど3施設で計11品に虚偽表示があった。 以上の問題に関して、同社幹部は「偽装と言われれば仕方がない」と陳謝を行った[11]

2013年11月20日、全国の支配人・本社幹部が会し、再発防止と信頼回復に向けて「知識」「手続き」「意識」の三つの領域における具体的方針について決定した。この取り組みは、2014年1月21日放送のテレビ東京ガイアの夜明け」で取り上げられた。

脚注

  1. 1.0 1.1 株式会社グランビスタホテル&リゾートの株式取得に関するお知らせ (PDF)”. サンケイビル (2015年3月13日). . 2015閲覧.
  2. “再生機構、鴨川シーワールド支援へ 自力再建断念”. 日本経済新聞 電子版. (2011年12月1日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0102D_R01C11A2EE2000/ . 2017閲覧. 
  3. 株式会社グランビスタホテル&リゾートに対する再生支援の完了について (PDF)”. 地域経済活性化支援機構 (2015年4月24日). . 2015閲覧.
  4. “グランビスタ、新ブランドのホテル「インターゲート」を展開”. 産経ニュース. (2017年9月20日). http://www.sankei.com/economy/news/170920/ecn1709200035-n1.html . 2017閲覧. 
  5. 【グランビスタホテル&リゾート】グランビスタ アソシエイトホテルズ新規加盟施設のご案内 箱根仙石原「ネストイン箱根 俵石閣(ヒョウセキカク)」誕生! - PR TIMES グランビスタ ホテル&リゾート 2017年7月20日
  6. 【ホテルコムズ仙台営業終了のお知らせ】 グランビスタ ホテル&リゾート 2012年8月29日
  7. <変貌 仙台中心部>大規模再開発は足踏み - 河北新報
  8. 【ホテルコムズ仙台アネックス 営業終了のお知らせ】 グランビスタ ホテル&リゾート
  9. ホテルプレミアムグリーンヒルズ
  10. ホテル大阪ベイタワー営業終了のお知らせ”. グランビスタホテル&リゾート. . 2018閲覧.
  11. 北海道新聞』(2013年11月7日)「札幌の老舗ホテル、グランドとパークが「偽装」 アカニシ貝を「アワビ」/中国産アサリを「道産」 計39品最大7年間

外部リンク


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