小川榮太郎
小川 榮太郎(おがわ えいたろう、1967年〈昭和42年〉5月13日[1][2] - )は、日本の文芸評論家[3]。私塾「創誠天志塾」元塾長[2]。一般社団法人「日本平和学研究所」理事長。東京都出身[3]。
Contents
略歴
大阪大学文学部卒業、埼玉大学大学院修士課程修了[2][4]。大学院の指導教官は長谷川三千子[5]。専門は近代日本文学、19世紀ドイツ音楽[3]。主な論文に『福田恆存』の「平和論論争」』、『川端康成の「古都」』など[4]。私塾「創誠天志塾」(旧・「青年真志塾」)では塾長を務めていた[6]。 2015年10月、「一般社団法人日本平和学研究所」を設立し理事長[7]。2017年12月、、フジサンケイグループが主催する第18回正論新風賞を受賞。
人物・主張
歴史的仮名遣
「正しい日本語を残すという意味で大事だと考えているから」として、歴史的仮名遣(正仮名遣い)を用いている[8]。正仮名遣いは800年以上も前(2015年現在)に確立している国語の「論理」であるとして、放置しておくと正仮名遣いは完全に消滅すると予測している[8]。GHQによる占領期に表音主義が導入された事については、用言の活用が表記から消えるとして、最終的には政治的な判断で元に戻す必要があると主張している[8]。
憲法改正
日本国憲法は制定過程に根本的な問題があるとしており、GHQによる被占領期に制定されたことを踏まえ「当時の主権者はGHQで、その中身もGHQが英文で起草した」、「憲法は国民が主権者として制定したと宣言している。これは嘘のストーリー」、「本当の主権者が憲法の中身を書いていない事実は重い」として自主憲法制定の必要性を主張している[9]。
その一方で、「現実的には自主憲法制定は難しい」、「逐条改正するほかないが、最優先すべきは9条だ」と指摘。9条については、「不安定な国際社会の中で、国家一番の責務は自衛できるかどうか」、「陸海空軍がなければ自衛はできないのに、憲法には自衛隊の規定すらない」として、「9条2項で『自衛隊を保有する』と明記し、自衛権を行使できるようにしなければならない」と主張[9]。
2015年10月4日に開催された「憲法改正を実現する九州大会」におけるシンポジウムでは、「政治日程に憲法改正が上がるのは画期的なことで、この好機を逃してはならない」、「平和について、わめいている人たちこそが一番平和にふまじめな人たちであり、堂々と国民に本当の話を浸透させる必要がある」と話した[10]。櫻井よしこによる「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の代表発起人の1人[11]。
安倍晋三との関係
第45回衆議院議員総選挙の結果、民主党の鳩山由紀夫を中心とする政権が発足したことに「このままでは日本がとんでもないことになる」と感じ、三宅久之と共に「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」を結成[8]。この運動では、安倍を総理に復帰させる戦略を大局から細目へと立案した20ページほどの戦略プランを立て、下村博文を通じて安倍に渡ったと話している[6]。
2015年11月11日、宴会場「マグノリアホール」で著書『小林秀雄の後の二十一章』の出版を祝う会が開催された際には、首相に再任された安倍が出席し、あいさつをおこなった[13][14]。
放送法遵守を求める視聴者の会
2015年10月26日、「放送法遵守を求める視聴者の会」の呼びかけ人の一人として同会の記者会見に出席し、NHKと民放計6局の平和安全法制の審議に関するテレビ報道のあり方などを批判した[15]。
朝日新聞との係争
森友学園問題と加計学園問題を記載した小川の著書『徹底検証「森友・加計事件」――朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』において、朝日新聞の報道を「虚報」「捏造」「戦後最大級の報道犯罪」と決め付けた名誉毀損として、朝日新聞社により謝罪・賠償を求められた[16]。小川はこの請求に対して反論し、さらに「大言論機関が裁判に逃げた。言論弾圧であり、自殺行為だ」と非難した[17][18]。のちに朝日新聞社は“誠意ある対応が為されない”として、謝罪と5千万円の賠償を求め小川と版元の飛鳥新社を提訴した[19]。
著書
単著
- 『約束の日 ―安倍晋三試論―』(2012年、幻冬舎、のち文庫)
- 『国家の命運 ―安倍政権奇跡のドキュメント―』(2013年、幻冬舎、ISBN 9784344024014)
- 『『永遠の0』と日本人』(2013年、幻冬舎新書〉、ISBN 9784344983328)
- 『最後の勝機(チャンス) ―救国政権の下で、日本国民は何を考え、どう戦うべきか―』(2014年、PHP研究所、ISBN 9784569812786)
- 『一気に読める「戦争」の昭和史 1937-1945』(2015年、ベストセラーズ、ISBN 9784584136676)
- 『小林秀雄の後の二十一章』(2015年、幻冬舎、ISBN 9784344028067)
- 『天皇の平和 九条の平和 ―安倍時代の論点―』(2017年9月、産経新聞出版、ISBN 9784819113182)
- 『徹底検証「森友・加計事件」 ―朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪―』(2017年10月、飛鳥新社Hanada双書、ISBN 9784864105743)
- 『徹底検証 テレビ報道「噓」のからくり』(2017年11月、青林堂、ISBN 9784792606077)
共著
- 宮崎正弘 『保守の原点 ―「保守」が日本を救う―』(2015年、海竜社、ISBN 9784759314090)
- 上念司『テレビ局はなぜ「放送法」を守らないのか ―民主主義の意味を問う―』(2016年7月、ベストセラーズ、ISBN 9784584137291)
- 足立康史『宣戦布告 ―朝日新聞との闘い 「モリカケ」裏事情から、在日・風俗・闇利権まで、日本のタブーに斬り込む!―』(2018年3月、徳間書店、ISBN 978-4198645717)
出演番組
- 過去
テレビ
- 真相深入り!虎ノ門ニュース(DHCシアター) - 2016年11月3日 - 2017年7月6日※毎月第1週木曜日レギュラー(但し2017年3月は第1週と第3週の2回出演)
インターネット動画配信
- 美の世界・国のかたち(日本文化チャンネル桜) - 2015年11月13日 -
関連項目
- 安倍晋三
- 世界平和統一家庭連合(旧・世界基督教統一神霊協会)
出典
- ↑ “小川榮太郎 FaceBook” . 2016年3月2日閲覧.
- ↑ 2.0 2.1 2.2 “約束の日 / 小川 榮太郎【著】”. 紀伊國屋書店ウェブストア. 紀伊國屋書店. . 2015閲覧.
- ↑ 3.0 3.1 3.2 “一気に読める「戦争」の昭和史”. ベストセラーズ. . 2015閲覧.
- ↑ 4.0 4.1 “小林秀雄の後の二十一章 - 小川榮太郎氏に聞く”. 日本文化チャンネル桜 (2015年9月10日). . 2015閲覧.
- ↑ 金美齢、長谷川三千子. “私たちが安倍応援団になったわけ”. 『正論』2013年3月号 (産業経済新聞社).
- ↑ 6.0 6.1 “第70回 小川榮太郎×小松成美 前半”. 小松成美の一語一会. トレードトレード. . 2015閲覧.
- ↑ 平和研について 一般社団法人日本平和学研究所
- ↑ 8.0 8.1 8.2 8.3 “第69回 小川榮太郎×小松成美 前半”. 小松成美の一語一会. トレードトレード. . 2015閲覧.
- ↑ 9.0 9.1 “小川栄太郎氏、憲法「自衛隊保有明記を」 自民県連が改正勉強会 群馬”. 産経ニュース. 産経デジタル (2015年10月9日). . 2015閲覧.
- ↑ “「憲法改正を実現する九州大会」約400人が活発に意見交換 熊本”. 産経WEST. 産経デジタル (2015年10月5日). . 2015閲覧.
- ↑ “役員名簿”. 美しい日本の憲法をつくる国民の会. . 2015閲覧.
- ↑ 「日本会議理事会・総会に参加、印象深かった小川榮太郎氏の提言」.日本会議大阪.2017年10月25日閲覧。
- ↑ “【安倍日誌】11日”. 産経ニュース. 産経デジタル (2015年11月12日). . 2015閲覧.
- ↑ 小川榮太郎 (2015年11月11日). “2015年11月11日のFacebook投稿”. . 2015閲覧.
- ↑ “「日本のテレビ局は傲慢」「放送局自体が活動家のよう」ケント・ギルバートさんらが、テレビ報道を猛烈批判”. 産経ニュース. 産経デジタル. p. 2 (2015年11月26日). . 2015閲覧.
- ↑ 「徹底検証『森友・加計事件』 朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」の著者・小川榮太郎氏と飛鳥新社への申入書 朝日新聞2017年11月21日
- ↑ 朝日新聞社、文芸評論家の小川栄太郎氏に抗議 謝罪と賠償求める 森友・加計問題取り上げた著書めぐり 産経新聞2017年11月21日
- ↑ 朝日に提訴された小川榮太郎氏激白「言論封殺への露骨な一手」 事実に反する「素粒子」、どう説明するのか 1/3 2/3 3/3 産経新聞2017年12月29日
- ↑ 小川榮太郎氏ならびに飛鳥新社に対する訴訟提起について 朝日新聞社2017年12月25日
外部リンク
- 小川榮太郎 公式サイト
- 小川榮太郎の思想と行動 (2017年10月24日 - 2018年1月11日)
- 小川榮太郎の書斎から(2014年12月1日開設、最終更新2015年9月12日)
- 榮チャンネル - 公式YouTubeチャンネル