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2018/9/25/ (火) 16:35時点における版
楠 トシエ(くすのき としえ、1928年1月11日 - )は、日本の歌手・女優・声優である。本名は楠山 敏江(くすやま としえ)。愛称はビンチャン。
Contents
来歴・人物
ムーランからトリロー
1945年(昭和20年)3月、東京市滝野川区滝野川にあった旧制・芙蓉女学校を卒業[1][2]、同年4月三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行した。
1949年(昭和24年)、21歳の時、角筈のムーランルージュ新宿座へ歌手として入団[1]し、芸能界入りした。
1951年(昭和26年)のムーラン解散前後から、以前より付き合いのあった三木鶏郎の誘いでNHKラジオ第1『日曜娯楽版』に出演し、一躍全国区の歌手となった。1953年(昭和28年)、25歳の時、「NHK専属タレント第1号」となる[1]。その後も、三木鶏郎グループの一員として、テレビ・ラジオ出演をこなし、『お笑い三人組』(ラジオ 1955年11月 - 1960年3月、テレビ 1957年 - 1966年3月)、『ひょっこりひょうたん島』(1964年 - 1969年)、『おはよう!こどもショー』(日本テレビ、1965年 - 1970年代)など、多数の番組に出演した。黒柳徹子らとともに「テレビ女優第1号」と呼ばれる一人となる。
NHK紅白歌合戦7年連続出場
歌手としては、『NHK紅白歌合戦』に7年連続出場している(詳細は下記参照)。
宮城まり子の『毒消しゃいらんかね』は、ラジオ放送では楠が歌っていたが、楠が当時レコード会社に所属していなかったので、同じトリローソングの歌い手だった宮城へお鉢が回ったもので、同曲で宮城は楠より早く、1954年(昭和29年)に『第5回NHK紅白歌合戦』に出場した。
1958年(昭和33年)の『第9回NHK紅白歌合戦』では、当初番組側が楠を紅組司会に起用する予定だったが、当時は歌手兼司会が認められておらず、歌手としての出場を希望した楠がその打診を断った。
みんなのうた
1961年(昭和36年)4月3日、NHK『みんなのうた』放送開始の初回、楠の『誰も知らない』という曲が採用された。
コマソンの女王として
800曲とも1000曲とも言われるほどCMソングを吹き込み、「コマーシャルソングの女王」と呼ばれている[3]。楠の代表曲である清酒黄桜CMソング『かっぱの唄』は、現在も時折放送されるロングランCM曲である。また、内外薬品・『ケロリン』のCMソング『青空晴れた空』は、1958年にシングル(SP盤)発売され、大ヒットした。現在はリメイクバージョンにはなったが、CMに使われている。
2007年(平成19年)12月、キングレコードがかつてのLPレコードのアルバム『みんなが知ってるコマーシャル・ソング集』(1960年、キングレコード)のジャケットを再度ジャケットに採用、同アルバムを含む2枚組CDアルバム『元祖コマソンの女王 楠トシエ大全』を発売した[4]。
その後も全国各地の講演会やコンサートで歌声を披露している。
出演
映画
- 森の音楽会 (1953年、芦田漫画映画製作所 / 奥商会)
- チエミの初恋チャッチャ娘
- 落語長屋のお化け騒動 (1954年、東宝) - お花
- その後のウッカリ夫人とチャッカリ夫人 (1954年、東京映画 / 東宝)
- 陽気な仲間 (1958年、大映) - お夏
- 点と線 (1958年、東映) - かき舟の女中
- あばれ街道 (1959年、東映) - 花奴
- よさこい三度笠 (1960年、大映)
- お笑い三人組 泣き虫弱虫かんの虫 (1961年、新東宝)
- お笑い三人組 怪しい奴にご用心 (1961年、新東宝)
- ドドンパ酔虎伝 (1961年、大映)
- 大日本チャンバラ伝 (1965年、日活)
- 河内遊侠伝 (1967年、東映) - 小きん(芸者)
- 喜劇急行列車 (1967年、東映)
- ザ・スパイダースの大騒動 (1968年、日活)
- 三匹の牝蜂 (1970年、東映)
- (秘)セックス恐怖症 (1970年、東映)
- 喜劇 新婚大混戦 (1972年、松竹)
- 大事件だよ全員集合!! (1973年、松竹)
- 超能力だよ全員集合!! (1974年、松竹)
- 神様のくれた赤ん坊 (1979年、松竹) - 小夜子の母
- 父と子 (1983年、サンリオ) - まり代
- ムーランルージュの青春 (2011年、幻野プロ)
ラジオ
テレビ
バラエティー
- おはよう!こどもショー(1965年11月-1970年3月、日本テレビ)
人形劇
- 声の出演
- チロリン村とくるみの木(1956年4月-1964年4月、NHK) - サクランボのマニマニ役
- ひょっこりひょうたん島(1964年4月-1969年4月、NHK) - サンデー先生役
NHK紅白歌合戦
- 第8回 (1957年12月31日、東京宝塚劇場) - 『お花どん』、初出場
- 第9回 (1958年12月31日、新宿コマ劇場) - 『銀座かっぽれ』
- 第10回 (1959年12月31日、東京宝塚劇場) - 『石松金毘羅道中』
- 第11回 (1960年12月31日、日本劇場) - 『駄目デス』
- 第12回 (1961年12月31日、東京宝塚劇場) - 『石松金毘羅道中』
- 第13回 (1962年12月31日、東京宝塚劇場、ビデオリサーチ初調査 視聴率80.4%) - 『うかれ駒』
- 第14回 (1963年12月31日、東京宝塚劇場、ビデオリサーチ 視聴率81.4%) - 『銀座かっぽれ』
ドラマ
- お父さんの季節(1958年10月-1961年3月、NHK)
- 夕やけ天使(1960年8月-1961年7月、KR系 タケダアワー)
- 学園まえ(1961年4月-1962年3月、NHK)
- 負けるな!ビンちゃん(1961年9-12月、CX系) - 主演
- 新日本百景(1963年、NHK) - 第24回「長ぐつの唄 小樽積丹」主演
- 夫婦百景(日本テレビ系)- 第317回「女房はあわて者」主演
- 悪魔くん(1966年10月-1967年3月、NET系) - 真吾の母役
- 意地悪ばあさん(YTV系)
- 第51話「免許皆伝の巻」(1968年)
- 第57話「お手伝いさん求むの巻」(1968年)
- 第66話「ズッコケ正月の巻」(1969年)
- 笑ってよいしょ(1969年4月-6月、日本テレビ系)
- 独身のスキャット 第7話(1970年、TBS系)
- 好き! すき!! 魔女先生 第2話「トンテンカントンチンカン」(1971年10月、朝日放送系)
- パパと呼ばないで(1972年10月-1973年9月、日本テレビ系)
- ウルトラマンタロウ 第21話「東京ニュータウン沈没」(1973年8月、TBS系) - 正一の母
- ラブラブ・ライバル(1973年10月-1974年3月、TBS系)
- 雑居時代(1973年10月-1974年3月、日本テレビ系)
- アイフル大作戦(1973-1974年、TBS・東映)
- 第2話「男性飼育必敗法」
- 第42話「今晩わ!私たち人殺しなの 」
- 水もれ甲介 第8話「泣くなチャミー!」(1974年12月、日本テレビ系)
- 赤サギ[5](1978年9月-10月、NHKドラマ人間模様)
- 沿線地図(1979年4月-7月、TBS系)
- 熱中時代 刑事編 第21話「熱中刑事タヌキ狩り」(1979年9月、日本テレビ系)
- 夢千代日記(1981年2月-3月、NHKドラマ人間模様)
- 秘密のデカちゃん(1981年、大映テレビ / TBS) - 猫の声
- 新・事件 わが歌は花いちもんめ(1981年9月-10月、NHK ドラマ人間模様)
- 土曜ワイド劇場 (テレビ朝日系)
- 「変装探偵! 殺人鬼はバラが好き」(1981年9月)
- 「密会の宿(1)」(1984年11月)
- 「密会の宿(6)」(1991年4月)
- 大江戸捜査網 第531話「母に託す謎の印籠」(1982年、TX / 三船プロ) - おかつ
- 御宿かわせみ 第2シリーズ(1982年10月-1983年4月、NHK) - お花
- 火曜サスペンス劇場「蝶たちの殺意」(1983年3月、日本テレビ系)
- ザ・サスペンス「共犯の女たち」(1984年3月、TBS系)
- 流れ星佐吉 第10話「名裁き大逆転」(1984年、KTV / 松竹)
- その時、妻はII(1985年10月、TBS系)
- セーラー服反逆同盟 第18話「20億円の夢!シンデレラ騒動」(1986年10月、日本テレビ系)
- 夏家族(1987年7月-10月、東海テレビ放送=フジテレビ系)
- パパは年中苦労する(1988年4月-7月、TBS系)
- はぐれ刑事純情派(1989年) - 寺沢松枝
- 青春家族(1989年4月-9月、NHK連続テレビ小説)
- 社長になった若大将(1992年4月、TBS系)
- 江戸を斬るVIII 第8話「悪たれ婆さんの涙」(1994年3月、TBS系) - おくま
- ぼくらの勇気 未満都市 第10話「最後の勇気」(1997年12月、日本テレビ系)
- 鶴亀ワルツ(1998年11月-12月、NHK)
- 菊亭八百善の人びと(2004年3月-5月、NHK月曜ドラマシリーズ)
子供番組
- おはよう!こどもショー(1965-79年、日本テレビ系) - ビンちゃん役、1960年代に出演
演劇
- ゆかいな海賊大冒険 (1982年・1983年・1984年) - カルメン (海賊船の食事係)
外国映画吹替え
CM
- 花王石鹸の歌(花王石鹸(現・花王))
- かーんかーんカネボウ(カネボウ)
- ノーシンの唄(アラクス)
- 農家はヰセキ(井関農機)
- 素敵なダンセット(日東紡績)
- シャンシャンオーシャン波の上(三楽オーシャン(現・メルシャン))
- シチズンCちゃん(シチズン時計)
- ハマフォームの唄(横浜ゴム)
- みんみんミゼット(ダイハツ工業)
- トン・トン・トマトまっかっか(カゴメ)[6]
- カシミロンの唄(旭化成)[7]
- サロンパス(久光製薬)[8]
- ヴイックスの唄(日本ヴィックス(現・大正製薬))
- テル(ADEKA)
- アツギのタイツで(アツギ)
- パント錠の唄(第一製薬(現・第一三共ヘルスケア))
- 長生きチョンパ(船橋ヘルスセンター)[9]
- ハウス・バーモントカレーの唄(ハウス食品)[10]
- かっぱの唄(黄桜酒造)
- 仁丹の歌(森下仁丹)
- 講談社の歌(講談社)
- 淀屋橋から三条へ京阪特急(京阪電気鉄道)
- 丸井の歌(丸井)
- ブリヂストン チャンピオン オートバイの唄(ブリヂストン)
- 近鉄特急(近鉄のうた)(近畿日本鉄道)
- 紀文のはんぺん(紀文)
- メガネの相沢のうた(メガネの相沢)※2バージョンあり
など。
註
- ↑ 1.0 1.1 1.2 コトバンクサイト内の記事「楠トシエ」の記述を参照。
- ↑ 週刊女性1964年8月5日号掲載の記事に「(東京都)北区滝野川にあった私立扶桑女子商業を終戦の年に卒業」とある。ノート:楠トシエ#「扶桑女子商業学校」を参照。
- ↑ 『“元祖コマソンの女王” 楠トシエ大全』(キングレコード、2007年12月26日)のタイトルを参照。
- ↑ コマソン女王楠トシエ80歳で初CD - 芸能ニュース : nikkansports.com
- ↑ ドラマ人間模様 赤サギ - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス
- ↑ ブライト・リズム・ボーイズ、リズム・シスターズとの合作。
- ↑ ノール・クァルテットとの合作。
- ↑ ボニー・ジャックスとの合作。
- ↑ フォー・コインズとの合作。
- ↑ ブラック・キャッツとの合作。
関連項目
外部リンク
- 楠トシエ のプロフィール - allcinema
- 楠トシエ - 日本映画データベース