トランジットモール
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トランジットモール(Transit mall)とは、自家用自動車の通行を制限し、バス、路面電車、LRT、タクシーなどの公共交通機関[1]だけが優先的に通行できる形態の歩車共存道路を指す[2]。
欧州[3]では都市中心域の歩行者空間(広場)に公共交通機関が進入し共存する形態がしばしば見られるが、北米においてはこれを参考にしながらも、主に公共交通機関への依存度が高い低所得者層を呼び込むことにより、中心市街地を活性化させる施策の一つとして導入された[2]。
概要
1962年、アメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリス市において、ニコレット通りがアメリカで2番目のモール(歩行者専用道路)としてバス・タクシーのみ乗り入れで計画され、1967年から実施されたのが世界最初である。
日本では、1999年3月15日 - 3月28日に浜松市が遠州鉄道と共にオムニバスタウン施策の一環として試験的に運用したのが最初である。しかし、これは静岡県警との交渉が長引いたことなどが起因し、PR不足や短い実施期間が災いとなり、効果があまり得られず本格実施に至らなかった。
北米の導入事例
- アメリカ合衆国
- コロラド州デンバー市(16thストリート・モール)
- ミネソタ州ミネアポリス市(ニコレット・モール)
- オレゴン州ポートランド市(ポートランド・トランジット・モール)
- ワシントン州タコマ市(コマース通り・パシフィック通り)
- カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー市(グランビル・モール)
日本国内の導入事例
既に実施されている地域
- Transitmall Kanazawa.jpg
金沢市横安江町商店街
- Yokoyaueshotengaisign.jpg
金沢市横安江町商店街(交通規制標識)
- Himeji Otemae-dori Street 201506 01.JPG
姫路市大手前通り
導入が予定・検討されている地域
脚注
- ↑ 公共交通機関を意味する「トランジット(Transit)」は北米英語であり、したがって「トランジットモール」も北米における概念・言葉である。
- ↑ 2.0 2.1 窪田陽一 2009, p. 196.
- ↑ 欧州では、北米の「トランジットモール」に相当する概念は無い。
- ↑ 姫路観光優しくおもてなし 城望む駅北側、歩行者空間に
- ↑ 姫路駅周辺整備/播磨の玄関にふさわしく
- ↑ 福井市:中心市街地活性化に向けたトランジットモール等社会実験独立行政法人環境再生保全機構(pdfファイル)
- ↑ 歩行者と路面電車の空間整備について~トランジットモールの導入に向けて~国土交通省 LRT等利用促進施策検討委員会(pdfファイル)
参考文献
- 窪田陽一 『道路が一番わかる』 技術評論社〈しくみ図解〉、2009-11-25、初版。ISBN 978-4-7741-4005-6。