イスラーム教徒による性的マイノリティー迫害
イスラーム教徒による性的マイノリティー迫害(イスラームきょうとによるせいてきマイノリティーはくがい)は、イスラームの教義との関連をめぐり激しい議論がかわされている分野である。
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概要
歴史的に見て、ペルシアやトルコ、インドなどにおいては同性愛者に対して寛容な雰囲気が強く、権力者の多くは美少年の小姓を抱えていたとされる。しかし現在ではイランにおいて同性愛者が死刑に処されるなど、イスラーム圏における同性愛者への処罰は厳しいものとなっている。国連の同性愛者への処罰を廃止するよう求める決議案がイスラーム圏の反対に依り可決を見送られた事例もある[1]。
これに対し、イスラム法学者からはクルアーンやハディースを挙げてこれらの人権侵害を正当なものとする意見が出され[2][3][4]、それに対して反イスラーム主義者はイスラームにおいて性的マイノリティーの権利の擁護は不可能だと断じた。しかし、リベラル・イスラームの存在や歴史的には性的マイノリティーへの寛容がイスラーム圏でも見られたことから、このような二項対立を疑問視する意見もある。
各国に於ける性的マイノリティー迫害
イラン
イランでは同性愛は犯罪行為であり、被疑者が同性愛の事実を認めた場合、死刑を含む刑罰で罰せられる。実際に処刑者も数多く出ており、非イスラーム圏からは非難を浴びている[5][6]。これは、ムハンマドやアリーが同性愛者を処刑したハーディス(伝承)に基づいたイスラーム法の同性愛者処刑規定をそのまま国法としたものである[7]。
イラン国内で同性愛者は、その性的指向を隠し生活しており、亡命者も数多く出ている。亡命が拒否された場合、イランに送還され死刑に処される危険性もあり、日本や欧州などでこのような亡命者の取り扱いをめぐって時折論争が起こることがある[8][9]。
また、前大統領のマフムード・アフマディーネジャードもホモフォビアの人物として知られており、このような政策を継続していく姿勢を明らかにしていた。
エジプト
エジプトでも同性愛者は厳しく迫害されており、たびたび摘発と逮捕が行われているが[10]、イランに比すればやや状況は良好であり、死刑が執行されることは無い。
サウジアラビア
サウジアラビアでは、同性愛者は宗教警察に当たる勧善懲悪委員会によって取り締まられる。発覚した場合逮捕され、ソドミー罪として死刑に処される。
モロッコ
ガンビア
前ガンビア大統領であるヤヒヤ・ジャメはイスラム原理主義者としても知られ、同性愛者に対して激しい憎悪を燃やしている。2008年5月には、国内の同性愛者に対して国外退去か死刑かを選ばせる通告を発した[11]。
その他の諸国
シリアとイラクの一部を占領し独立を主張しているイスラム過激派組織「イスラム国」(ISIL)はシャリーアを根拠とし、同性愛者を30人以上殺害しているとされる[12]。
参照
- ↑ 国連・同性愛差別禁止決議案がイスラム教国によって阻止される
- ↑ イスラム教シーア派指導者が「同性愛者には最も残酷な方法で死を」と発言
- ↑ イスラム法学者カラダウィー
- ↑ イスラーム的女性解放
- ↑ イランで少年が同性愛で処刑される
- ↑ イランで再び同性愛者男性が処刑
- ↑ イラン・イスラーム共和国と姦通・同性愛に関する死刑の執行
- ↑ チームS・シェイダさん救援グループ
- ↑ ベガーさん強制送還反対
- ↑ 船上ゲイ・パーティーの参加者全員逮捕
- ↑ President plans to kill off every single homosexual
- ↑ 「イスラム国」が性的少数者を迫害安保理が初討議 産経新聞 2015年8月25日