高知自動車道
高知自動車道(こうちじどうしゃどう、KOCHI EXPRESSWAY)は、愛媛県四国中央市の川之江ジャンクション (JCT) から高知県高岡郡四万十町の四万十町中央インターチェンジ (IC) に至る延長118.5キロメートル (km) の高速道路(高速自動車国道)である。略称は高知道(こうちどう、KOCHI EXPWY)。
高速道路ナンバリングによる路線番号は、川之江JCT - 高知IC間が「E32」、高知IC - 四万十町中央IC間[注釈 1]が「E56」と各区間割り振られている[1]。また、先述の高知IC - 四万十町中央IC間は、標識や西日本高速道路株式会社のホームページなどでは高知自動車道と案内されているが、高速道路ナンバリング路線図や一覧では、四国横断自動車道と案内されている。
なお、須崎東IC - 須崎西IC間は高知自動車道に並行する一般国道自動車専用道路の須崎道路である。
Contents
概要
国土開発幹線自動車道の路線名は四国横断自動車道で、その一部にあたる。
四国山地を縦断し、トンネル42本(下り線は39本)、橋梁92本を有する山岳道路である。川之江東JCT - 南国IC間には約50 kmの区間に上り線22本、下り線19本ものトンネルがあり、2008年7月31日に川之江東JCT - 高知IC間の全線4車線化が完了するまでは県境付近のトンネルが暫定2車線でトンネル内部の道路照明灯も暗かったため非常に走りづらく、死亡事故も発生していた[2]。
須崎西IC - 四万十町中央IC間は、国土交通省の新直轄方式により建設されており、通行料金は無料になる。そのため、土佐PA - 須崎東IC間に須崎東本線料金所が2007年7月31日に供用され、須崎東IC料金所は撤去された。
インターチェンジなど
- IC番号欄の背景色が■である区間は既開通区間に存在する。
施設欄の背景色が■である区間は未開通区間または未供用施設に該当する。 - スマートインターチェンジ (SIC) は背景色■で示す。
- 路線名の特記がないものは市道。
- バスストップ (BS) のうち、○/●は運用中、◆は休止中の施設。無印はBSなし。
- 英略字は以下の項目を示す。
IC 番号 |
施設名 | 接続路線名 | 起点 から (km) |
BS | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
6 | 川之江JCT | E11 高松自動車道 E11 松山自動車道 |
56.8 | - | 愛媛県 | 四国中央市 | |
7 | 川之江東JCT | E32 徳島自動車道 | 59.2 | - | |||
8 | 新宮IC | 県道5号川之江大豊線 | 67.8 | ||||
- | 馬立PA | - | 69.5 | 川之江JCT方面のみ | |||
- | 立川PA | - | 80.5 | 高知IC方面のみ | 高知県 | 大豊町 | |
9 | 大豊IC/BS | 国道439号 | 86.0 | ○ | |||
10 | 南国IC | 国道32号 | 107.0 | 南国市 | |||
- | 南国SA | - | 109.7 | ||||
11 | 高知JCT | E55 高知東部自動車道(事業中) | 114.7 | - | 2020年度供用予定[3] | 高知市 | |
高知IC | 県道44号高知北環状線 | ||||||
12 | 伊野IC | 国道33号(高知西バイパス) | 125.0 | いの町 | |||
13 | 土佐IC | 国道56号(土佐市バイパス) | 134.0 | 土佐市 | |||
13-1 | 土佐PA/SIC | 国道56号(市道経由) | 139.5 | SICは高知IC方面のみで6 - 22時 | |||
- | 須崎東TB | - | 148.5 | - | 須崎市 | ||
14 | 須崎東IC | 国道56号 | 148.9 | 高知IC方面出入口 | |||
15 | 須崎中央IC | 県道310号須崎停車場線 国道56号 |
152.2 | 高知IC方面出入口 | |||
- | 新荘川橋東詰仮出入口[4] | 国道56号 | 153.4 | 2011年3月5日廃止 | |||
16 | 須崎西IC | 国道56号 | 153.8 | 四万十町中央IC方面出入口 道の駅かわうその里すさき 高知IC方面のみ道の駅への連絡路あり | |||
17 | 中土佐IC | 国道56号 | 160.6 | 中土佐町 | |||
18 | 四万十町東IC | 県道387号四万十町東インター線 | 169.2 | 高知IC方面出入口 | 四万十町 | ||
19 | 四万十町中央IC | 国道56号 | 175.3 | キロポストは175.2KPまで | |||
E56 高知自動車道(窪川佐賀道路)(事業中) 黒潮大方方面 |
歴史
- 1987年(昭和62年)10月8日 : 大豊IC - 南国IC間が開通。
- 1991年(平成3年)12月20日 : 須崎東IC以西の基本計画が決定。
- 1992年(平成4年)1月30日 : 川之江JCT - 大豊IC間の開通により高松自動車道および松山自動車道と接続。
- 1996年(平成8年)12月27日 : 須崎西IC - 四万十中央IC間の整備計画が決定。
- 1998年(平成10年)3月20日 : 南国IC - 伊野IC間が開通。
- 2000年(平成12年)3月11日 : 川之江東JCTが供用。これにより徳島自動車道と接続しエックスハイウェイが完成する[5]。
- 2002年(平成14年)9月16日 : 伊野IC - 須崎東IC間が開通。
- 2005年(平成17年)
- 4月12日 : 川之江東JCT - 馬立PA間が4車線化。
- 4月23日 : 大豊IC - 南国IC間が4車線化。
- 10月1日 : 日本道路公団の民営化により西日本高速道路株式会社の管轄となる。
- 2007年(平成19年)7月31日 : 須崎東IC料金所を廃止し須崎東本線料金所 (TB) を供用[6]。
- 2008年(平成20年)7月31日 : 馬立PA - 大豊IC間および南国IC - 高知IC間が4車線化[7]。
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)2月2日 : 高知IC - 須崎東TB間が、無料化社会実験の対象区間に指定。
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年)12月9日 : 中土佐IC - 四万十町中央IC間が開通[9]。
- 2018年(平成30年)
路線状況
車線・最高速度・料金
区間 | 車線 上下線=上り線+下り線 |
最高速度 | 料金 |
---|---|---|---|
川之江JCT - 川之江東JCT | 4=2+2 | 70 km/h | 有料 |
川之江東JCT - 高知IC | 80 km/h | ||
高知IC - 須崎東IC | 2=1+1 (暫定2車線) |
70 km/h | |
須崎東IC - 四万十町中央IC | 無料 |
サービスエリア・パーキングエリア
- 当路線にはサービスエリア (SA) が1か所とパーキングエリア (PA) が2か所[13]の合計3か所の休憩施設が存在する。
- 南国SAは上り線が一般的なSAとしての設備が整っている一方、下り線はガソリンスタンドとレストランが設置されておらず、一般的なPA並みの設備内容となっている。ガソリンスタンドも含め、深夜営業を行っている店舗はない。
- 上り線の馬立PAと下り線の立川PAは一般的なPAの設備内容だが、スナックコーナーやショッピングコーナーは8:00 - 19:00(冬期間は18:00)と営業時間が短い[14][15]。
- 土佐PAはトイレと自動販売機のみの設備内容となっている。
主なトンネルと橋
区間 | 構造物名 | 長さ | |
---|---|---|---|
上り線 | 下り線 | ||
川之江東JCT - 新宮IC | 法皇トンネル | 3,120 m | 3,120 m |
大影トンネル | 1,310 m | 1,290 m | |
黒田トンネル | 1,870 m | 1,840 m | |
馬立PA - 立川PA | 笹ヶ峰トンネル | 4,300 m | 4,310 m |
立川トンネル | 780 m | 710 m | |
立川PA - 大豊IC | 一の瀬第一トンネル | 1,300 m | 1,230 m |
大豊IC - 南国IC | 津家トンネル | 510 m | 520 m |
堂々谷トンネル | 980 m | 870 m | |
桧生トンネル | 2,550 m | 2,540 m | |
明神トンネル | 3,720 m | 3,730 m | |
馬瀬トンネル | 1,210 m | 1,220 m | |
繁藤トンネル | 1,380 m | 1,380 m | |
平山トンネル | 1,410 m | 1,380 m | |
南国IC - 南国SA | 岡豊トンネル | 520 m | 470 m |
南国SA - 高知IC | 逢坂山トンネル | 600 m | 620 m |
高知IC - 伊野IC | 薊野トンネル | 650 m | |
宇津野トンネル | 910 m | ||
伊野IC - 土佐IC | 朝倉トンネル | 740 m | |
八田トンネル | 1,500 m | ||
仁淀川橋 | 1,180 m | ||
土佐PA/SIC - 須崎東IC | よさこいトンネル | 2,100 m | |
ためさだトンネル | 600 m | ||
須崎東IC - 須崎中央IC | お馬トンネル | 505 m | |
須崎西IC - 中土佐IC | 新角谷トンネル | 2,500 m | |
焼坂第一トンネル | 2,040 m | ||
焼坂第二トンネル | 900 m | ||
中土佐IC - 四万十町東IC | 川崎トンネル | 545 m | |
久礼坂トンネル | 927 m | ||
大阪谷トンネル | 955 m | ||
影野トンネル | 2,393 m |
トンネルの数
区間 | 上り線 | 下り線 |
---|---|---|
川之江JCT - 川之江東JCT | 0 | 0 |
川之江東JCT - 新宮IC | 3 | 3 |
新宮IC - 馬立PA | 1 | 1 |
馬立PA - 立川PA | 6 | 3 |
立川PA - 大豊IC | 4 | 4 |
大豊IC - 南国IC | 8 | 8 |
南国IC - 南国SA | 1 | 1 |
南国SA - 高知IC | 2 | 2 |
高知IC - 伊野IC | 6 | |
伊野IC - 土佐IC | 3 | |
土佐IC - 土佐PA/SIC | 0 | |
土佐PA/SIC - 須崎東IC | 2 | |
須崎東IC - 須崎中央IC | 1 | |
須崎中央IC - 須崎西IC | 1 | |
須崎西IC - 中土佐IC | 4 | |
中土佐IC - 四万十町東IC | 4 | |
四万十町東IC - 四万十町中央IC | 0 | |
合計 | 46 | 43 |
- 高知IC - 四万十町中央IC間は暫定2車線の対面通行であるため、上下線で1本のトンネルとなっている。
道路管理者
- 西日本高速道路株式会社 四国支社
- 香川高速道路事務所 : 川之江JCT - 新宮IC
- 高知高速道路事務所 : 新宮IC - 須崎東IC
- 国土交通省 四国地方整備局
- 土佐国道事務所 : 須崎東IC - 四万十町中央IC
ハイウェイラジオ
- 立川(新宮IC - 大豊IC)
交通量
24時間交通量(台) 道路交通センサス
区間 | 平成17(2005)年度 | 平成22(2010)年度 | 平成27(2015)年度 |
---|---|---|---|
川之江JCT - 川之江東JCT | 11,337 | 12,850 | 14,314 |
川之江東JCT - 新宮IC | 9,972 | 11,382 | 12,247 |
新宮IC - 大豊IC | 9,830 | 11,178 | 12,047 |
大豊IC - 南国IC | 11,086 | 12,986 | 13,572 |
南国IC - 高知IC | 9,945 | 11,574 | 11,610 |
高知IC - 伊野IC | 8,984 | 20,555 | 10,980 |
伊野IC - 土佐IC | 6,752 | 16,669 | 9,348 |
土佐IC - 土佐PA/SIC | 6,151 | 16,848 | 9,978 |
土佐PA/SIC - 須崎東IC | 16,380 | 9,754 | |
須崎東IC - 須崎中央IC | 調査当時未開通 | 9,959 | 6,762 |
須崎中央IC - 須崎西IC | ※7,503 | 5,380 | |
須崎西IC - 中土佐IC | 調査当時未開通 | 12,936 | |
中土佐IC - 四万十町東IC | 9,429 | ||
四万十町東IC - 四万十町中央IC | 8,305 |
(出典:「平成22年度道路交通センサス」・「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)
- 2010年度調査時において高知IC - 須崎東IC間は無料化社会実験の対象区間指定により、通行料が無料であった。そのため対象区間における交通量は、前回2005年調査時に比べ軒並み2倍以上に増加している。
- ※印は当時、須崎西ICは存在せず未開通で、道の駅かわうその里すさき付近に高知IC方面の仮出入口が設けられていた[4]。
地理
通過する自治体
接続する高速道路
脚注
注釈
出典
- ↑ “高速道路ナンバリング一覧”. 国土交通省. . 2017閲覧.
- ↑ “高知道玉突き事故は防げたか”. 株式会社 四国新聞社 (2003年2月23日). 2003年7月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2018閲覧.
- ↑ “高知東部自動車道 一般国道55号 高知南国道路・南国安芸道路 (PDF)”. 国土交通省 四国地方整備局 土佐国道事務所. p. 2. . 2018閲覧.
- ↑ 4.0 4.1 4.2 “国道56号須崎道路(自動車専用道路)全線開通! 〜 高速ネットワークが更に西へ延伸 〜 (PDF)”. 国土交通省 四国地方整備局 土佐国道事務所/須崎市 (2009年3月25日). . 2018閲覧.
- ↑ “高知自動車道 これまで果たした役割の振り返り (PDF)”. 西日本高速道路株式会社. p. 1. . 2018閲覧.
- ↑ “高知自動車道 須崎東インターチェンジの料金所位置を変更いたします。 〜平成19年7月31日(火)15時より現在工事中の本線料金所を運用開始いたします〜”. 西日本高速道路株式会社 四国支社 (2007年6月29日). . 2018閲覧.
- ↑ “高知自動車道(川之江JCT〜高知IC)が7月31日より4車線となります”. 西日本高速道路株式会社 (2008年6月23日). . 2018閲覧.
- ↑ “明日15時、四国横断自動車道(須崎西IC〜中土佐IC)が開通します。 〜 新直轄方式では、四国初の開通 〜 (PDF)”. 国土交通省 四国地方整備局 土佐国道事務所 (2011年3月4日). . 2018閲覧.
- ↑ “〜「命の道」が延伸します〜 四国横断自動車道(中土佐IC〜四万十町中央IC) ≪平成24年12月9日(日)開通≫ (PDF)”. 国土交通省 四国地方整備局 中村河川国道事務所/土佐国道事務所 (2012年11月9日). . 2018閲覧.
- ↑ “E32高知道 土砂流出にともなう橋梁上部工流出災害(立川橋:上り線)について(第1報)” (PDF) (プレスリリース), 西日本高速道路株式会社, (2018年7月7日) . 2018閲覧.
- ↑ “高知自動車道の通行止めの解除について 〜川之江東JCT〜大豊IC(27km)本日(13日)11時に通行止め解除〜” (PDF) (プレスリリース), 西日本高速道路株式会社, (2018年7月13日) . 2018閲覧.
- ↑ “高知自動車道(川之江東JCT〜大豊IC)通行再開について”. 高知市ホームページ. 観光振興課. 高知市 (2018年7月13日). . 2018閲覧.
- ↑ 馬立PAと立川PAはそれぞれ片方向にしか存在しないので、ここでは1つのパーキングエリアとみなす。
- ↑ “馬立パーキングエリア(上り線)”. 西日本高速道路サービス・ホールディングス株式会社. . 2018閲覧.
- ↑ “立川パーキングエリア(下り線)”. 西日本高速道路サービス・ホールディングス株式会社. . 2018閲覧.