国民食
提供: miniwiki
国民食(こくみんしょく)とは、世代や地域、性別などに影響されることなく大衆に親しまれている食品、または料理を指す用語。
各国の国民食
アジア
- 主食としての米飯、おにぎり、お茶漬けなどをあげる人は多い(ただし一般の民衆が日常的に白米を食べることが出来るようになったのは戦後になってからである)。麺類であるうどんやそばもよく挙げられる。納豆、梅干しや沢庵漬けなどの漬物、味噌、醤油、ふりかけ等は日本国外で手に入りにくく、これらを海外旅行に携帯していく人も少なくない。海産物を多く食する傾向にあるため、各種の魚介類や寿司、海苔なども挙げられる。他は「日本料理」を参照。
- 日本人の国民食として、ハンバーグ[1]、ラーメン、カレーライス、肉じゃがなどの「外来料理」を挙げる意見もある。
- 日本で国民食とされるおもな食べ物
- 小麦粉の皮で肉を包み込んだ料理、ボーズが代表。
- 第一に挙げられるのはキムチである。韓国では日本と同じく、炊き上げた米を主食としているが、毎日の食事にキムチを欠かさないという人は多い。 韓国料理はスープ類が発達していることが特徴で、スープが主菜になることが多く、韓国人の食事に欠かせない物である。特にタットリタン、サムゲタン、ミヨックク(ワカメスープ)、キムチチゲ、テンジャンチゲは、家庭でよく飲まれる。また、トッポッキと呼ばれる餅料理や、チャジャンミョン(韓国風ジャージャー麺)、インスタントラーメン(ラーミョン)、チャンポン(海鮮系の辛い麺)などと呼ばれる麺料理も国民食と言われている。
- 北朝鮮の料理は韓国に比べると辛くないことが多い。冷麺や犬肉料理(タンゴキと呼ばれている)、アヒル肉料理などが食べられている。また、近年の食糧難からじゃがいもや大豆、トウモロコシなどを主食にした料理もでてきている。
- 地域によって食文化が大幅に異なる(北京料理・四川料理・上海料理・広東料理などに大別される)ため、一概にこれと呼べるものを探すのは難しい。広い地域で食べられている料理としては、餃子や焼売・油条・月餅・饅頭・粥などがある。
- ベトナム料理を参照。米が主食で、チャオ・ガーなどの粥類、チキンライス、ライスヌードルであるフォーが広く食されている。南北で食文化が異なり、バインセオのように、南部ホーチミン市では日常的な料理だが、北部ハノイ市ではそうではないものもある。また調味料としての魚醤は、東南アジア全域におけるソウルフードといえる。フランス領インドシナとなった歴史があるため、バインミー(フランスパンのサンドイッチ)、ベトナムコーヒーのような、フランス共和国由来のフランス料理がある。
- 他の東南アジア諸国や、日本・韓国と同じく主食は米。辛い味付けが好きで、スープ料理ではトムヤムクンが広く食されている。他に豚肉や鶏肉が食されているが、南部地域ではイスラム教徒が居住しているため、豚肉・酒は食のタブーである。また北部のイーサーン料理は、ラオス料理に近くタイ料理の主流とは異なる。
- インド料理を参照。南インドと北インドで大きく食文化が異なる。基本的には、米またはチャパティなど、小麦粉で作ったパンのようなものを主食とし、外国人に「カレー」と呼ばれるスパイスを用いた煮込みや、スープ料理を副食として必ず食べる。南インドではラッサムやサンバール、北インドではコルマなどがこれにあたる。
オセアニア・太平洋
中近東・北アフリカ
- コシャリと呼ばれる混ぜご飯や、アエイシーという平べったいパンに何かを付けて食べたりする。モロヘイヤスープやレンズ豆スープが常食される。ムサカやケバブといった近隣諸国と共通する料理も国民的に親しまれている。
- モロッコ料理を参照。ホブズと呼ばれるパンや、小麦粉を小さな固まりに丸めたクスクスを主食とする。他の西アジア・北アフリカ圏と同様、羊肉がもっともよく食べられる肉であり、ケバブやマルガズと呼ばれるソーセージなどにされる。
ヨーロッパ
- フライドポテトが大量に付け合わされた料理が多く、庶民ではフィッシュ・アンド・チップスがよく挙げられる。「イギリス料理に旨いものなし」などと揶揄されることも多いが、キドニーパイやヨークシャー・プディングなど独自の料理もある。イギリス生まれのカレーであるチキンティッカマサラも人気である。
- 高級料理が多いように思われがちだが、ポトフなどはフランス家庭料理の定番である。
- ピロシキ、ボルシチ・シチー、ビーフストロガノフなどがよく知られる。ロシアではカーシャという粥、ブリヌイというパンケーキ状のもの、ペリメニという餃子に似た料理を日常食べている。味付けにはサワークリームが多用される。
北中米
- 国家の成立に、多数の移民が関わっている国である事から、ニューイングランド料理(東部)・フランス料理(中南部)・西海岸の海の幸を使ったコースト料理・メキシコ料理・フライドチキンのような南部料理、ソウルフードなどの種類がある。
- 大衆食としてはファーストフードであるホットドッグやハンバーガー、ピザ、コーラなどの炭酸飲料、アイスクリーム、コーヒーなどが普及している。特にホットドッグは、アメリカの国技である野球との関わりもあって、アメリカ人にとって特別な食べ物と位置づけられることが多い。"~ is as American as apple pie."(〜はアップルパイぐらいアメリカ的)という言い回しの通り、アップルパイも、アメリカの国民食的存在のようである。
- また感謝祭に、家族揃って食べる七面鳥や、仲間同士でグリルを囲むバーベキューも、アメリカ人共通の思いの込められた料理である。他、アメリカ料理も参照。
- トルティーヤと呼ばれるトウモロコシや、小麦粉を原料とした薄焼きパンに具を盛り、サルサやフリホレスで調味してタコス、ブリトーなどとして食べる。ほかに、蒸留酒であるテキーラもよく飲まれる。メキシコ料理も参照。
南米
- 畜産国であるため、肉料理やそれに付随するワインが親しまれている。
- ブラジル料理の項目にもあるが、アメリカと同様に多民族国家であるため、さまざまな文化をルーツとした料理が発達している。特徴としては、多種多様な種類の豆を使った料理が多いこと。豆や肉を煮込んだ料理は「フェジョアーダ」と呼ばれ、ブラジルでは国民食として親しまれている。
その他
1997年公開のジョージ・ティルマン・Jr監督、脚本のアメリカ映画『ソウルフード』(原題:Soul Food)は、家族愛で結ばれた黒人の一家が共に囲む食卓を一家の絆としていく物語。アメリカ南部の伝統的な料理が登場する。